ワンダー の商品レビュー
顔が普通ではない男の子オーガストをめぐるお話。 8つのパートに別れ、それぞれのパート毎に、お話の視点が変わっていく。 パート1では、オーガスト自身の視点で書かれる。 パート2では、弟がオーガストである姉ヴィアからの視点。 パート3では、オーガストと仲良くなったサマーの視点。 パー...
顔が普通ではない男の子オーガストをめぐるお話。 8つのパートに別れ、それぞれのパート毎に、お話の視点が変わっていく。 パート1では、オーガスト自身の視点で書かれる。 パート2では、弟がオーガストである姉ヴィアからの視点。 パート3では、オーガストと仲良くなったサマーの視点。 パート4では、オーガストと仲良くしてくれと先生に頼まれ、オーガストと接していたジャックの視点。 パート5では、恋人ヴィアの弟がオーガストであったジャスティンの視点。 パート6では、普通の姉を持つオーガストの視点。 パート7では、かつてヴィアと友達で、オーガストを弟のように思っていたミランダの視点。 パート8では、またオーガストの視点。 パート8は、少しうまくいきすぎな感じがしてしまったけれど、最後はこれくらいハッピーに終わるくらいがいいんだと思う。 遺伝的な理由で、他の人とは違う風に生まれてしまったオーガスト。なるほど、と思える。周囲の人の考え方。この話を読んで、なにか正解がわかるというわけではない。けれども、考える手がかりはたくさんこのお話の中にはあると思う。 『人生の新しい規則を作ろうか……いつも、必要だと思うより、少しだけ余分に人に親切にしてみよう』――ジェームズ・バリーの『小さな白い鳥』の中からトゥシュマン先生が終盤で引用した言葉だ。この本にはブラウン先生の格言としていくつかの格言があらわれる。その中でも、この言葉には著者のメッセージが強くこめられているような気がする。 「ただ親切なだけではじゅうぶんではありません。必要だと思うより、少しだけ余分に親切に。私がこの文章、その言わんとすることに心を動かされた理由は、わたしたちが人間として持っている能力を思い出させてくれるからです。人間には、親切である能力だけでなく、親切であろうとすることを選ぶ能力もあります。」 親切というのはとても些細なこと。必要なときにかける励ましの言葉。友情にあふれた行為。さりげないほほえみ。 この親切という小さなことの価値を理解したいな、と私も思う。 「それぞれ自分たちが築いていく未来では、どんなことも可能だと信じることです。もし今ここにいる一人ひとりが、いつどこにいようとも、必要とされる以上に親切にしようということを規則にしていれば、世界はもっと素晴らしい場所になることでしょう。そして、もし、きみたちが実行したら――それぞれが一歩踏み込んで、必要だと思う以上に親切にしたら――、いつか、どこかで、だれかが、きみたちのなかに、きみたち一人ひとりのなかに、神様の顔を見るのかもしれません」 世の中はなかなかやさしくはないけど、みんなが優しくなれればいいな、と思った。
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オーガストと周囲にいる人たちの物語。 いろいろな葛藤があり、出会いあり、成長していくことができる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
帯とかでどんな本かはわかって読んだつもりだったけど フィクションだけど、重かったけど 面白かった 読者が想像するよりさらにひどい顔(けっこう丁寧に描写されてる。絵も、写真ももちろんないけど)をもつ少年 少年の成長っぷりが泣ける 少年と、家族と友達やまわりのひとのものがたり ジャックがいいこで、おねえちゃんもいい子で サマーとか超いいこで いい子が多くて泣ける 顔ってなんなのかな、と思う ふつう(っていうのもなんだけど)の顔でもコンプレックスがあったりブサイクだなと思ったりいやだったりするのに、 アザとかホクロとかニキビとかそういうので悩んでる人もいるし、 でもここまでの顔だともう想像を絶する 気にしないっていうかもうほんとに、慣れるしかないんだろうなとか、 本気で顔じゃなくて中身を見ないとだめなんだろうなとか それができるひととなかなかできないひとがいて、 わたしも外見や見た目で判断しないで そのひとの中身をみられる、よさを理解できる、みつけられる人になりたいと思った 人に親切にする。さらに余計に親切にする ってはなしがじーんときた。 ひとにやさしくできたら、世界が平和になるような気がする。 いい本だった。 じーんときてきゅっときた。 医学が進歩するといいなと思った
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生まれつき顔に障害があるオーガストは、10歳ではじめて学校に通うことになった・・・。 そんな彼の一年が、本人、お姉ちゃん、クラスメイトの視点で、それぞれの思いを交えて語られる。 オーガストの両親が素晴らしい。また、お婆ちゃんも。 それぞれの、勇気、葛藤、悩み、苦しみ、行動、愛情が...
生まれつき顔に障害があるオーガストは、10歳ではじめて学校に通うことになった・・・。 そんな彼の一年が、本人、お姉ちゃん、クラスメイトの視点で、それぞれの思いを交えて語られる。 オーガストの両親が素晴らしい。また、お婆ちゃんも。 それぞれの、勇気、葛藤、悩み、苦しみ、行動、愛情が、読後なお心に沁み渡りつづけます。
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【WONDER ワンダー】 by R・J・パラシオ 本当に素敵な一冊です。 主人公である10歳の男の子 オーガストは、生まれた時から先天的な顔の形態異常を抱えている。 「毎日がハロウィンで、マスクを着けていられたらいいのに。 I wish everyday could b...
【WONDER ワンダー】 by R・J・パラシオ 本当に素敵な一冊です。 主人公である10歳の男の子 オーガストは、生まれた時から先天的な顔の形態異常を抱えている。 「毎日がハロウィンで、マスクを着けていられたらいいのに。 I wish everyday could be Halloween.」 この日だけが、他の子供達と同じでいられる日だった。 両親、お姉さん、同級生、お姉さんの彼氏、そして本人と、 視点が切り替わりながら物語は進みます。 本人はもちろんのこと、 周囲の人々の物語でもあり、 さまざまなエピソードの中で、 自分だったらどういう行動をするか、こう考えられるのか、どう接してあげられるか、考えさせられます。 そして、 最後の先生のスピーチ、そこからの表彰のシーンは非常に印象に残る一幕です。 「もう少しだけ親切に Kinder than is necessary」 ぜひ多くの人に読んでほしい。 そして考えるきっかけになってもらいたい一冊。
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大人向けだね 顔に様々な障がいをもつ主人公 取り巻く家族、友人、教師が素晴らしい! みんなが成長していく たくさんのことを乗り越えて 5年生ってこんなに! ≪ 外見は 言わないけれど 生き方に ≫
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顔に障害を抱えた男の子が学校に通い始める一年を描いた物語。 一章読み終えるごとに本を抱きしめた。ため息と涙。 私が好きで素晴らしいと思うのは、章ごとに主人公の視点が変わること。お姉ちゃん、親友…ひどい子だと思っていた子が次には自分のことのように思う。 人の心はわからない。人...
顔に障害を抱えた男の子が学校に通い始める一年を描いた物語。 一章読み終えるごとに本を抱きしめた。ため息と涙。 私が好きで素晴らしいと思うのは、章ごとに主人公の視点が変わること。お姉ちゃん、親友…ひどい子だと思っていた子が次には自分のことのように思う。 人の心はわからない。人は自分の人生しか経験できない。だからこそ、私が私のままで生きること。人に出来る限り親切にすること。その大切さと素晴らしさが読み終えた後心に残る。 人生は生きるに値する。ワンダーで満ち溢れていることを本を通して体験した。 主人公オーガストの気持ち、手に取るようにわかる。と思いながら読んでいたら、2章で姉の気持ちがもっとわかる!と涙が出てきた。みんな悲しさや辛さを抱えてる。でも、1人じゃない。人は孤島じゃない。 ジャスティンのラスト、この世界は小鳥たちをみんな大事にしているという言葉。オーガストを取り囲む友人のシーン、ロイヤルガード。胸が熱くなった。最後のオーガストの言葉。人は必ずこの世に打ち勝つ。お母さんの、そのままのあなたにありがとう。校長先生の、最も偉大な人とは自分自身の魅力で多くの心を動かす力を持っている。 数々の言葉やシーンに胸打たれた。 facebookやメール、出てくる話題は最近のもの。読みやすい。今の中高生や先生、そして大人にすすめたい。
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目は、ふつう目があるはずの位置よりも3センチも下で頬の真ん中近く。左目は右目よりずっと下。眼球が入りきるだけの穴が無く、大きく外に飛び出している。眉毛もまつ毛も無い。鼻は不釣り合いに大きく、耳の有るべきところはへこんでいる。全く無かったあごは、移植手術のお蔭でとても小さな顎ができ...
目は、ふつう目があるはずの位置よりも3センチも下で頬の真ん中近く。左目は右目よりずっと下。眼球が入りきるだけの穴が無く、大きく外に飛び出している。眉毛もまつ毛も無い。鼻は不釣り合いに大きく、耳の有るべきところはへこんでいる。全く無かったあごは、移植手術のお蔭でとても小さな顎ができ、やっと舌を口の中に入れておく方法を身に着けた・・・。 未知のタイプの「下顎顔面異骨症」を生まれ持った10歳の少年と、その周囲の人たちの物語。児童文学として書かれていることもあり非常に読みやすく、深い感銘を受けた。ぜひとも若い人たちに読んでほしいけど、大人にも読んでほしい1冊。 驚愕、嫌悪、恐怖。初対面の人にぎょっとされる容姿を持つ少年が、初めて学校に通った1年間が描かれている。身体障害者を主人公に描いた小説にありがちの「皆いい人」ばかりの物語ではない。友達や姉の、ふつうの人間らしい葛藤がちゃんと記されている。そして、主人公だって、欠点を持つ一人の少年として描かれている。皆、悩んだり迷ったりしながらも、分かりあい、懸命に生きている。 国語教師が掲げた格言が、深く心に突き刺さった。 「正しいことをするか、親切なことをするか、どちらかを選ぶときには、親切を選べ。」 本当に、そうなんだと思う。そうなんだ。同時期に読んだ、ナチスから逃げ延びた少年の実話「走れ、走って逃げろ」にも重なる。彼を助けた人たちは、自らの危険を冒して、幼いユダヤの少年の命を救っていた。 またしても思う。私はちゃんとできるのか?ちゃんと親切なことをできるのか?「正しいこと」を理由に、楽な方に逃げたりはしないか?自分自身に問いかける機会となった。忘れないでいたいと思う。
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絶対泣くだろう、泣かせにくるだろうと思わせるシチュエーションと登場人物。顔に重度の障害をおって生まれてきた子供が初めて学校に入学して成長する物語。 この世の悪意、差別を突きつけてくるけれど、それだけでなく優しさや善意も溢れていることを教えてくれる。単なるいい話ではなく、正直さ、真...
絶対泣くだろう、泣かせにくるだろうと思わせるシチュエーションと登場人物。顔に重度の障害をおって生まれてきた子供が初めて学校に入学して成長する物語。 この世の悪意、差別を突きつけてくるけれど、それだけでなく優しさや善意も溢れていることを教えてくれる。単なるいい話ではなく、正直さ、真摯さがあった。
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ある男の子が5年生から編入してきて、学校生活1年間を通して成長していくお話。男の子は初対面の人には、ぎょっとするような容姿の持ち主。 男の子の家族、友達、取り巻くクラスメイトたちがその子がいることによって抱く感情が語り手が変わりながら語られる。 それぞれの立場に立っての彼への見方...
ある男の子が5年生から編入してきて、学校生活1年間を通して成長していくお話。男の子は初対面の人には、ぎょっとするような容姿の持ち主。 男の子の家族、友達、取り巻くクラスメイトたちがその子がいることによって抱く感情が語り手が変わりながら語られる。 それぞれの立場に立っての彼への見方が変わることは当たり前だけれど痛いほどよく理解できる。彼の存在によって自分と違う存在を意識していく。感情の波紋が広がり、嫌悪や、親切心などそれぞれが考えだす。 読みごたえ、感情、イメージのフル活用ができる一冊。
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