この世にたやすい仕事はない の商品レビュー

津村記久子(著者)

2016/12/15

　バーンアウトで14年続けていたしごとを辞めた主人公が、短期の契約社員のしごとを転々とする話。なんと5つの職種を追体験できる、お得な(?)1冊である。
　1つめはみはりのしごと。2つめはバスのアナウンスのしごと。3つめはおかきの袋のしごと。4つめは路地を訪ねるしごと。5つめは大きな森の小屋での簡単なしごと。
　ハローワークの担当者（正門さん、優秀！）が、「コラーゲンの抽出を見張るしごとをしたい」という希望に沿って紹介したしごとなだけあって、どれもなかなか退屈さをともないそうだ。しかし彼女はなかなかに優秀なのである。そのコミュニティにうまく入り込み、自分なりの目的を見つけては達成していく。おかきの袋のしごとでのアイデア力、路地を訪ねるしごとでのおばちゃんコミュニティへの取り入り方などなど、どれもすごすぎて唸ってしまう。
　しかし、どうもしごとに入り込みすぎてしまうらしい。人を助けたいと強く思ったとき、多少の自己犠牲をも受け入れてしまうあたり、しごととの距離感をつかむのが下手なんだなあと窺える。だからバーンアウトしたんだろうなあとも。
　最後は、もとのしごとに戻る決意をしていくという前向きな終わり方。人間ちょっと休みたい時期だってあるよね。働くのがツライ人におすすめしたい本であった。

2016/11/18

なんか中途半端に不思議な話があったり
普通に納得できる話があったりしつつ
面白く読んだ。
私はおかきの袋書きを考える人になりたい！
でも私もいろんな仕事してきたけど
全部何かの役に立ったから、
また新しい仕事したい気持ちになる。
正門さん、できるな！
しかさ昨今じゃハローワークも
契約社員ばっかりで更新も大変なんだぜ！

2017/01/23

面白かった。いろんな仕事があるんだなぁって分かったところが。
そして脱力系のとこがいい。私自身は結構自分視点で考えちゃって行き詰ることがあるんだけど、主人公が冷静に自分のこと含め客観的に見ていて、いいなと思う。
きっと視点を変えるだけで物事をもっと気楽に見られるようになる。

私事をいえば、いま、仕事の意味とかやりがいとか考えたい時期。もっと知りたい。

2016/11/15

津村さんの本、もっと読みたい。
「14歳のハローワーク」みたいな本なのか、自伝みたいなものかと思って、読み始めてしまったが、全然違った。
しかも、バーンアウトした職業が、医療ソーシャルワーカーなんてびっくり。
第四話 路地を訪ねる仕事、は実習に行く学生に配ろう。

2016/12/08

前職で燃え尽きた主人公が安らかでいられるような仕事(コラーゲンの抽出を見守るような仕事)を求めて
紹介された先の仕事が、ちょっと変わった仕事。
本契約とか契約更新時期に、契約せず、仕事を転々と。
どれもたやすい仕事でないけれど、
たやすいか、たやすくないかは、もうちょっと腰を据えてから言ってもらいたいよな…
と思いつつ読んでいたのだけれど3話目あたりでギブアップ。
図書館で借りていて返却期限が来たので4話目斜め読みの末、返してしまった。
そういえば、前職で燃え尽きたんだったな、厳しいこと考えちゃったな。

2016/10/24

面白かったけど、終盤のダラダラと間延びした展開が退屈だった。バスのアナウンスの仕事がなんか不思議で好き。

2017/03/25

この世にたやすい仕事はない、辛いだけ、楽しいだけの仕事もないんだなあと。人に秀でた何かがあるわけじゃないけど、仕事がんばろうと思える話。おかきの袋の仕事がしたいな。

2016/10/09

面白かったです。
津村記久子さんのお仕事小説は肩に力が入っていないのに清々しくて自分も頑張ろうって思えて好きなのですが、この本は笑えました。ちょっと変わった仕事が次々と出てきます。ちょっと羨ましいほどの単純作業だったり、側から見てると楽しそうだけど、表題通り、たやすい仕事はないですよね。
とっても好きな仕事なのに人間関係がイマイチな職場だったり、それ以外にもいろんな理由があって職を変わらずにはいられないこともありますね。長く同じ職場で働き続けることがいいことなのかは疑問ですが。

2016/09/08

なんかハマらなくて、最初の2エピソード読んで諦めてしまいました。盛り上がるのはここから先だったのかもしれないけど。。。

2016.9.8

2016/09/02

題名のとおり平穏で負担の軽い仕事を求めても、「この世にたやすい仕事はない」。

仕事に真剣に向き合う程、深みにはまってしまう。

しかし作者はよくこんなありそうでなさそうな仕事を思いつくものだ。