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母性 の商品レビュー

3.7

1091件のお客様レビュー

  1. 5つ

    179

  2. 4つ

    428

  3. 3つ

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母と娘

2人の見方がまるで違っていたり…どちらかに傾くと真実が見えなくなる。 ちょっと苦手でした。

鹿内美保

2024/11/04

親と子で互いに見え方が違うし、自分が相手に対して抱いている感情や、見ていることから感じることは半分正しいし、半分は空想だと思う。 特に、思春期の子供と親の関係について、この本から得られるものは沢山あると思う。 泣くのを子供が我慢してる顔が、親には表情のない怒った顔に見えたり、...

親と子で互いに見え方が違うし、自分が相手に対して抱いている感情や、見ていることから感じることは半分正しいし、半分は空想だと思う。 特に、思春期の子供と親の関係について、この本から得られるものは沢山あると思う。 泣くのを子供が我慢してる顔が、親には表情のない怒った顔に見えたり、母親を守るために他の親族に子供が反論してるのを見て、親は「こんな子に育てた覚えはない」と悲しさを感じる。 寄り添ってあげるのも親だが、良い距離感を持って接することも必要だと思ったし、実際子供を育ててみないとわからないことだと感じた。 ただ、とても良い学びになった。

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2024/11/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

再読。 母と娘の話だが、この『母の手記』の語り手は「母親」でありながら『娘でいたい』と完全に振り切っている。読めば読むほど違和感が増し、狂気を感じる。さすが湊かなえ作品。 娘を助けたのは母が望んだから仕方なく。 夫と結婚したのは母が気に入っていて喜んでくれたから。 「自分」と「母」が同じ考えでなければならないという固定概念の塊。 それだけでも相当なのに、ここに語り手の都合のいいことしか描かないトラップがあるものだから、湊かなえ特有の気持ち悪さが増す。 以前読んだ後、仁美さんはもともと哲史と付き合っていたけれどあの実家には嫁ぎたくなくて、不都合な立場は嫁に押し付けて裏でコソコソ不倫してた...となぜか記憶していた。久しぶりに読んでみてちょっとニュアンスが違くて驚いた。再読して気が付けてよかった。

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2024/10/31

10.31 湊かなえ『母性』 読了 同じ出来事でも母、娘の視点によって考え方感じ方が異なること。母親への依存心、もはや愛と表していいのかすら分からない執着心。そんなお母さんに愛されたい娘。一言「愛」と言っても様々な形があり、受け取ることが苦痛な愛があることもあると改めて考えさせら...

10.31 湊かなえ『母性』 読了 同じ出来事でも母、娘の視点によって考え方感じ方が異なること。母親への依存心、もはや愛と表していいのかすら分からない執着心。そんなお母さんに愛されたい娘。一言「愛」と言っても様々な形があり、受け取ることが苦痛な愛があることもあると改めて考えさせられるお話でした。 結末なのですが、個人的にはそれでよかったの?と思ってしまいました。

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2024/10/31

女子高生が自宅の庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。……遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。母の手記と娘の回想が入り混じり、浮かび...

女子高生が自宅の庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。……遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。母の手記と娘の回想が入り混じり、浮かび上がる真相。これは事故か、それとも――。圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語。 ------------------------ 母性とは何か・・・考えさせられてちょっと疲れる作品。

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2024/10/30

湊かなえさん5作目。 始まりは女子高校生の転落事故のニュース。事故か自殺か…女子高生の母親のコメント「愛能う限り、大事に育ててきた娘がこんなことになるなんて信じられません」 「愛能う(あたう)限り」…できる限りの愛を注ぐ… 本を読んでいると知らない言葉が出てくるから、その度に...

湊かなえさん5作目。 始まりは女子高校生の転落事故のニュース。事故か自殺か…女子高生の母親のコメント「愛能う限り、大事に育ててきた娘がこんなことになるなんて信じられません」 「愛能う(あたう)限り」…できる限りの愛を注ぐ… 本を読んでいると知らない言葉が出てくるから、その度に調べてノートに書いてるんだけど、愛能う限り…なんて言うのかこんなにも重々しい言葉ははじめてかも… 話は、このニュースを見た?読んだ?教師の現在進行形の語りと、母親が神父さまに書く手紙「手記」と、娘の回想のローテーションで語られていく。 母の愛を最大限に受けて育ち狂気のマザコンとなった「母親」。自分の娘にも母から与えられたように最大限の愛を注ごうと努力をするが、娘は自分のように育ってくれない… そして最愛の母の死………義父母妹との地獄のような同居… 自分の母親は自分より、おばあちゃんを愛していることを理解している娘…でもそのおばあちゃんはもういない…母親に愛してほしくてがんばる娘… 同じ出来事なのに、母親と娘では所々話が食い違う…どちらが本当のことを言っているのか… そして娘の転落事故とも証言が異なる… 何が本当なのか……… 家族でも親子でも気持ちってここまで伝わらないんだなぁ… なんだもーーーーーーーなんでこんなにも気持ちが水平線で交わらないのか…読んでて辛くなる…さすが湊かなえ!! 誰か忘れたけど「子どもは自分の分身ではない」って言われたことがあるんだけど、本当にそうなんだよね…自分の子どものころを思い出すと、ちゃんとした意思があったもん。なのに、自分の子どもには勝手に「わかってくれてる」って思っちゃうことあるんだよね…取り返しがつかなくなる前に気を付けないと˚‧º·(´ฅωฅ`)‧º·˚

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2024/10/30

トランスジェンダーが認知されるようになり、身近にいる人でもいない人でもそれなりに理解があるように思える。 ただ「母性」はいまだ母親なら誰でも持っていると思われている。子供が欲しくて産んだ人も、そうでない人も…。 今作は母親から見て望まない子供ではなかったが、子供よりも大事な存在が...

トランスジェンダーが認知されるようになり、身近にいる人でもいない人でもそれなりに理解があるように思える。 ただ「母性」はいまだ母親なら誰でも持っていると思われている。子供が欲しくて産んだ人も、そうでない人も…。 今作は母親から見て望まない子供ではなかったが、子供よりも大事な存在がいたというところがネックになっている。 娘が大人になり、親とのいい距離感が出てきたのは本当に良かった。

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2024/10/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

書庫らでん 小説技法の妙技 一人称って その人が思ったこと その人の視点で進んでいく その人が何を思っているのかはよく伝わるのだけど その人以外が何を思ったのかはわからなくなっていく それだけで進めば その世界だけに 安心して浸っていられるのに 視点が切り替わった瞬間 さっき語られていたことが 全く別のものとして見えてきて 今読んでいる世界が とても不安で不安定になってくる 事実は何なのか 実際に何があったのか そもそも、ここに書かれていることはあったことなのか でも考えてみれば リアルの世界も同じなのかもしれない 自分の視点を通じて世界を見て 相手の視点は想像することしかできない その想像が どんなふうにつながっているのか 視点がたくさんあることで 客観が生まれるのだけど この小説の世界には客観が感じられないから 今読んだことすら恐ろしくなる 名前の持つ力を信じたくなる

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2024/10/23

母性とは、良かれと思って…というエゴだったり、「子どものため」が「自分のため」だったりと 利己が介入してしまうというメッセージ性がとても伝わった。 自分が10代の時は、そうした親のエゴの鬱屈があって自分のことを俯瞰的に捉えられなかったけど、読みながら娘を自分にも重ね合わせて俯瞰的...

母性とは、良かれと思って…というエゴだったり、「子どものため」が「自分のため」だったりと 利己が介入してしまうというメッセージ性がとても伝わった。 自分が10代の時は、そうした親のエゴの鬱屈があって自分のことを俯瞰的に捉えられなかったけど、読みながら娘を自分にも重ね合わせて俯瞰的に捉えてたなぁ。 この母も、「子どものため」の背後に必ず「自分の母のため」というエゴを感じられる。 親としてどう娘と向き合いたいのか、娘は何を望んでいるのか、と考えられてないから娘と乖離してしまうのだなぁと思うな。

Posted byブクログ

2024/10/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

母の見ている景色と娘の見ている景色が違うんだろうな、景色というか理想像含め心で見ているものが違う。 読み始めは、なんだ?娘が母親に依存か?と母ととばあちゃん、母と娘 それぞれに思い始めて読んでいき 母親が娘に求めるもの。まあ確かにこうしてほしいって願望はどの母親にもあって、なんでやらないんだろうかな〜ってのもあるんだろうなぁ 娘が母親に求めるもの。無性の愛。母親からはたくさん求められ娘は一つしか求めてない。 読んでいく中では、母親ちょっとやばいな。娘の回想が真実なんだろうな〜って思ってたんだけど 読み終えて、うわーすごいなこれ。読み切った〜ってなるの久しぶりだわって本の余韻に少し浸ってる時に思った。 あれ。これ、娘の回想が真実って思ってるけど 娘が見ている母親と母親が見てる娘 どっちが真実なんだろうって思った。 自分の母親と昔の話をする時、楽しそうにしてた時の話を持ちかけると、実はやりたくなかった、楽しくなかったと今更言われる時と同じような感覚?? 私が見て感じている母親と母親が感じてることは全く違ったりするそんなことを気付かされる本な気がした 文がまとまらないけど、やっぱり湊かなえ作品は読み進めたくなるほど面白い

Posted byブクログ