マチネの終わりに の商品レビュー
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分人主義の平野啓一郎の代表作。石田ゆり子さんが帯でたいそう褒めておられるので、気になっていた。どう読むかの踏ん切りがつかず(ドーレンのいう「早く読む」のになじまない小説のような気がしていた)『小説的思考』をあてはめるという気持ちで読み始める。 なかなか味わい深い。文章に品がある。ギタリストが主人公ではあるが、2章まで読んで、まだテーマがわからず。純愛?とはちょっと違うような気がする。 パリでの互いの愛の告白。イランの紛争が影を落とすものの洋子がジャーナリストであってみればそこには必然がある。しかし、洋子がこの紛争のおかげで病にかかっている予感 愛の消失点、というのは、本当に愛がいったん終わるということだった。蒔野のマネジャーの三谷の仕打ち。そんなキャラクターであるという理解ではなかったが、そんな心情に陥るくらいの嫉妬にかられる愛というのがあるのが信じられない。 最後に真相が明かされ、5年半を経て、二人がまた出会う。 音楽の記述をこのように美しく書くというのは、恩田陸の「蜜蜂と遠雷』を思い出した。
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結局ストーリーは読み切れず映画で見ました 平野さんは心情の変化を訴えてくるんだよな ただ映画ではストーリー重視だから心情の移り変わり分人みたいなやつ?は読まなきゃ分かんないだろな
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人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細でかんじやすいものじゃないですか?
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未来は常に過去を変えるという言葉が印象的だった。これからの行動次第で過去がいい意味にも悪い意味にもなりうる。
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最初は夢中で読みすすめられたのだけど、だんだんもどかしくなってきて、途中ライバル女性が、嘘をついて二人が別れたくだりから(30年前の少女漫画か、韓流ドラマか!?)と思い…。まあ、でも思っていたのと違って、恋愛だけち特化もせず、前読んだ平野さんの本より読みやすく、音楽への情景も色々...
最初は夢中で読みすすめられたのだけど、だんだんもどかしくなってきて、途中ライバル女性が、嘘をついて二人が別れたくだりから(30年前の少女漫画か、韓流ドラマか!?)と思い…。まあ、でも思っていたのと違って、恋愛だけち特化もせず、前読んだ平野さんの本より読みやすく、音楽への情景も色々浮かんで、ギター聴きたくなった。(そして、漫画のましろの音も久しぶりに読み直した。)3.5くらいの評価
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大人の恋愛だった。 蒔野さんと洋子さんの、深い内面を覗き込むような この話を私なんかが知ってしまっていいのか、 何故かドキドキしながら読んでしまった。 「未来は常に過去を変えてるんです。 変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。 過去は、それくらい繊細で、感じやすいも...
大人の恋愛だった。 蒔野さんと洋子さんの、深い内面を覗き込むような この話を私なんかが知ってしまっていいのか、 何故かドキドキしながら読んでしまった。 「未来は常に過去を変えてるんです。 変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。 過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?」 今を生きてる瞬間も、過去や未来がすぐそばにあって、 それを受け入れながら、人は生きていくんだなーって 改めて思ったよ。 もう少し経った時に、もう一度読むと、 私の中でも、また違う良い意味での感情が出てくるかも。 その期待を込めて、☆5の内容だけど、 ☆4にしちゃいました。
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210328*読了 この本を読み終えるのに実は3年ほどかかっています。 というのも、noteに無料で掲載されているのを見つけ、それがきっかけで平野啓一郎さんを知りました。その文章の理知的で巧みなところに惹かれて、少しずつ読んでいたものの、noteで細切れに読んでいくのは根気が必要で…序盤で一旦読むのをやめてしまいました。そうこうするうちに「マチネの終わり」が話題になり、映画化され(薪野さんも洋子さんもぴったりすぎる配役!)、ちょっぴり置いていかれた気持ちになっていました。その間に平野啓一郎さんの「ある男」「葬送」は読み終えて、好きな作家さんの一人になっていたのですが、この度、やっと本で読む機会が巡ってきました。 もう…心が揺さぶられて、大変だった。 わたしがnoteで読んでいたのは序盤だったので、それからの展開に驚き、切なさで胸がいっぱいになりました。 一度会っただけでお互い惹かれ合い、長い距離と時間の中で愛し合い、運命に翻弄される…。 早苗の気持ちも分かる、持たざる者と思い込む人にとって、この人がすべてでどうしても手に入れたいと残酷な働きをしてしまう気持ちも分からないではない。 でも、この美しい恋が実ってほしいと願わずにはいられなかった。 二人の間に精神的にも距離的にも大きな溝ができ、数年の歳月が流れ、それぞれが違う人生を歩んでいたかのように思えたけれど、遂にマチネの終わりに結ばれた時の感動といったら…!読みながら涙が込み上げました。 三度会っただけなのにこんなに強く愛せる相手とは、どんな形であっても心を通わせ合い、人生を共にすべきだと思う。きっとこれからも苦悩はあるだろうけれど、二人にはそれを乗り越えてほしい。 二人の幸せを心から願います。
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天才ギターリストと美しいジャーナリストのラブストーリ。久しぶりに洗練された大人の恋にドキドキしました。そして、恋だけではなく、人間の生と死。親子の在りかた、過去と未来。さまざまなテーマが折り重なり、そこへクラッシックギターの音色が美しく色を添えています。すれ違い続ける二人の運命、...
天才ギターリストと美しいジャーナリストのラブストーリ。久しぶりに洗練された大人の恋にドキドキしました。そして、恋だけではなく、人間の生と死。親子の在りかた、過去と未来。さまざまなテーマが折り重なり、そこへクラッシックギターの音色が美しく色を添えています。すれ違い続ける二人の運命、それでも、その時その時を真剣に生きている二人の言葉の数々が、心に響きました。
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何てロマンチックな小説なのだろう…!そして、ロマンチックなだけでなく、音楽、イラク戦争、骨太なテーマが盛り込まれていて読み応えがあった。映画も見てみたい。そして、作中の音楽に浸ってみたい。
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ギタリストの恋愛話と思い読み始めた。しかし意外、人生について考えさせられる内容だった。なぜここにいるの?何をしたいの?大切なものは?様々な問いかけをされた。どれもすぐには答えが出なかった。これから考えていこうと思う。
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