結婚式のメンバー の商品レビュー
不安定な思春期を過ごす主人公の少女の心の動き。不満、不安、期待、焦り、そんなものがカオスのように心の中を渦巻く中、魅力的で包容力のあるベレニスや、いかにも男の子らしい男の子のジョンと繰り広げる会話がとても魅力的。よい本だと思いました。訳も秀逸なのだ。
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「世界って間違いなくちっぽけなところなのね」 なんというか、ものすごい小説だった。 その突飛な文章に慣れるのにとても時間がかかった。なぜ突飛なと思うのか…会話劇であり、主人公フランキーの思想が、会話の中にあるから。 フランキーは名前を変えながら成長していく。 彼女と、黒人...
「世界って間違いなくちっぽけなところなのね」 なんというか、ものすごい小説だった。 その突飛な文章に慣れるのにとても時間がかかった。なぜ突飛なと思うのか…会話劇であり、主人公フランキーの思想が、会話の中にあるから。 フランキーは名前を変えながら成長していく。 彼女と、黒人の料理女ベレニス、従兄弟の小さなジョン・ヘンリーの3人が過ごす、キッチンでの、ほんの半日の話がこの本の8割を占めている。 アメリカ南部の典型的な田舎町、閉鎖的な町から、兄の結婚式と共になんとか、抜け出したい、自由になりたい少女の細かな心の動きを描いた、なんというか凄まじい本だった。またところどころにアメリカの抱えた黒人差別の問題と、人種を超えた愛も読むことができる… 熱を持った星のような思春期の少女の気持ち、私には分かってしまった。少女の物語はいくつになっても続いているんだ…
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村上柴田翻訳堂の一冊目、ということで手に取りました。表紙のレトロな雰囲気と爽やかな題名から連想する印象をしっかり裏切ってくれます。 子供ではないが、大人でもない多感なま12歳の少女。アンバランスな少女のどこにも属さない孤独感や狂気じみた妄想や果てしない自己嫌悪やら。。あらゆるエネ...
村上柴田翻訳堂の一冊目、ということで手に取りました。表紙のレトロな雰囲気と爽やかな題名から連想する印象をしっかり裏切ってくれます。 子供ではないが、大人でもない多感なま12歳の少女。アンバランスな少女のどこにも属さない孤独感や狂気じみた妄想や果てしない自己嫌悪やら。。あらゆるエネルギーが渦巻いていて、かなり圧倒されます。 目を覆いたくくなるほど自我を曝け出すフランキーに何処か繋がるものを持ち引き込まれてしまう物語。
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夏休みの無為な感じ、大好きな人が悲しい時に自分に何もしてあげられることがなくてもただ寄り添ってあげること、そうしてあげた次の日にはその人に対してどうしようもなくイラついてしまったりして心にもないことを言ってしまうこと。そういう無力さ、不安定さは少女時代に封じ込めて、思い出したく...
夏休みの無為な感じ、大好きな人が悲しい時に自分に何もしてあげられることがなくてもただ寄り添ってあげること、そうしてあげた次の日にはその人に対してどうしようもなくイラついてしまったりして心にもないことを言ってしまうこと。そういう無力さ、不安定さは少女時代に封じ込めて、思い出したくなんてなかった。この本を読んだらそっくり目の前に書かれてしまっていた。もじもじしながら読んだ。 一方で、肝心の結婚式への熱狂については全く共感することができずじまい。個人差か。 主人公は友達が少なく、周囲の同級生達を馬鹿にしがち。これだけ頭の回転が速くて、自己主張が強かったら、それはやりづらかろう。その点では、父親の心情がもう少し書かれていてもいいんじゃないかと思った。でも、それだと青春小説でなくてヒューマンドラマになってしまうか。。
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変な小説ーっ! というのが読み終わった直後の感想。 Part3は予想外の展開になって急におもしろかったけど、そこに行くまでは全然おもしろくなくて苦痛でした。 人の頭の中だけであーでもない、こーでもないって続く小説が、そもそも、もともとあんまり好きじゃないので。 確か、村上春...
変な小説ーっ! というのが読み終わった直後の感想。 Part3は予想外の展開になって急におもしろかったけど、そこに行くまでは全然おもしろくなくて苦痛でした。 人の頭の中だけであーでもない、こーでもないって続く小説が、そもそも、もともとあんまり好きじゃないので。 確か、村上春樹氏の奥さんが何度も読んでいて、珍しく英語でも読んでいた、とどこかで書かれていたのが手にした理由。奥さんに関する情報がほとんどないせいか、すごく食いついてしまって期待しすぎたんだとは思うけど、それにしても、Amazonでの大変な高評価に驚く。ほんとにみんなそんなにこの小説好きなの?村上春樹の評価に影響されてない?ほんとに??って聞きたい。(笑) そして、「通過儀礼の小説かぁ、ふぅ、(しんどかった)」と思いながら読み終わり、続けて解説を読んでビックリした。 『この小説は単なる「人生の通過儀礼」を描いた小説ではないということだ』と書いてあるではありませんか。 なんだか、宿題をいいかげんに終わらせて遊んでいたのをもろに見つかった中学生のような気分になった。 り、理解が足りなくて、すまん・・・ でも、「たけくらべ」に似ている、っていう村上春樹さんの説はすごく新鮮で興味深かった。そういうユニークな比較、大好きなので。(ただし同意するかどうかは微妙) あと、相変わらず村上春樹氏が翻訳で使うカタカナ語の趣味は合わないと思った。英語の音をカタカナに置き換える時点でいろいろ無理があるんだから、ブルーズブルーズと、そんなにムキになってそこだけ原音に忠実に書かなくても、日本語として浸透しているブルースでいいじゃない、と思う。(もしくは、やるなら全部徹底してやれ、と思う。RとLを書き分けるくらいに。) 用語に違和感があると、どうしてもそこで読む勢いが止まってしまうし、村上氏がブルーズって書いているのを見るたび、私はどこかにぶつけて出来た青あざを思い浮かべちゃいます。
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「緑色をした気の触れた夏の出来事で、フランキーはそのとき十二歳だった」尖った出だしで、興味をそそられる。そう言えば訳者は村上春樹氏だったな。少し楽しみに思う。が、数ページで読めなくなる、外国系も文学系も苦手なのに、何故これを読もうと思ったのだっけな、 そうか「book barお勧...
「緑色をした気の触れた夏の出来事で、フランキーはそのとき十二歳だった」尖った出だしで、興味をそそられる。そう言えば訳者は村上春樹氏だったな。少し楽しみに思う。が、数ページで読めなくなる、外国系も文学系も苦手なのに、何故これを読もうと思ったのだっけな、 そうか「book barお勧め本」か。こう言った場合、速読の練習と思い、斜め読みするが、やはり途中で終了。家の中で女性がおしゃべりしている話には興味をそそられず。 #book barお勧め本
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12歳のいそうでいない少女の目線で語られる、人生の一時期にしか訪れない”気の触れた夏”。 著者のマッカラーズはこの半自伝ともいえる小説を何度も書き直したそうな。 かつて芥川龍之介は「いそうでいない主人公を作り上げたらその小説は半分成功したようなもの」と語ったがこの小説がまさにそれ...
12歳のいそうでいない少女の目線で語られる、人生の一時期にしか訪れない”気の触れた夏”。 著者のマッカラーズはこの半自伝ともいえる小説を何度も書き直したそうな。 かつて芥川龍之介は「いそうでいない主人公を作り上げたらその小説は半分成功したようなもの」と語ったがこの小説がまさにそれではないか。
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ブログに感想載せました http://blog.goo.ne.jp/luar_28/e/186044d907237de86fb70dccf6e597c1
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ぼくに繊細な感受性とか読解力が欠けていることがとても大きいと思うけど、個人的にはよくある物語という感じがして、途中からあまり惹かれず、しっかり読めなかった・・・。でも社会に上手く適合出来ない気持ちはよく分かる。
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「自分を変えてくれるはずの何か」に裏切られ現実を突きつけられる年頃の少女の話。「狂っているのは自分なのか?それとも周りにいる人間なのか?」こういった類いの苦しみは、ある一定の層には一生ついてまわるものです。そんなもがき苦しむ様も描いた普遍的な作品。
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