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「学力」の経済学 の商品レビュー

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491件のお客様レビュー

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2015/11/09

日本の教育政策に対して、データと分析を駆使して論破しまくってるのが爽快。 ただ、データはほとんどアメリカのもので日本のデータが少なく、著者は政府が税金を使って収集している学力調査に関するデータの開示を求めている。 ランダム化比較試験をしたあと、学力が向上しなかったグループに対して...

日本の教育政策に対して、データと分析を駆使して論破しまくってるのが爽快。 ただ、データはほとんどアメリカのもので日本のデータが少なく、著者は政府が税金を使って収集している学力調査に関するデータの開示を求めている。 ランダム化比較試験をしたあと、学力が向上しなかったグループに対してどう補填すべきなのかが書かれていなかったのが残念。 こと学力に関しては、その人の将来がかかっているにも関わらず、あくまで政策を決定するための『実験』をすることにこだわってしまうのもいかがなものかと。そこが『倫理的にどうか』という難しいところなのかも。 研究事例が多いアメリカではどうしているのかが気になった。 教育とは関係ないが全体を通して勉強になったのは ・データの疑い方 と ・人はみんなズルをする ということ。 てなわけで、この流れでダン・アリエリーの『ずる』も読んでみたいと思う。

Posted byブクログ

2016/01/13

教育の手法に対して、経験に基づくものが多く、論拠に乏しいものが多い中、統計値から科学的根拠に基づく教育についてアプローチされた本。 以下備忘録 ご褒美はテストの点数などのアウトプットではなく、本を読む、宿題をするなどの具体的な対策であるインプットに対して与えるべき ご褒美を...

教育の手法に対して、経験に基づくものが多く、論拠に乏しいものが多い中、統計値から科学的根拠に基づく教育についてアプローチされた本。 以下備忘録 ご褒美はテストの点数などのアウトプットではなく、本を読む、宿題をするなどの具体的な対策であるインプットに対して与えるべき ご褒美を与えることは必ずしも子どもの一生懸命勉強するのが楽しいという気持ちを失わせるわけではない。 子どもをほめる時には能力ではなく、具体的に達成した内容をほめるべき 子供のもともとの能力を褒めると意欲を失い成績が低下する 成績が悪い子の自尊心をあなたはやればできるなどとむやみに高めると、自分に対して根拠のない自信をもってしまい逆効果。 今日は1時間も勉強できたんだね、遅刻が一度もないねと具体的に褒めること。 テレビゲームは1日1時間までなら問題ない。2時間以上だと学習時間などへの負の影響がおおきくなる 勉強するように言うは効果がない。 勉強を見たり、勉強する時間を決めて守らせているなど親が自分の時間を犠牲にして手間暇かかる関わりをしている方が効果はかなり高い。 友人や周囲から受ける影響のことをピア・エフェクトと呼ぶ 学力の高い友達の中にいると自分の学力にも良い影響がある。 学力が近いほど影響は大きく、逆に差がありすぎると低い方は意欲を失いマイナスの影響が出る場合もある。 問題児が1人いると他の児童が新たな問題行動を起こす確率は17%高くなると推計もある。 習熟度別学級にすると特に学力の低い子供たちに効果があった。ただ学齢が低くく実施すると格差が広がる可能性もある ドラック、飲酒など負のピュアエフェクトは引っ越しなど強制的な環境の変化で子供を守ることができる場合もある。 ★重要★ 子供の教育に時間やお金をかける場合いつがよいか? もっとも収益率 が高いのは小学に入学する前の幼児教育。ただし、あくまでも人的資本投資という観点で人格形成や体力、健康など学力にかぎらない。 ペリー幼稚園プログラム 幼児期に質の高い教育を受け40年対象者と非対象者を追跡して比較した結果 小学入学時に、iQが高いだけでなく、その後の人生において学歴が高く雇用や経済的な環境が安定し反社会的な行為に及ぶ確率も低かった。 社会全体への社会収益率として推計すると 4歳の時に投資した100円が65歳の時に6000円から3万程になって社会に還元されていることになる。(社会収益率7~10%) ペリー幼稚園プログラムは子供の何を変えたか 小学入学前のIQや学力(認知能力)は上がりはしたもののその効果は8歳までと短期的なものであった。 それよりも非認知能力(自己認識、意欲、忍耐力、自制心、メタ認知ストラジー[理解度の把握]社会的適正、回復力、対処能力、創造性、性格的な特性)が改善されたことが長期的に大きな影響をもたらした。 非認知能力は学歴、年収、雇用などの面で子供の成功に長期にわたる因果関係をもち、教育やトレーニングによって鍛えて伸ばせる。 自制心 筋肉をつけるのと同様に何かを継続、反復させる やり抜く力 能力はうまれつきではなく後天的に伸ばせると信じる子供はやり抜く力が強い 勤勉性 4つのしつけ(うそつかない、他人に親切、ルールを守る、勉強する)をきちんと行う 日本の研究でも少人数学級の因果効果は小学校の 国語以外は確認されてない。

Posted byブクログ

2015/11/08

子供がいないので、なんとも。 教育は誰もが少しは関わったことはあるので、論拠なく口出しがち、という点には共感。

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2015/11/09

子を持つ親として「我が家の子育てはこれでよかったのか?!」と自問自答する日々。 ゲームって悪影響?とか、ご褒美で釣るのってあり?とか、親なら一度は不安に駆られたことのある帯の謳い文句につられて、『~経済学』という自分にはかなり縁遠いタイトルには目を瞑り、最近あちこちで評判の本書を...

子を持つ親として「我が家の子育てはこれでよかったのか?!」と自問自答する日々。 ゲームって悪影響?とか、ご褒美で釣るのってあり?とか、親なら一度は不安に駆られたことのある帯の謳い文句につられて、『~経済学』という自分にはかなり縁遠いタイトルには目を瞑り、最近あちこちで評判の本書を手にしてみた。 自分のようなど素人でも理解できるようなわかりやすさで、日本の教育や子どもの学力について、国内外の客観的なデータを引きながら解説されている。 一部専門家からは問題点も指摘されているようだが、そのあたり、そもそも経済学の何たるかさえ分かっていない自分には判断のしようもない。それでも、家庭環境の及ぼす子どもの教育への影響の大きさと、幼児期の教育━━決して、文字を早くおぼえさせるとか英語を習わせるとかいったことではなく、生きる力、特に自制心とやり抜く力を育てるための教育の重要性という訴えには、大きく合点がいった。著者の言を借りるならば、教育への投資は早いほど良い、ということなのだ。 著者は、日本の教育が、思い込みや感情論に支配され、客観的調査がなされないままに進んできてしまっていることを嘆いている。国の施策としては、費用対効果を図りながら統計データに基づいて教育政策を進めていくことが不可欠だというのには全く異論はない。ぜひとも国としてしっかり議論して、より意義のある教育環境を整えてもらいたい。 ただ、統計的に有意な客観的なデータも、ひとりひとりの個人の前では限界があるのではないかとも思う。本書の中身は確かになるほどとうなずける部分も多いし、ほめ言葉のかけ方などぜひ参考にしたいと思う箇所もあるが、一つの考え方、アプローチの仕方として捉えるにとどめたい。 子育てには正解はない。 真正面から子どもと向き合って自分も教えられながら育ち合う、を私個人の目標に、今日もぼちぼちいこう。

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2015/11/08

教育がもたらす効果を統計学的に解析することで科学的に分析する。 集団を対象として、バイアスを排除した比較で評価する。個人的な経験則は専門家の意見であってもevidenceとは認めない。 日本の教育政策がいかに適当な解釈の基に方針決定されてきたか、それは政策の導く効果が「ある」かで...

教育がもたらす効果を統計学的に解析することで科学的に分析する。 集団を対象として、バイアスを排除した比較で評価する。個人的な経験則は専門家の意見であってもevidenceとは認めない。 日本の教育政策がいかに適当な解釈の基に方針決定されてきたか、それは政策の導く効果が「ある」かではなく「あると支持されそう」かどうかで決定されてきたことによると感じた。だからこそ効果の事後検証についても適当で曖昧。 しかし集団ではなく自分の子の教育に特定して考える場合、この本の通りで良い訳はない。あくまで年代全体の教育効果についての話、普通とは言い難い自分の子には逆に当てはまらなそう。

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2015/11/07

何が教育に良いのか、データを持って説明。 ・ゲームやテレビは1時間以下なら悪い影響はない ・ほめる(自尊心を高める)ことはよくない ・ご褒美で釣るのは悪く無い 上記を全てデータで解説。 主観では無く客観的かつ論理的。いくつか参考になることがあったが、特に大事だと思ったのは幼児教育...

何が教育に良いのか、データを持って説明。 ・ゲームやテレビは1時間以下なら悪い影響はない ・ほめる(自尊心を高める)ことはよくない ・ご褒美で釣るのは悪く無い 上記を全てデータで解説。 主観では無く客観的かつ論理的。いくつか参考になることがあったが、特に大事だと思ったのは幼児教育の重要性がデータで示されたことだった。

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2015/11/05

第一章 米国は2001年の落ちこぼれ防止法で111回「科学的根拠に基づく」という言葉が使われているのに象徴されるように教育改革に乗り出すことができている。一方で日本にはまだそれがなく主観が働きすぎていて、例えば因果関係と相関関係の区別ができてないなどといったものがそれである。 第...

第一章 米国は2001年の落ちこぼれ防止法で111回「科学的根拠に基づく」という言葉が使われているのに象徴されるように教育改革に乗り出すことができている。一方で日本にはまだそれがなく主観が働きすぎていて、例えば因果関係と相関関係の区別ができてないなどといったものがそれである。 第二章 フライヤー教授によるとアウトプットではなくインプットに対してご褒美を与える。根拠はアウトプットするにしてもその成果を挙げるためになにをすればいいかが分からないからね。外的インセンティブのせいで内的インセンティブが失われることもない。そして能力より努力を褒めましょう。 第三章 大切なのは非認知能力、特に自制心ややり抜く力。非認知だけあってこれらを伸ばそうと向き合うには相当な労力がかかることは間違いないだろう。 第四章 スタープロジェクト 第五章 教員の付加価値とはなにか。そして教員の免許制度はなくてもよいと主張する。 総じて経済学を学んでいなくとも教育をデータ的に捉える点では大いに参考になった。小学校入学前の幼児教育がもっとも収益率が高いというのはまさに株式投資と同じ感覚が備わっているという一番の驚きであった。

Posted byブクログ

2015/11/04

本書はエビデンスに基づいて学力と経済力を相関性を論じた1冊。例えば、成績が上がったらお小遣いをあげる事に関しても、インプット(勉強をすれば)かアウトプット(テストで良い点をとれば)かで結果に差が出ることを論理的に解説している。またこちらも非認知能力に触れており、結局は自主的な勉強...

本書はエビデンスに基づいて学力と経済力を相関性を論じた1冊。例えば、成績が上がったらお小遣いをあげる事に関しても、インプット(勉強をすれば)かアウトプット(テストで良い点をとれば)かで結果に差が出ることを論理的に解説している。またこちらも非認知能力に触れており、結局は自主的な勉強するにはこの能力の鍛錬が必要になるという事か。

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2015/11/04

エビデンスに基づいた教育のお話。そんなもん世界では当たり前の話だし、ちらほら知らない話があったりするが驚愕の事実とはなりにくい。エビデンスなどに縁がない人で教育関係の人には強く勧めたいけど、フォロワーにそんな人おらんやろ感。賢くない人に広める方法としてディスカバートゥエンティーワ...

エビデンスに基づいた教育のお話。そんなもん世界では当たり前の話だし、ちらほら知らない話があったりするが驚愕の事実とはなりにくい。エビデンスなどに縁がない人で教育関係の人には強く勧めたいけど、フォロワーにそんな人おらんやろ感。賢くない人に広める方法としてディスカバートゥエンティーワンから出してるとしたら、慧眼。

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2015/11/04

教育の効果について統計に基づく結果の提示。インセンティブによる誘導は悪くはない。ほめるときはプロセスを褒め、才能や結果は重視しない。インセンティブもプロセスに与える。環境、遺伝、努力の学力に与える影響は1/3ずつ。幼児教育の効果は早いほど高い。

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