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家康、江戸を建てる の商品レビュー

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131件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2017/07/25

家康が江戸をつくるお話。上水の話とか、地元の話はもちろん、鹿島の話も出て来て興味深かった。古地図持って散歩したくなった。 1.流れを変える 2.金貨を延べる 3.飲み水を引く 4.石垣を積む 5.天守を起こす

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2017/07/04

オーディブルで聴きましたが、これはかなり面白いですね。 関白秀吉に東海から関東へ国替えさせられた徳川家康。家臣団は大反対したが、家康はここにこそ未来があると江戸にかけます。 本書は家康の命を受け、河川工事、飲料水、通貨の発行、城造りなどなど、派手な戦場での話ではなくどちらかという...

オーディブルで聴きましたが、これはかなり面白いですね。 関白秀吉に東海から関東へ国替えさせられた徳川家康。家臣団は大反対したが、家康はここにこそ未来があると江戸にかけます。 本書は家康の命を受け、河川工事、飲料水、通貨の発行、城造りなどなど、派手な戦場での話ではなくどちらかというと地味な内政を行う文官の活躍を連作短編によって描いています。主役は江戸の街そのものですね。この巨大都市がどのように造られていったのか? 秀吉が大阪で発行していた大判に対抗して、家康は小判を造ろうとするエピソードなんかは特に面白いですね。 戦と同様に経済や民の衣食住の改善に力を注いでいたからこそ、結果的に家康が他の武将を抑えて勝ち残ったんだろうなあ、という事も感じます。 今はなき江戸城の天守閣は、家康の強い意志で真っ白な漆喰塗りだったそうです。その時代においてはあまり考えられない事だったそうです。家康がなぜ真っ白の天守閣に拘ったのか?その謎を2代将軍秀忠が推理する場面がありますが、その答えを語る家康の言葉はに感動してしまいました。

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2017/06/11

「家康、江戸を建てる」 タイトルとは違い、家康はほとんど出てこない。主人公は江戸を建設し繁栄に導いた仕事人たちの物語である。 その主人公たちは治水工事、小判の製造、水道工事、石垣作り、漆喰の壁作りの専門家の活躍の話である。 家康は先見の明や何が最優先課題かを判断する能力はあっただ...

「家康、江戸を建てる」 タイトルとは違い、家康はほとんど出てこない。主人公は江戸を建設し繁栄に導いた仕事人たちの物語である。 その主人公たちは治水工事、小判の製造、水道工事、石垣作り、漆喰の壁作りの専門家の活躍の話である。 家康は先見の明や何が最優先課題かを判断する能力はあっただろうが、それぞれの分野の技術専門家たちが活躍して江戸を作ったと言うことは間違いないだろう。 五つの話はそれぞれ独立しており、主人公は侍だけではないことも面白い。決して時代は為政者だけで動くのではなく、時代に合わせた技術力が集まることによって動くことを感じさせる。そして、時代を動かす力はそれぞれの主人公がこれをやりたいという思いであり、それぞれの主人公の個性によるところにあり興味深い。 時代小説というとどうしても為政者の話しが多くなりがちであるが、大変面白い切り口で楽しめた。 翻って、現代社会を動かしている、あるいはこれからの未来を作るであろう技術とは何なのかを考えさせられる。

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2017/06/07

歴史小説のように心地よく、すらすら読めた。 『ローマ人の物語』の10巻「ローマは一日にして成らず」の江戸版とでもいえそうな、すなわち、「江戸は一日にしてならず」とでもまとめられるような内容だった。 (じっさい、文中に「パクス・トクガワーナ」という記述もあり、ニヤッとさせられた) ...

歴史小説のように心地よく、すらすら読めた。 『ローマ人の物語』の10巻「ローマは一日にして成らず」の江戸版とでもいえそうな、すなわち、「江戸は一日にしてならず」とでもまとめられるような内容だった。 (じっさい、文中に「パクス・トクガワーナ」という記述もあり、ニヤッとさせられた) 上水道を井の頭池からひいた神田上水の話や、金貨をのべる話は、土木や国土経営的な観点からも面白かったし、江戸城の石垣をくむ話も、印象的。 逆にすこし残念なのは、利根川東遷の話については治水のことぐらいしか背景が語られておらず、物足りなかった(まあ仕方ないか・・・)。 内容にフィクションが多いともおもってはいないが、もう少し詳しく、学術的に記されたものも読みたいと想い、『江戸はこうして造られた』(鈴木理生)をこんど手に取ることにしたのである。

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2017/06/03

徳川家康が江戸幕府を建国するまでの過程を小説仕立てにしており、歴史好きにはたまらない一冊。運河の工事、金貨の鋳造、天守閣の建設、飲料水の確保など、江戸幕府の開国に至った経緯を詳細な取材に基づいて描いており、筆者の歴史への造詣の深さに圧巻される。 本書は歴史書に分類されるが、マネ...

徳川家康が江戸幕府を建国するまでの過程を小説仕立てにしており、歴史好きにはたまらない一冊。運河の工事、金貨の鋳造、天守閣の建設、飲料水の確保など、江戸幕府の開国に至った経緯を詳細な取材に基づいて描いており、筆者の歴史への造詣の深さに圧巻される。 本書は歴史書に分類されるが、マネジメントやコミュニケーションといった、要素を含んだ一種のビジネス書のような一面も持ち合わせている。例えば、利根川の流れを変えるように家康の家臣が領主に依頼するシーンがある。なぜ川の流れを変える必要があるのかと訝しる領主に対して、家臣は利根川の流れを変えることで、年貢が増え、ひいては領主様にとって利益をもたらすことを主張しいる。これは、相手にとってのメリットを伝えて説得するという、現代のビジネスシーンでも用いられている交渉術である。 家康が江戸幕府を開びゃくし、その後250年もの治世を維持することができた背景にあるのは、家臣の能力を見抜き先進的な取り組みを続けていた、家康のマネジメント力かもれない。 以下に面白かった点を述べておく。 ①小判の流通 豊臣時代に流通していた小判は金の含有率が低く、市場の信用性が乏しいため、ほどんど流通していなかった。家康はこの点に目をつけて、金の含有率が高い小判を家臣に作るように命じた。より質の高い小判を江戸で流通させることで、悪貨を駆逐することができ、「徳川」の権威を高めるためである。 ②天守閣の建築 防衛の観点から見ても城に天守閣を建築する必要性はない。それでも、家康が天守閣の建築にこだわったのは、大名に金を使わせるためである。天守閣建築に関わる材料費や工事費を全国の大名に負担させ、彼らの経済力を弱めることに加えて、徳川家こそが天下の支配者であることを誇示することができる。

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2017/06/01

史実をベースにしたフィクション。 秀吉から国替えされた家康が水浸しのクソ田舎の関東をプロデューサーとして全体を構想し、ひとつひとつをゼロから造り上げていくという設定の連作集。 インフラとしてまずは利根川を曲げて水の流れを変え、水道を整備し、貨幣を造り流通の仕組みを整え、江戸城を...

史実をベースにしたフィクション。 秀吉から国替えされた家康が水浸しのクソ田舎の関東をプロデューサーとして全体を構想し、ひとつひとつをゼロから造り上げていくという設定の連作集。 インフラとしてまずは利根川を曲げて水の流れを変え、水道を整備し、貨幣を造り流通の仕組みを整え、江戸城を建て天下に知らしめる。 それぞれを実直な事務次官や職人を主役に据えて、さながらプロジェクトXのようなものづくりの魅力を満喫できます。 江戸城の石垣築城を石切り職人の目線で見る章は特に面白かった!皇居ランが今後新鮮に感じられそう!

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2017/05/29

江戸城を見て、想像以上のお粗末さに呆然とする家康であったが、川の流れを変え、飲み水を引き、低湿地ばかりの土地を豊かな土地に変えていく。また、家康は江戸を日本一の商都とするために小判を発行し、現代に通じる貨幣経済の地固めをしていく。 個人のもつ能力を適材適所で発揮させる術に長けてい...

江戸城を見て、想像以上のお粗末さに呆然とする家康であったが、川の流れを変え、飲み水を引き、低湿地ばかりの土地を豊かな土地に変えていく。また、家康は江戸を日本一の商都とするために小判を発行し、現代に通じる貨幣経済の地固めをしていく。 個人のもつ能力を適材適所で発揮させる術に長けていた武将家康の、江戸に託す思いを描いた小説。

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2017/05/11

【収録作品】第一話 流れを変える/第二話 金貨(キン)を延べる/第三話 飲み水を引く/第四話 石垣を積む/第五話 天守を起こす  江戸が町となっていく過程を簡潔にまとめた連作。さくさくあっさりとまとまっている。

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2017/05/08

江戸という世界有数の巨大な街を造り上げた人々を描いた連作短編集。 江戸城というより、江戸という都市の機構をどう造り上げたかを重点的に描かれているところが面白い。上水機構や利根川などの河川工事など、今現在に到るまでしっかりとその機能が受け継がれていることに感銘すら覚えるものであっ...

江戸という世界有数の巨大な街を造り上げた人々を描いた連作短編集。 江戸城というより、江戸という都市の機構をどう造り上げたかを重点的に描かれているところが面白い。上水機構や利根川などの河川工事など、今現在に到るまでしっかりとその機能が受け継がれていることに感銘すら覚えるものであった。

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2017/04/26

江戸構築を描いた連作歴史小説。 ・流れを変える ・金貨を延べる ・飲み水を引く ・石垣を積む ・天守を起こす の5編収録。 家康の方針を受けて、それぞれのインフラ事業の物語でした。 前半の三つの章は町のインフラ、最後の二つの章は江戸城建築の話なので、土地の埋め立てや町づくりなど...

江戸構築を描いた連作歴史小説。 ・流れを変える ・金貨を延べる ・飲み水を引く ・石垣を積む ・天守を起こす の5編収録。 家康の方針を受けて、それぞれのインフラ事業の物語でした。 前半の三つの章は町のインフラ、最後の二つの章は江戸城建築の話なので、土地の埋め立てや町づくりなどの町のインフラ話でまとまめた方が良いかと思いましたが、最後の一章は家康から秀忠へと引き継がれていくところは良かったのでOKだと思います。 それぞれの章が短く、自分も知らないような史実的主人公も異なるので読みやすいですが、巻数を増やしてでももっと多くのインフラ話やひとつひとつの仕事の深堀や物語の厚みを増しても良かったと思いました。

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