絶歌 の商品レビュー

元少年A(著者)

2020/12/26

是非は置いておいて。

読んだ感想としては「薄っぺらい」だった。
いくら本人が書いたと言う物にしても。
描写が異常なくらい鮮明で。
自分語りで。
葛藤があって当たり前の人生。
それを「自分語り」で終わらせてしまっているような。
色んな本を読んでいたのなら、もっと深く読んでほしい。
彼の人生の一部なのだから、薄っぺらいのかもしれないが、
あまりにも表層的にしか感じられない。
本当の意味で「贖罪」する日が来るのか？

いや、来ないな・・・

2020/11/18

読んでみたいとは思ってしまったもののこの作者に印税が入るのが嫌で中古で購入しました。
まず前提として２人の尊い命を奪っておいて、今更今世で幸せになりたいなんてとてもおこがましいと思います。
そして、被害者家族をさらに苦しめることになるこの書籍の無断出版も言語道断です。
まだ自費出版やネットで発表するならまだしもこの本を取次にのせて出版した太田出版側は作者の気持ちも関係ないただの金儲け以外のなにものでもないのでなお悪いです。
迷ったら太田出版の本は今後買いません。
あと、作者の文章の表現が厨二感満載で気持ち悪いです。序盤の殺害に至る描写は吐気がします。

要約するとなんの考えもなく興味本意で人殺しになってしまったが、大人になった今は本当に後悔しているというなんのひねりもない内容です。
しかし、作者が少年院や出所後の生活を通して文字を手に入れたことにより、様々な葛藤が自分の言葉で書かれています。
私も最初は白か黒のどっちかの意見を書こうと思っていたのですが読後はなんとも言えないマーブル模様の気持ちになりました。

2020/10/08

衝撃作！と言われたこの一冊。

前に読んだ殺人に興味を抱きひたすら殺しを願った学生の本読んだときに、この本がバイブルだと言っていたし、本を出版するうえでものすごい議論が呈されてたようだったので、どんな内容なのか、、、

ホントに読むまで怖かった。

前回の殺人に憧れてた学生は。こんな人が一定数いる、、、ってだけで。普通に考えて怖い、、、、

怖すぎる、、、、、

としか思えなかったので、この本はどんだけ常軌を逸しているのか、、、と思ったら。

終始穏やかで、反省と感謝を書き綴っており、拍子抜けしたのと同時に、ほんの少しだけ、ホントに数センチくらい音がづれてる感じ。

なんだろう、これは。

なんだろうこの感覚は。

なんていうんだろう。

人の感性や感覚は全く同じ！ってことにはならないけれど、やっぱり、、、あーなんかわかるわ。ってのは、、、ない。そりゃそうなんだろうけども。

そして。少年Aと知っていて里親になり育てて面倒見てくれる人や、家族がみんな少年Aに対して愛情を持って接してるところが。とてもとてもすごいことだと思った。

2人の弟たちの気持ち、親の気持ち、被害者遺族はもちろんにそうだけど、、、少年Aを取り巻く周りの環境が恐ろしく優しく温かい。

わたしが、弟なら、、わたしが親なら、、、

と思うと。こんなふうにできるのか、、、と。

こんな事件がもう起きないことを、、、ただひたすら祈りたいです。

2020/08/13

発売当初からずっと読んでみたいと思っていた本。
一気に読み進めたが、なんとも言えない読後感は終始私の思考回路をグルグルと回転させ続けた。

第一章と第二章それぞれから受けるAの印象は全く違ったように感じた。
第一章は、事件当時の描写がメイン。
自分の話であるのにどこか自分を俯瞰して見ているような書き方で、小説のような美しい言葉でスルスルと話が進んでいく。
本書の中に「自分が自分でなかった」旨の記載が多々あるが、まさにそれを自然と表しているかのようだった。

第二章は社会で過ごす描写がメイン。
一章とは真逆で、泥臭い人間らしさが溢れていた。

様々な人との関わりや経験を通して、人として生きていくことの意味理解し、罪の重さに自分を苦しめながらも一生懸命生きて行きたい強い想いを感じた。

とにかくこの本は一言では言い表せない。

2020/08/11

少年Aに印税が入ることを考えて、買うことを躊躇してが、買ってしまった。
少年院、社会復帰を経験する中で、罪の重みに気付き、苦悩する様が描かれていた。
表現力が優れていて、少年Aの頭の良さが伝わった。

狂気殺人を犯す人は、複雑な家庭環境で育っていると思っていたが、少年Aはごく普通の家庭で育っていた。
動物を殺していることに気付いていた周りの大人が止めてあげれば、このような事件は起きなかったかもしれない。

この本に記されたことが本心で、2度と同じ過ちを犯さないことを願いたい。

2020/08/05

購入することで著者に印税が入ることを躊躇いながらも、買ってしまった。
あまり本音が綴られているようには感じられなかった。

2020/07/04

事件当時の心境など、赤裸々に語られている。少年院での矯正も人間としての根本は変わってないように思う。

2020/05/25

23年ということで。
まず内容はともかくとして、読み物として稚拙。
「ちょっと贔屓の作家がいる学生が自分も本を書いてみたくなって書いてみました」と言った印象を受ける。
これが手記だと言われると、疑問に思う。
不必要な場面で饒舌で、必要な場面で曖昧。
一体どの層に向けて書いたものなのか？何のために書いたのか？と思ったが、「自分の為」と言われれば納得できる。

2020/05/18

「絶歌　神戸連続児童殺傷事件」元少年A著、太田出版、2015.06.28
294p ¥1,620 C0095 (2020.05.18読了)(2017.01.16購入)

【目次】
第一部
名前を失くした日
夜泣き
生きるよすが
池
それぞれの儀式
ちぎれた錨
原罪
God less night
蒼白き時代
父の涙
ニュータウンの天使
精神狩猟者
咆哮
審判
第二部
ふたたび空の下（二〇〇四年三月十日～四月上旬）
更生保護施設（二〇〇四年四月上旬～四月中旬）
ジンベイさんとイモジリさん（二〇〇四年四月中旬～二〇〇四年五月中旬）
最終居住先（二〇〇四年五月中旬～二〇〇五年一月）
旅立ち（二〇〇五年一月～二〇〇五年八月）
新天地（二〇〇五年八月中旬～二〇〇七年十二月）
流転（二〇〇八年一月～二〇〇九年六月頃）
居場所（二〇〇九年九月～二〇一二年十二月）
ちっぽけな答え（二〇一二年十二月～）
道（二〇一五年春）
被害者のご家族の皆様へ

☆関連図書(既読)
「彩花へ―｢生きる力｣をありがとう」山下京子著、河出書房新社、1998.01.02
「彩花へ、ふたたび―あなたがいてくれるから」山下京子著、河出書房新社、1998.12.25
「彩花がおしえてくれた幸福」山下京子著、ポプラ社、2003.11.09
「淳」土師守著、新潮文庫、2002.06.01
「校長は見た！酒鬼薔薇事件の「深層」」岩田信義著、五月書房、2001.05.28
「「少年Ａ」この子を生んで……」｢少年A]の父母著、文芸春秋、1999.04.10
「少年A矯正2500日全記録」草薙厚子著、 文芸春秋、2004.04.10
「心にナイフをしのばせて」奥野修司著、文芸春秋、2006.08.25
「僕はパパを殺すことに決めた」草薙厚子著、講談社、2007.05.22
「犯罪被害者の声が聞こえますか」東大作著、新潮文庫、2008.04.01
「なぜ君は絶望と闘えたのか」門田隆将著、新潮文庫、2010.09.01
「天国からのラブレター」本村洋・本村弥生著、新潮文庫、2007.01.01
「殺人者たちの午後」トニー・パーカー著・沢木耕太郎訳、飛鳥新社、2009.10.20
（「BOOK」データベースより）amazon
1997年6月28日。僕は、僕ではなくなった。酒鬼薔薇聖斗を名乗った少年Aが18年の時を経て、自分の過去と対峙し、切り結び著した、生命の手記。

2020/05/03

買うのも読むのも悩んだ。読みながら吐き気がした。でも事件後の加害者の現実を本人の口から知るというのは、初めてだったし、感情的なものを抜いて色々考えさせられた。