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家康、江戸を建てる の商品レビュー

4

130件のお客様レビュー

  1. 5つ

    31

  2. 4つ

    63

  3. 3つ

    25

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

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2018/02/22

「関八州をやろう」小田原攻めの陣中で、秀吉が連れ小便をした家康に発したこの申し出から始まる壮大な江戸開発事業の物語。 当時はまだ大半が低湿地帯で、海が現在の皇居のすぐそばまで入り込んでいた武蔵野の地を居住可能にし繁栄させるために治水、造幣、上水道、石垣、天守の江戸の基盤造りとい...

「関八州をやろう」小田原攻めの陣中で、秀吉が連れ小便をした家康に発したこの申し出から始まる壮大な江戸開発事業の物語。 当時はまだ大半が低湿地帯で、海が現在の皇居のすぐそばまで入り込んでいた武蔵野の地を居住可能にし繁栄させるために治水、造幣、上水道、石垣、天守の江戸の基盤造りという難工事を任され奔走した男達が主役のいうなれば裏方奮闘記ですね。  各章の主人公達がこれまた熱い。 幾代にも渡り普請に尽力した家もあれば、一代で流れを変えてしまったりと面白い話ばかり。 文章が読みやすいので一気に読み進められます。 江戸の古地図や現代の東京の地図、そして江戸城本丸図なんかを手元に置いて、出てくる地名等を探しながら読むとより一層楽しめそう。 書店の手書きポップに書いてあった”ブラタモ好きにおすすめ”ってのは間違いじゃなかった。

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2018/02/18

徳川家康が関東に国替えになってから、いかにして江戸の町を作り上げてきたかを、河川・貨幣・上水・石垣・天守の5つの切り口の短編から描いた歴史小説。家康が主人公かと思ったら、各切り口毎の立役者が主人公でした。 各短編はそれぞれ興味深い話なのですが、ほとんど相互に交わることはないので、...

徳川家康が関東に国替えになってから、いかにして江戸の町を作り上げてきたかを、河川・貨幣・上水・石垣・天守の5つの切り口の短編から描いた歴史小説。家康が主人公かと思ったら、各切り口毎の立役者が主人公でした。 各短編はそれぞれ興味深い話なのですが、ほとんど相互に交わることはないので、5短編を通して読みきった時の感覚も、まぁ徐々に江戸ができてきましたねという感じ(短編が時系列に並んでいる訳でもないのですが)だったのがちょっと残念。 全般的に解説が親切で、登場人物の出自や現代における場所をさりげなく添えてくれる等、非常に読みやすいのですが、話の筋で描く対象の人物が変わっている所など、わかりやすく引っ掛かりを作っている箇所があったのは、これ必要かなぁ?と思ってしまいました。 個人的には序盤の3篇(河川・貨幣・上水)が好きで、プロジェクト自体や登場人物の決断がダイナミックで思い切りが良く、楽しく読めました。 小説としての感動は個人的には期待しすぎていた感がありますが、綿密な取材(しかも歴史面だけでなく技術面も)に基づき、正確な情報をわかりやすくまとめているのは凄いことだと思いました。

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2018/02/14

広大な江戸という地の城郭と城下町の創設。先見の目は天災・人災を防ぐライフライン、経済基盤の礎など公共の大事業に智を廻らし、盤石な積み重ねの各パーツ造りに及ぶ。馴染みの地名のゆかりにも触れ、"なるほど!納得!!"の満足の読後感。

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2018/02/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

流れを変える:ここは初志を貫かせてくれぬか。繰り返して言う関東には未来がある 金貨を延べる:へりくだる人間は仕事もへりくだる。おのれをたのめ 飲み水を引く:豊臣秀吉による天下統一から15年。この国の気風は、急速に平和へと傾いている 石垣を積む:目的は、次釣りだった。仙台藩と南蛮諸国との間で直接的な交易を開始し、併せてキリスト教の宣教師を派遣してもらおうとしていたのだ 天守を起こす:江戸は永遠に普請中。成長をやめる日は来ない。そこに街がある限り、槌音は響き、道路は均され、海は埋められ続けるのだ

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2018/01/28

すごい壮大な長編かと思ったら、5つの側面から江戸を作っていく、主人公もそれぞれ異なってる連作でした。 治水、貨幣、飲水、石垣、天守閣。 主人公はそれらに関わる職人で、もしくは役人。秀忠に関しては殿様だけど。 細切れになってる分最後に天守閣に登って江戸を見渡す家康の気持ちに入り...

すごい壮大な長編かと思ったら、5つの側面から江戸を作っていく、主人公もそれぞれ異なってる連作でした。 治水、貨幣、飲水、石垣、天守閣。 主人公はそれらに関わる職人で、もしくは役人。秀忠に関しては殿様だけど。 細切れになってる分最後に天守閣に登って江戸を見渡す家康の気持ちに入り込めなかったけど、それぞれの物語は面白かった。 個人的には貨幣、お金で天下を取ろうとするお話が一番面白かった。 2018.1.28 15

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2018/01/11

家康を軸に、歴史上有名無名の脇役の人たちによる江戸発展の物語。5つの物語が独立していて、家康でつながっている。江戸が少しずつ形作られる様子がわかる。この作家にかかれば、堅苦しい人物も愛嬌が備わる。キャラもたっている。直木賞候補作となって受賞しなかった作品だが、受賞する資格充分と感...

家康を軸に、歴史上有名無名の脇役の人たちによる江戸発展の物語。5つの物語が独立していて、家康でつながっている。江戸が少しずつ形作られる様子がわかる。この作家にかかれば、堅苦しい人物も愛嬌が備わる。キャラもたっている。直木賞候補作となって受賞しなかった作品だが、受賞する資格充分と感じた。 家康が関東に入るまで、この地は人が住めるような場所でなかった。家康が入ったからこそ、今の東京の殷賑がある。

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2018/01/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いや、面白かった。確かに江戸という日本の中心地たる都市を造るには様々な事業が必要で、それをまるで見てきたかのように生き生きと描かれている。利根川、上水道、貨幣、石、城。どれも面白い。 残念だったのはややこなれていない表現があり、語り口のパターンが似かよってしまっていること。これが例えば司馬遼太郎や城山三郎であれば、と思わずにはいられず、星一つ減じた。 それにしても、これだけの名人、名職人たちを力ずくでも金ずくでもなく動かした家康は、やはり人たらしであったのだろう。

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2017/12/28

治水事業、築城事業を通して江戸のなりたちを垣間見る。それとともに壮大なグラウンドデザインを描くリーダーと、それを愚直に実行するエンジニアの想いを知る。

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2017/12/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

関東には手つかずの未来がある! 秀吉からの突然の国替えの申し出に対し、反対する家臣達に向かい言い放つ徳川家康。 ここから家康の一大プロジェクトが始まった! 問題多発の荒れ放題の土地の地ならしは、利根川東遷に始まり、日本史上初めての貨幣統一、上水道設置工事、強固な江戸城の築城……先人達の知恵と技術の賜物。 感心するのは家康の人を見る目。 無名の技術者を指名し務めを果たさせる。 そして決して好機を逃さない時流を見る目……これぞ天下一のリーダー! お陰で今の東京、いや日本がある。 江戸は一日にしてならず! そして今に続いている。

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2017/11/19

家康が秀吉から国替えを言い渡され、江戸という街を造っていく。 まず河の流れを変えて台地造成、貨幣造成、飲み水の確保、城の石垣造り、そして江戸城天守閣。 江戸は出来たのではなく、建てたのだ、という気持ちが伝わってくる。

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