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残穢 の商品レビュー

3.6

418件のお客様レビュー

  1. 5つ

    77

  2. 4つ

    138

  3. 3つ

    117

  4. 2つ

    40

  5. 1つ

    7

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2023/10/25

読者から寄せられた奇妙な体験談。それもかなり前に怪奇な体験を寄せてと募集し何年も経っての便りから話は始まる。 見えない何か、霊の存在を感じさせる。その後も同じような出来事ばかりで読んでいて少し飽きかけた。この作家はあまり怪談話上手くないなと思いつつ読み続けた。しかし、いつの間にか...

読者から寄せられた奇妙な体験談。それもかなり前に怪奇な体験を寄せてと募集し何年も経っての便りから話は始まる。 見えない何か、霊の存在を感じさせる。その後も同じような出来事ばかりで読んでいて少し飽きかけた。この作家はあまり怪談話上手くないなと思いつつ読み続けた。しかし、いつの間にか段々深みに。穢れが災いを生み伝播する。全く関係ない人に、その家族に、突然恐怖が襲い人生を壊す。そしてそれに少しでも関わったり興味をもったりすると、その人を通じて場所も時空も変えて限りなく恐怖が広がる。触れない方が良い。そっとしておくべき。この本を自体も読むこと自体がもうすでに手遅れかも。後書きで、感想を寄せた別の作家たちが、わが家にこの本はぜったい置かないと書いていた。 この作家は本物の怖さを伝える数少ない伝承者。

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2023/10/24

まったく怖くないか、とてつもない恐怖を感じるか、評価は二分される気がします。 直接幽霊が登場するわけではなく、目に見える形で危害を受けるわけでもない。ただ、常識では考えられない存在を確かに感じる。そしてそれらは、我々ではどうしようもない強大な力を蓄えていて、いつ、誰に行使される...

まったく怖くないか、とてつもない恐怖を感じるか、評価は二分される気がします。 直接幽霊が登場するわけではなく、目に見える形で危害を受けるわけでもない。ただ、常識では考えられない存在を確かに感じる。そしてそれらは、我々ではどうしようもない強大な力を蓄えていて、いつ、誰に行使されるかわからない。そんな理不尽な恐怖を描く本作は、小説の域を飛び越えて、現実世界にも忍び寄ろうとしているからタチが悪い。それが本作にとてつもない恐怖を感じる所以だと思う。

Posted byブクログ

2024/01/06

叫ぶようなたぐいの恐怖ではないけれど、 多分この先、生きていく中でふっと思い出すことがありそうだなと思うような恐怖。 自分のなかのどこかがちょっとだけ蝕まれたような、そんな本でした。 日本の民俗学的概念である「穢れ」。 それは恨みを晴らしたい特定の相手を狙って降りかかるもので...

叫ぶようなたぐいの恐怖ではないけれど、 多分この先、生きていく中でふっと思い出すことがありそうだなと思うような恐怖。 自分のなかのどこかがちょっとだけ蝕まれたような、そんな本でした。 日本の民俗学的概念である「穢れ」。 それは恨みを晴らしたい特定の相手を狙って降りかかるものではなく、無作為に伝染し、攻撃を始めます。 穢れにはわかりやすい解決という道はなく、ただ薄まっていくのを待つか、そもそも最初からそういったものに触らないという道を選ぶしかない、というぼんやりとした選択肢が、すっきりしない雰囲気を醸し出していますね。 『結局のところ、自分たちの世界観を試されるだけだ。』 これは、得体の知れない恐ろしさを追求することはこういうことだと表現した一文で、とても印象に残っています。 ところで、この世界の土地で人が不幸を被っていない場所なんてあるのでしょうか? 昔へ昔へと遡る物語を見ていく中で、きっとこうやっていつか、平成も令和も、時代も土地も人も、「知らない過去」になってゆくのだなと、とても不思議な気持ちになりました。

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2023/10/17

大好きなずうのめ人形にも出てくる作品なので読んでみました。殿堂入り的な作品のようで、設定は面白かったですが、怪異が襲ってくる恐怖が好きな私には合わなかった。人それぞれですね。

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2024/03/16

丁寧に時系列を追って霊現象の正体を追求していく物語。 ストーリーも、話中の説明も、書き方も、 丁寧に練られていて、霊現象の描写も真実味があってとても怖かったです。 ただちょっと説明が長いかな。。 恐怖シーンがもう少し多くても 全体の品も損なわれず、より怖かったんじゃないかと思...

丁寧に時系列を追って霊現象の正体を追求していく物語。 ストーリーも、話中の説明も、書き方も、 丁寧に練られていて、霊現象の描写も真実味があってとても怖かったです。 ただちょっと説明が長いかな。。 恐怖シーンがもう少し多くても 全体の品も損なわれず、より怖かったんじゃないかと思いました。 この淡々とした展開が真実味があって 良いところなんですけどね。

Posted byブクログ

2023/10/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

そんなに怖くなかったです。でも、最恐ホラーだとよく聞くのでびくびくしながら読み進めてました。残穢らしきものが主人公達に降りかかり始めた時はゾッとしました。祟りが怖いので、興味本位でそういうものに触れにいくのはやめておこうと思いました。

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2023/10/02

 何度何回読んでも、心胆寒からしめるとはこのことだと思う一冊です。  私は、この本を初めに手に取ったのは、初版発売時のハードカバーでした。同時に別出版社から発売になった鬼談百景と合わせて購入して、鬼談→残穢の順で読みました。  百物語は、百語ることによって不思議な何か怪しいもの...

 何度何回読んでも、心胆寒からしめるとはこのことだと思う一冊です。  私は、この本を初めに手に取ったのは、初版発売時のハードカバーでした。同時に別出版社から発売になった鬼談百景と合わせて購入して、鬼談→残穢の順で読みました。  百物語は、百語ることによって不思議な何か怪しいものを呼び込む儀式のようなものだととらえているのですが、鬼談が九十九話、残穢が百話目と後に知って背筋が寒くなったことを覚えています。  この残穢、当時の私は本棚に入れていることに堪えられず――何せカバーをかけていても何をしていても、ふと本棚に目が向いたときに本の背表紙が目に入ることがあまりに怖くて――読了後しばらくして古本屋に売りに行きました。  それからすでに何年かが経っていますが、今回またどういうわけか読みたくなって、ついつい購入してしまったのが五度目の邂逅となります。何度購入して読んでも、しばらくすると家の本棚に置いておくのが恐ろしく、手放してはまた読みたくなって買ってしまう。  読むのが怖いと知っているのに、ふとするとあの話が読みたい、と頭に染み付いたように浮かび上がってくる何かのようで、こんなにも一冊を売っては買い、買っては売りを繰り返している本はありません。  この本は、よくある心霊ホラーもののように、怨霊が出てくるのでも、主人公がお祓いする立場にいるのでも、心霊現象と戦うものでもありません。  恨まれて、怨まれた、誰かの物語ではない。  それだからこそ、怖い。    もしかしたら、これは私の話かもしれない。  そう思ってしまうことが、怖い。  五度目に迎え入れたこの一冊も、きっと近々売りに出すと思います。読みたいと思って何度でも手に取るけれど、私はこの本を家の本棚に入れておく度胸がないので。

Posted byブクログ

2023/10/02

読むとゾワゾワする本。 「怖い」というより「恐ろしい」と感じる。 後半になるにつれ、「繋がっている」という感じが強くなるが、それがまた面白い。 ただ時間を空けて読むと、はじめの方に出てきた人物を忘れるため、一気に読み進めるのがおすすめ。

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2023/10/01

怖かったー! じわじわと染みが広がっていくようなじんわりとした恐怖。 今まで立って居た場所がぐらつくような恐ろしさを感じました。 はっきりと明言されているわけではないが、まるで著者の体験、取材記のようなモキュメンタリー風に進められていく話は、読み進めるほど恐怖と不安が蓄積していき...

怖かったー! じわじわと染みが広がっていくようなじんわりとした恐怖。 今まで立って居た場所がぐらつくような恐ろしさを感じました。 はっきりと明言されているわけではないが、まるで著者の体験、取材記のようなモキュメンタリー風に進められていく話は、読み進めるほど恐怖と不安が蓄積していきます。 これから先、引越しの機会がある度に思い出すんだろうな…。 明るい時間に読んで良かった。

Posted byブクログ

2023/09/24

ルポ風味での実話風ホラー。怖いので、実話「風」であってくれ。小野不由美が読者からの便りについて、怪異を追いかけ因縁がどんどん繋がってゆくのがミステリー風味で面白い。しかし、これ全部が作り話とも思えないよな……と感じちゃうのだ。怖いから創作……と信じたいけど。

Posted byブクログ