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家康、江戸を建てる の商品レビュー

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131件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2021/09/12

6年前に関西から関東に来て、純粋に江戸のことが知りたくなった。もともとさびれた漁村と沼地だった江戸の地を一大都市に変貌させた家康。やることは山積みなのだが、なんだかんだ一気に読んでしまった。

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2018/12/08

いま現在でさえ街づくりには多大な労力と時間がかかる。1590年、今から数えて400年以上も前のことならばなおさらである。 小田原征伐後、教科書では単に家康が関東に移封されたことしか学ばない。だが、そこには多大な苦労があり多くの人間が江戸の街づくりに関わり、長い時間をかけて、今の東...

いま現在でさえ街づくりには多大な労力と時間がかかる。1590年、今から数えて400年以上も前のことならばなおさらである。 小田原征伐後、教科書では単に家康が関東に移封されたことしか学ばない。だが、そこには多大な苦労があり多くの人間が江戸の街づくりに関わり、長い時間をかけて、今の東京を築いてきたのだ。 ある程度発展していた小田原ではなく、未開発の江戸に本拠を定めた家康の慧眼も素晴らしいが、そこで0から多くのものを作っていた数多の人々の努力があるからこそ、今の東京があるとしみじみと実感できた。 特に「金を延べる」が面白かった。全ての歴史は経済的視点で見るとまた違って見える。 治水工事:伊奈家三代 貨幣鋳造:後藤庄三郎 飲料水確保:大久保藤五郎、六次郎、春日与右衛門 石垣工事:吾平、喜三太 天守建設:徳川秀忠

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2018/11/19

今、僕の暮らす東京にどんな歴史があるのか、その一端を感じることができました。普段、何気なく眺めている井の頭公園や神田川が、史跡として立ち現れてくるようです。「江戸」というコスモポリスの知らない部分をたくさん教えてもらいました。皇居の見学に行きたくなりました。

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2018/08/30

一冊にわたって、江戸時代初期の江戸の開発の様子が描かれている著書だと思っていましたが、いい意味で裏切られ、しかも、一話一話に個性的なキャラクターを登場させることで、様々な角度から江戸がどのように整備されていったのかを感じることができる、興味深い一冊でした。 この著者の作品は初めて...

一冊にわたって、江戸時代初期の江戸の開発の様子が描かれている著書だと思っていましたが、いい意味で裏切られ、しかも、一話一話に個性的なキャラクターを登場させることで、様々な角度から江戸がどのように整備されていったのかを感じることができる、興味深い一冊でした。 この著者の作品は初めて読みましたが、今後も継続的に読んでいきたいと思います。 「北条家の旧領関東二百四十万石を差し上げよう」天正十八年、落ちゆく小田原城を眺めながら、関白・豊臣秀吉は徳川家康に囁いた。その真意は、水びたしの低湿地ばかりが広がる土地と、豊饒な現在の所領、駿河、遠江、三河、甲斐、信濃との交換であった。愚弄するかのような要求に家臣団が激怒する中、なぜか家康はその国替え要求を受け入れた…。ピンチをチャンスに変えた究極の天下人の、面目躍如の挑戦を描く快作誕生! <目次> 第一話 流れを変える 第二話 金貨を延べる 第三話 飲み水を引く 第四話 石垣を積む 第五話 天守を起こす

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2018/07/28

秀吉から、当時はまだ荒れ地、湿地であった江戸への国替えを命じられた家康。秀吉にしてみれば、家康を警戒して遠ざけることに成功し、してやったりというところだったのだろうが、家康は彼らしい辛抱強さを持って、大阪に負けない大都市、江戸の街を作り上げていく。 当時は足立区を通って東京湾へ注...

秀吉から、当時はまだ荒れ地、湿地であった江戸への国替えを命じられた家康。秀吉にしてみれば、家康を警戒して遠ざけることに成功し、してやったりというところだったのだろうが、家康は彼らしい辛抱強さを持って、大阪に負けない大都市、江戸の街を作り上げていく。 当時は足立区を通って東京湾へ注いでいた利根川の流れを東へ変え、井の頭公園のあたりから上水を都心へ引き、新たに小判を作り、伊豆半島から石垣の石を運びこみ、これまでにない白色(平和の象徴とされる)の天守閣を建てた。 歴史小説というと、戦記ものが定番だけれども、こういう切り口は新鮮だし、好奇心をくすぐられる。江戸の歴史を調べて歩いてみるのもかなり面白そうですね。

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2018/06/22

「家康、江戸を建てる」門井慶喜。2016年、祥伝社。 門井さんという方の本は、初めて読みました。 これ、面白かったです。 ●利根川などの、大規模で数十年に渡る、治水工事の話 ●金貨を鋳造する話 ●飲用の水を地方から江戸まで引っ張ってくる工事の話 ●江戸城の石垣用の石を掘り出し...

「家康、江戸を建てる」門井慶喜。2016年、祥伝社。 門井さんという方の本は、初めて読みました。 これ、面白かったです。 ●利根川などの、大規模で数十年に渡る、治水工事の話 ●金貨を鋳造する話 ●飲用の水を地方から江戸まで引っ張ってくる工事の話 ●江戸城の石垣用の石を掘り出してくる話 ●天守閣を建てるか建てないかという将軍の悩み という、5編の短編からなる1冊。 「家康の時代、つまり江戸時代の初期に、江戸という土地を繁華な人口集積地にするために、具体的な町作りやインフラ整備などを手がけた裏方的なひとびとの、プロジェクトX風味の物語」 ということです。 そういうコンセプトだけ共通していて、5編はそれぞれ登場人物もまったくちがいます。微妙に年代も違うし。 1編1編は、それなりに短編だから読みやすい。なにしろ冷静に、文芸的に?言うと、それほど長い頁が維持できるような構造には作られていないです。 そういう、力は、そんなに感じないんですね。 ただ、先に触れた、都市インフラ整備事業を担った人間物語、というコンセプトが面白いのと、かなりの話が、江戸=関東平野という地理的な個性に影響を受ける事業の話。つまりは「ブラタモリ」的な「へ~そうなんだ~度数」とでもいうべきふむふむ感があります。 だから、いわゆる文芸ファンという垣根を全く越えて、ビジネス書が好きな読者層まで掴んで話題を呼んだ一冊になったのでしょう。 # 無論、ビジネスとしての本作りで言うと、そういう読者層とか東京オリンピックに向けての話題性とかを、キチンと狙った一冊だと思います。それをあざといと興ざめに思うのか、素敵だなと思うのか、その辺の好みで印象も変わってくるとは思います。 # 小説としての深みだとか、コクだとか、人間像の浮かび上がり方の感動みたいなものは、そんなにではないですが、こういうコンセプトと切り口の見事な小説、というのは、なんだかんだ言って、ありそうで実はレア。 好みの持ちよう次第ですが、僕は楽しめましたし、こういうのも大いにアリというのが、本を愉しむことの間口の広さとして素敵だなあ、と思いました。 個人的にはやっぱり冒頭の1編が、この本の特徴が一番でていて面白かったですね。なにせ気が遠くなるほどの年月の土木事業なんで。 それを短く語って言っちゃうと起きる、恐ろしい簡潔な人の人生の描き方みたいなものが、凄みを感じさせました。

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2018/06/08

面白かった!家康と題しているが実際にはアセンブルキャストで利根川の治水伊奈忠次、新貨幣鋳造の庄三郎、飲用水整備の大久保藤五郎春日与右衛門、石垣の吾平と喜三太、そして最終章が天守の建造だが、漆喰にフォーカス、メインは時の将軍秀忠。キャストは所々クロスオーバーしたりする。そして全てを...

面白かった!家康と題しているが実際にはアセンブルキャストで利根川の治水伊奈忠次、新貨幣鋳造の庄三郎、飲用水整備の大久保藤五郎春日与右衛門、石垣の吾平と喜三太、そして最終章が天守の建造だが、漆喰にフォーカス、メインは時の将軍秀忠。キャストは所々クロスオーバーしたりする。そして全てを通して読むと家康の江戸ビルドの意図が見えて来るという趣向。短編集的だがとても面白かった。

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2018/04/09

第一話 流れを変える 第2話 金貨を延べる 第3話 飲み水を引く 第4話 石垣を積む 第5話 天守を起こす

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2021/02/20

「家康」自身の話ではなく 「家康」の命で江戸の町を作った男たちの連作 利根川や荒川の付替えをした人 小判の鋳造をした人 江戸城のための石を切った人 神田上水を引いた人 江戸城の天守を作った人

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2018/04/04

秀吉の命により、家康が転封した江戸。 関東の一寒村だったこの地が、今や世界に冠たる大都市となった所以は、やはり家康の先見の目と、職人たちの情熱と奮闘にあったことを改めて教えてくれる。 街づくりのため、水害をもたらす元凶たる利根川を曲げてしまう伊東忠次。 家康の意を受け、貨幣鋳造に...

秀吉の命により、家康が転封した江戸。 関東の一寒村だったこの地が、今や世界に冠たる大都市となった所以は、やはり家康の先見の目と、職人たちの情熱と奮闘にあったことを改めて教えてくれる。 街づくりのため、水害をもたらす元凶たる利根川を曲げてしまう伊東忠次。 家康の意を受け、貨幣鋳造に生涯をかける橋本庄三郎。 井戸水は、江戸の地の地質ゆえ塩辛くて飲めたものではないため、家康から水利措置を講じられた大久保藤五郎と春日与右衛門。 江戸城の石垣に自ら見出した最上の最上の石を積もうとする、みえすき五平、喜三太。 己の意を込めて天守閣を建てる家康とその真意を推し量ろうとする秀忠。 著者の臨場感あふれる描写と緻密な実証により、直木賞候補になり、また今だにロングセラーを続けていることも、納得できる傑作。

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