1,800円以上の注文で送料無料

の商品レビュー

4.3

88件のお客様レビュー

  1. 5つ

    34

  2. 4つ

    35

  3. 3つ

    10

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2019/10/25

北斎の娘応為(お栄)の物語。お栄の物語としてはアニメ映画で百日紅を見ていたのでそれに似た物語かと思っていたら大いに違っていた。お栄の男女のことや甥の時太郎の放蕩については創作と思われるが、こういう実在の人物に創作を入れられると物語としては面白いのだが歴史史料としての価値はなくして...

北斎の娘応為(お栄)の物語。お栄の物語としてはアニメ映画で百日紅を見ていたのでそれに似た物語かと思っていたら大いに違っていた。お栄の男女のことや甥の時太郎の放蕩については創作と思われるが、こういう実在の人物に創作を入れられると物語としては面白いのだが歴史史料としての価値はなくしてしまう、創作は司馬遼太郎程度にしてもらいたい。作中に出てくるお栄の画を見てみると西洋画を真似ようとしているがやはり岩絵の具では限界があるようだ、油彩を与えたらどれだけの物を描いたか残念だ、また印象派の絵を見たらどう思っただろう。これでやっと撮り溜めてあった宮崎あおい主演のNHKドラマを見ることが出来る。

Posted byブクログ

2019/07/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2017年にNHKで放送されたドラマで見て原作を読んでみたいと思っていた一冊。 映像で表現されていた見事な色彩が小説の世界ではどのように表現されているのだろう。文章から美しい色彩や江戸の景色を感じることが出来るのだろうかと思っていましたが、感じることが出来ました。 一度ドラマを見てるから…と言ってしまえばそうかもしれませんが、実はドラマの内容の記憶はほとんど残っていなくて善次郎を誰が演じたか、これを書くのに調べるまで忘れていたほどでした。 なので、ドラマの映像の記憶と重ねながらではなく、文章から受け取った映像が脳内に再生されました。 美しかった。火事の緋色、夕暮れの紺青、カナリアの黄色、揚羽蝶の黒…。様々な色、そして江戸の街の景色、季節、絵に書く被写体の女性の色気、瑞々しさ、光と影。 目に見えるものはもちろん、お栄のさまざまな気持ちに至るまでこんなに事細かに文章から感じ取れたのは、読書を得意とするわけではない私としては珍しいです。 素晴らしかったです。 それと、これはドラマでもそのまま使われていた北斎のセリフなんですが、 「だが、たとえ三流の玄人でも、一流の素人に勝る。なぜだかわかるか。こうして恥をしのぶからだ。己が満足できねぇもんでも、歯ぁ喰いしばって世間の目に晒す。やっちまったもんをつべこべ悔いる暇があったら、次の仕事にとっとと掛かりやがれ」 私は何か作品を生み出してそれで稼いでるというわけではありませんが、とても響きました。 また、映像も見返してみようと思います。

Posted byブクログ

2019/07/02

葛飾北斎の娘・お栄(葛飾応為)の一生を描いた作品です。 2年ほど前にNHKが宮崎あおいさんの主演でドラマ化。うっかり見てしまいました。 基本、私は「読んだら観ない、観たら読まない」が原則。暫し冷却期間を置いて読んでみることにしました。 細かなストーリーは結構忘れてましたが、どうし...

葛飾北斎の娘・お栄(葛飾応為)の一生を描いた作品です。 2年ほど前にNHKが宮崎あおいさんの主演でドラマ化。うっかり見てしまいました。 基本、私は「読んだら観ない、観たら読まない」が原則。暫し冷却期間を置いて読んでみることにしました。 細かなストーリーは結構忘れてましたが、どうしても宮崎あおいさんの姿が浮かんでしまいます。まあファンなので仕方ないですが。 子供の頃から絵に魅入られ、一度は嫁いだものの離縁。北斎の元に戻ってから再び絵の手伝いを始めます。絵を描くことに集中する余り、自分の形振りや家事には全く興味が示さないお栄なのですが、思ったより常識人として描かれます。女らしい恋も有ります、ちゃんと人付き合いも出来ます。親思いで母親には反抗しながらも面倒を見切れなかったことを後悔し、北斎に対してはその最後まで尽くし続けます。 何と言っても北斎やお栄が絵を描くシーンが記憶に残ります。それが本当なのか判らないのですが「ああ、こんな風に絵が出来て行くんだ」と納得させられるのです。 最後、色んなことを踏み越えて、60歳を迎えて少し人間的に丸くなりつつも、なお絵に対する情熱を失わず、新たな旅立ちを果たそうとする姿が清々しく。 良い本でした。

Posted byブクログ

2019/05/03

北斎の娘 天才女絵師・葛飾応為 こと「お栄」の 絵にすべてをささげた生涯の物語 恥ずかしながら、北斎はともかく その娘の事は何も知らず。これを読んでから ネットであれこれ見て、素晴らしさに驚き。 江戸時代に、女らしいことは何一つせずに ただ絵を描き続けた彼女の人生に圧倒されま...

北斎の娘 天才女絵師・葛飾応為 こと「お栄」の 絵にすべてをささげた生涯の物語 恥ずかしながら、北斎はともかく その娘の事は何も知らず。これを読んでから ネットであれこれ見て、素晴らしさに驚き。 江戸時代に、女らしいことは何一つせずに ただ絵を描き続けた彼女の人生に圧倒されます

Posted byブクログ

2019/05/02

葛飾北斎の娘・応為こと、お栄の生涯を描いた一冊。 ただひたすらに絵を描くことが好きで、特に色彩へのこだわりが強くあった人なのだな、と思いました。 時代的に、女絵師という立場が周囲の理解が得にくいという事と、北斎の孫でお栄の甥にあたる時太郎がどうしようもないクズだったという点で、...

葛飾北斎の娘・応為こと、お栄の生涯を描いた一冊。 ただひたすらに絵を描くことが好きで、特に色彩へのこだわりが強くあった人なのだな、と思いました。 時代的に、女絵師という立場が周囲の理解が得にくいという事と、北斎の孫でお栄の甥にあたる時太郎がどうしようもないクズだったという点で、なかなかの苦労があったようですね。 お栄の、兄弟子・善次郎への思いが切なくて二人のやり取りが何とも“乙粋”で好きでした。

Posted byブクログ

2019/01/14

「恋歌」といい、「その一瞬」を、なんて軽やかに鮮やかに切り取る作家だろう。文章でこれをなし得る朝井まかてに脱帽しかない。 栄のキャラクターのせいかな。恋歌ほど、こころを持っていかれる感覚は薄かった。でもとても楽しく読みました。

Posted byブクログ

2018/12/12

北斎の娘、応為のことは「砧」の絵と出戻って来た事だけ知ってて、勝手に運のない、肩身の狭い人だったのかなぁと思ってた。が、こちらでは

Posted byブクログ

2018/09/28

葛飾北斎の娘であり、絵師の葛飾応為の物語。 男勝りで勝ち気な上、色気もない。 しかし、気風がよく、からりと晴れた青空のように気持ちのいい女性。 まさに江戸の女。 己の生涯を絵に賭け、絵と共に駆け抜けて行った。 ひとりの女性である前にひとりの絵師であった。 そして、絵を愛したひとり...

葛飾北斎の娘であり、絵師の葛飾応為の物語。 男勝りで勝ち気な上、色気もない。 しかし、気風がよく、からりと晴れた青空のように気持ちのいい女性。 まさに江戸の女。 己の生涯を絵に賭け、絵と共に駆け抜けて行った。 ひとりの女性である前にひとりの絵師であった。 そして、絵を愛したひとりの人間であったのではないだろうか。

Posted byブクログ

2018/06/17

いいなぁて思う。自分の好きな事をし、世間の評価に阿らない。最後は自分らしく生きる! これかな真髄は。

Posted byブクログ

2019/10/17

いやぁ、良い本だった。 いまの世でも、女性が自分の中に一つ光るものを見つけ、その道を究めんと邁進するには様々な壁があると思うが、それがより色濃かったであろう江戸の世でも、葛飾北斎の娘お栄は、ひたすらに紙の上に描く線と色を見つめ続けながら歩んでいる。 朝井まかてが並べる、江戸の情緒...

いやぁ、良い本だった。 いまの世でも、女性が自分の中に一つ光るものを見つけ、その道を究めんと邁進するには様々な壁があると思うが、それがより色濃かったであろう江戸の世でも、葛飾北斎の娘お栄は、ひたすらに紙の上に描く線と色を見つめ続けながら歩んでいる。 朝井まかてが並べる、江戸の情緒と風俗を表現する言葉がとても魅力的で、それがよりお栄の清々しさを引き立てていたように思うし、下手な映像よりも鮮明に当時の情景を想像する事が出来た。 本能的で不器用だけど芯があり、人情の溢れたお栄の生き方に爽快感と勇気を貰える一冊。

Posted byブクログ