かなわない の商品レビュー
話題の本だったので、図書館で順番待ちしてました。 写真家の植本一子さんのブログ日記を書籍化したものです。 私には子供がいないので、子育てをしている人のことを無条件でエライ、と思ってしまうところがあるのだけれど、こんなに緊迫した声ははじめてききました。作家が褒めるだけのことはある...
話題の本だったので、図書館で順番待ちしてました。 写真家の植本一子さんのブログ日記を書籍化したものです。 私には子供がいないので、子育てをしている人のことを無条件でエライ、と思ってしまうところがあるのだけれど、こんなに緊迫した声ははじめてききました。作家が褒めるだけのことはある。 (完全な育児ノイローゼで、ノイローゼとかではなくちゃんとした病名も診断されていました。) 心優しい&心の広い周りの人に助けられながら著者が立ち直ることを祈るばかりですが、一年半以上前の古い本なのでもしかしたら今はお元気なのかしら? ただ、ここまで赤裸々に自分の気持ちを生々しく語ることは、芸術家だからいいと思っているのか、病気だから分かってないのか、負の連鎖(親のせい)だから仕方ないと思っているのかわかりませんが、家族をはじめとしてたくさんの人に多大な負担を掛けていることをよくよく自覚してほしいと思います。 だって、私だったら絶対にこの人に近づかないもの。
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うわあ。いたたたた。さらけだしたなあ。すごく共感する部分と全く理解できない部分がある。なんと表現していいのかわからない。もやもや。でも子育てに関する部分と精神的な部分は確かにわかる。いたい。いたい。『ちひろさん』を読み直したくなるのは言うまでもなく。ああ、ちひろさん。ちひろさんの...
うわあ。いたたたた。さらけだしたなあ。すごく共感する部分と全く理解できない部分がある。なんと表現していいのかわからない。もやもや。でも子育てに関する部分と精神的な部分は確かにわかる。いたい。いたい。『ちひろさん』を読み直したくなるのは言うまでもなく。ああ、ちひろさん。ちひろさんの作者の方は何者なんだ。『答えは子どもの中、お母さんの中に』も出てきたな。うう。もやもや。こわい。でも自分にとって大事なものが見えてくる。
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著者のブログに掲載された日記を中心にエッセイなどを追加した本。著者は写真家でラッパーECDの奥さんでもある。 著者のことは全く知らなかったが、先日読んだ末井昭著「結婚」の中での二人の対談が面白かったので、興味が出て読んでみた次第。本業は写真家なんだろうけど、文章もうまい。才人であ...
著者のブログに掲載された日記を中心にエッセイなどを追加した本。著者は写真家でラッパーECDの奥さんでもある。 著者のことは全く知らなかったが、先日読んだ末井昭著「結婚」の中での二人の対談が面白かったので、興味が出て読んでみた次第。本業は写真家なんだろうけど、文章もうまい。才人である。 日記は主として二人の子供の子育ての話がほとんど。あまりの子育てのしんどさぶりに、読んでるだけのこちらも当惑してしまう。旦那のECDについては、私は名前しか知らず、彼の音楽も聴いたことはないが、この日記からは、彼が相当に優秀な夫で、父親で、社会人であることがうかがえる。 後半の著者の精神がかなりやばいところまで行ってしまった後の、「先生」によるカウンセリング内容はかなり響く。 子育てに悩んでいる人がいたら、ぜひ一読していただきたい内容だと思った。著者の今後に幸多かれと願わずにはいられない。あと、著者の不倫の話も書かれていて、ここまでさらけ出して大丈夫かと、いらぬ心配もしてしまった。表現者の道はいばらの道、ということかしら。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
何か前半は体調不良やストレスでイライラする→子どもや旦那や物に当たる→私ってだめだなぁ→などと日記やTwitterで発信するか友達に会う→みんなの励ましでまたがんばれます!ありがとう!、の無限ループで読むのがしんどい。 金欠なのにしょっちゅう外食するし、体調不良すぎる。こんなに体調不良が日常なのに子供が2人もいる経緯が分からず(過去作未読なので)、なのに経済的な問題がなければ3人目も欲しいみたいに書いてあってやめれと思いました。 そして後半は不倫。自分が結婚しているから受け入れてもらえない的にめっちゃ悩んでいるのだがそりゃそうやろ。何かあったら法的に破滅するのは相手なんやで…(その場合、一般的には不倫した女側も法的に破滅するものだが、作者の場合は旦那が許しそう的な意味で) 作者のおっしゃる『人間は甘えられる人がいればいい』はその通りだとも思いますが、作者のやってるのは『てめえ甘えてんじゃねえ!』の方の"甘え"なので、ラストの彼の真っ当な言動に涙。 あとがきに『ここに書かれたものは、母への復讐でも、夫への恨みでも、彼への呪いでもなんでもない。』とあるが、いや"呪い"て。否定されてますけどその否定する単語が"呪い"て。 正直に書かれているので偽善的なエッセイより良いんだけど、それはそれでしんどいものだなあと思いました。
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とても正直な人だ、文章だ。 amazonレビューを見れば分かるように、読む人にこれだけの嫌悪感を抱かせるのは、この「正直さ」が恐ろしいからだろう。本当の自分に向き合うのが。 私たちは試されているのだ。
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読むのに根気を要した。 人一人の人生を、こんなにもさらけ出すことができるのか、と驚きが絶えない。 衝撃的な本、とはこのことだなあと思う。大して心を揺さぶられた、とか感動したとかいう記憶はないけれど、おそらくすごく記憶に留まるであろう。
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一気に読み終えた。結婚と育児と自分の中の葛藤と、共感できる箇所が多く、特に娘さんに向ける心情については何度も頷きながら読んで泣いた。きっと自分に原因があると分かっていながらどうにもならない感情を家族にぶつけて、後悔することの繰り返し。夫と別の人を好きになって、さらにバランスが崩れ...
一気に読み終えた。結婚と育児と自分の中の葛藤と、共感できる箇所が多く、特に娘さんに向ける心情については何度も頷きながら読んで泣いた。きっと自分に原因があると分かっていながらどうにもならない感情を家族にぶつけて、後悔することの繰り返し。夫と別の人を好きになって、さらにバランスが崩れていく。自分がどうなりたいか、どうしたいかではなく、周囲の目や理想の家庭像を基準にしてそれと現状を比べて、落ち込んでしまうこと。他者から見るとそれが分かっても、その中にいる本人には分からない。私自身と重ねて、後半は一緒にカウンセリングを受けているようだった。私も自分を好きになりたい。周りの人を大切にしたい。これからもきっと読み続けます。
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図書館にて。 まだブックコーナーが冒頭にあった頃の王様のブランチで紹介されたものだった気がする。(もう見ないが) 内田春菊さんのエッセイを思い出した。 母親との確執はこんなにも娘を破壊するものなんだろうか。 同じくらいの娘を一人だけど育てている母親として、申し訳ないけど自由時間、...
図書館にて。 まだブックコーナーが冒頭にあった頃の王様のブランチで紹介されたものだった気がする。(もう見ないが) 内田春菊さんのエッセイを思い出した。 母親との確執はこんなにも娘を破壊するものなんだろうか。 同じくらいの娘を一人だけど育てている母親として、申し訳ないけど自由時間、私より全然全然多いんだけど?寛容な旦那と娘たちの犠牲の上に成り立っていた不倫にすがって家族を苦しめた挙句、その不倫相手も追い詰めるなんて・・・。 確かにところどころ出てくる壮絶な子育ては大変そうかもしれないけれど、あるよあるよそういうこと。どの母親も楽な訳無いじゃん、あの手この手でいろいろやってんだよ。みんな、休みもなく、優しい言葉もそうそうかけてもらえなくても、ましてや恋愛相手もいなくても。 とはいえ、キャパは人それぞれ。この人に2人の子育ては無理だったんだと思う。母親への復讐ではないとあとがきで書かれてるけど、母親との関係は自身でどうにかしてと思う。それより将来この本を読んで娘はどう思うのか?自分の母親よりひどいことしてないか?苦しいのは自分の問題であって、娘たちのせいではないのだ。 親は親であるとき、強くならざるを得ないし、強くなるべきだと思う。弱い存在を守らなければならないから。 それにもっとシンプルに、日々成長していく娘たち、それをそばで見ていられるのに、子育ては大変だけど楽しいことだっていっぱいいっぱいあるのに、なんともったいない。恋愛なんかよりもっと究極の愛情がそこにあるのに。 腹は立たないが、娘達が不憫でならない。
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こんな本は初めてだなと思った。 外へ外へと出ていって 人間関係を拡大しながら働き続けることと、 小さな小さな家の中を守っていくということの 両立の無茶さを感じた。 働き続けるには、 外からの刺激も学びも必要で、 そのためにいろんな人に出会っていたら、 そりゃ好きな人もできるわ...
こんな本は初めてだなと思った。 外へ外へと出ていって 人間関係を拡大しながら働き続けることと、 小さな小さな家の中を守っていくということの 両立の無茶さを感じた。 働き続けるには、 外からの刺激も学びも必要で、 そのためにいろんな人に出会っていたら、 そりゃ好きな人もできるわな、っていう話。 夫婦ってなんなのか 家庭ってなんなのか
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ちょっと赤裸々な育児日記、くらいの気軽さで手に取ったら、とんでもなかった。 どうしようもなく正直に、一生懸命に、自分であろうともがき続ける魂の記録だった。それも現在進行形の。 息苦しくてしかたないのに、貪るように読み進めてしまうのは、彼女の言葉の隅っこの方に自分を見つけるからかな...
ちょっと赤裸々な育児日記、くらいの気軽さで手に取ったら、とんでもなかった。 どうしようもなく正直に、一生懸命に、自分であろうともがき続ける魂の記録だった。それも現在進行形の。 息苦しくてしかたないのに、貪るように読み進めてしまうのは、彼女の言葉の隅っこの方に自分を見つけるからかな。ふとした言葉に、ぐっと込み上げるものがあり、何度も息を吐いた。 . 書かずには、表現せずには生きていけない人がいる。比喩的な意味などではなく、言葉そのまんまの意味で。そういう人をすごいなとか、しんどそうだなとか思うと同時に、すごい嫉妬の気持ちが沸き起こるのはなんなんだろう。 . あと単純にめちゃくちゃうまいのです。日記形式の文章が。美文ではないし、だらだら書いてるような雰囲気で油断するけど、そこにある気持ちをフレッシュなままとりだして、濃縮果汁還元する言葉のチョイスとリズムに、書いてあることの重苦しさは横に置いて、こりゃ凄いわと感心したり。 . もう、いろいろな角度からかきむしられ、ちょっとまだ感情がまとまらない。 ここ数日の間に新刊がでたらしい。写真展も開催中とか。早く読みたい、写真を観たい。でも同時に思う。この何日か少しの隙間もこの本を開き、どっぷりつかってへとへとになって、やっと読み終わったのに、2冊目とは、、身がもたない。 ー それでも、読んで、観にいってしまうのだろうけれど。
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