昨日の海は の商品レビュー
静かな青春ミステリー作品ですね♪ 四国の鄙びた海辺の町で、進学校の高1になった光介は母の両親だった祖父母の旧家に両親と3人暮らしだったが、夏休み中に不意に母の姉という女性が8歳の娘連れで東京からやって来て同居することとなる。 四十代の若さで亡くなった祖父母が実は心中だったという噂...
静かな青春ミステリー作品ですね♪ 四国の鄙びた海辺の町で、進学校の高1になった光介は母の両親だった祖父母の旧家に両親と3人暮らしだったが、夏休み中に不意に母の姉という女性が8歳の娘連れで東京からやって来て同居することとなる。 四十代の若さで亡くなった祖父母が実は心中だったという噂も小さな町なので耳にするが実感が湧かない光介だったのに、ひょんなことから祖父母や伯母や母の知らなかった事実を掘り起こして行くことになる。 終盤の二転三転の展開もなかなか良くて一気読みでした。 知らなかった家族の真実を探ることが光介の成長する糧にもなっていくさまが良いです。この著者の他の作品も読みたくなりました♫
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四国の海沿いの街で生まれ育ち、生きているごく普通の(と本人が思っている)高一の青年が、伯母と従姉妹がやってきたことから、次第に自身の祖父母にまつわる事件の真相を知ることにより、大人になっていくという成長の物語。大きな事件も想定外の人物も出てこない、何か身近な知り合いの話のような親...
四国の海沿いの街で生まれ育ち、生きているごく普通の(と本人が思っている)高一の青年が、伯母と従姉妹がやってきたことから、次第に自身の祖父母にまつわる事件の真相を知ることにより、大人になっていくという成長の物語。大きな事件も想定外の人物も出てこない、何か身近な知り合いの話のような親近感の持てる小説でした。別作も読みたくなる作家です。
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近藤史恵さん、こういう話も書くのかー。最初に読んだ本が、ほっこり系だったので、度肝を抜かれました。表紙の海が夏っぽくていいなーと思って手に取った一冊。読み終わってから見ると、色合いがダークで内容を表しているかに見えます。田舎に住むと閉鎖的でしんどくなることもあるだろう。また、芸術...
近藤史恵さん、こういう話も書くのかー。最初に読んだ本が、ほっこり系だったので、度肝を抜かれました。表紙の海が夏っぽくていいなーと思って手に取った一冊。読み終わってから見ると、色合いがダークで内容を表しているかに見えます。田舎に住むと閉鎖的でしんどくなることもあるだろう。また、芸術に没頭する人とその周りの家族も時にしんどく、その芸術が周りの人を傷つけたりする。内容は衝撃的だったけど、写真家の庸平も被写体の華子もどちらも憎めないような気がした。☆3
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四国の磯ノ森の海辺の小さな町で起きた、祖父母の心中事件の真相を、孫である高校生の光介が成長しながら突き止めていく。 芸術家ならではの、プライベートや常識を越えるといった、境界線の危うさ。 高郷カメラで起きた、各々の家族の考え方の違い。 大人にならざるを得なかった子どもたち。 時...
四国の磯ノ森の海辺の小さな町で起きた、祖父母の心中事件の真相を、孫である高校生の光介が成長しながら突き止めていく。 芸術家ならではの、プライベートや常識を越えるといった、境界線の危うさ。 高郷カメラで起きた、各々の家族の考え方の違い。 大人にならざるを得なかった子どもたち。 時に真実を明かさない優しさ。 悲劇は、一体どこで起きてしまったのだろう。 文章から、写真の美しさや力強さも伝わってきたし、光介が初めて一眼レフカメラを手にする描写とか、芹が時間が止まった写真店を復活させようとしている描写とか、それぞれの家族の思いが交差するところか、とても良かった。
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銀盤写真を撮りたくなる。光介の祖父が思いを込めて撮った写真を私も見たいと思った。ぐいぐい読ませてひねりをひとつ。良かった。
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田舎に暮らす主人公の家に母の姉と八歳の娘がやってきて一緒に暮らすことになる。 叔母により写真家であった祖父とそのモデルをしていた祖母の死の謎を知らされ、それを主人公が紐解いていくミステリー。 祖父母の死の真相は少し重たいのですが、作者の文章や視線、登場人物達がとても優しいので読...
田舎に暮らす主人公の家に母の姉と八歳の娘がやってきて一緒に暮らすことになる。 叔母により写真家であった祖父とそのモデルをしていた祖母の死の謎を知らされ、それを主人公が紐解いていくミステリー。 祖父母の死の真相は少し重たいのですが、作者の文章や視線、登場人物達がとても優しいので読み終わると暖かい気持ちになれました 主人公の成長も良かった。 優しい人間になりたい。
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サラリとしたミステリー。 四国の片田舎、昔は写真館だった家に住む高校生の男の子が主人公。 なんとなく以前読んだ宮部みゆきの小暮写眞館をイメージしながら読みました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
近藤史恵さんも好きな作家さんの一人。 この本は27冊目。 四国の南側にある磯ノ森が舞台。 進学校1年生の大江光介は旅館で働く父、専業主婦である母の夢と三人暮らし。 古い自宅の表はシャッターが下りたまま。 祖父が写真展を営んでいたらしいこと、祖父母が海で心中したことは母から聞いていたが、それ以上のことは知らない。 ある日、母・夢の姉である芹とその娘双葉が東京から引っ越してくる。 祖父母の心中事件の真相を探ろうとする芹。 光介も祖父母のことを調べ出す。 そこで明らかになったこととは…
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四国の海辺の町に両親と暮らす光介。その地方では優秀な高校の1年生。演劇部にスタッフとして所属する平凡な高校生である。夏のある日、ほとんど記憶に残っていなかった東京の伯母が小学生の従妹とともに帰ってくる。光介の家は、母親の実家でもあり伯母の実家でもある。伯母と従妹は光介の家の2階で...
四国の海辺の町に両親と暮らす光介。その地方では優秀な高校の1年生。演劇部にスタッフとして所属する平凡な高校生である。夏のある日、ほとんど記憶に残っていなかった東京の伯母が小学生の従妹とともに帰ってくる。光介の家は、母親の実家でもあり伯母の実家でもある。伯母と従妹は光介の家の2階で暮らすことになる。 母と伯母の両親、つまり光介の祖父母は、母たちが十代のころに亡くなっており、光介は会ったことがない。祖父は写真屋をやっていたようだが、家の店の部分は長らくシャッターを下ろしたままになっている。祖父母は、心中だったという。 伯母が引っ越してくるまで、その事は何も知らなかった光介。伯母が心中の謎を知りたいと思っているらしいことから、光介も自分の存在を知るために祖父母について調べ始める。 思春期の高校生らしい光介の正義感のようなものに引き込まれて読んだ。光介と従妹のこれからが楽しみなエンディングだった。
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「真実」の取り扱い。 これは、究極のテーマの一つかもしれない。 知らなくてもよい真実はあるのだろうか。 それとも、真実を知らねば、本当の幸せは得られないのだろうか。 海辺の町で両親とともに暮らす高一の光介。 交流が殆どなかった叔母と小学生のいとこが東京からやってきて同居す...
「真実」の取り扱い。 これは、究極のテーマの一つかもしれない。 知らなくてもよい真実はあるのだろうか。 それとも、真実を知らねば、本当の幸せは得られないのだろうか。 海辺の町で両親とともに暮らす高一の光介。 交流が殆どなかった叔母と小学生のいとこが東京からやってきて同居することになる。 自分が生まれる前に、祖父母は無理心中をしたという事実を、光介は初めて知るのだが、その真相を知りたいという叔母の願いに寄り添っていく。 真相を追う旅の中で、子どもから大人へと成長していく光介の姿、家族や友達とのつながりに共感を持てるが、 ミステリーの結末としては、背中のかゆいところに手が届かない感が多少あった。 光介の純粋さが、やけにまぶしい。
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