マチネの終わりに の商品レビュー
何箇所かで何度か違う涙を流してしまったよ。大人になるってこういうこと、っていうのも感じたし、最近ちょうど(世界は単純で明確なものではなく複雑で混沌)でそれでも自分は生きていくんだな、と社会人一年前にして思い始めていたので、恋愛だけじゃなくていろんな部分で感じることが多かった。蒔野...
何箇所かで何度か違う涙を流してしまったよ。大人になるってこういうこと、っていうのも感じたし、最近ちょうど(世界は単純で明確なものではなく複雑で混沌)でそれでも自分は生きていくんだな、と社会人一年前にして思い始めていたので、恋愛だけじゃなくていろんな部分で感じることが多かった。蒔野の立場、陽子の立場、三谷の立場、リチャードの立場全部に共感理解できて苦しかった。誰かの幸せは誰かの不幸かもしれないし、でもそれが最終的な本当の不幸かは時間が経ってみないとわからない、みたいな、、、 作中に何度も出てくる過去は変えられるという話は、めちゃくちゃ自分も思ってたことで、今までit is what it is だと思ってたことが、違って見えたり、全ての出来事の見え方を変えてしまったりすることもある。そしてその見え方を知った時、もうそれを知らなかった自分には戻れない、それは幸か不幸か。神のみぞ知るってやつだね。 全然違うけど今の恋愛とかめっちゃ考えてしまってしんどかったよ。なんかメールだけのやり取りって誤解みたいなん生むのもわかるし、なんか弱みを見せなくないとかではなくて良かれと思って相手を勝手に察知して行動しちゃうのとかわかるの!4回しか会ってないがとかそうゆう感じなのも境遇は全然違うけど、今の恋愛に近しい部分あって超苦しかったよーーー泣 会いたくなってしまったよ…I miss you だ ほんとに 性善説を信じてる身からすると、三谷早苗の行動とかありえないけど、でもそれも掘って考えると悪とも決めつけようがないんだな〜こまるな〜 てゆうかこの文体読んでたら頭の中で考えてることがこの文体で考えるようにその期間なってたwww
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タイトルから想像していたのは、もう少し軽妙なストーリーだったが、実際は、もっと重々しく深いテーマだった。 クラシックのギタリストとジャーナリストの男女。 一旦は深く交錯するように見えた2人の間には、運命のいたずらに思えるできごとが待っていた。 だった三度だけ会っただけの相手を、...
タイトルから想像していたのは、もう少し軽妙なストーリーだったが、実際は、もっと重々しく深いテーマだった。 クラシックのギタリストとジャーナリストの男女。 一旦は深く交錯するように見えた2人の間には、運命のいたずらに思えるできごとが待っていた。 だった三度だけ会っただけの相手を、ここまで深く想い愛することができるのか。 物語のエンディングは、果たして2人にとって幸せを呼んだのだろうか。考えさせられた。
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全面的な★5にしてはいけない。 けれど最後の数ページでは無意識の部分でその美しい空気感にグッと涙を我慢しました。 ひとに薦めてよいかわからない。 けれど★5です。
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ひとことで言えば、大人の恋愛小説。 しかしひとことでは言い切れない、 国際情勢、芸術家の苦悩、愛するがゆえの葛藤が複雑に絡み合う。 だから中盤〜終盤にかけて、やきもき・いらいらさせられるけれど、その分ラストが素敵。 世界を股にかける2人だけど、とても日本人的な終わりだなぁと。 素...
ひとことで言えば、大人の恋愛小説。 しかしひとことでは言い切れない、 国際情勢、芸術家の苦悩、愛するがゆえの葛藤が複雑に絡み合う。 だから中盤〜終盤にかけて、やきもき・いらいらさせられるけれど、その分ラストが素敵。 世界を股にかける2人だけど、とても日本人的な終わりだなぁと。 素晴らしいコンサートの終わりのように、余韻の残る作品でした。
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2人の混沌とした感情の中で葛藤にもがき、相手を想い、そして自分の幸せや生きる意味を想いながら揺れ動く感覚の中で生きる彼らの強さを感じた。世の情勢や他人の言動を自分に関わるものとして自身に矢印を向ける姿は逞しくもあり、少し哀れでもあった。 過去は変えられる。今の言動が過去を正当化し...
2人の混沌とした感情の中で葛藤にもがき、相手を想い、そして自分の幸せや生きる意味を想いながら揺れ動く感覚の中で生きる彼らの強さを感じた。世の情勢や他人の言動を自分に関わるものとして自身に矢印を向ける姿は逞しくもあり、少し哀れでもあった。 過去は変えられる。今の言動が過去を正当化し、美化し、ときに深く後悔すべき事柄にしてしまう。これは現代を生きる我々にとって、難しい世の中を生きる人々にとって、1種の光となるものなのではないかと感じた。
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現実はままならない… 《読者は、直接的な共感をあまりに性急に求めすぎると、肩透かしを喰らうかもしれない。》 と(序)にあるが すっかり肩透かしを喰らった私です
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40代を目前にした男女の物語。 複雑でいて美しい。そして儚く苦しい。 情緒の揺さぶられる作品です。 お互い分別のつく年齢だからこそ、慮って行動のできなかったこと。取り巻く環境で度々訪れる様々な選択肢。決断した先に待ち受けている未来。 気持ちに折り合いをつける難しさとやるせな...
40代を目前にした男女の物語。 複雑でいて美しい。そして儚く苦しい。 情緒の揺さぶられる作品です。 お互い分別のつく年齢だからこそ、慮って行動のできなかったこと。取り巻く環境で度々訪れる様々な選択肢。決断した先に待ち受けている未来。 気持ちに折り合いをつける難しさとやるせなさ。幸せとの向き合い方を、彼らを通じて考えさせられました。
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夜に薄明かりで、ジャズでもかけながら静かに読書をするのがこんなにハマる本は初めてです。大人の恋愛小説といったところ。教養がない私が「教養のある文章」とこの本を評するのは畏れ多いので「上品な文章」と言いたいです。 三谷が蒔野の携帯から洋子にメッセージを送ってしまいます。「別れてくれ」、と。 携帯電話が恋愛にもたらした功績は偉大です。ちょっとなくしただけで平成なのに昭和かよというくらい見事にすれ違ってしまう蒔野と洋子。 それがもう読んでて辛くて、いっとき読むのをストップしてしまいました。図書館に返す期日が迫ってきたので再開しましたが、そこからは一気に読みました。 「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。」 序盤で蒔野が言ったセリフです。「あ、本書のテーマなのかな」というくらい胸にストンと小気味よく刺さってくる言葉でした。そのダーツの矢のようなセリフはやはり後半じわじわ効いてきましたね。 すべての真相を知った二人が、その悪夢のような過去を葛藤しながらも受け入れ、そしてまた引き寄せられるラストもぐっときましたが、いちばんぐっと来たのは、洋子が映画監督である父の過去にあった出来事を質問する場面。 家族を守るために離婚をした父。結果愛する人は今も平和に暮らせている。だけど洋子は「でも、お父さんとは暮らせなかった」と涙を流します。私も号泣。静かに洋子の過去が変わった瞬間でした。
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天才ギタリストとジャーナリストとの大人の恋愛を描く一方で、芸術や音楽や映画、政治情勢や思想といった見聞が幅広く扱われていて、まさに大人向けの極上の恋愛をしっとりと、そして丁寧かつ緻密に表現した小説だった。 たった3度しか会った事のない2人… 運命という言葉で片付けるには手に余る...
天才ギタリストとジャーナリストとの大人の恋愛を描く一方で、芸術や音楽や映画、政治情勢や思想といった見聞が幅広く扱われていて、まさに大人向けの極上の恋愛をしっとりと、そして丁寧かつ緻密に表現した小説だった。 たった3度しか会った事のない2人… 運命という言葉で片付けるには手に余るほどの、男女の情愛が美しくて切なくて、その分危うさすら感じた。 最後の第9章 マチネの終わりに 2人が初めて出会い、交わしたあの夜の笑顔から、5年半の歳月が流れていた。 ここに辿り着くまでが本当に苦しかった。 其々の登場人物との出会いに、新しい家族や仕事、 そこに内在した苦悩や葛藤… その分、漸く辿り着けた出会いに涙がじんわりと溢れた。 以下、作中で幾度となく登場する蒔野の台詞 「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでいる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。」 私も過去の経験が時を経て趣を変えていることに気付くことがある。本作でこの台詞がストンと胸に響いた。そしてこの2人に起こったほんの些細なかけ違いも、きっと気付かないだけで私たち誰にでも起こっている事なのだと感じた。 それも含めて人生だなぁなんて少し達観しながら、やはりそれでも歳を重ねる毎に一年という月日の速さに驚かされる。 読後に一人とっぷりと余韻に浸るのが心地よい作品で、極上の食事を堪能した様な読後感だった。
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恋愛を描いた小説が読みたいと思い手に取った本。 読み切るのに少し時間がかかったので、あまり話に入り込めなかったというのが正直なところ。 独特な言葉の表現方法が私にはなかなか難しく、ことばのひとつひとつを心の中にスッと溶け込ませることができなかったので、物語への没入感は少なめでした。 内容は恋愛小説ではおなじみのすれ違いが二人の運命を狂わせてしまうというもの。 しかし、最後のシーンはついウルっときてしまいました。 高貴な(私にとっては高貴な存在です)2人が最後に公園でフッと笑い合えたらそれは素敵な結末なのかもしれないなと思いました。 この話のキーワードとなる以下のセリフは、私もなんだか心に響くものがありました。 メモとして残します。 →本を読んだ後映画も鑑賞しました。 だいぶ内容が変えられていましたが、私は小説の方が好みです。 ただ、石田ゆり子さんはキャストにぴったりだなと^ ^ ________ 人は変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は過去を常に変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?
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