ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学 の商品レビュー
著者の初回版と重複する部分はありましたが、経営学の現状を知る意味では、たいへん参考になりました。 参考になった点は、近年のIT業界の躍進に対する分析が主流になっていること、イノベーションに関する議論が引き続き研究されていること、デザイン思考など、部分や個々の事例分析の現状を打破す...
著者の初回版と重複する部分はありましたが、経営学の現状を知る意味では、たいへん参考になりました。 参考になった点は、近年のIT業界の躍進に対する分析が主流になっていること、イノベーションに関する議論が引き続き研究されていること、デザイン思考など、部分や個々の事例分析の現状を打破するために、経営全体を描く理論の確立へ向けた動きが一部で始まっていること。 最後の「デザイン思考」といった、システムで物事を考える思考プロセスに関心を持ちました。
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知識として、知っておくには面白い内容。経営学を科学的に説明した本。 ・トランザクティブメモリーを高めると組織の生産性があがる。 ・ダイバーシティにはスキル型とデモグラフィック型がある。スキル型は組織の力を高めるが、デモグラフィック型は複数次元で進めないと対立が生まれるリスクがあ...
知識として、知っておくには面白い内容。経営学を科学的に説明した本。 ・トランザクティブメモリーを高めると組織の生産性があがる。 ・ダイバーシティにはスキル型とデモグラフィック型がある。スキル型は組織の力を高めるが、デモグラフィック型は複数次元で進めないと対立が生まれるリスクがある。 ・ブレストのアイディア出しは効率が悪い。 ・知の探索と知の探求 ・真にグローバルな企業は少ない。ある地域では成功しているのに他地域で成功しないのは決しておかしくない。それをもとに賢い資源配分を。 ・新規事業を伸ばすには、既存事業の予算どりや人事評価からは離して考えないと、既存事業が新規事業開発の弊害となる。 ・自社の競争の型を理解してから戦略を考える。 ・トランスフォーメーショナル・リーダーシップでは、前向きで楽観的なビジョンを示し、新しいアイディアで部下のやる気を刺激し、部下一人一人をきちんとケアする。話法はイメージ型で。
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・ ポーターの競争戦略:「差別化戦略」「コストリーダーシップ戦略」 ・ SCP戦略:競争環境の参入障壁・移動障壁を高め、ライバルとの競争を避ける ・ RBV戦略:価値があり模倣されにくい経営資源を形成・活用する ・ リアルオプション戦略:常に不確実な事業環境に、素早く柔軟に対応す...
・ ポーターの競争戦略:「差別化戦略」「コストリーダーシップ戦略」 ・ SCP戦略:競争環境の参入障壁・移動障壁を高め、ライバルとの競争を避ける ・ RBV戦略:価値があり模倣されにくい経営資源を形成・活用する ・ リアルオプション戦略:常に不確実な事業環境に、素早く柔軟に対応する ・ 新興企業のビジネスモデルにおいて決定的なのは、そのデザインが「新奇性」が高いこと、すなわちイノベーティブであるということです。すなわち、「今までつながっていなかった人と人をつなぐ」「今までつながっていなかった企業と人をつなぐ」あるいは「そのつなぎ方を新しくする」といったデザインです。 ・ 両利きの経営:「知の探索」「知の進化」について高い次元でバランスをとる経営 ・ 新規事業部署にはなるべく「知の探索」を好きなようにやらせて、他方で「知の進化」は上層部で既存事業分野との融合を図ることで実現すべきだ ・ 通常、業界で新しい製品が生まれてからしばらくは、部品同士の最適な組み合わせについて試行錯誤が続きますから、企業に主に求められるのは「アーキテクチュアルな知」になります。しかし時間が達につれ、組み合わせについて業界で標準化が進んでいきます。これを「ドミナント・でざいん」と呼びます。いったんドミナント・デザインが確立されると、その後は部品それぞれの機能を高めるための「コンポーネントな知」が重要になってきます。組織構造やルールもそれに順応していく ・ 企業は「身近な知」岳を活用しがちなので、イノベーションを起こすには自分たちの知らない遠い分野への「知の探索」が重要である ・ 弱いつながりからなるネットワークは全体的に無駄が少なく効率的。重複するルートが少ないため ・ そもそも人がクリエイティブになるには「弱い人脈」が重要です。しかし、いざ創造的なアイデアを出したら、それを社内で売り込むため、むしろ「強い人脈」を多く持つことが求められるのです。 ・ 組織の考えを学ぶのが早いメンバーと、遅いメンバーが混在している方が、知の探索が起きて、最終的な組織全体の学習量は増加する(一定の比率での入れ替え、不確実性が高い環境も、最終的な学習量を増加させる) ・ who knows whatが組織全体に浸透することで、情報の掛け合わせは生まれやすくなる ・ 成功すると「サーチ行動」をしなくなる ・ ダイバーシティには二つの種類がある。「タスク型の人材多様性」と「デモグラフィー型の人材多様性」。タスク型の人材多様性は組織パフォーマンスにプラスの効果をもたらす ・ デモグラフィー型の人材多様性の散らばりが多いほど、組織内の軋轢はむしろ減り、組織パフォーマンスは高まる ・ トランザクティブ(取引)型リーダーは「アメとムチ(コンティンジェント・リワード」を重視するが、トランスフォーメーション(変革)型リーダーが重視するのは「啓蒙」。 1) 組織のミッションを明確に掲げ、部下の組織に対するロイヤルティーを高める 2) 事業の将来性や魅力を前向きに表現し、部下のモチベーションを高める 3) 常に新しい視点を持ち込み、部下のやる気を刺激する 4) 部下一人ひとりと個別に向き合い、その成長を重視する ・ 女性がリーダーになる過程では、ステレオタイプなイメージのギャップを埋めるために、結果としてトランスフォーメーショナルなリーダーシップ・スタイルを身につけやすい ・ 優れたビジョンの6つの特性 1) 簡潔であること 2) 明快であること 3) ある程度抽象的であること 4) チャレンジングなこと 5) 未来思考であること 6) ぶれないこと ・ イメージ型の言葉は相手にビジョンの浸透をさせやすい 例)我々は不確実性の海に旅立った(ジョン・アダムズ) ・ 内発的な動機が現場を強くする ・ リアル・オプションでは、不確実性が高いほど、オプション価値が増大する ・ アントレプレナーに共通する4つの思考パターン 1) クエスチョニング 「常にwhat ifと問いかける」 2) オブザーヴィング 「今日身を持ったことを徹底的にしつこく観察する」 3) エクスペリメンティング 「仮説を立てて実験する」 4) アイデア・ネットワーキング 「まずこの問いを誰と話すべきか」を考える ・ 「コーポレート効果」は、企業が複数の産業をまたいでビジネスをすることで得られる追加効果(多角化の効果)のこと ・ バブソンカレッジ
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巷に流布している経営学的なキーワードは、実は経営学の本質ではないというような本。有名な経営戦略論は数多くあるが、それぞれに長短がありさらにその有効性についても業界や企業によって(当然)異なるらしい。なかなか興味深いことも書いてあるが、ビジネスの現場感覚では当たり前のようなことも多く書かれている。それを理論的に解釈しているということだろう。まあ、経営学という正解がない世界のことを書いているので仕方ないのだろう(正解があったら全ての企業がそれをすれば誰も負けないはずなので)。トランザクティブメモリーだけは覚えておきたい。
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経営学とあるが、ビジネスに役立つ内容が盛りだくさん。非常に平易に素人にもわかりやすく現代の経営学について書かれている。 知の探索やリアルオプション理論、トランザクティブメモリーなどは日頃の業務に意識的に活用していきたい。 イノベーション、ダイバーシティ、リーダーシップなどのよく耳にする言葉を如何にすれば経営に上手く活用できるか、なるほどな~と言う内容が連発。 特に イノベーションと創造性の違い イノベーションを起こすには根回しが必要 ダイバーシティは単に女性を登用すればいい話ではない とガツンと納得させられるわかりやすさがあった。 折を見て読み返していきたい。
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ハーバード・ビジネス・レビュー読者が選ぶベスト経営書2016 第1位 http://www.dhbr.net/articles/-/4592
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最新の経営学でどのような分野がどのように研究されているのかざっくり分かって面白かった。仕事に活用云々ではなく、経営がこうやって科学的に分析されているのかというのを知ることができるのが純粋に興味深い。「経営学は思考の軸にすぎない」って言葉はまさにその通りだと思うし、その軸を増やして...
最新の経営学でどのような分野がどのように研究されているのかざっくり分かって面白かった。仕事に活用云々ではなく、経営がこうやって科学的に分析されているのかというのを知ることができるのが純粋に興味深い。「経営学は思考の軸にすぎない」って言葉はまさにその通りだと思うし、その軸を増やして思考のバリエーションを増やすために勉強が必要なのだなと思った。
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先端の経営学を研究している人々は、真理を追究することにモチベーションの源泉があり、実践で使うことは二の次になりがち。最新の経営学は高尚な論文としては世に出回るが、ビジネスマンが使えるような形では落ちてこない。が、最新の経営学で語られていることで、ビジネスマンが知っておくべきことはたくさんある。そのビジネスマンが知っておくべき知を、著者なりの観点からポイントを絞って書き下ろした一冊。実践で使えるようなフレームのお話というよりは、もっと根っこのよりヒット率の高い経営をするための最新知見を中心に書き下ろされてます。なるほど、最新の経営学の知見はこうなってたのかー!と目から鱗がたくさん落ちました。ビジネスマンとして、読んでおいて損は無い、いやむしろ読んでおくべき一冊だと思います!お勧め!! ●各戦略には、フィットする競争の型がある。その相性を理解した上で、戦略は組み立てなければならない。①IO型(市場寡占化状況)⇔SCP(ポジショニング戦略、差別化orコストリーダー)②チェンバレン型(拮抗で競争激しい)⇔RBV(リソース磨きによる差別化戦略)③IO型(変化が激しい)⇔リアルオプション(少額投資して様子を見る) ●イノベーションの絶対条件。両利きの経営がマスト。両利きとは「知の進化(得意な分野の掘り下げ)」×「知の探索(知らん世界の理解を深める)」の両面が必用。が、効率化を求められるほとんどの企業では、より確実性の高い知の進化に傾注してしまう傾向がある(コンピテンシートラップ) ●両利きのリーダーシップの3つの要素。①ビジネスの範囲を定めず、多様な可能性を探求できるアイデンティーを持つこと。②知の探索部門と地の進化部門との予算バランスは経営自身がとること③知の探索部門と知の進化部門で、異なるルール、基準で評価することをいとわないこと。 ●ゆるい繋がりの方が、知の探索は進む。一方で社内を説得突破するときには強い繋がりが必用。したがって、外部とのゆるい繋がりを創れる「チャラ男」と社内調性にたけた「根回しオヤジ」のコンビがイノベーションを生み出す最強コンビ。 ●1人が抱えられる情報量は限られる。したがって、あらゆる情報を共有化しようとするのはナンセンス。効率が悪い。大事なのは「誰が欲しい情報を持っているかを知っている」こと。そして、誰が欲しい情報を持っているかを理解するためには、やはり直接的なコミュニケ―ンが有効になってくる。 ●ブレストは効率が悪い。他者からの評価、他者への気がね、集団的手抜き、が生じやすいから。ブレストを、直接的なアイディアのアウトプットとして捉えるのではなく、ブレストを通じて、誰がどんな知識を持っているかを知る=組織知識が高まる、機会として捉えること。 ●失敗は成功の元は確か。成功することで、知の探索をしなくなる可能性が高まるため。 ●ダイバーシティー。タスク型の多様性(仕事の価値観や知識の幅の多様性)は生産性を高めるが、デモグラフィー型の多様性(性別や出身国)だけを追求することは、かえって効率を下げる研究結果が出てる。デモグラフィー型で進める場合は、男性―女性の2軸で進めるのではなく、多次元で(国や年代の幅など)組み合わせることで、同じ属性同士がグルになり、異なる属性とイガミアウことを避けることが可能。中途半端なダイバーシティに注意するべし。 ●日本最強の後継者は大株主である同族者と一枚岩になれる「婿養子」。 ●起業率を高めるには、万が一失敗した時の事業のたたみやすさ、及び、キャリアのたたみやすが影響する。日本は事業のたたみやすさは、他国と比べてもそん色ないがキャリアに傷がつき、再チャレンジできないことが多い。キャリアのたたみやすさの柔軟性が必用。 ●企業の多くが、ハイブリット企業。すなわち、何かしらの企業に属しながら、新規事業を立ち上げるパターン。リアルオプション戦略の考えかたの個人版。 ●イノベーションを起こす企業家の思考パターン。①クエスチョニング、現状に常に疑問を投げかけ、もし○○ならばと考えられる。②オブザーヴィング、興味をもったことを徹底的にしつこく観察する。③エクスペリメンティング、疑問・観察から「仮説をたてて実験する」④アイディアネットワーキング、他社の知恵を活用する。
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世界最先端の経営学とあったので読んでみる。学術的な部分、実践でも使える考え方など、参考になる情報がまとめられている内容だと思いました。
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経営学の研究の最先端と、ビジネススクールなどで教えられる経営学のかい離が生じていることをわかりやすく解説しています。 科学としての経営学がミクロデータを用いた統計分析やメタアナリシスなど、より定量的な分析にシフトしている一方、ビジネススクールで教えられるのはいまだにポーターの理論。 これは、経営学者の業績評価が学術ジャーナルへの投稿で行われるため、それをフレームワークに落とし込むインセンティブが低いことに起因していると指摘。 経営学の先端についての内容自体も目から鱗が出るとともに、この構造は経済学など他の学問にも通じる話なので、学術の世界の成果をどう現実世界にフィードバックしていくかという重要なテーマを投げかける一冊でもある。
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