ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学 の商品レビュー
最新のものを含む経営学の論文を、一般向けによく噛み砕いて、エッセンスを提供してくれる本。 どの章も興味深く読めるが、一番おおっ、と思ったのは、 ブレストのアイデア出しについて。 さらさらーと読める。おすすめ。
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経営学が有効活用されない理由 ①経営学のトリレンマ ・厳密である(rigorous) ・知的に新しい(novel) ・役に立つ(practically useful) ②経営学に答えを求めている ⇔経営学は思考の軸 競争戦略 イノベーションの方法 両利き経営→知の深化・知の探索 組織学習 トランザクティブメモリーを活用せよ サーチ行動が組織学習力を高める グローバル化 世界は完全にグローバル化(フラット化)しているわけではない。確かに国家間を跨ぐようなビジネスは増えているが、それはどんな国でも通用するような圧倒的な強みがあるというよりも、ある地域間で受け入れられる強みがあるといって印象 ダイバーシティ 同じ特徴(共通点)を持つ人達(多様なデモグラフィー)をグループ内に集めながらも、タスク(能力・経験)の多様性を確保すべき。 リーダーシップ トランザクティブ・リーダーシップ 「アメとムチ」 トランスフォーメーショナル・リーダーシップ 「啓蒙」 ビジョン いいビジョンの基準 ①簡潔であること ②明快であること ③ある程度抽象的であること ④チャレンジングなこと ⑤未来志向であること ⑥ぶれないこと リーダー(CEO)と従業員のコミュニケーションが高まる程企業の成長性が高まる 特にイメージ型の言葉やメタファーはビジョン浸透に効果的 同族経営 メリット「エージェンシー問題を防ぎ、ブレのない戦略をもたらす」 デメリット「力のない経営者をトップに据えてしまうかもしれない」 CSR ・イメージ効果、情報開示効果、保険効果→外部のSHに自分達のCSR活動をきちんと説明することが前提 ※消費者イメージが強く関連するBtoC系企業では業績に正の相関 ・人材育成効果 起業家精神 ・リアルオプションの考え方が起業を促す ・成功するEO(アントレプレナーシップ・オリエンテーリング)→革新性、積極性、リスク志向性 ・イノベーティブアントレプレナー→クエスチョニング(what if)、オブザーヴィング、エクスペリメンティング、アイデア・ネットワーキング(他者の知恵の活用)
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★「学べない」ではなく「学ばない」★経営学者が探究するするのは科学としての経営学であり、統計的な分析が中心。経営学を稼ぐツールに落とし込むのは研究者の業績にならず、だから稼ぐことをめざすビジネススクールでは学ぶ機会はない、ということらしい。なるほど。 本書に出てくる(科学的な)...
★「学べない」ではなく「学ばない」★経営学者が探究するするのは科学としての経営学であり、統計的な分析が中心。経営学を稼ぐツールに落とし込むのは研究者の業績にならず、だから稼ぐことをめざすビジネススクールでは学ぶ機会はない、ということらしい。なるほど。 本書に出てくる(科学的な)分析も、言われてみれば「まあそうだろうな」という順当な内容。モヤモヤっと感じていたことを、きちんと整理してくれる。自分のしていることの整理に役立つのがビジネスマンにとっての経営学の正しい使い方なのだろう。 適当な場合分けの重要性を教えてくれるのはありがたい。寡占業界では競争を避けるポジショニングが重要(ポーター)だが、それなりに競争のある業界では技術など経営資源を磨くことが大切(リソース・ベースト・ビュー)。さらに不確実な業界ではリアルオプションを採るべき、と。 日本の家電メーカーは2番目の業界にいたが、新興国に出ると高機能ではなく、ボリュームゾーンをめざすかブランドを求めるかポジショニングが重要となり判断の切り替えが求められるという。 世界各国で均等に稼ぐ企業はほとんどない(日本ではキヤノンとマツダ)。ダイバーシティも単に目に見える属性の多様性(demographic diversity)は下手をするとコミュニケーションが滞りパフォーマンスが停滞する、能力や経験の多様性(task diversity)にこそ意味がある。
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経営分析ツールは、どのような分析をするか、という局面の判断のほうが、ツールの使い方より影響が大きいので、MBAではケーススタディが多い、というのに納得。
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【変動解】 世の中の常識、成功法則は常に変化しています。 ひとりの経営者による過去の成功体験が、30年後、40年後も使える法則とは限りません。 ここがワンマン経営の問題であると考えます。 ただ、そのワンマンが過去の成功法則にとらわれない、常に変化を求める変人であり、しかも賢い...
【変動解】 世の中の常識、成功法則は常に変化しています。 ひとりの経営者による過去の成功体験が、30年後、40年後も使える法則とは限りません。 ここがワンマン経営の問題であると考えます。 ただ、そのワンマンが過去の成功法則にとらわれない、常に変化を求める変人であり、しかも賢い人で、会社全体を一気に大きく変化させるのではなく、いろいろなことを小さくはじめて、うまくいけば大きく投資をするというスタンスをとることができれば最高のワンマンです。 なかなか、こうだと思ったことを小さくはじめることは難しいのですが。。。 本書ではこれをリアル・オプションと表現されています。 なんでもリアル・オプションで手を広げておけば、何かが当たる状態、数を打てば当たるということになります。 しかし、相当なアイデアマンで行動力がない限り、数を打つことすらできませんが。。。
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社内勉強会のために再読。 初回から7年が経過しているが、かわらず刺激的な内容で学びを続けないといかんなぁ、と感じさせられる。 社内勉強会は、SCPやRBVから入るのは致し方ないとして、その次に続くものを提示して、継続していることも、伝えていきたいと思う。 巨人の肩に乗りつつ、自分...
社内勉強会のために再読。 初回から7年が経過しているが、かわらず刺激的な内容で学びを続けないといかんなぁ、と感じさせられる。 社内勉強会は、SCPやRBVから入るのは致し方ないとして、その次に続くものを提示して、継続していることも、伝えていきたいと思う。 巨人の肩に乗りつつ、自分たちに合ったものを作り上げる。まだまだっすわ。 --------------------------------------------------- 2016/10/01 刺激的な題名は出版社の推薦だったと、あとがきにある。なんだかなぁ。内容は、2010年以降を中心とした経営学の論文レビュー。文中に多量に登場する「最先端の経営学では」を気に留めなければ、平易で分かりやすい文章。経営学の基本を修めた後の学びのインデックスとして活用できる。 本書によると経営学は「経営に役立つ」方向へ進んでいるという。同様の志向を学会誌で拝見した加護野先生と金井先生の対談でも目にした。経営側としては、とても心強い傾向だ。しかし、だとするなら、研究者の評価基準を現在のものから変更する必要があると考える。企業における人事評価では、評価基準は目的や目標と関連しなければならない。論文の数による評価だけでは、なかなかドライブしないのではないか。
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前著『世界の経営学者はいま何を考えているのか』に続く経営理論紹介の第2弾。 まず経営理論への誤解に対する言い訳から始まる。社会科学が行為功利の最大公約数を分析し、帰納的に要素抽出し抽象化する手法を生業とする以上、著者の言うとおり公理や公式ではなく指針と理解するのが正しいだろう。...
前著『世界の経営学者はいま何を考えているのか』に続く経営理論紹介の第2弾。 まず経営理論への誤解に対する言い訳から始まる。社会科学が行為功利の最大公約数を分析し、帰納的に要素抽出し抽象化する手法を生業とする以上、著者の言うとおり公理や公式ではなく指針と理解するのが正しいだろう。従って流行り廃りを煽るのも経営学なら制するのもまた経営学なり。その前提を以って、グローバルやダイバシティの一般的見解とメタ・アナリシスとの結果相違は興味深い。経営学の扼するところと言えよう。 視野や思考を与する観点からすれば有益な本であるが、但し注意が必要なのは本書掲載のトピックは著者が作為的に選定しているという点である。最新か、というとその点も疑問が残る。論証に偏りがあり賛否両面からの検証も少ない。その点に留意すれば経営学書籍ではあまり掲載されない理論に触れることもでき楽しめると思う。
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わかりやすくまとめられた経営学の本。いろいろな事例研究を見ながらだと、さらに楽しく、理解も深まると思う。図書館で借りたが、購入すると思う
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良書。5フォースとか、いわゆる教科書に出てくるようなフレームが出来た時より、最新の研究を教えてくれる。いろいろと仕事のこと、自社のこと、自分の組織の事を考えながら読める。
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著者はとてもいい人なんだろうなあ、と思いながら読み進めました。良書です。前作がウキウキするくらい新鮮な学術的トピック集だったのに対して、今回は実務家向けの「ほんとうの経営学」への入門書。「「まいにち、修造!」はテニス理論・科学とは全然別物だよ。あと、昔は練習中水飲むなとか言われた...
著者はとてもいい人なんだろうなあ、と思いながら読み進めました。良書です。前作がウキウキするくらい新鮮な学術的トピック集だったのに対して、今回は実務家向けの「ほんとうの経営学」への入門書。「「まいにち、修造!」はテニス理論・科学とは全然別物だよ。あと、昔は練習中水飲むなとか言われたけど、いまはアミノ酸+水分を適宜摂取するのが常識だよ。っていうかみんなも世界でテニスしようぜ!」的なことを懇切丁寧に伝えてくれる。
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