ヒトラーとナチ・ドイツ の商品レビュー
ヴァイマル共和国 ←女性参政権を認めた最先端の民主制国家。ただしボロボロの敗戦国で周辺諸国に収奪されている。 首相 ← 議会嫌いのヒトラー 大統領←帝政万歳のヒンデンブルク そりゃ全権委任法も通るわという感想。 それまでの積み上げもあって、国会議事堂炎上事件を契機とした共産党の...
ヴァイマル共和国 ←女性参政権を認めた最先端の民主制国家。ただしボロボロの敗戦国で周辺諸国に収奪されている。 首相 ← 議会嫌いのヒトラー 大統領←帝政万歳のヒンデンブルク そりゃ全権委任法も通るわという感想。 それまでの積み上げもあって、国会議事堂炎上事件を契機とした共産党の弾圧や、そもそものヴァイマル共和国の混乱と強制的な軍縮も背景にある。 ヒトラーの独裁とは、「全権委任法」による三権分立の破壊であった。すなわち首相が国会の決議によらず法律を制定し、かつそれを自分(自党)で執行できるという、現代の民主主義から見れば仰天の法律である。これをありえないと思えるのは義務教育の賜物だろう。 その基礎には「ヒトラーならこの閉塞感を打破してくれるのでは」という民衆の期待があったように思う。実際、失業者を減らしていく経緯は論理的かつ思い切った打ち手だと感じる。副作用は指摘できるが、政治はリソース争奪のゲームなので、何かを推進する時に誰かが割を食うのはどこの時代のどんな国でも同じ。 ただし、三権分立は機能していないし、国民に基本的人権は無いことに留意しなければならない。つまり国民の合意形成や、コミュニケーションを経た妥協の結果ではない。逆に、世界恐慌の中では、そこまでの独裁でなければ失業者問題は解決できなかったという見方もできる。 そこまで厚い本ではないが、他にも論点が多い。 今回は2周目だが、さらに再読する価値がある。
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アンネ・フランク関連の本を読んだので、ホロコーストだけではなく、そこに至るまでの経緯を確認したくて、後半を中心に再読した。ヒトラー政権が確立していく過程のドイツ国内の様子も興味深いが、ドイツと諸外国の関係が政権の動きを大きく左右していく事情も目を引く。 1939年のポーランド侵...
アンネ・フランク関連の本を読んだので、ホロコーストだけではなく、そこに至るまでの経緯を確認したくて、後半を中心に再読した。ヒトラー政権が確立していく過程のドイツ国内の様子も興味深いが、ドイツと諸外国の関係が政権の動きを大きく左右していく事情も目を引く。 1939年のポーランド侵攻をはじめとして、ドイツが勢力を広げていくことで支配下のユダヤ人が激増し、ヒトラーにとって彼らの取り扱いが緊急の課題となり、ホロコーストが始まっていったこと。 ドイツからのユダヤ人難民に対する諸外国の冷たさ。(エヴィアン会議の惨憺たる結果 285ページ)だから、アンネ・フランク一家は逃げずに隠れ家に籠ったんだよなぁ。距離的にもフランク家の経済力的にも逃げることは可能だったんじゃないかと思う。子どもの頃から疑問だった。 かなり分量があり、総括的な本なので、これからも機会がある毎に読み返してみると思う。
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国の調子がよくないときにあらわれて、わかりやすい言葉で明確な敵を示すやばい人間に、一瞬でも隙をあたえるとこんなことになってしまうのだ、と思い知れる
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「ヒトラーの経済政策はなぜ「うまく行った」のか」 https://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51943270.html
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ヒトラーやナチスのことはちゃんと知っておかなければいけないと思っている。これらほど知っておかないといけないのに敬遠・忌避されているものも珍しいんじゃなかろうかと思うから。なぜヒトラーが、ナチスが、ドイツがあのような道を歩んでしまったのかを知るためには、まずヒトラーについてしっかり...
ヒトラーやナチスのことはちゃんと知っておかなければいけないと思っている。これらほど知っておかないといけないのに敬遠・忌避されているものも珍しいんじゃなかろうかと思うから。なぜヒトラーが、ナチスが、ドイツがあのような道を歩んでしまったのかを知るためには、まずヒトラーについてしっかり知識をもっておくことも大切。この本は、ナチスが台頭するまでのヒトラーの歩みをかなり丁寧に追っていてためになった。ナチス台頭後の紙幅は薄めな感じもするが、それについてはほかにもいろんな記録があるからひとまずよしとしよう。 読んでみてヒトラーのひととおりのことを知り、いかに簡単に世のなかが後世からすれば誤った方向に行ってしまうことかと思ったし、知らず知らずポイント・オブ・ノーリターンを越えてしまうことかと思った。ヒトラーやナチスだけが悪いのでなく積極的にせよ消極的にせよ彼らを支持した人々(国民)がいたことも事実なわけで、一歩間違えばいまの日本だって、政治の方向性や他国出身の人を嫌う人々、政治に無関心で寄らば大樹の影志向の人々が少なくないことを思うと、ヒトラーやナチスの轍を踏みかねないと思わされた。 ヒトラーの政治思想にオリジナリティはほとんどないという。「ドイツの政治学者クルト・ゾントハイマーはいうように、思想的に見ればヒトラーは「純粋な亜流」だった。当時の反民主主義思想に「何ひとつ独自の貢献」をしていない」(p.72)とのこと。それなのに、口のうまさや勢いでのし上がってしまう、人々が支持してしまうということであり、恐ろしいこと。そして流れができてしまえば、それに逆らえる人の少ないこと。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ヒトラーが政権を取りやがて戦争とホロコーストへと進む、ドイツで起こったことの全体の流れを知ることができ、読みやすかった。 どうして国民の支持を得ることができたのか、どんな政策を掲げてどう独裁者となったのか、本書を読むことで疑問点はある程度解消された。入門書のような感じだろうか。ここで生まれた問いは、また別の書籍で詳細を読みたいと思う。 ヒトラーが排除すると決めた人々が連行されたあと、「治安が良くなった」と国民からは好評だったという話がグロテスクだった。 ヒトラーの暴走を止められるポイントが歴史上にいくつかあったのだろうか。ヒトラーの政治思想にはオリジナリティが見出せないと書かれていたが、同様の思想は共有されていたのだとすると、いずれ権力は持ったのかもしれない。 よく学んでいなければ分岐点を見逃してしまう場面はいくらでもあり、早い段階で抗議するということの大切さがわかったような気がした。
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第一次大戦の敗戦理由を、事実ではない、でもそれらしく演説して支持を得ていくナチ党、ヒトラー。 自分から基本的人権を捨ててナチ党を選ぶドイツ国民。 政治的支持を得るには真実よりも、それらしい民衆が望んでいる嘘を大声で唱える方が効果的だということがよくわかる。 ボリュームがすごいので...
第一次大戦の敗戦理由を、事実ではない、でもそれらしく演説して支持を得ていくナチ党、ヒトラー。 自分から基本的人権を捨ててナチ党を選ぶドイツ国民。 政治的支持を得るには真実よりも、それらしい民衆が望んでいる嘘を大声で唱える方が効果的だということがよくわかる。 ボリュームがすごいので、時間を置いてまた読みたい。
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ヒトラーがどのようにして独裁体制を築くまでに至ったかと、政権を得てからの反ユダヤ政策・ホロコーストの経緯をまとめている。1933年の選挙で第1党ながら3分の1程度の議席しか持っていなかったナチ党が、連立政権樹立後に大統領の協力をもとに瞬く間に憲法を実質無効化して独裁に至る流れを考...
ヒトラーがどのようにして独裁体制を築くまでに至ったかと、政権を得てからの反ユダヤ政策・ホロコーストの経緯をまとめている。1933年の選挙で第1党ながら3分の1程度の議席しか持っていなかったナチ党が、連立政権樹立後に大統領の協力をもとに瞬く間に憲法を実質無効化して独裁に至る流れを考えると、ちゃんと権力を縛ることのできる有効な憲法の必要性を強く感じさせられた。
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今まで歴史書を読む機会がなかった。今回何を思ったかヒトラーについて知りたくなった。独裁政治について知りたくなった。ヒトラーは消して強気で何でもできる人ではなく、雄弁でカリスマ性のある言葉、巧みな人物であることがわかった。めんどくさがりだし、物事から逃げる性格も見てとれた。ナチ党を...
今まで歴史書を読む機会がなかった。今回何を思ったかヒトラーについて知りたくなった。独裁政治について知りたくなった。ヒトラーは消して強気で何でもできる人ではなく、雄弁でカリスマ性のある言葉、巧みな人物であることがわかった。めんどくさがりだし、物事から逃げる性格も見てとれた。ナチ党を率いて独裁政治を行い、フランスと戦い、イギリスに負け、アメリカに負けた。ヒトラーで有名なことはユダヤ人迫害。主にポーランドのユダヤ人は虐殺された。ガスが主だったようだ。ドイツ人一強主義とは言うが、それだけの理由でユダヤ人を迫害するのはなぜだったのだろう
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ナチ・ドイツの成立と終わり、またヒトラーが独裁者となる過程やその思想をわかりやすく解説した新書。 目的達成のための印象操作や事前の根回し(前もって政敵の動きを封じる)等、読んでいて非常に恐ろしい気持ちになった。 また、ホロコーストを行うに至った心理的・物質的理由、ユダヤ人だけでな...
ナチ・ドイツの成立と終わり、またヒトラーが独裁者となる過程やその思想をわかりやすく解説した新書。 目的達成のための印象操作や事前の根回し(前もって政敵の動きを封じる)等、読んでいて非常に恐ろしい気持ちになった。 また、ホロコーストを行うに至った心理的・物質的理由、ユダヤ人だけでなく多くの非アーリア人や少数派の人たちが犠牲になってきたことも解説されており、とても勉強になった。 遠い異国の昔の話などではなく、もっと自分自身に引き寄せて考えるべき課題が数多く見つけられた。
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