院内カフェ の商品レビュー
自分が妻という立場のせいか、夫って何にもわかってない!って愕然とするシーンがあり、思わず呆れて笑ってしまった。 絶滅種の箇所では共感して悲しくもなり、ふたりの結論に救われもした。 病気そのものが消えてなくなるワケじゃない。そんな魔法のようなハッピーエンドではないが、現実的な、人...
自分が妻という立場のせいか、夫って何にもわかってない!って愕然とするシーンがあり、思わず呆れて笑ってしまった。 絶滅種の箇所では共感して悲しくもなり、ふたりの結論に救われもした。 病気そのものが消えてなくなるワケじゃない。そんな魔法のようなハッピーエンドではないが、現実的な、人間の幸せという所には落ち着いたと思う。
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物語は、週末の閑散とした院内カフェの描写から始まります。 お客は、常連客2人と初めて訪れた藤森夫婦の4人。 そこでちょっとした事件が起こります。 物語はその後、そこに居合わせた人々を描いていきます。 藤森朝子さん・孝昭さん夫婦の介護・闘病問題。なかなか深刻...
物語は、週末の閑散とした院内カフェの描写から始まります。 お客は、常連客2人と初めて訪れた藤森夫婦の4人。 そこでちょっとした事件が起こります。 物語はその後、そこに居合わせた人々を描いていきます。 藤森朝子さん・孝昭さん夫婦の介護・闘病問題。なかなか深刻で、いずれ自分にも似たような問題が起こるかもしれないと思うと気が重くなります。 幸い私の両親はまだ元気なようですが、年々老いて行くのが辛い。私のことが精神的ストレスの原因でもあるので申し訳ないのですが、ここまで来るともうどうしようもないのです。 語り手の相田亮子さんは間りん子というペンネームを持つ作家。週末だけ院内カフェでアルバイトしています。 相田さん夫婦には子どもができないという悩みがあります。 亮子さんは、遺伝子が残らないとか、絶滅種だとか突き詰めて考えています。 私は結婚すらしていないのだから、チャンスすらないのです。 「選ばれなかったんじゃなくて、もし何か環境がすごく違うことになっていたら、発動することになっていた『種』なんじゃないかな。今の時代では出番がなかっただけで」 「いつの時代にも、おれたちみたいな変わり者がいることは必要なんだよ」 ……と本作品では納得していましたが、私にはそんな風に語り合う相手すらいません。 孝昭さんの闘病問題をきっかけに、藤森夫婦のズレが明らかになり、離婚問題が浮上。 孝昭さんは、自分を守るために「自分を閉ざす」という方法を学びます。それがまた夫婦間のズレを大きくすることに。 朝子さんが孝昭さんに書いた手紙にはどういうことが書かれていたのか。 似たような問題に直面する前に読んでおく価値があります。 物語は、週末の閑散とした院内カフェの描写から始まります。 お客は、常連客2人と初めて訪れた藤森夫婦の4人。 そこでちょっとした事件が起こります。 物語はその後、そこに居合わせた人々を描いていきます。 ただ一人、間りん子さんの院内カフェでのアルバイトの相方でありエスプレッソマシン担当の村上君についてだけは、特に描かれていません。 彼もまた興味深いキャラであり、彼もまた一つの物語を生きているのでしょうね。 文筆の才もあるようだから、村上君バージョンの『院内カフェ』もあるのかもしれません(彼の書くバージョンは“いい話”系寄りか)。 最終章は、クリスマスイブの院内カフェ。主要な登場人物が再登場し、物語はまとまります。 クリスマスイブに向かう人々の群像を描くということで、日本版「ラブ・アクチュアリー」といった感がありますが、本家に比べると少々wetでheavy。 しかし、重厚で読み応えあります。 最後、間りん子さんはウェブサイト向けに依頼された童話を書き始めます。 哺乳類に後を譲って絶滅した最後の恐竜の童話。 これ、読んでみたい。 http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20160726/p1
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私が読んできた中島たい子とは少し芸風(この本流にいうと)が違った。伏線が全部回収されていく感じがとても良かったし,最初は目をしかめながら読んでいたウルメもとっても良かった。きっとプレゼントはゲジデンスだと思う。温かかった。
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病院の中のカフェ。 タイトルに妙に魅かれて読みました。 アンテナの高いまーちさんのレポがもうあります。 ストーリーもかなり詳しく書かれてありますので、 私はほんの感想だけ、書くことにしましょう。 病院の中のカフェでパートをする女性視線で 語られるある日のカフェの様子から始まり...
病院の中のカフェ。 タイトルに妙に魅かれて読みました。 アンテナの高いまーちさんのレポがもうあります。 ストーリーもかなり詳しく書かれてありますので、 私はほんの感想だけ、書くことにしましょう。 病院の中のカフェでパートをする女性視線で 語られるある日のカフェの様子から始まります。 精神障害のような男性の常連客、 いつも時間をさいて来るフリをしているような毛深い研修医。 そして入院患者の夫をみまう妻とおぼしき夫婦者。 カフェでそれぞれくつろいでいたのですが、 ある出来事で平穏な空気が一変します。 次からの章は、 研修医や夫婦、精神障害者、それぞれの立場から カフェに来るに至るまでのエピソードが 明るく読みやすいタッチで書かれていました。 病院の中のカフェって確かにあると便利だし、 おしゃべりしたり、休んだりしたりするには、丁度いいところです。 実際にカフェがある病院もありますが、 おしゃれなテナントなら一層行きたくなりますね。 やはり多少変わった人たちが集うだろうとは思いますが・・・。 こんな視線からも、 さまざまな人間模様も書けるんだと、感心しました。
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作者の本は読みやすく安心して読めるし題名で間違いないだろうと購入して読んだ。なかなかないシチュエーションだけど、現実にありそうで想像がはっきりでき、カフェの様子が頭のなかで映像化されて私の頭の中では映画のように物語が進んでいった。主人公の女性と友達になりたい。好きなタイプ。さらっ...
作者の本は読みやすく安心して読めるし題名で間違いないだろうと購入して読んだ。なかなかないシチュエーションだけど、現実にありそうで想像がはっきりでき、カフェの様子が頭のなかで映像化されて私の頭の中では映画のように物語が進んでいった。主人公の女性と友達になりたい。好きなタイプ。さらっとしていて頭がよくて地に足がついたかんじ。疲れたらたまに私の脳内の院内カフェに訪れてみようと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
とっても大きな病院の中にある、院内カフェ。 シアトル系じゃないけど、似たような院内カフェに行った事を思い出した。 昔は食堂も暗くて、売店ももっと暗かった。病院自体も薄暗くて 「早く出たい!」 って思ってた。 けど、今の病院は明るくて清潔で。でも、 「ちょっと気持ちを落ち着ける(切り替える)ためにどこかでお茶したい」 って場所がないのは変わらない。 そんな時、 「院内カフェ」 の存在がありがたい(本文にもあったけど)。 「まりあちゃん」 を認めてるお母さんさんに涙が出た。
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面白かった。病院内のカフェのだからやめようかと思ったけど、カフェでバイトしている相田さんと村上君の会話が面白く、明るさがあったから読み進められた。
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病院に併設された全国チェーンのカフェ。そのカフェを中心に、そこで働く人、入院・通院患者、ドクター、お見舞いの人、それぞれのいろいろなエピソードで繋がる長編小説。 前から気になっていた本。初読みの作家さんです。出会って良かった。すごく好きでした。 最後には、不覚にも泣かされてしま...
病院に併設された全国チェーンのカフェ。そのカフェを中心に、そこで働く人、入院・通院患者、ドクター、お見舞いの人、それぞれのいろいろなエピソードで繋がる長編小説。 前から気になっていた本。初読みの作家さんです。出会って良かった。すごく好きでした。 最後には、不覚にも泣かされてしまいました。 かなり後ろ向きだった亮子とパン屋の夫、カフェで揉めてた夫婦、それぞれの関係が後半に向かって改善していく感じが、たまらなく良かったです。 マダムスプラッシュとか、お湯のSとか、そのフレーズだけでも、鼻の奥がツンときます。 サンタクロースは、ゲジデント、がいいな。
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気軽に読めるけど、ちょっと内容の重い作品でした。 病院内のカフェ 患者さんやその奥さんや、カフェで働く作家さんがなど主役の連作短編集です 短編だから仕方ないのかもしれないけれど、ちょっと中途半端な感じでした
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身につまされる・・・私のことが書かれてる?と思うようなところが結構あって、わかるわ~と思ったり、第三者から見たらこうなのかもと分かったり・・・。私も介護者なので、「寄り添いつつ、でも独立してある」、そういう強さを持ちたいと思った。身に沁みる言葉がいろいろあって、いいタイミングで読...
身につまされる・・・私のことが書かれてる?と思うようなところが結構あって、わかるわ~と思ったり、第三者から見たらこうなのかもと分かったり・・・。私も介護者なので、「寄り添いつつ、でも独立してある」、そういう強さを持ちたいと思った。身に沁みる言葉がいろいろあって、いいタイミングで読めたなと思う本でした。心温まるラストもほっこりとさせてくれてよかったです。
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