院内カフェ の商品レビュー
病院内にあるカフェは決して居心地がいいとは思えないけれど、そんな場所が欲しい時が必ずあるね。 サンタ、誰かな?
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病院内にあるカフェが舞台。 今どきの病院には院内にオシャレなカフェが併設されているのが普通なのか? ここいら田舎の病院には、一応喫茶コーナーはあるけれどもそれとは全然印象が違うものだと思う。 だって、チェーンのカフェなら街なかで見かける店舗と変わらないのだろうから、病院内にあると...
病院内にあるカフェが舞台。 今どきの病院には院内にオシャレなカフェが併設されているのが普通なのか? ここいら田舎の病院には、一応喫茶コーナーはあるけれどもそれとは全然印象が違うものだと思う。 だって、チェーンのカフェなら街なかで見かける店舗と変わらないのだろうから、病院内にあるとはいっても別物、別空間扱いじゃないのかな? だからこそ、気分転換ができるのだと思う。 特殊な場所にあるカフェだからか、同じ人が訪れたりするんだろうし。何度も見かける人のことってなんか気になっちゃうもんね〜。 注意深くみていたら、いろいろなことが起こっているのね。 最後の粋なはからい、あれゲジデント先生じゃないの? 人は見かけによらないのではないだろうか。
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本屋さんであらすじを読んだだけで、「あ、これはわたしが必要としている本だ」とわかる本があって、今回の出会いはまさにそうだった。 病人を支えるひとと、支えられる病人とのしあわせな形を探る話。 何か所も印象的な場面・せりふがありました。 病人を愛するということは?または、病人が愛す...
本屋さんであらすじを読んだだけで、「あ、これはわたしが必要としている本だ」とわかる本があって、今回の出会いはまさにそうだった。 病人を支えるひとと、支えられる病人とのしあわせな形を探る話。 何か所も印象的な場面・せりふがありました。 病人を愛するということは?または、病人が愛するということは? 医療に携わる仕事柄、現代社会の医療というものについて、言いようのない違和感を抱くことがあります。 「こんなに沢山の薬を使って、野生ならばとっくに淘汰されているであろう命を引き延ばすのが、どこまで“いいこと”なのか?」 自分も1日数回の注射を打ちつづけなければ生きられない身であることもあり、このクエスチョンは定期的にわたしの中に浮かんできます。 主人公が結婚してから思いがけず不妊とわかり、不妊治療を始めるか迷い夫と対話する場面でのせりふにとても共感しました。 「自然にできないということは、自分の遺伝子は淘汰されるべき存在であり不自然な方法を使ってまで子供を作るのは間違いではないのか?」 わたしも結婚や出産を考える年齢になってから、ずっとそのことを考えています。 病気の可能性をもった「弱い」遺伝子をわざわざ残す必要はないのではないかと。自分の人生を否定するつもりはないけど、病気などないならそのほうがよかった。 でも、わたしはこの尺度を他人に当てはめることはできません。 現に、不妊治療に取り組んでいる方の支援も仕事でしている。 キリスト教の教えでは、“自分と同じ尺度で他人を見ることを拒否する”のを“偽善”と言っています。 多くの例に挙がるのは“自分に許すことを人には許さない”パターンですが、逆も同じかな、と思い至りました。 この本に出てくる人たちにも劇的な病の治癒とか、そんなミラクルは起きないけれど、最後は希望を持てるラストとなっていました。 辛いこと理不尽なことにも、関わる人たちの支えがあるから立ち向かっていける。 これは正直に人間をえがいた小説だから、これが誰にでも当てはまるスーパーな公式だよ!なんて押し付けがましいメッセージはなくて、たぶん本当に病と生きていくことを知っている人の温かい言葉で締めくくられていました。とてもいい小説だった。
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