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「学力」の経済学 の商品レビュー

4

491件のお客様レビュー

  1. 5つ

    133

  2. 4つ

    209

  3. 3つ

    86

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

    6

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2015/12/07

学力に関する色々なエビデンスに基づいた知見を分かりやすく解説してくれている。 勉強に対して、褒美を与えるにんじん効果、少人数学級にあまり科学的根拠がないこと、幼い頃からの介入がその後の人生の成功に対して大きな影響があること、周囲の学力が同程度ならその子供は学力が向上する可能性があ...

学力に関する色々なエビデンスに基づいた知見を分かりやすく解説してくれている。 勉強に対して、褒美を与えるにんじん効果、少人数学級にあまり科学的根拠がないこと、幼い頃からの介入がその後の人生の成功に対して大きな影響があること、周囲の学力が同程度ならその子供は学力が向上する可能性があることなど(鶏口となるも牛後〜が必ずしも正しいわけではない)など非常に参考になった。 日本で行政が収集しているデータが研究者に開始されておらず、解析ができないことを再三筆者が悔しがっているが、エビデンスに基づかない政策を実行している行政は反省すべきである。 筆者の提唱するような根拠に基づいた教育政策の実施を激しく望む。

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2015/12/06

漠然と少人数学級にさえすればよいわけではないことがわかった。教育に携わる人は、一度は目を通してみるとよいと思った。

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2015/12/05

教育にも統計的エビテンスをというキーワードを軸に、学力を科学しているのが印象的だった。 非認知能力は後天的なので、私たちのような年でも伸びる余地があり、トレーニングしていこうという動機付けにもなった一冊。

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2015/12/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この本で最初に書かれているとおり、育児や教育について言われていること(ex:ゲームやテレビは子どもに悪影響、子どもをご褒美で釣ってはいけない等)の大半は感覚で言われている部分が大きいと思う。実際、「ホンマでっか!?TV」で教育の特集の時に言われていることも、役に立つのは脳科学の澤口先生や中野先生、心理の植木先生の話だったりするのは、この先生方が言っていることが科学的データに基づいた話だからだと思うんですよね。 結局、1日1時間ぐらいなら息抜き程度にゲームをやっても影響はないという結果が出ているそうなので、ある程度子どものゲーム時間に気を配っている家庭なら罪悪感を持つ必要はないようです。 ご褒美では、結果よりも「やったこと」にご褒美をあげると効果があるとのこと。それならぜひ、やってみたいことが。 「本を1冊読んだらシール1枚。10枚溜まったら好きなもの買うよ」とか「ドリル1ページやるごとにシール1枚」とか。さっそくご褒美シール買ってくるかw この本全体を通して、経済学的見地で教育を調査することの重要性をすごく訴えてくれている本だと感じました。さらに思ったのは、政府のやっていること無意味すぎ。しかも調査に協力してくれないって・・・・ この本が今、ベストセラーになっているとのことなので、これをきっかけに、政府でももうちょっと役立つ調査をやるようになってくれるとか、経済学者の調査に協力してくれるとか言う風になればいいな。

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2016/07/02

借りたもの。 計量経済学の見地から、効果的な教育とな何かを考える本。 その布石のようなもの。 教育に関わる人の経験則、著名人の体験談に右往左往する教育学ではなく、数字というデータから紐解いていく。 だからといって無機質な話ではない。統計をとり、心理学的な分析も交えている。教わる子...

借りたもの。 計量経済学の見地から、効果的な教育とな何かを考える本。 その布石のようなもの。 教育に関わる人の経験則、著名人の体験談に右往左往する教育学ではなく、数字というデータから紐解いていく。 だからといって無機質な話ではない。統計をとり、心理学的な分析も交えている。教わる子どもにかぎらず、教育者も対象で、血の通った人間像とその行動や思考を読み解いている。 それはケリー・マクゴニガル『スタンフォードの自分を変える教室』(http://booklog.jp/item/1/4479793631)で言及されている、「やる力」「やらない力」「望む力」それを行う「意志力」をいかに引き出すべきかを提案している。 日本における確固たる結論は出てこない。 提示しているデータの殆どはアメリカをはじめとする海外のもので、日本のデータが少ないからだ。 著者はこの本でその問題点や苦言を呈している。 公立教育が何処も一律では同世代でどの様な教育が効果的か不明なこと。 世代「間」で教育方針を変わることで、時代に拠っての傾向が異なってしまうため、長期的かつ公平なデータを検証できないこと。 そもそもそういった統計を取ることに及び腰なことも。 また、よい教育をするための「手段」(たとえば公立高校へのタブレット配布など)が「目的」となっている政府の方針など、枚挙に暇がない。 こういった政府の教育への関心と方針転換に、科学的根拠(統計学、費用対効果への検証)が乏しいという指摘は、かなり衝撃的だった。 そして、教員研修は教員の“質”の向上に影響しなかったこと、「子ども手当」などのバラマキが学力の向上に繋がらない事は言わずもがな、指摘していた。

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2015/11/25

持論や感覚で語られがちな教育論について、実証結果によるデータを用いて、科学的な根拠や統計に基づいた結果を示したという価値がある。 教育や子育てをしている人にとって、知っているのと知らないのでは雲泥の差が出てくるでしょう。 本書の中の一部分ですが「子どもを“ご褒美”で釣ってはい...

持論や感覚で語られがちな教育論について、実証結果によるデータを用いて、科学的な根拠や統計に基づいた結果を示したという価値がある。 教育や子育てをしている人にとって、知っているのと知らないのでは雲泥の差が出てくるでしょう。 本書の中の一部分ですが「子どもを“ご褒美”で釣ってはいけないのか?」についてブログでも書きました。 目の前のニンジン作戦(ご褒美)で大事なのは具体的であること http://toyop.net/blog-entry-2240.html 他にも多くの学びのあった今年(2015年)のベスト3に入る傑作です。

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2015/11/16

行動経済学や他の図書でも読んでいたことが多かった。 一番の気づきは「非認知能力」。かなり通関。 ・教育は「一億総評論家」 どのような教育がいいか、という問いへの回答は、教育される本人の特性や能力、環境などさまざまな要因によって左右される・・・(中略)自分が病気になったときに、まず...

行動経済学や他の図書でも読んでいたことが多かった。 一番の気づきは「非認知能力」。かなり通関。 ・教育は「一億総評論家」 どのような教育がいいか、という問いへの回答は、教育される本人の特性や能力、環境などさまざまな要因によって左右される・・・(中略)自分が病気になったときに、まず長生きしているだけの老人に長寿の秘訣を聞きに行く人はいないのに、子どもの成績に悩む親が、子どもを全員灯台に入れた老婆の体験記を買う、という現象が起こるのは奇妙な事態だとは思わないだろうか(統計学が最強の学問であるより) ・米国の「落ちこぼれ防止法」 教育再生の議論に入った途端、財務大臣や経済再生担当大臣など、およそ教育の専門家と言えない人までもが「私の経験によると…」と、持論を展開しています。一方、財政政策について文部科学大臣が「私の経験から…」と発言する場面なんであるだろうか? 米国の「落ちこぼれ防止法」で使われていた言葉、それは「科学的な根拠に基づく」というフレーズです。 ・相関関係と因果関係 因果関係は「Aという原因によってBという結果が生じた」ということを意味します。しかし、相関関係は単に「AとBが同時に起こっている」ということを意味しているに過ぎない。つまり、相関関係は2つの出来事のうち、どちらが「原因」でどちらが「結果」であるのかを明らかにするものはないのです。 ・自尊心は「結果」に過ぎない 褒めて自尊心を高めれば成績が上がるわけではない。学力が高いという原因が、自尊心が高いという結果をもたらしているのだ。 ・「頭がいいのね」と「よく頑張ったね」 頭がいいのね、で育った子は、難しい問題にあたると、自分は頭が悪いから解けないのだとすぐにあきらめてしまう傾向がある。最悪の場合には、成績に嘘をついてまで結果をよく見せようとする傾向に走ることがある。 よく頑張ったね、で育った子は、プロセスの大切さを知っており、そのため難問にぶつかっても頑張れば乗り越えられると粘り強くなる。 だから、「あなたはやればできるのよ」よりも「今日は1時間も勉強できたんだね!」「今月は遅刻や欠席が1度もなかったね」と具体的に達成したことを褒めるほうが重要である。 ・勉強をやりなさいは非効率的 ①お手軽なものに効果はない 勉強やりなさいでは効果はない。勉強を見て挙げる、時間を守らせているなどのほうが効果がある。 ②同性が見てあげるほうが効果がある 父親、母親のみならず、親戚、兄弟、姉妹でも構わない。 ・友達の影響 ①平均的な学力から受ける影響 クラスの中でも平均的な存在だが、クラスの中で学力の高い友人の中にいると、自分の学力にも+になる。 ②優秀な同級生から受ける影響 レベルが高すぎるグループに子供を無理に入れることは、自身や意欲を損なわせ逆効果になることがある。 ③問題児から受ける影響 学級全体の学力に負の因果効果を与える。 ・非認知能力 ★自己認識:自分に自信がある、やり抜く力がある 意欲:やる気がある、意欲的である 忍耐力:忍耐強い、粘り強い ★自制心:意志力が強い、精神力が強い、自制心が強い メタ認知ストラテジー:理解度を把握する、自分の状況を把握する 社会的適正:リーダーシップがある、社会性がある 回復力と対応能力:すぐに立ち直る、うまく対処する 創造性:創造性に富む、工夫する 性格的な特性:神経質、外交的、好奇心が強い、協調性がある、誠実 自制心を磨くには、 ①継続と反復。何か縛りを設けて継続する。朝は7時半に起きるでもOK ②細かく計画を立て、記録し、達成度を管理する。レコーディングダイエットに学ぶ やり抜く力を磨くには、 要は心のもちよう。だから、ステレオタイプでネガティブ要素をもつもの(年齢と共に記憶力は衰える、30歳以上だと転職は難しい、など)を受け入れないこと。 目の前の定期試験で数点をあげるために、部活や生徒会、社会貢献活動をやめるのはどうだろう?非認知能力を養う機会が損なわれるかもしれない。 ・教育を受けることの経済的価値 高卒で働く人、大卒で働く人で生涯年収は1億程ことなる。 年末ジャンボでは1000万分の1の確率。交通事故で無くなる確率が1万分の1、飛行機事故の確率が20万分の1と考えると、だいぶコスパの良い取り組み。

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2015/11/17

非常に有益な情報を"データ"に基づき示してもらい、今後の自分の子どもの教育の指針を示してもらってありがたい反面、結局、(いつもながらの)公共部門の雰囲気に基づく、結果を検証すらしない政策決定にぶつかってしまっているところに、(著者の問題ではないが)苛立ちを覚え...

非常に有益な情報を"データ"に基づき示してもらい、今後の自分の子どもの教育の指針を示してもらってありがたい反面、結局、(いつもながらの)公共部門の雰囲気に基づく、結果を検証すらしない政策決定にぶつかってしまっているところに、(著者の問題ではないが)苛立ちを覚えてしまう。こういう人たちに頑張ってほしいですね。切にそう思います。

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2017/10/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

データ分析はITエンジニアにとって必要不可欠な力になってきました。一方で、思い込みなどがあると大きな間違いを引き起こします。この本は教育現場での考え方を、「経験」ではなく「データ」から分析した話ですが、ITエンジニアにとってもデータに対する考え方を学ぶときに参考にしたい本です。 (ブクログ ITエンジニアに読んでほしい技術書・ビジネス書推薦文) 科学的根拠で教育を分析しようという趣旨。 ・少人数学級は費用対効果が低い ・ご褒美で釣ってもよい ・テストで何点という結果目標よりも、勉強の仕方を教える ・「頭がいい」と能力を褒めては駄目、「がんばったね」と努力を褒めると伸びる ・自制心、やり抜く力などの非認知能力を高める、躾を受けた人間は年収が高い ・大学、大学院の高等教育よりも、幼児教育がはるかに大事 ・友だちは選べ。ただし、無理に頭のいい子と付き合うとコンプレックスになる ・親以外の教育の監視役が必要 ・予算が限られるので、教師一人ひとりの質を高めることが必要 ・学力テストのデータは公表すべき ・世代内で教育の平等を進めると、その時代の教育の失敗のせいで、世代間の不公平が生まれる 現役の先生がたにはやや厳しい内容。 学校の成績を上げるだけが教育ではないので、「しつけ教育」の重要性を説く姿勢は評価に値する。

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2015/11/14

★ネタバレ注意★ 医療界で常識的に行われている治験の手法やEBMの概念を教育分野にも当てはめて考えようという教育経済学。 まず冒頭「自分が病気になった時、長寿の人に秘訣を聞きに行かないのに、子供の成績に悩む親が、子供を全員東大に入れた老婆の本を買うのか?」という掴みの言葉。...

★ネタバレ注意★ 医療界で常識的に行われている治験の手法やEBMの概念を教育分野にも当てはめて考えようという教育経済学。 まず冒頭「自分が病気になった時、長寿の人に秘訣を聞きに行かないのに、子供の成績に悩む親が、子供を全員東大に入れた老婆の本を買うのか?」という掴みの言葉。いい掴みですねー。 それから、経済・統計でお決まりの因果・相関関係や時間割引率や双曲割引の話。いわゆるマシュマロテストのこと。 教育生産関数、初めて聞いた言葉です。いわゆるインプット・アウトプットアプローチ。インプットは学力を上げるための本を読む、や、学校に通う、など。アウトプットは実際のテストの点数など。 ★アメリカ250校、3万6千人に インプットに褒美vsアウトプットに褒美、どちら? インプットの勝ち(テストの点に褒美ではなく、本を1冊読むことに褒美)。 外的インセンティブを与えすぎるとお、大事な内的インセンティブが薄れるのではないか?という懸念、ありますね。でもフライヤー教授はこの点でも両群で内的インセンティブに有意差はなかったと!へーー。 じゃあ実際のインセンティブって何?お金はいいの?子供が小さければトロフィーが良く、中高生はお金が良かったとの結果。お金を貰った子供はむしろお金を堅実に管理したという結果も。 ★結果、テストで良い点を取ったら誕生日にご褒美、ではなく、今1時間勉強したらすぐにお小遣い、が正解! なんか抵抗あるけど・・・ ★褒め育ては良いのか? 特に日本人は自尊心が低いから良さそうだが(良く娘にも褒めまくっている(⌒-⌒; )。結果は当然といえば当然、自尊心が高まれば→学力高まる、ではなく、逆ですよね。やっぱり。 ★適切な褒め方は? 「頭(能力)がいいね」と「よく頑張ってるね(努力)」は? 正解は、努力を褒める。これは直感的にわかる気がする。 やればできる、とかすごいね、とかではなく、今日は1時間も勉強頑張ったね、など具体的な褒め方が良いと。なるほど。 ★ゲームは良いのか? これも永遠のテーマ。 むしろここ読みたくてこの本買ったようなもの。 統計では心配するほど害はないという結果と。でもやっぱり因果か相関か、どちらとも言えない気が拭えない。。 筆者は「1時間程度ならテレビやゲームは構わない」と。ただ大事なところであまり科学的根拠の情報は載っていない。。そこ大事でしょ

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