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結婚式のメンバー の商品レビュー

3.7

62件のお客様レビュー

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    11

  2. 4つ

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  3. 3つ

    10

  4. 2つ

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2021/06/11
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わ、この話、サローヤンかサリンジャーだと思ってた。頭の引き出しがどこかで混乱してる〜(≧∇≦)うちの福武文庫は確か題名もちがったけど、このタイトルの方が原題に忠実みたいだ。個人的には「心は孤独な〜」や「悲しき酒場の〜」の方が好きだけど、新潮文庫でハルキ訳なら世に長く残りそう。ヨカッタヨカッタ。

Posted byブクログ

2018/04/13
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※このレビューにはネタバレを含みます

思春期丸出し小説だったけど、共感できず終わった。田舎で育った子はこんな感じの思春期だったのかい? ジョンヘンリーが可哀想で、フランキーとか結婚式どころの騒ぎではなかった。 あと春樹フレイバーてんこ盛りだった。

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2016/06/10

アメリカ南部の小さい町。 太平洋やヨーロッパでは、戦いが行われているが、片田舎の町にはその靴音は聞こえてこない。 毎日が退屈で、暑くて、これといって何をやりたいこともない、けだるい午後がずーっと続いているような日常。 その町に暮らす12歳の少女フランキーの夏休み。 子供たちと町...

アメリカ南部の小さい町。 太平洋やヨーロッパでは、戦いが行われているが、片田舎の町にはその靴音は聞こえてこない。 毎日が退屈で、暑くて、これといって何をやりたいこともない、けだるい午後がずーっと続いているような日常。 その町に暮らす12歳の少女フランキーの夏休み。 子供たちと町を走り回るには少し年を取り過ぎて、大人の遊びに踏み込むには少し若すぎる。つまり、彼女にはどこにも自分の居場所が見つけられなくなってしまっていた。 そんな、不安定な女の子の日常に、兄の結婚式という一大イベントが舞い降りた。 フランキーは、結婚式に夢中になり、それをきっかけにしてこのけだるい町から脱出することを計画する.... 南部のけだるく暑い町の風景。そこに暮らす情緒不安定な少女と、いとこの少年と、黒人のお手伝いさん。 毎日、これといった刺激もなく、ただカレンダーの日付が変わっていくだけ。 本書の最初をページを開いた時から、どっぷりとそのけだるい生活に取り込まれ、その少女の不安定な心ど同化してしまう。そんな作品だと私には思えます。 本書にであったのは、大学1回生のころ。 英語のリーダーのテキストが、"The Member of the Wedding"だった。その世界に引き込まれ、本書の日本語約や"The Heart Is a Lonely Hunter"(心は孤独な狩人)を読んできた。 すでに絶版となっていた本書が「村上柴田翻訳堂」シリーズとして再度世に出されたことは、とてもうれしい。 また、フランキーに出会うことができたのだから。

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2016/06/05

兄の結婚式で人生が変わると思った12歳の少女の物語。村上春樹翻訳。 世界の物事が全て自分とつながっているように感じたり、逆に全く自分とつながっていなくて孤独を感じたり…そんな気持ちを思い出した。 書かれている感情は若いころだけのものではないと思う。生きていく上でなんとなくゆっく...

兄の結婚式で人生が変わると思った12歳の少女の物語。村上春樹翻訳。 世界の物事が全て自分とつながっているように感じたり、逆に全く自分とつながっていなくて孤独を感じたり…そんな気持ちを思い出した。 書かれている感情は若いころだけのものではないと思う。生きていく上でなんとなくゆっくり考えていたい。

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2016/05/31

素晴らしい作品だと思う。心の不安定さをここまでリアリティのある表現で綴った作品はほかに知らない。(といえるほどの作品を読んだ訳ではないけれど) 私生活でもかなり不安定な精神状態だったようだが、だからといって、それをリアルに文学作品に昇華できるというものでもないだろう。 名前へのこ...

素晴らしい作品だと思う。心の不安定さをここまでリアリティのある表現で綴った作品はほかに知らない。(といえるほどの作品を読んだ訳ではないけれど) 私生活でもかなり不安定な精神状態だったようだが、だからといって、それをリアルに文学作品に昇華できるというものでもないだろう。 名前へのこだわりも面白い。フォークナーの「響きと怒り」にも、改名へのこだわりが出てくるが、アメリカ人にはそのような考えがあるのだろうか。

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2016/05/30

恐らくは、誰もが一度は強く感じたことのあるフィーリング――内面と外面が不可分で、現実と夢が曖昧で、役割が可能性を押しつぶす前の、言葉や定義では説明できない状況――を見事に捉えている作品。主人公であるフランキーの呼称が変化していくのも、彼女が内面と外面のどちらに傾いているかの顕れで...

恐らくは、誰もが一度は強く感じたことのあるフィーリング――内面と外面が不可分で、現実と夢が曖昧で、役割が可能性を押しつぶす前の、言葉や定義では説明できない状況――を見事に捉えている作品。主人公であるフランキーの呼称が変化していくのも、彼女が内面と外面のどちらに傾いているかの顕れで、その彼女が時間を共にするベレニスとヘンリーがそれぞれ象徴する、現実の苦渋と世界への無垢さと何とか接点を持とうと懸命に葛藤するさまは感動的。情景・状況描写も心情描写に見える。作者は世界の在り方とフランセスの心模様を対等に、瑞々しく描出する。その視点も含めて素晴らしかった。

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2016/05/29

大学の講義で「悲しき酒場のバラード」を読んでから、カーソン・マッカラーズのファンでして。 でも、その本を手に入れるのに神保町を探し回れど見つからず、ネット見たらラスト一冊でウン十年前に翻訳されたやつを発見したという。でも、買ってよかったと思える本だった。 それを、これまたファ...

大学の講義で「悲しき酒場のバラード」を読んでから、カーソン・マッカラーズのファンでして。 でも、その本を手に入れるのに神保町を探し回れど見つからず、ネット見たらラスト一冊でウン十年前に翻訳されたやつを発見したという。でも、買ってよかったと思える本だった。 それを、これまたファンの村上さんが訳されている、というのがちょっとうれしくてですね、 この本を買ったわけです。成田空港の本屋で。フィリピンに出向く際に。それが2か月前。 でも、なんか常夏のフィリピンに、この本の妙に重苦しさを漂わせる雰囲気が合わずしばし寝かせておいたのですが、フィリピン生活2か月目にして活字中毒の禁断症状が出て、ほかに読む本がほぼなくなってしまったがゆえ解禁したマッカラーズ。 でもまぁ、読めてよかった。でもすぐにこう感想を述べられるような読後感とは程遠く、ちょっと消化したらまた感想をかけたらいいなと思います。

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2016/05/24

春樹、もうちょっと上手に訳せなかったの?涙 ティファニーは良かったのに…哲学書みたいだった… ごめんなさい、疲れました…

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2016/04/27

若かった頃読んだときどう思ったかは、すっかり忘れた。今はただ、胸にしみる。その一言。 最初のあたりでフランキーが言う。「わたしがわたし以外の人間であればいいのにな」 そう、いつもそう思っていた頃がわたしにもあった。なぜ自分はこの自分なのか。受け入れられずに、でも、そういう言葉に...

若かった頃読んだときどう思ったかは、すっかり忘れた。今はただ、胸にしみる。その一言。 最初のあたりでフランキーが言う。「わたしがわたし以外の人間であればいいのにな」 そう、いつもそう思っていた頃がわたしにもあった。なぜ自分はこの自分なのか。受け入れられずに、でも、そういう言葉にはできずにいた頃。しかもその子供じみた思いは、まったく消え去ったわけではなくて、実はずっと自分のなかにあるのだった。そのことに思いいたる。 十二歳のフランキーは、共感できる女の子というわけではない。思い込みが強く、不自然な行動をし、ちょっと意地悪で、軽はずみで(こうあげてみたら、この年頃の子によくある性質でもあるが)。彼女の葛藤や苦しみはどこまでも彼女自身のもので、時代や国や民族の違いなどのせいではなく、その個別性で、わたしの安易な理解を拒否している。 それでもなお、「ああ、この気持ちはわかる」と何遍も思った。自分が「何者でもない」ことがたまらず、何かになりたい、なれるはずだ、いやなれないのでは、と自信と劣等感の間を行き来していた。周囲の誰にも理解されないと思い、そのくせ理解されることは拒絶して、ここではない、どこかに自分の行くべき場所があるはずだといつも思っていた。料理女のベレニスが「あたしたちはみんなそれぞれ、なぜか自分というものに閉じ込められているんだ」と言う、まさにその通りに感じて。 訳者の村上春樹が「(自分もフランキーのような少女と同様に)何がなんだかわけのわからないままに『気の触れた夏』をくぐり抜けてきたのだ」と書いている。ここが深く心に残っている。「それは人生の中でほんのいっときしか味わうことのできない、大事な気の触れ方だったのだ」

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2016/04/21

12歳の少女の、不安定な精神がありのままに描かれた作品。とても率直で、もやもやした感情はもやもやしたまま、イライラはイライラのまま文章にされていて、読むほうにもダイレクトに伝わってくる。 (2016.4)

Posted byブクログ