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ヒトラーとナチ・ドイツ の商品レビュー

4.2

43件のお客様レビュー

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    14

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2024/02/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「わからない」ことがわかった。 『暗幕のゲルニカ』を読んで、なんでこんな悲惨な状況になってしまったんだ?ナチス、ヒトラーって何だ?と、その歴史や背景に興味を持ったことがきっかけでこの本を読んでみた。 どのようにしてヒトラーが独裁政権を取ったのか、どのようにしてユダヤ人迫害が行われたのか、順を追って細かく書かれていた。 実際に起こったことが羅列されていると、なんだか自然の流れでそうなってしまったのかなと思ってしまう。 反ナチス側の人たちの動きなどは書ききれなかったと著者が“おわりに”に書いていたように、反対側の人たちの動きも知りたくなった。 映画でよく観るのは反対側の人たちだからそういう意味ではなんとなく知識として蓄積されているのかもしれないけど… ヒトラー政権の支持率を見ると圧倒的で、極端な政策を打つ政権が支持されてしまうほど当時のドイツは不安定で、なんでもいいから圧倒的に引っ張っていってくれる力にすがるしかなかったのかなぁ、と想像した。 支配の諸形態である「合法的支配」と「伝説的支配」が不足したり、危機のなかでカリスマは生じやすい、らしい。 ヒトラーの独裁であっても、それが組織の力や意志となると、国民への影響力は大きいものなんだろうな。 たくさんのありえない法律が成立していって、この法律に則っているから“合法”という理由づけをして国民に示され、プロバガンダの影響もあった。第二次世界大戦後の国民アンケートではヒトラー政権前半を「あのときは良かった」と評価する人が少なくなかったとのこと。 第一次世界大戦と第二次世界大戦、どちらも敗戦国となったドイツ(この事実、あんまり気にしたこと無かった!)だから起こったことなのかもしれない。 でも、他国事じゃないんだよね。数十年しか生きていないわたしでさえ、時代の移り変わりの速さに驚いているこの頃。なんかうっすらと漠然とした不安が漂うこの頃。 歴史から学べることは学びたい。

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2023/11/12

”ヒトラーやナチスのことについて、ネットなどで、あることないことあれこれ書かれているが、それらを適切に評価するためには、この本を読むのがよい”という触れ込みを見たのをきっかけに、読んでみました。非常に読みやすく、流れがつかみやすい書き方でした。ためになりました。今後、このテーマに...

”ヒトラーやナチスのことについて、ネットなどで、あることないことあれこれ書かれているが、それらを適切に評価するためには、この本を読むのがよい”という触れ込みを見たのをきっかけに、読んでみました。非常に読みやすく、流れがつかみやすい書き方でした。ためになりました。今後、このテーマについて気になったら、まずこの本をひもといてみようかと思います。【2023年9月27日読了】

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2023/07/08

ヒトラーとユダヤ人迫害について詳しく知りたくて読んだが、めちゃくちゃ分かりやすい。 ヒトラーのやったことは確かに恐ろしいのだが、ユダヤ人への迫害、強制連行について、多くのドイツ人がどうでも良いと思っていたということがより恐ろしかった。ヒトラーのような独裁者、悪政を止めることができ...

ヒトラーとユダヤ人迫害について詳しく知りたくて読んだが、めちゃくちゃ分かりやすい。 ヒトラーのやったことは確かに恐ろしいのだが、ユダヤ人への迫害、強制連行について、多くのドイツ人がどうでも良いと思っていたということがより恐ろしかった。ヒトラーのような独裁者、悪政を止めることができるのは市民であり、市民の責任も重いだろう。日本もどんどんと民主主義が後退していくのを日々感じるが、市民が声を上げていかなければいけないのだと自戒の思いを強くした。

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2023/03/13

たいへん読みやすいながら、情報量も適度でナチ政権成立過程がとても分かり易い。 この手の本の中ではイチオシにしたい。

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2022/11/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

すごく面白かった。知らなかったことがたくさんで勉強不足を痛感した ヒトラーはそれこそ最初からカリスマ的な存在だったと思っていたので、失敗して、そこから這い上がった人生はドラマ性があった ドイツ人にほとんど賛成されて首相になったのではなく政治の企みが含まれて最悪な結果を生んでしまったのはなんだかなあ 自分と関係ない、むしろ普段疎んでいる人たちがいなくなることで自分たちに利益が生じるから起きている出来事には目を瞑る、これは現代にも通じるところがあると感じたし遠くの出来事ではなくてありうることでもあると思った。

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2022/07/31

「ヒトラーとナチス・ドイツ」石田勇治著、講談社現代新書、2015.06.20 364p ¥994 C0222 (2022.07.31読了)(2022.05.27購入)(2018.07.17/10刷) 【目次】 はじめに 第一章 ヒトラーの登場 若きヒトラー 政治家への転機 ナチ...

「ヒトラーとナチス・ドイツ」石田勇治著、講談社現代新書、2015.06.20 364p ¥994 C0222 (2022.07.31読了)(2022.05.27購入)(2018.07.17/10刷) 【目次】 はじめに 第一章 ヒトラーの登場 若きヒトラー 政治家への転機 ナチ党の発足まで 党権力の掌握 クーデターへ 第二章 ナチ党の台頭 カリスマ・ヒトラーの原型 「ヒトラー裁判」と『我が闘争』 ヒトラーはどのようにナチ党を再建したのか ヒトラー、ドイツ政治の表舞台へ 第三章 ヒトラー政権の成立 ヒトラー政権の誕生 大統領内閣 議会制民主主義の崩壊 第四章 ナチ体制の確立 二つの演説 合法的に独裁権力を手に入れる 授権法の成立 民意の転換 体制の危機 第五章 ナチ体制下の内政と外交 ヒトラー政府とナチ党の変容 雇用の安定をめざす 国民を統合する 大国ドイツへの道 第六章 レイシズムとユダヤ人迫害 ホロコーストの根底にあったもの ヒトラー政権下でユダヤ人政策はいかに行われていったか 第七章 ホロコーストと絶滅戦争 親衛隊とナチ優生社会 第二次世界大戦とホロコースト 絶滅収容所の建設 ヒトラーとホロコースト おわりに 関連年表 参考文献・図書案内 ☆関連図書(既読) 「物語 ドイツの歴史」阿部謹也著、中公新書、1998.05.25 「ドイツ史10講」坂井榮八郎著、岩波新書、2003.02.20 「ヒトラーの抬頭」山口定著、朝日文庫、1991.07.01☆関連図書(既読) 「わが闘争(上)」ヒトラー著・平野一郎訳、角川文庫、1973.10.20 「わが闘争(下)」ヒトラー著・平野一郎訳、角川文庫、1973.10.20 「アドルフ・ヒトラー」ルイス・スナイダー著・永井淳訳、角川文庫、1970.06.30 「ユダヤ人とドイツ」大澤武男著、講談社現代新書、1991.12.20 「ヒトラーとユダヤ人」大澤武男著、講談社現代新書、1996.05.20 「白バラは散らず」インゲ・ショル著・内垣啓一訳、未来社、1964.10.30 「荒れ野の40年」ヴァイツゼッカー著・永井清彦訳、岩波ブックレット、1986.02.20 「ナチス追及」望田幸男著、講談社現代新書、1990.08.20 「ナチス裁判」野村二郎著、講談社現代新書、1993.01.20 「ドイツ人のこころ」高橋義人著、岩波新書、1993.01.20 「ぼくのドイツ文学講義」池内紀著、岩波新書、1996.01.22 「脱原発を決めたドイツの挑戦」熊谷徹著、角川SSC新書、2012.07.25 「ドイツリスク」三好範英著、光文社新書、2015.09.20 「世界最強の女帝メルケルの謎」佐藤伸行著、文春新書、2016.02.20 (アマゾンより) ヒトラーは、どのようにして大衆の支持を得て独裁者となったのか。安楽死殺害やホロコーストはいかにして行われたのか。その歴史を知るための入門書であり、決定版の書。ナチ体制は、単なる暴力的な専制統治ではなく、多くの国民を受益者・担い手とする「合意独裁」をめざした。最新研究をふまえて、未曾有の悪夢の時代を描く。(講談社現代新書) 「人類の歴史における闇」ともいえる、ヒトラー政権時代。 その数々の疑問に、最新研究をふまえ、答える。 当時の歴史やその背景を知るための入門書であり、決定版の書。 ・ヒトラーはいかにして国民を惹きつけ、独裁者に上りつめたのか? ・なぜ、文明国ドイツで、いつのまにか憲法は効力をなくし、議会制民主主義は葬り去られ、基本的人権も失われたのか? ・ドイツ社会の「ナチ化」とは何だったのか? ・当時の普通の人びとはどう思っていたのか? ・なぜ、国家による安楽死殺害や、ユダヤ人大虐殺「ホロコースト」は起きたのか?

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2022/07/10

冒険屋書店の選書で購入 第一次世界大戦後のドイツで、なぜヒトラーがあそこまでの独裁国家を築けたのか? 第一次世界大戦に従軍したヒトラーが、いかに成り上がっていったのかをわかりやすく解説している。 あそこまでユダヤ人を忌み嫌ったのはなぜなのか? ホロコーストを続けられたのはな...

冒険屋書店の選書で購入 第一次世界大戦後のドイツで、なぜヒトラーがあそこまでの独裁国家を築けたのか? 第一次世界大戦に従軍したヒトラーが、いかに成り上がっていったのかをわかりやすく解説している。 あそこまでユダヤ人を忌み嫌ったのはなぜなのか? ホロコーストを続けられたのはなぜなのか? が、わかる

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2022/05/13

ヒトラーの生涯と、ナチの成立・支配と戦時下の状況が詳説されている。 難しい用語が少なく、歴史に疎い私にはありがたかった。 教科書では精々数ページしか書かれないことの詳細を知るのは楽しかった。

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2022/05/11

本書では、1933年のヒトラー内閣成立から1945年のドイツ敗戦までの「ナチ時代」が扱われている。冒頭にて、ナチ体制とは、「民族共同体」という情緒的な概念で絆を作り、それは暴力による一方的なドイツ国民の支配体制でなく、当時の国民を受益者、積極的な担い手とする「合意独裁」であったと...

本書では、1933年のヒトラー内閣成立から1945年のドイツ敗戦までの「ナチ時代」が扱われている。冒頭にて、ナチ体制とは、「民族共同体」という情緒的な概念で絆を作り、それは暴力による一方的なドイツ国民の支配体制でなく、当時の国民を受益者、積極的な担い手とする「合意独裁」であったと要約されている。 第1章から第5章はナチ体制の成立からナチス政権下の内政と外政、第6章と第7章はレイシズムと反ユダヤ主義、ホロコーストが取り扱われている。ナチスに関する書籍としては、比較的新しい本であり、最新の研究成果をふんだんに取り込んで書かれているのが特徴だ。 第5章の「ナチ体制下の内政と外交」では、ナチスに関する多くの俗説が反駁されている。例えば、ナチス政権下での失業者数の「減少」にはカラクリがあり、①労働市場における若年労働力の供給を減らすために、さまざまな形の勤労奉仕制度が導入された、②労働市場における女子労働力の供給を減らす措置がとられた、③失業対策が軍事目的と結びつけられたといった準戦時体制下での統制経済が政権発足時から取られており、ケインズ政策は行われていない。また、ナチスによる政策の代名詞となっているアウトバーン建設に関しても、①ナチス以前からアウトバーン建設計画が存在してヴァイマル共和国時代から一部区間が作られていたこと、②野党時代のナチス党はアウトバーン計画に反対していたこと、③アウトバーン建設に携わった労働者は最大で10万人であり、失業者の吸収は思っている以上に小さいなど、多くの「アウトバーン神話」の実際が書かれている。 第7章の「ホロコーストと絶滅戦争」では、戦争開始時にはまだユダヤ人の追放程度だったのが、戦局の悪化に伴い、やがてユダヤ人の大量虐殺につながったのが詳細に述べられている。ホロコースト以前にドイツ国内で障害者全般の安楽死が実行されており、それがホロコーストの前ぶれであったこと、独ソ戦と対米宣戦が契機となり、「ユダヤ人の最終的解決」に帰着してしまったとようだ。 ナチス党の内政と外政、ユダヤ人の迫害・ホロコーストに関しての記述は詳細であるが、ナチス・ドイツの戦争に関する話題は比較的あっさりしている。ナチス・ドイツの戦争に関しては、リチャード・ベッセル『ナチスの戦争』(中公新書)で補えば良いと思う。本書とベッセルの本、後はウルリヒ・ヘルベルト『第三帝国』(角川新書)を読んでおけば、ナチスに関する大体の一般教養が網羅できるであろう。

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2022/03/16

★★★2021年10月★★★ なんの特色もない人だったヒトラーが、何故あのような災禍を人類にもたらすことになったのか。そういうことが知りたくてこの本を手に取った。 第一次世界大戦の敗戦から丁寧に描かれている。 印象に残ったフレーズを以下に記す。 P51 宣伝は永久に大衆だ...

★★★2021年10月★★★ なんの特色もない人だったヒトラーが、何故あのような災禍を人類にもたらすことになったのか。そういうことが知りたくてこの本を手に取った。 第一次世界大戦の敗戦から丁寧に描かれている。 印象に残ったフレーズを以下に記す。 P51 宣伝は永久に大衆だけに向けられるべきである! P130 ヒトラーを首相にするといってもナチ党の独裁を認めるわけではない。 P153 ヒトラーがすべてを賭けて手に入れたかったもの、それは授権法だった。(全権委任法) よく言われるようにヒトラーは民主主義から誕生した。ワイマール憲法は運用によっては独裁を認める内容だったとか。第一次世界大戦後のドイツ処理が苛烈すぎたこともヒトラー誕生の要因の一つだろう。

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