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僕らのごはんは明日で待ってる の商品レビュー

3.9

197件のお客様レビュー

  1. 5つ

    47

  2. 4つ

    78

  3. 3つ

    53

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2020/03/18

(色々あるけど)普通の男女の恋愛(青春)小説。日常の描き方が上手だなぁと改めて思う。思っているだけでは伝わらない心を形にするということ...。前半は会話・コミュニケーションがダメダメな亮太が後半に進むにつれ、小気味いい返しをしているのが「うんうん、人との関わり方、成長したね」と嬉...

(色々あるけど)普通の男女の恋愛(青春)小説。日常の描き方が上手だなぁと改めて思う。思っているだけでは伝わらない心を形にするということ...。前半は会話・コミュニケーションがダメダメな亮太が後半に進むにつれ、小気味いい返しをしているのが「うんうん、人との関わり方、成長したね」と嬉しくなる。終わり方もマジョリティに迎合しない感じで良。

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2020/03/14

神様は乗り越えられる試練しか与えない」 恋愛小説のようですが、2人の男女の、かけがえない人生のパートナーの物語。 二人ともかなり面倒くさい(笑) 高校での気持ちを伝え、大学で二人は別れ、また、横にいて欲しい人が誰だったかを思う。 結婚して遭遇する病いとの闘い。 明日のご飯を...

神様は乗り越えられる試練しか与えない」 恋愛小説のようですが、2人の男女の、かけがえない人生のパートナーの物語。 二人ともかなり面倒くさい(笑) 高校での気持ちを伝え、大学で二人は別れ、また、横にいて欲しい人が誰だったかを思う。 結婚して遭遇する病いとの闘い。 明日のご飯を一緒に食べる2人の人生を想い馳せ、読了です。 読み終わったら、自分の人生の横にいる人を抱き締めたくなる物語。 #僕らのごはんは明日で待ってる #妹尾まいこ #読書倶楽部 #小説好き #小説好きと繋がりたい #小説

Posted byブクログ

2020/03/12

親知らずという歯がある。人生50年と言われていた時代には、自分の子どものこの歯を見ることなく亡くなる親が多かったところからついた名前と言われている。平均寿命が長くなり子供時代に身近な人の死と接することが少なくなった現代。そんな時代に身近にいた兄を突然に亡くした弟は何を思うのか、何...

親知らずという歯がある。人生50年と言われていた時代には、自分の子どものこの歯を見ることなく亡くなる親が多かったところからついた名前と言われている。平均寿命が長くなり子供時代に身近な人の死と接することが少なくなった現代。そんな時代に身近にいた兄を突然に亡くした弟は何を思うのか、何を背負うのか。物語はそんな背景から始まります。 『兄貴が大好きで、兄貴のことを慕っていて、きっと兄貴のために一生懸命だった。でも、両親の愛情のほとんどを受けていた兄貴をうらやましく思う気持ちがないわけがなかった。そう思う自分に対する嫌悪感は底知れなかった。』兄の死は複雑な思いを弟に残しました。『まだ兄貴、高校二年だったんだよ。将来は消防士になりたいとか言って、キラキラしてたのに。』中学生だった弟には一つの憧れの存在でもあった兄。それは弟の中に『兄貴を失った空虚感だけが、気持ちの隅々まで埋め尽くしていた。』という状況を作り出し、どうにか気持ちを繋いで高校に入学しても、クラスの輪にも入らず、窓の外を見てたそがれる毎日を過ごすだけの日々を送ることになります。 そんな時に体育祭で『ミラクルリレーの第三走者で米袋ジャンプ』を一緒に走ることになった上村。いつも一人の葉山を思いやっての心配りかと思いつつも彼女がかけた言葉は『そうだよね。葉山君、一年の時から、ずっと嫌われてるもんね』という辛辣なもの。でもここから二人の歩みは始まりました。 何事も後ろ向きにしか考えられない葉山。『最初からなければ、素敵な思いも楽しい思いもできないけど、でも、なくなった時の悲しさも味わわなくてすむだろ。最初からなければ終わりが来ることもないんだから。』そんなことを言っていては何も始まりません。人との繋がりも生まれていきません。自分にはないものを持つ彼女。彼の中で何か気になる存在として彼の内に大きな部分を占めていく上村。兄の死の呪縛を乗り越えて、次第に明るさを取り戻し、上を向く葉山。上手いなぁと思ったのは、いつまで経っても二人の下の名前が明らかにならず、名字だけで繋いでいくところ。下の名前が出てくるのはずっと後半。下の名前は予想外の場面で突然に登場します。 章が変わるごとにポンと少し時間が経過して、次の章では、前章の結果論の世界がまず描かれる形で物語はテンポ良く進んでいきます。作品によっては本来そこを描くだろうという部分が敢えて飛ばされるある意味独特なリズム感。瀬尾さんが描きたい部分はそこではないこともよくわかります。そして、作品は全部で4つの章から構成されていますが、見事なくらいに各章が『起・承・転・結』の役割を果たしていて、気持ちいいくらいにスッと体に入ってきます。 瀬尾さんの作品では食事の風景が、それぞれの場面に強い印象を与えてくれます。『二人とも学生の時は、ケンタッキーやマクドナルドで食事をしていたけど、それがガストやココスになった。わずかなことだけど、少し大人になったような気がする』この作品ではファーストフード店のことがよく登場します。それが『転』となる第3章での自宅での食事場面と見事な対称を見せます。そしてとにかく全編に渡って『ごはん』が描かれていきます。それは葉山のちょっと豪華なお弁当であったり、それは大好きなはずの牡蠣が固くなって残る鍋の場面だったり、それは不知の病と闘う人に贈る八十種類ものふりかけだったり…。人が人である限り、私たちは『明日』も『ごはん』を食べるだろうことを特に意識したりはしません。『ごはん』を食べるということは日常を象徴するものでもあります。普通の日常が明日も続いてくれることを願って。『僕らのごはんは明日で待ってる』ことを信じて。 離れて気付くお互いの存在の大きさ。『神様はなんだっけ、乗り越えられる試練しか与えないって言うからさ』という二人が乗り越えていく日常。『こんなふうに自分たちで未来を思いえがいて、それに自分たちで近づくことができる。そしてすぐそばにその未来が待っている…全部が全部思いどおりにはいかないだろうけど、それでも少しずつ形づくっていける。こういうのを幸せっていうんだ。』真っ平らな道は歩きやすいかもしれません。でも、人生だから山もあれば谷もある。起伏のない人生なんてない。思いどおりにいかないこともある。でも焦る必要はない。神様が時々与えてくれる試練を乗り越え前に進んでいく。そうそう試練なんてやってくるものじゃない。そして、その先にきっと乗り越えたから見える未来がある。起伏があったからこそ見える未来がある。 人の繋がりがとてもあったかくて、優しく語りかけてくれるようにスッと気持ちの中に入ってくる、そんな作品でした。

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2020/03/11

解説の「人間関係を築くことに前向きになれない人にこそ、ぜひ読んで欲しい物語」その言葉に惹かれて読み始めた 人間関係に不器用、言葉で伝えるのが苦手、それでも、誠意は伝わってくる 大勢との人間関係は苦手でも、心地よく自分を理解してくれる人が、葉山くんと小春のように、どこかにはいるんだ...

解説の「人間関係を築くことに前向きになれない人にこそ、ぜひ読んで欲しい物語」その言葉に惹かれて読み始めた 人間関係に不器用、言葉で伝えるのが苦手、それでも、誠意は伝わってくる 大勢との人間関係は苦手でも、心地よく自分を理解してくれる人が、葉山くんと小春のように、どこかにはいるんだろうなあ 無理な人間関係を頑張らなくても良いんじゃないかと肩の力が抜けるような 晴々した気持ちになりました 静かに応援したくなる二人 心温まりました

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2020/03/05

しっくりくるくらい誰かと仲良くなって、一緒に何かができるようになれば、もっとずっといいってわかってるのに、それをやる根気がないんだ。しっくりさせるのに心を費やすくらいなら、一人で動いてしまう。面倒くさがりだから 何年付き合ってても完璧に理解するのは無理。でも、それも忘れるし、わ...

しっくりくるくらい誰かと仲良くなって、一緒に何かができるようになれば、もっとずっといいってわかってるのに、それをやる根気がないんだ。しっくりさせるのに心を費やすくらいなら、一人で動いてしまう。面倒くさがりだから 何年付き合ってても完璧に理解するのは無理。でも、それも忘れるし、わかっているつもりになっていく。お互い日々変化しているのにね。

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2020/02/09

ふんわりとした読後感だったが、解説を読んですとんと腑に落ちた感じ。 めんどくさい2人だけど、そうした姿に自分の振る舞いを見てしまう。 葉山くんの気持ちも、上村さんの気持ちもそうそう、とわかってしまう。 でもこの2人のように素直には振る舞えないなあ。 正直でまっすぐで、人付き合いが...

ふんわりとした読後感だったが、解説を読んですとんと腑に落ちた感じ。 めんどくさい2人だけど、そうした姿に自分の振る舞いを見てしまう。 葉山くんの気持ちも、上村さんの気持ちもそうそう、とわかってしまう。 でもこの2人のように素直には振る舞えないなあ。 正直でまっすぐで、人付き合いが上手くはないのかもしれないけど見ていて暖かくなる。ほっこり。

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2020/01/08

ほとんど誰とも交わらない高校生葉山亮太。ひょんなことから上村小春と付き合うことになり、そして何となく大学生になる。他人との距離感が不思議な葉山と含蓄のあることを言う上村の恋はどうなるのか。 すごく良かった。なんつーか、変化球なラブストーリーだった。ラストも抜群。 「今まで周り...

ほとんど誰とも交わらない高校生葉山亮太。ひょんなことから上村小春と付き合うことになり、そして何となく大学生になる。他人との距離感が不思議な葉山と含蓄のあることを言う上村の恋はどうなるのか。 すごく良かった。なんつーか、変化球なラブストーリーだった。ラストも抜群。 「今まで周りをよく見ていなかったけど、意外とみんなは競い合っている。俺にしてみれば、定食を食べられるないことや席がないことなど、どうでもよかった」 そう言えば普段から「人より得しよう」とあれこれしてるけれど、あんまり意味のないことだったかも知れない。得の総量よりそのためのストレスの方が多いかも。 「残念ながら、私、昔悪かったって話と、昔不幸だったって話を披露するなって好きじゃないの」 「本当の病気を知らない人間ってなんだかんだ言うだろう?仕事が大事だとか未来だ夢だ責任だとか。だけどさ、僕はここで二十年以上働いているけど、驚いたことに今まで目の前の命より大事なものなんて見たことがない。だったって一度もだよ」

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2019/11/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「米袋ジャンプ」だとか、「人が死ぬ小説を読んでいる」とか、木曜日に50円安くなるのに火曜日に牛乳買ってしまったイエスに、「ゆり子が大学に行くころに、あの時牛乳を徹底して木曜日に買っておけばよかったね、なんて言う日がやってくるんだから」だとか、 本屋で考えていたことを話したイエスに「わたしが病床で苦しみながら、どのスーパーで卵を買うとお得なのかって重大なことを考えている時に、イエスはのん気に生きる理由なんて考えてたのね」とか、、言葉の表現や大村さんの考えの表現がめちゃくちゃ好き。

Posted byブクログ

2019/11/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

またあたたかいお話だった。 「葉山」と「上村」の高校時代から始まって、家庭を築いていくお話。米袋がきっかけで仲良くなっていく、体育祭ってステキ、青春って素晴らしい。葉山と上村の会話がすっとんでいて面白い。 「神様は乗り越えられる試練しか与えない」よく聞くような言葉だけど、これを「自分に対する神様の評価」に置き換えて考えるスタイルもいいな。ときには過大評価されたり、認めてもらったりしながら、受け入れて生きていく登場人物たち。 「会いたい人とか一緒にいて楽しい人って何人かいるけど、いろんなことを平気にしてくれるのはひとりだけ」 なんでも大丈夫にしてくれる人を、大事にしていきたいと思った。

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2019/11/04

瀬尾まいこさんの文体のやわらかさとリズムが心地よい。 「本当の病気を知らない人間ってなんだかんだ言うだろう?仕事が大事だとか未来だ夢だ責任だとか。だけどさ、僕はここで二十年以上働いているけど、驚いたことに今まで目の前の命より大事なものなんて見たことがない。たった一度もだよ」 ...

瀬尾まいこさんの文体のやわらかさとリズムが心地よい。 「本当の病気を知らない人間ってなんだかんだ言うだろう?仕事が大事だとか未来だ夢だ責任だとか。だけどさ、僕はここで二十年以上働いているけど、驚いたことに今まで目の前の命より大事なものなんて見たことがない。たった一度もだよ」 適切な言葉がでてこなくても、気持ちがある。気持ちは言葉でなくても、伝えることができる。

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