眩 の商品レビュー
葛飾北斎の娘のお栄、応為の人生。お栄さん、なんてかっこいいの。 筆さえ握れば、どこでだって生きていけると、何ものにもとらわれない清々しさ。 江戸の人々の暮らしや言葉のやり取りも興味深く読んだ。 北斎の富嶽三十六景誕生の背景も。
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この本を知るまで、葛飾応為のことは存じ上げなく…まだまだ知らないことが沢山あります レンブラントの夜警は見たことがあるので、光と影の描写は本当に美しい 一生をかけて好きなものをし続けること、簡単なようで難しく、それを貫いていけるのは羨ましさすら感じます 生き様が格好いいです ぜひ...
この本を知るまで、葛飾応為のことは存じ上げなく…まだまだ知らないことが沢山あります レンブラントの夜警は見たことがあるので、光と影の描写は本当に美しい 一生をかけて好きなものをし続けること、簡単なようで難しく、それを貫いていけるのは羨ましさすら感じます 生き様が格好いいです ぜひ、絵が見たい
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一生続けられるものに出会えればその人生は幸せと思える一冊。描くことへの力強さ、今度、北斎の絵を見たときに思い出す本。
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ラストシーン、すでに若くないにも関わらず、というより年齢など関係ないと、新たな一歩を踏み出す姿が感動的。勇気をもらえた。
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葛飾北斎の娘、応為の物語。 描いた絵に満足することなく、さらに良い物を描きたいという絵師の気持ちがひしひしと感じられた。 甥の時次郎にはずっと迷惑をかけられるけれど、実際に居そうな人だなぁと思う。 絵の仲間の善次郎の存在は、応為の人生に彩りを添えている。
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葛飾北斎の娘、お栄(応為)の本。 こういう人だったのかもしれないなあ、と思う。 絵にとりつかれ、偉大で変人な父とひたすら描いて暮らす。家事が嫌いで夫と離縁、その後兄弟子の渓斎英泉(善次郎)との色恋のような関係。 渓斎英泉の絵はどろっとした色気があって、妙にモテるという設定がうなず...
葛飾北斎の娘、お栄(応為)の本。 こういう人だったのかもしれないなあ、と思う。 絵にとりつかれ、偉大で変人な父とひたすら描いて暮らす。家事が嫌いで夫と離縁、その後兄弟子の渓斎英泉(善次郎)との色恋のような関係。 渓斎英泉の絵はどろっとした色気があって、妙にモテるという設定がうなずける。 お栄は男と身近になりその絵を見過ぎると絵のアラが目についてきて、そうするとその男が嫌になってくるというのがさもありなん、、と思った。 男が嫌になる→描く絵も嫌になる、じゃなくて、絵が嫌になる→描く奴ごと嫌になる、なんだね。「絵の人」というのは。 母や甥との関係でもなかなか言語化できないような微妙な機微が書かれていて、「うわ~」という感じになった。 とりあえず、お栄は描きたい、というエネルギーだけで生きてる。最後60代になってもさらっと家を出るところがかっこよくて、なんだか励まされた。 余談だけど、同じく朝井まかて「阿蘭陀西鶴」となんか似てる、と思った。 変人で天才の父とその娘(振り回されたりする)、恋ともつかぬ男との関係、男と父の死、ひとりになる娘。
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身内や大切な人を亡くしても 火事や地震で大変な目にあっても さらっと描かれて心強く思う こんな風にやり過ごせていければいいなと思う 江戸の人たちはみんなそうだったのだろうか 応為が描いた絵を思い浮かべながら読んでいく 北斎富士雲龍図も実物を思い出しながら 生まれゆく過程を楽しん...
身内や大切な人を亡くしても 火事や地震で大変な目にあっても さらっと描かれて心強く思う こんな風にやり過ごせていければいいなと思う 江戸の人たちはみんなそうだったのだろうか 応為が描いた絵を思い浮かべながら読んでいく 北斎富士雲龍図も実物を思い出しながら 生まれゆく過程を楽しんだ 絵具や紙の質感や膠の匂い(^_^;)を感じながら 本当に面白く読みました NHKの映像も見てたりしてたんだけど 自分なりに読めて良かったです!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
どんな土地にも人の暮らしがあって、山には道があり、川には橋が架かって、舟が行き交っている 武家には武家の、町人には町人の生きようがあるように、振袖新造と女芸者、町娘も今、なにがしかの運命やしがらみ、縁の中で生きている 葛飾北斎の娘お栄を描いたもの、流れるような文体に惹かれる
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2020年7月12日 一気読み。 息遣いが聞こえてくる。 絵をどんな風に描いているか これほど描きたい気持ち さらに良いものを求めていく気持ち それでも生活の雑多なこと、 甥っ子の尻拭い そんなものはうっちゃりたいのに、 これが人の世だ 好きな事だけはやっていられない 幸せそうな...
2020年7月12日 一気読み。 息遣いが聞こえてくる。 絵をどんな風に描いているか これほど描きたい気持ち さらに良いものを求めていく気持ち それでも生活の雑多なこと、 甥っ子の尻拭い そんなものはうっちゃりたいのに、 これが人の世だ 好きな事だけはやっていられない 幸せそうな弟の家は気詰まりで安寧を捨てて、自由を求めていく 良い結末だ。
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江戸っ子はチャキチャキしていて粋だと聞くけれど、文字から溢れ出す躍動感でどんどん読み進む。お栄のキャラクター絵への情熱が眼前に迫るよう。 たとえ三流の玄人でも一流の素人に勝る。なぜだかわかるか。こうして恥を忍ぶからだ。己が満足できないもんでも歯を食いしばって世間の目にさらす。や...
江戸っ子はチャキチャキしていて粋だと聞くけれど、文字から溢れ出す躍動感でどんどん読み進む。お栄のキャラクター絵への情熱が眼前に迫るよう。 たとえ三流の玄人でも一流の素人に勝る。なぜだかわかるか。こうして恥を忍ぶからだ。己が満足できないもんでも歯を食いしばって世間の目にさらす。やっちまったもんをつべこべ悔いる暇があったら次の仕事にとっととかかりやがれ! 書き終わってみたら不足しか目につかなくてまだまだだと思うんだよ。そうやって己が及ばぬことを知っているから良い絵を描こう巧い絵を描こうって自らの力を欲を振り捨ててまた挑む。その時がきっと道に上達する時なんだろうけどそれも本人には分からない。後で振り返ってみてわかるだけ。 描けば描くほど分からなくなる。巧いだろうって絵には品がない。絵の奥意を極めるには描き続けるしかない。 実際には住む世界が異なる者が集まって共に合奏するなどあり得ないが、絵ならできる。 日本画って書き直しきかないし、下絵を含め何度も描かないといけないし、大変。 時太郎だけは共感出来なかったなぁ。身内ってそんなに大切?
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