千年鬼 の商品レビュー
憎しみと悲しみから始まった千年の物語。 無垢な心のままに罪を犯すと、ときに鬼の芽を生じる。 時代の波に埋もれてしまう人間の怒りや悲しみは、一体これまでいくつあっただろうか。 千年という長い時のなかで人の心に生じた鬼の芽は、おそらく誰の心の中にもある。 愛する人を亡くした時、亡くし...
憎しみと悲しみから始まった千年の物語。 無垢な心のままに罪を犯すと、ときに鬼の芽を生じる。 時代の波に埋もれてしまう人間の怒りや悲しみは、一体これまでいくつあっただろうか。 千年という長い時のなかで人の心に生じた鬼の芽は、おそらく誰の心の中にもある。 愛する人を亡くした時、亡くしてしまうかもしれない時、どうしようもなく誰かを恨み、怒り、その怒りをぶつけることでしか己を保っていられない。 人の心は強くもなれば弱くもなる。 自らの制御の利かない怒りと悲しみを背負う運命となった時、諦めが心を飲み込んでしまった時、人は人鬼という化け物になる。 他の動物と違い、知恵を与えられた人間だからこその悲しみや怒りというものがある。 罪とは人の知恵が作り出したものだ。 己が罪と思えばそれは真実の罪となって自らの心を喰らってしまう。 芽吹いてしまった鬼の芽は、次の新たな諍いの種を生み、火種となって報復の連鎖は続く。長きにわたって途方もない死人を出し続ける。 人の幸不幸に思いを巡らせたとき、悲しみのなかで生まれる負債の圧倒的な大きさに愕然とした。 鬼の芽を作り出し、人に禍を成す輪廻はまさに地獄だ。 一方で救いたい、守りたい、生かしたいと思うたった一人の相手を想う、千年という途方もない時間。 その一瞬一瞬が絶望ではなく希望なのだと気づいた時、この物語の本当の温かさに触れた気がした。 民という一人の少女と子鬼の、光を見出すための千年のうねりを超えた物語。
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読みやすく、面白かったです。最後泣かせられました。 あんまり強くない鬼と、あんまり強くない人が、どれほど困難でも希望を捨てない姿、好き。
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何年にも渡って大事な子供を助ける、優しい小鬼の話。一章づつが読みやすく、心が温かくなった。 3年振りにの読了だったが、あっさりとしたお話しだったため、読み終えて登録するまで2回目の読了だったことに気付かず。
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直前の読書がちょっとしんどい本だったから、この本読みやすくて楽〜!となってしまった。 表紙の絵がアニメっぽい感じだったからアニメにでもなったのかと思ったらそういう訳でもないらしい。 でも内容はアニメにでもなりそうな、ちょっとファンタジー味のある話だった。 全7話、段々と小鬼の目的...
直前の読書がちょっとしんどい本だったから、この本読みやすくて楽〜!となってしまった。 表紙の絵がアニメっぽい感じだったからアニメにでもなったのかと思ったらそういう訳でもないらしい。 でも内容はアニメにでもなりそうな、ちょっとファンタジー味のある話だった。 全7話、段々と小鬼の目的や理由が分かってきて結構楽しかった。 西條奈加作品は読むの3作目かな? 今のところ全部雰囲気が違うなぁ。 この本は読みやすいし子供でも楽しめそう。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
時代小説ファンタジーって感じでした。 あらすじとイラストの可愛さで購入しました。 小鬼(見た目鬼ですがほぼ木の精霊です)と弟を探してる女の子が出会って一緒に弟探すことが物語の発端です。 女の子は鬼の芽という鬼になってしまう可能性のあるものを心に持っていて、ある出来事からそれが覚醒し鬼になってしまいます。 鬼になってしまうと輪廻転生の輪から外れてしまうので女の子はもう転生できません。それに納得のいかない小鬼は女の子を無理やり輪廻転生の輪に戻してしまい。転生するたび心に宿った鬼の芽を回収していくという話です。 すごい省いてますがこんな感じ。 どの人生も苦い話でちょっと泣ける。 面白いんですが泣ける話苦手。。特に最後は切なかった。 あと、母親という存在を美化しすぎではと個人的には思いました。
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徐々に小鬼のやっていること含め、話の経緯が明らかになっていく。最後の鬼と民の絆が泣ける。初めて時代小説を読んだけど、思っていたよりも読みやすかった。短編はお話が似たり寄ったりになっているように感じて普段はあまり読まないけど、これは毎回違う角度から刺される感じで、毎話楽しく読めた。...
徐々に小鬼のやっていること含め、話の経緯が明らかになっていく。最後の鬼と民の絆が泣ける。初めて時代小説を読んだけど、思っていたよりも読みやすかった。短編はお話が似たり寄ったりになっているように感じて普段はあまり読まないけど、これは毎回違う角度から刺される感じで、毎話楽しく読めた。楽しいお話ではないけど。
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鬼とは何なのかー。 人はなぜ鬼という存在を作り出したのだろう。 鬼の目的が謎な感じで始まった物語が、小鬼と民の出会いに繋がっていく。切ない物語。 「忘れの呪文」が印象に残る。人は、生きていくのが耐えられぬどの辛い目に遭うと、忘れの呪文を使えるらしい。だから、また、前を向いて、...
鬼とは何なのかー。 人はなぜ鬼という存在を作り出したのだろう。 鬼の目的が謎な感じで始まった物語が、小鬼と民の出会いに繋がっていく。切ない物語。 「忘れの呪文」が印象に残る。人は、生きていくのが耐えられぬどの辛い目に遭うと、忘れの呪文を使えるらしい。だから、また、前を向いて、生きていける。自分自身を守れる能力。素晴らしいなぁ。 人に生まれ変わる穴付近で出会った、しわしわのじさまの言葉。 「長ければ長いほど、辛い思いが増えるだけだ。楽よりも耐えることの方がよほど多い。それでもな、この歳にならないと、わからないこともある。ことに人の幸不幸はな」 私にも人の幸不幸がわかる時がくるだろうか。
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もうちょっと時代に沿った言葉遣いとかの方が良かったかな 後半2つの物語がまだ良かったかな。時代者は言葉ももっとちゃんと昔の方がいいな。
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おとぎ話のような話しかと思ったが、ダーク寄りな内容だった。 ヒトの心に悪意があると「鬼の芽」が出来ていて、それを小鬼達が集めていく。集めた先に何があるのかと読んで行くと、千年前の小鬼と少女の悲しい物語があった。死んだ少女を復活させるための鬼の芽集め。行き着いた先も悲惨な内容。微か...
おとぎ話のような話しかと思ったが、ダーク寄りな内容だった。 ヒトの心に悪意があると「鬼の芽」が出来ていて、それを小鬼達が集めていく。集めた先に何があるのかと読んで行くと、千年前の小鬼と少女の悲しい物語があった。死んだ少女を復活させるための鬼の芽集め。行き着いた先も悲惨な内容。微かに見える光明の先も、到達する先は千年とは、、?
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千年鬼ってそういうこと! 序盤は、人への憎しみや罪の意識などが元となってできる鬼の芽なる玉を小さい鬼が回収するというところから始まる。鬼の芽が破裂すると見境なく人を襲ういわゆる鬼(作品中では鬼と区別して人鬼と呼ばれる)になる。 なんで回収しているのか?民って?? と、最初は疑...
千年鬼ってそういうこと! 序盤は、人への憎しみや罪の意識などが元となってできる鬼の芽なる玉を小さい鬼が回収するというところから始まる。鬼の芽が破裂すると見境なく人を襲ういわゆる鬼(作品中では鬼と区別して人鬼と呼ばれる)になる。 なんで回収しているのか?民って?? と、最初は疑問に思いながら昔話のような雰囲気。 後半その疑問が全部繋がり答えが出る。 民を思う小鬼に心が打たれました。 いつかもう一度再会してほしい。
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