向田理髪店 の商品レビュー

奥田英朗(著者)

2016/10/03

面白かった。過疎地の問題に綺麗事を言わないところに好感を持った。死にゆく街とそれでもそこで暮らす人たちを暖かく描いてて、田舎面倒くさそうだなーと思いながらも楽しく読めた。

2016/10/01

北海道の財政破たんした過疎の町で起こる、小さくて小さくて大きな出来事。
「田舎っていいよね、ほっとする」なんて無責任に言えないな。
ただ、先細りの田舎の町にも、康彦みたいなおじさんがいればまだ大丈夫なんじゃないか、と思ってしまう。康彦、いい人だよねぇ。

2016/09/26

さびれていく一方の田舎町に暮らす人々。みんな顔馴染みでよい面もあれば、秘密ができないということでマイナス面もある。そんな中で日常と現実を生きる姿は、今日本には多数あるのだろうなと思った。映画ロケや若者の盛り上げ力、憂いもあるが最後は見守ろうとしている康彦。そんな大人がいることだけで救われることも多い。

2016/09/24

田舎暮らしの悲喜こもごも。
やっぱめんどくさい人間関係は大変そう。
他人事だと面白いし
いいところもあるのかもしれないが
住むのは遠慮したい。

2016/09/21

財政破綻した北海道の炭鉱の町が舞台の人間ドラマ。それなりにほっこりはするけど、可もなく不可もなしな印象です。

2016/09/19

一気に読んだ。面白かった。都会ではなかなか分からない田舎の人間関係。何もかも筒抜けの街での話。
人とかかわらない都会とは違い、筒抜けだけど困った時はできる人が町中皆で協力する。田舎ならではの良さが伝わってきた。

昔栄えた炭鉱の町。東京から立て直しに役人がくるが、再建に向けた手立てはまだ見つからず。どんどん過疎が進んでいき、若者は町からいなくなる。地方都市ではよくある風景だと思う。産業がないから仕事がない、仕事がないから若者がいない。悪循環。

その町で理髪店を営む向田康彦。息子が跡を継ぐと実家に帰ってくるが、確かに親であれば、過疎の村に帰ってきてもらうほうが心配だと思う。その親としての考えがよく伝わってきた。

向田理髪店・・・町役場の佐々木がいい。威張っていないで、東京からきたが、感情に左右されることなく自分の役割をわかって仕事をしている。向田の息子はじめ、青年団のメンバーが勉強会に行くのもわかる。

祭りのあと・・・年老いた親を地方に残し、地元に残らなかった子供。老夫婦だけの介護。それを手伝う近所の人々。お金、病院、介護、他人事ではない。

中国からの花嫁・・・地方での嫁不足。中国からきた嫁の人懐っこさに、救われるのでは。地方で独身のまま40代を迎えるということは厳しいのかなとも思った。

小さなスナック・・・娯楽が少ないから、町の人がそこに集まってしまうということは分かる。さなえに男性陣は群がるが女性陣が距離を置いているところもなんとなくうなずける。

赤い雪・・・映画のロケの舞台となる。しかしその映画は連続殺人事件でR15というもの。試写を見た町の人の反応もわかるが、それよりも、窓口となっている担当の割り振り（ホテル、旅館の采配や、弁当、食事の調達など）地元へ落ちていくお金の采配をしなければならないところが大変だなと思った。平等にできるのが一番だが、小さな町だし。

逃亡者・・・指名手配されてしまった、元地元の優秀な大学生。小さな町で身内が犯罪者となってしまったら住みにくいことだろう。都会だと関わらないようにするが、なかなか外に出ない家族に対して、食事を届けたりする。それが、また田舎の良さでもあるのかなと感じた。

このシリーズであと少し、何篇か読んでみたいと思った。

2016/09/13

都会も田舎も大変。

なかなかドラマチックは町だよね？
映画は撮るし、全国指名手配は出るし。

続編がいくらでも書けそうなので
息子が理容師になった話が読みたいな。

2016/08/20

1時間くらいでサラッと読んだ。登場人物がみんなとってつけたような浅さで大根役者だらけの芝居見た気分！お母さんのために田舎に戻ったスナックのママが気になるくらいかな。あとは最後の章の何気ない会話が人を救ってくれる様子も立て続けでよかった。雑誌向けにサラッと書いたのだろうけどなんか奥田英朗にもがっかり。中国人妻の章が短絡的で一番イヤ。人の嫁を美人かとか、そんな話してるから結婚が遠のくんだよ。

2016/08/13

過疎の町で理髪店を営む50代の主人公の物語。
20代中盤の息子が、ゆっくり逼塞していこうとする町に戻ってきて理髪店を継ぐことを望む。
表向きどう説明してきたかは別として、寂しい思い、切ない思いをなんとか胸に沈めて、なんとかやり過ごしてきた。これからも思い通りになることばかりではないけど、少し胸が暖かくなるようなことを見つけながら、過ごしていこう。と思える物語。

2016/08/11

昔炭鉱で栄えた過疎の町、北海道苫沢町を舞台にした、そこに住む向田理髪店店主の康彦と、その周囲の人々の悲喜こもごもの話。

とても暖かいストーリー。
田舎町ならではの、面倒そうな人間関係、老人問題も、暖かい視線で、ささやかなユーモアとともに語られます。
難しい事柄も、なんとかなるかなと思わせる展開に、優しい気持ちになりました。

狭い町で起こる、小さな出来事の数々、他にもまだまだありそうで、続編に期待したいなと思いながら本を閉じました。