マチネの終わりに の商品レビュー
いたずらに難解な文字を並び立てたデビュー作とは一転、商業主義的大衆迎合作品かと思わせたが、確かな筆致と見えない着地点の構成力でぐいぐい引き込まれた。
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自分が一番愛した人とは違う人を、人生の伴侶に選んだなら。 あの時、あの行動を取らなかったら。 もしかしたら、今と違った人生だったとして、それは幸福か? 恋愛だけでなく、色々な面での運命を考えざるを得ない。 どの道を選んだにせよ、あるいは勝手に決められてしまった道にせよ、その中で自...
自分が一番愛した人とは違う人を、人生の伴侶に選んだなら。 あの時、あの行動を取らなかったら。 もしかしたら、今と違った人生だったとして、それは幸福か? 恋愛だけでなく、色々な面での運命を考えざるを得ない。 どの道を選んだにせよ、あるいは勝手に決められてしまった道にせよ、その中で自分がどう考え、昇華させるのかが、人生なのだ。
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私にとって不思議なタイミングで読みました。 深く重たいテーマは、今の自分には辛いものでしたが向き合い考えることが出来たありがたい物語です。見事な構成でぐいぐい読み切らせてもらた初めての平野啓一郎作品でした。他の作品も読ませてもらいたいと思います。
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ずっと読みたいと思ってた本。 やっと読み終わった……。 読みやすくはないけど、読み応えはある。 そして読んでると自分がちょっと頭良くなったような感じがする笑 もっと世界のこと、ちゃんと知っていこうって思えた。
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大人のための極上の恋愛小説。 主人公の蒔野は天才ギタリスト。 レコード会社担当者と演奏を聴きに来た洋子に、ひと目で惹かれます。 そして初対面での会話が、二人を特別な世界に連れて行ってしまいます。 分かるような気...
大人のための極上の恋愛小説。 主人公の蒔野は天才ギタリスト。 レコード会社担当者と演奏を聴きに来た洋子に、ひと目で惹かれます。 そして初対面での会話が、二人を特別な世界に連れて行ってしまいます。 分かるような気がしました。 時間を飛び越えて、一瞬で感性が響きあう感じ。 ただ、洋子には申し分のないフィアンセがいました。 彼女自身は、世界を駆けめぐって活躍するジャーナリストで、 政治情勢や歴史にも詳しく、何か国語も使うことができる才媛。 「女性の知性に色気を感じる」 これは平野氏の言葉です。 洋子がジャーナリストという設定もあり、 社会問題もいくつか盛り込まれています。 例えば、長崎の被ばく、バグダットの自爆テロ、 リーマンショック、そして東日本大震災。 平野氏の過去の発言に、素敵な言葉がありました。 愛とは、「その人といる時の 自分 が好き」ということもできる。 その人を失うことは、その人の前でだけ生きられていた自分を失うこと。 好きな自分を見つけられれば、それを足場にして生きていける。 2年前に観た映画の印象とは、いい意味で少し違っていました。 その時に聴いた《幸福の硬貨》のテーマ曲が素敵で 読んでいる間、頭の中でずっとギターが鳴り響いていました。 久しぶりの恋愛小説、しみじみ よかったぁ~。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
"自由意志というのは未来に対してはなくてはならない希望だ…だからこそ、過去に対しては悔恨となる…運命論の方が慰めになることがある"p426 時間の経過と共に過去の行為を振り返って捉え直していく登場人物たちに共感しました。 こんな風に時間とともに人として成長できたらいいなと思える作品でした。
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後半の展開が面白い。好きな人同士なのに一緒になれないのつらい…。どうしてこの二人はこんなにもタイミングが悪いのか…。 (まな)
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独特の序章ではじまる。 主人公の二人、蒔野聡史と小峰洋子が実在したかのような語り口。 実際のところは知る由もない。 大人の恋の物語。こう書くと安っぽくなってしまうが、途中はすれ違いや恋敵、運命の悪戯的な出来事が出てくる。 上質の恋愛小説。 但し、難しい漢字が多いね。
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最初は、おっとなー!なんて大人な恋愛ー! と、割とゆっくり読んでいたのだが、途中から展開が気になり過ぎて大斜め読みをしてしまった。 難民問題やら時事問題やら色々絡み、深いクラシックの知識や果ては聖書の引用まで。 本当はもっと味わうべき深い作品だとはわかっていた。でも展開気にな...
最初は、おっとなー!なんて大人な恋愛ー! と、割とゆっくり読んでいたのだが、途中から展開が気になり過ぎて大斜め読みをしてしまった。 難民問題やら時事問題やら色々絡み、深いクラシックの知識や果ては聖書の引用まで。 本当はもっと味わうべき深い作品だとはわかっていた。でも展開気になったんだからしょうがない! もっとゆっくり読んでいたら余韻がもっともっとあったんだろうなー!登場人物の抱える背景も、紡がれる心情も重たくて深い。 使われる言葉からしてとにかく大人向けの、なんやかんや純愛小説!
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過去は変えられる。そして過去を変えながら、現在を変えないままでいる。人生で3度しか会ったことがなく、しかも人生で最も深く愛した人。天才ギタリストの聡史とジャーナリスト洋子の切ない愛の話。
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