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絶歌 の商品レビュー

2.9

157件のお客様レビュー

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2015/08/01

2015.7.17 考えさせられる… 確かに、少年犯罪の代名詞のようになってしまっているサカキバラセイトだけど、人の感情が欠如してもう更生なんて絶対無理だと思っていたけど、どうなんだろう。 最後の弟たちへの謝罪のところで、弟たちの無条件な兄への思いが凄すぎると言うか、憎んでない...

2015.7.17 考えさせられる… 確かに、少年犯罪の代名詞のようになってしまっているサカキバラセイトだけど、人の感情が欠如してもう更生なんて絶対無理だと思っていたけど、どうなんだろう。 最後の弟たちへの謝罪のところで、弟たちの無条件な兄への思いが凄すぎると言うか、憎んでないのに驚いた。 この本が全てではないと思うけど、書けないことはかなりあったんだろうけど、被害者に対しての命日の手紙やら、弟たちへの謝罪の気持ちやらはちょっと泣けた。 汚点は決して消えないし、自分は陽の当たる所に出てはいけないという気持ち、被害者に対する償いは絶対無くして欲しくないと思うし、生きているだけで幸せということを肝に命じて、この先真面目に生きていって欲しいと思った。 それが出来るんじゃないだろうかと思った。 でも、この本が本心じゃなくて上辺だけで、本当の心は隠してるんだったら、恐ろしいけど… と、こんな風に思われてしまうのは常だろうけど、耐えて償いと更生の人生を全うしてほしい。

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2015/07/27

元少年A。 酒鬼薔薇聖斗。 事件について。事件に至るまでの人生について。事件後の人生について。 どうしても感じてしまう気持ち悪さ。 ものに対する異常な執着。暴力性。性的衝動。エゴイズム。そして文学的表現。 あたしには理解できない。 結局自分のため? 自分のこと理解してくださいっ...

元少年A。 酒鬼薔薇聖斗。 事件について。事件に至るまでの人生について。事件後の人生について。 どうしても感じてしまう気持ち悪さ。 ものに対する異常な執着。暴力性。性的衝動。エゴイズム。そして文学的表現。 あたしには理解できない。 結局自分のため? 自分のこと理解してくださいって? 自分の精神の安定のため? 興味深くはあるけど、すっごく不快になる一冊。

Posted byブクログ

2015/07/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み進めるうちにいろいろな感情を喚起させられる読書体験だった。まず、「少年A」の自伝的告白とも言える文章の小難しさと完成度。小説を読んでいるような気にさせられるが、逆に言うとこの自伝が「作り物の物語」であるような出来であるということ。随所で感じられる著者の自己顕示欲。  彼を「書くこと」に突き動かしたのは、自分でも書いているように「自分の喪われた人生に言葉でもう一度息を吹き込みたかった」からだろう。  彼が出所してから感じた「生きたい」という気持ちはとても素直なものだと思うのだが、それはやっぱり承認欲求なのではないだろうか?彼は日常の中で「自分は生きていてはいけない存在であるという孤独」と闘っていて、それでも繋がりを求めてしまうということ。三島由紀夫や1Q84の牛河に共感する彼が、「生きていてはいけない存在」と「生きていたい欲求」の狭間で、藻掻き苦しんでいる様は痛切に感じられた。  少年法のあり方についても、併せて考えさせられる一冊。 この本の是非を議論するのではなく、このような少年法で裁かれた一犯罪者の自伝から何を我々が考えるのか、が問われると思う。

Posted byブクログ

2015/07/26

とても頭のいい彼だと思う。しかし、残念ながらやってしまったことがあまりにも大きすぎる。あとからなにを言おうとも…。 厳しい言い方を敢えてするのであれば、農家が苗を間引くのと同様に、このような亜種の細胞を間引く、つまり死刑などの処置も止むなしかと。まじめに働いて納税している我々の血...

とても頭のいい彼だと思う。しかし、残念ながらやってしまったことがあまりにも大きすぎる。あとからなにを言おうとも…。 厳しい言い方を敢えてするのであれば、農家が苗を間引くのと同様に、このような亜種の細胞を間引く、つまり死刑などの処置も止むなしかと。まじめに働いて納税している我々の血税が、そこに投資されているのかと思うと首を傾げたくなる自分もいる。彼を更生されるのにいくらかかったのだろうか?それに見合うリターンはあるのだろうか?

Posted byブクログ

2015/07/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

徳川歴代将軍よりもジョンゲイシーやチカチーロみたいな殺人鬼の名前を先に覚えてしまう悪性の思春期に罹っていた僕にとって酒鬼薔薇は人物像に尾ひれはひれがくっつきすぎて半ば都市伝説化した存在になっていたのだがとうとう種明かしされてしまった。逮捕後の話から始まったので「流石に犯行の中身は生々しいから触れないのかな」と思ったのに。どうせならSHOOLL KILLERのミススペルにも触れんかい。出所後の具体的な目標もないまま仕事を辞め「ゼロから自分の居場所を」という決意さえなければ露悪的な本を出版することもなく、平穏な創作活動を送れたのでは。ことごとく選択肢を間違える奴だ。どうでもいいが引用という形で火の粉をふりかけるのは抑えてほしい。特にお笑いの趣味とか被ってると、なんかね。

Posted byブクログ

2015/07/20

一気に読みました。 買う時は悩んだけど、真実の心の内を綴った文章だと思ったからです。 著者は大人になり、たくさんの本を読み、考え、過去の出来事をつぶさに振り返り、描写できていますが、事件に至った部分は事象のみで、今でもよくわからない、とも記しています。 言葉にできない衝動、パニッ...

一気に読みました。 買う時は悩んだけど、真実の心の内を綴った文章だと思ったからです。 著者は大人になり、たくさんの本を読み、考え、過去の出来事をつぶさに振り返り、描写できていますが、事件に至った部分は事象のみで、今でもよくわからない、とも記しています。 言葉にできない衝動、パニック…青少年の犯罪はそういう謎に満ちていて、今もこれからも次々と起こる事件にどう対応したら良いのか、とても難しいと思う。 平穏な社会に生きていること、必死に生きることの有難さを教えてくれました。

Posted byブクログ

2015/07/19

この本の出版に対して、内容に対して、様々な物議を醸しているのは知っているが、窪美澄の「さよなら、ニルヴァーナ」を読んで興味を持って購入した。 批判したくなる人の気持ちも分からなくはないが、嫌なら読まなければ良いというのが正直な感想。特に本という媒体は、関わろうしなければ関わらな...

この本の出版に対して、内容に対して、様々な物議を醸しているのは知っているが、窪美澄の「さよなら、ニルヴァーナ」を読んで興味を持って購入した。 批判したくなる人の気持ちも分からなくはないが、嫌なら読まなければ良いというのが正直な感想。特に本という媒体は、関わろうしなければ関わらなくて済むし、自ら選択するものだと思う。 それと同時に、やはり著者である元少年Aに対しても、遺族や読み手、いわゆる社会に対してもう少し配慮すべきだったのでは?と思う。 手記と銘打つなら、過剰な比喩や描写や削ぎ落とすべきだし、無意味に難しい言葉を使う必要はないと感じた。 逆に読み手が知りたい内容、例えば医療少年院での生活について触れることも出来たと思う。 ビリギャルを読んだ時、これが小説なら出来過ぎててよくある話だな、で終わってたと感じた。現実に起きたことだから感動するんだと。 逆にこの本では、事件という事実や、少年Aの実在も含めて全てが「物語」で、小説の中の出来事なら、とても興味深く読めたと思った。 ほとんど大多数の人がそうである様に、この事件に関しては当事者ではないし、どこか非日常の出来事。小説だと言ってくれた方が、遥かに受け入れ易い。 その様な立場から、まるで当事者の様に少年Aを糾弾するのは簡単だろうけど、それこそ傲慢さを感じる。

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2015/07/18

あまりにもバッシングが多いので買ってしまった。 別サイトで事件の詳細を読んでいたので覚悟して読み始めたがその点では肩すかしの感じ。編集者が削除したのかな。 全体に修飾語が多くてうんざり。 自己再生のために書かずにはいられなかったようだが、出版に値するほどのものではなかろう。 読者...

あまりにもバッシングが多いので買ってしまった。 別サイトで事件の詳細を読んでいたので覚悟して読み始めたがその点では肩すかしの感じ。編集者が削除したのかな。 全体に修飾語が多くてうんざり。 自己再生のために書かずにはいられなかったようだが、出版に値するほどのものではなかろう。 読者が知りたい部分(少年院も含めて)がほぼ割愛されている。それでも、ある意味に於いて資料にはなり得るだろう。それにしても犯罪者がここまで法に守られているのには驚きだった。 被害者の父の本も読まなければ自分なりの判断がくだせないのかもしれない。

Posted byブクログ

2015/07/11

 回想とか自伝というのは二次史料なので、一般的にその内容如何にかかわらず、史料批判(より高次の史料との突合せ)無しにはそのまま「事実」とみなすことはできない。特に神戸連続殺人事件についての回想と自己分析には依然としてある種の自意識過剰さと自己演出臭があり(村上春樹を引用したくだり...

 回想とか自伝というのは二次史料なので、一般的にその内容如何にかかわらず、史料批判(より高次の史料との突合せ)無しにはそのまま「事実」とみなすことはできない。特に神戸連続殺人事件についての回想と自己分析には依然としてある種の自意識過剰さと自己演出臭があり(村上春樹を引用したくだりは不謹慎ながら失笑してしまった)、司法の場でも明らかにしなかった「隠し玉」の「事実」を示すことで、司法関係者や精神科医たちを出し抜いてやったという勝ち誇りの気さえあるが、今となっては証明不可能であまり当てにはならないだろう。  むしろ本書は、殺人事件以外の部分、例えば逮捕後の警察・検察による少年犯罪の取り調べの様子や、鑑別所や少年院の様相や、出所後の更生過程など、他の当事者による反証が可能であるため「偽証」しにくい箇所の方に社会的な資料価値があろう(不安定労働の当事者証言は特に興味深かった)。営利目的の商業出版として刊行されたこと(編集者の手がどの程度入っているのかという問題を含めて)による弊害は惜しまれる。

Posted byブクログ

2015/07/11

読書をしながら珍しく、この本を読んだ他の人の感想を聞きたくなった。豊富な語彙を駆使した巧みな文章は、少し気色悪くなるほど、殺人犯のイメージに合わず、読んでいて中々慣れない。自分は無意識に、彼は、無教養であり、それ故、暮らしにくさを感じながら、その面でも社会的制裁を受けるべきだと思...

読書をしながら珍しく、この本を読んだ他の人の感想を聞きたくなった。豊富な語彙を駆使した巧みな文章は、少し気色悪くなるほど、殺人犯のイメージに合わず、読んでいて中々慣れない。自分は無意識に、彼は、無教養であり、それ故、暮らしにくさを感じながら、その面でも社会的制裁を受けるべきだと思い込んでいたのだろう。 果たして彼は、狂っているのか。更生したのか。はたまた、高いIQを持ち、社会を嘲笑いながら、巧みに印象操作をしようとしているだけなのか。わからない。わからなくて、誰か他の人の意見が聞きたくなる。 直感で言えば。そして自分の感性に正直に言うならば。例えば、人間には過ちがあるという事は認めざるを得ない。その過ちが常識を遥かに逸脱していればいるほど、人はあるいは軽蔑し、あるいは奇異に感じる。事件は、過ちである。そして、過ちと認識し、させなければならない。殺人は、必ずしも過ちではないからだ。そして、過ちと認めれば、それを償うプロセスが必要だ。もちろん、償い方には、死刑という手段もある。 プロセスを経て。なお社会の感じる嫌悪感は何か。一つは常識の枠を外した恐怖、一つはルール違反に対して、種の保存という本能、更にはイメージの押し付けかも知れない。魔が差したという事では許されないが、あらゆる可能性の一つに、猟奇的な事件というのはあるだろう。それが必然性のない殺人であった場合、更生は期待できても、社会の目からは逃れなれない。 人は、何故、人を殺してはいけないか。このテーゼを考えるなら、殺し以外に人がしてはいけない事を想像してみるのが良い。そして、嫌悪感を感じる根源、秩序、死の不可逆性から考えれば、答えは出るだろう。

Posted byブクログ