過ぎ去りし王国の城 の商品レビュー
何の予備知識もなく本を読めるって、本好きにとって最高の贅沢な体験だと思います(唐突)。 そうでなくても、『驚愕のラスト!』と煽ってくる帯だったり、詳らかに内容を説明する背表紙の内容紹介だったり、本そのものが積極的にネタバレしてきますもんね〜汗。 というわけで、オビも内容説明も...
何の予備知識もなく本を読めるって、本好きにとって最高の贅沢な体験だと思います(唐突)。 そうでなくても、『驚愕のラスト!』と煽ってくる帯だったり、詳らかに内容を説明する背表紙の内容紹介だったり、本そのものが積極的にネタバレしてきますもんね〜汗。 というわけで、オビも内容説明もないハードカバーの本作と出会えた私はラッキーです。発刊当時、書店で帯付き&面出しされてた筈の本作をスルーした私、グッジョブ( ◠‿◠ )b← だから、私が以下に本作の内容を書くのは、今から読もうと思ってる人にはすーごい不親切なことだと思うんですが、ブクログってそういうログを記す場所だと思うんで書きますね(今更感)。 表紙の絵だけ見て、「学生が異世界に行ってチートになったり異文化交流したりな成長譚ですかね?」とアタリを付けていた私の貧相な予想はものの見事に外れまくりでした\(^o^)/←嬉しい 親の使いで銀行を訪れた少年が、掲示板で見つけた一枚の絵。 子供達の絵に混じって貼り出されたその絵は、どう見ても子供が描いたとは思えない精緻なタッチのものだった。西洋の城が描かれたその絵に奇妙に惹かれ、家に持ち帰った少年は、その夜、その絵が不思議な力を持つことに気付き…。 どう不思議なのか? メトロポリタンミュージアム展開になるのか?? それは気になった皆さんの目でお確かめください!(ウザ 散々上記で素晴らしい読書体験だったとか書いてますが、本作そのものに対しての評価は星3つという謎← もうちょっと摩訶不思議アドベンチャーな展開だと思ってたんですよね〜汗 意外と世知辛い現実社会を思い知らされたっていうか…これは優しめファンタジー期待した私が完全に悪いんですけど……。
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絵の中の世界へ少年少女が入り込んでいくお話 絵があの場所にあったのも結局は「導かれた」ってことだったんだろうか? 今時分はこういった事件が本当に「よくある」事になってしまって、ちょうど読んでる最中にも耳にしていたのでなんだか物悲しい やると決めてからの城田さんの行動力がすごい。 でも尾垣君の置いてかれた感はそうするべきであったのはわかっていてもちょっと切ない 幼かった自分自身を救うために一つの世界を作り上げちゃうのもすさまじい 物語はハッピーエンドなんだけど、パラレルワールドとかそこまで考えちゃうとちょっと微妙。 この絵のために命をささげた方の世界の伊音さんもいると思うと結局全部は救えないのか、それとも幼い伊音ちゃんを救ったことでその世界も救われて幸せな伊音さんしかいないのか。 でもそうなるとそもそもの大きくなった伊音さんが幼い伊音ちゃんのために作った絵の世界もなかったことになって・・・? みたいな考えになってモヤモヤ~ 過去を変えたから未来も変わったってことだけ考えればいいのか こういうファンタジー作品は深く考えずに楽しむ方が良いなぁとも思った
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【あらすじ】 早々に進学先も決まった中学三年の二月、ひょんなことからヨーロッパの古城のデッサンを拾った尾垣真。やがて絵の中にアバター(分身)を描きこむことで、自分もその世界に入りこめることを突き止める。友だちの少ない真は、同じくハブられ女子で美術部員の珠美にアバターを依頼、ともに...
【あらすじ】 早々に進学先も決まった中学三年の二月、ひょんなことからヨーロッパの古城のデッサンを拾った尾垣真。やがて絵の中にアバター(分身)を描きこむことで、自分もその世界に入りこめることを突き止める。友だちの少ない真は、同じくハブられ女子で美術部員の珠美にアバターを依頼、ともに冒険するうち、パクさんという大人と出会い、塔の中にひとりの少女が閉じこめられていることを発見する。それが十年前のとある失踪事件に関連していることを知った三人は、ある計画を立てる…。「今」を引き受けて必死に生きるすべての人へ―心にしみこむ祈りの物語。 【感想】 これはなんてすごい物語なんだ、と思った。どうしてこんな物語が思い浮かぶんだろうと思った。デッサンの中に入れることがわかったときの真の興奮を想像してみると、胸がドキドキしてくる。そこからはもう、真と行動を共にしているような気持ちだった。冒険をするうちに、真は珠美やパクさんの抱えているもの、そしてこの冒険そのものの意味を知り、人間について深く考える。わたしはそこがいいなと思った。人はそれぞれ誰にでも抱えているものがあある。その大きさは様々だ。抱えているものが複雑すぎて、心が荒んでしまったり、壊れてしまったりすることもある。そんなことが起こらないようにするのが、周りにいる親、友だちなどの気付き。これが何よりも重要だと思った。わたしも周りに気を配れる人間になりたい。それも、さりげなく。
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久々の宮部みゆき、私の知る宮部みゆきの本とは毛色の違うものだったけど それはそれで面白かった。不可思議な展開のストーリーだが何故か一気に読まされていた 笑。過日読んだ「かがみの孤城」をついつい思い出してしまったけど。
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銀行でたまたま目についたお城のスケッチを、持って帰って来てしまった事から始まるSFの物語。 スケッチに入って行く3人の関係や、スケッチが描かれた核心に迫るところは面白かったが、話の進展に関わらない部分が少し多く、多少、読んでいて飽きてきたところがある。 伊音を育てれなかった秋吉尚美のような親も、世の中にはいて、手を差し伸べることが出来る環境があれば良いと思う。 絵描きには絵描きにしか分かり得ない、入り込むという状態や、死ぬ直前の走馬灯などの城田珠美の考えは、自分にはない新しい考えだった。
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嫌な事や辛い事があった時、絵や物語の世界に没頭して現実逃避する事はある。 だから、このお話はフィクションでファンタジーなのだけれど、もしかしたら本当にあるかもしれないと思わせる世界観、素晴らしかった。 また現実の人間がそれを助けるという展開も好きです。 真と珠美のその後がもっと読...
嫌な事や辛い事があった時、絵や物語の世界に没頭して現実逃避する事はある。 だから、このお話はフィクションでファンタジーなのだけれど、もしかしたら本当にあるかもしれないと思わせる世界観、素晴らしかった。 また現実の人間がそれを助けるという展開も好きです。 真と珠美のその後がもっと読みたかったなぁ…。
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面白かったー!久々の宮部みゆき!さすがです!静かに始まって静かに終わっていった感はあるけど、そっとページをめくらせる読み応えのある一冊! ファンタジーなんだけど、現実の問題も見え隠れしてて、要は自分の問題なんだよ。全て。と、どんなことにも生きるヒントがある。と、切々と訴えてくる...
面白かったー!久々の宮部みゆき!さすがです!静かに始まって静かに終わっていった感はあるけど、そっとページをめくらせる読み応えのある一冊! ファンタジーなんだけど、現実の問題も見え隠れしてて、要は自分の問題なんだよ。全て。と、どんなことにも生きるヒントがある。と、切々と訴えてくるような内容でした。 絵に入り込むあたりはネバーエンディングストーリーのようなんだけど、そこまでファンタジーに持って行かずに一歩手前で現実的な宮部みゆきの作風が憎い。 つい読まされる。
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なかなか難しい話でしたが、一気に読んでしまいました。 真の言うように、「何故話してくれなかったのか」と、私も同じように感じていました。 話さなかった城田さんは、大人すぎます。 読後は、さわやかで二人の未来が見えるようでした。
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宮部さんっぽいファンタジー小説という感じかな。 ただ、この手の事件は、本当に本当に胸が痛くなります。されるがままの状況にいるしか出来ない人たちにとっての救いにはならないかもしれない。そんなに甘くはないしそんなに簡単でもない。壊れやすいのに簡単に剥がせない。 ただ、逃げたい、守られたい。そんな思いの先にお城があれば… 後戻りできない人生の中、生き直す事は、ものすごい頑張りの先にある希望なのかもしれない。そうであってほしい。
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積読本。読み出したら止まらない一気読みでした。子どもの頃感じていた痛みを思い出しながら登場人物のお互いを思いやる気持ちが痛いほど伝わって来て温かな気持ちになりました。世界が良い方向へ変わってくれて、良かった。
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