夢幻花 の商品レビュー
バラバラに存在していた点が広がったり、移動したりしながら、近づいて、重なって、徐々に絡まりあって1点に集約していく…あぁ、これこれ、この感覚が東野作品の醍醐味だよなーと、惹きつけられるままに一気に読んでしまった。 雅哉が語った「何の義務も与えられないことが、どれほど虚しいか」とい...
バラバラに存在していた点が広がったり、移動したりしながら、近づいて、重なって、徐々に絡まりあって1点に集約していく…あぁ、これこれ、この感覚が東野作品の醍醐味だよなーと、惹きつけられるままに一気に読んでしまった。 雅哉が語った「何の義務も与えられないことが、どれほど虚しいか」という尚人の言葉が胸に刺さる。 でも、何の義務も与えられない人間なんて、いないと思いたいな。 蒼太が自分自身で「義務」を見つけたように、誰にでも義務はあるものだと思いたい。 だからきっと、夢幻花に逃げる必要なんかないんだ。 きっと、そうだ。
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よくまとまった話です。 もう昔のような衝撃を、東野作品に求めるのは無理なんだろうか。 こぢんまりとまとまった読みやすいだけの話なんて、東野作品に求めていないんだけどな。
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やられました。 プロローグ1 東京オリンピックを2年後に控えた事件 プロローグ2 ケータイは麻薬だから
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【あらすじ】 花に囲まれて穏やかな余生を過ごしていた老人・秋山周治が、何者かによって殺された。最初に遺体を発見した孫娘の梨乃は、庭にあった黄色い花の鉢植えが無くなっていることに気付き、そのことを自分のブログにアップした。すると、にわかに梨乃の周りで不穏な動きをする人物が現われはじめる。警視庁をはじめ多くの大人たちを翻弄する、禁断の花の正体とは!?息つく間もない東野ミステリーの最高到達点。 【感想】
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東野圭吾らしい作品、の一言に尽きる。 男女ペアの探偵という設定も、出てくる刑事も、含みのある感じも、全てが彼らしい安定感。 祖父を殺された秋山梨乃、その事件に関わっている兄をもつ蒲生蒼太。2人が手を組んで捜査を始める。 梨乃は祖父を殺した犯人と、祖父が大切に育てていた黄色い花の...
東野圭吾らしい作品、の一言に尽きる。 男女ペアの探偵という設定も、出てくる刑事も、含みのある感じも、全てが彼らしい安定感。 祖父を殺された秋山梨乃、その事件に関わっている兄をもつ蒲生蒼太。2人が手を組んで捜査を始める。 梨乃は祖父を殺した犯人と、祖父が大切に育てていた黄色い花の行方を追いかける。 蒼太が知りたいのは、何故兄がその事件に首を突っ込んでいるのか、兄と父がずっと自分に隠していることはなんなのか、ということ。 他の作品と同じように、テンポよく話は進んでいく。 途中までは、なんだか分かりそうで分からない焦ったさを感じながら読み進めた。最後は、一気に加速して全ての謎が解ける。人との繋がりも、2人を取り巻く人間たちの行動の謎も…。 突然、実はこの人はこうでした!これはこういうことでした!っていう、種明かしの仕方は物語としてはどうなの?と少しだけ不満。 もう少し、伏線の部分をじわじわと増やして行って、分かりそうで分からない状態を作ってくれたらいいのに、というのが謎の解明部分に入って率直に感じたことだ。 なるほど!そういうことか!という目からウロコな場面もなく、期待していただけに「すごく面白かった!」とは言えないのが残念。 それでも安心して読めるのが、東野圭吾だな、とも思う。 これはもしかしたら、ドラマなら面白く見られるのかもしれない。
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相変わらず読者を引き続ける作者の力量がすごいと思う。 小説自身はもちろん面白い。 ただ、原子力に関する見解が作者と異なる分、マイナスの仕事だけど誰かがやらなければいけないと使命感を持つ主人公にすこし共感を持てなかった。
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花がアサガオの一種だと分かったところで、事件の要因に何があるのかは気が付いた。しかし、そこに登場人物達がどう絡んでいたのかは最後まで思い付かなかった。 エピローグが工学系出身の作者らしい発想だと感じた。
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あまりに著作が多すぎて、ここ数年アタリハズレが激しすぎると感じる東野圭吾。柴田錬三郎賞受賞作だそうで、これはアタリを期待して読み始めました。 2本立てのプロローグ、その1で描かれるのは、東京オリンピックを2年後にひかえた町の平凡ながら幸せな家庭の風景。それが一転、無差別殺人が起こります。その2ではぐっと時代が近くなり、その1から50年ほど経っているだろうかと推測されるやはり東京。これも一見平凡な家庭ながら、家族関係が少々複雑である様子。 本編の主役は2名。女子大生の梨乃と大学院生の蒼太。後者はプロローグその2の少年が成長した姿であることはわかりますが、前者はいったいどんな関係があるのかわからないまま話が進みます。 梨乃の祖父・周治は花をこよなく愛する穏やかな老人。周治の撮る花の写真があまりに美しいものだから、梨乃は祖父のブログを作成して写真をUPすることに。ところがある日、周治が殺される。強盗殺人との見立てだったが、梨乃は周治の家の庭から鉢植えがひとつなくなっていることに気づく。周治が「非常に珍しい花だ。まだ誰にもこの話をしてはいけない」と言っていた花の鉢植え。周治が殺害された今、この花の写真をUPすれば、事件解決への手がかりとなるのではないか。そう考える梨乃。そうしてUPされた写真を見て連絡してきたのが要介という男。蒼太はその弟で……という繋がり。 アタリハズレで言うと、微妙にハズレ寄りではあるのですが、480頁ほどのボリュームをすぐに読ませてしまうのが東野圭吾。徳川埋蔵金かM資金並みの展開に、最後は唖然。こういう力技は私の好みのオチではありません。何より、小説や映画に必須だと私が思っている切なさがないんだもの。こんなふうに解決されては、花好きのおじいちゃんも浮かばれんと思うのでした。もっと切なさ満載のオチを頼みます。
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完成度が高く、鮮やかな謎と謎解き。 東野圭吾には珍しく、ロマンスの匂いも感じられる読後感の良い一冊。
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東野圭吾さんはいつも爽やかな気持ちで終われるところが好きです。恋愛も踏み込むレベルが心地よい。家族でも言葉にしないとわからないことばかりである、と改めて思うところで、ちゃんとあって話すこと、しなくちゃと思った。
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