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夜の国のクーパー の商品レビュー

3.5

238件のお客様レビュー

  1. 5つ

    26

  2. 4つ

    81

  3. 3つ

    82

  4. 2つ

    17

  5. 1つ

    4

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2019/04/11

とある小さな国の話。その国では、国の外に現れるクーパーと呼ばれる大きな杉の木のようなものを倒すために、毎年兵士を選出する。そして、数年前にクーパーを倒して以来、クーパーは現れなくなる。しかし、クーパーがいなくなったと思ったら外の国から支配されることになり、小さな国は危機に陥る。そ...

とある小さな国の話。その国では、国の外に現れるクーパーと呼ばれる大きな杉の木のようなものを倒すために、毎年兵士を選出する。そして、数年前にクーパーを倒して以来、クーパーは現れなくなる。しかし、クーパーがいなくなったと思ったら外の国から支配されることになり、小さな国は危機に陥る。その国ではクーパーの兵士について、言い伝えが残っている。クーパーの兵士は透明になって、いつかこの国を救ってくれる。今がその危機だ。この国を救ってくれ!! 一方で小さな国に住んでいた猫たちの目線。猫の一匹は国の外に出て一人の人間に出会う。僕の国を助けて欲しい。 小さな国、クーパーの兵士、外からやってきた人間、それぞれの目線から語られる物語が次第に交錯していく。 伊坂幸太郎らしい作品でありながら、どこか静かに淡々と、でも続きが気になって読むのをやめられない作品。ドカンとくるものはないかもしれないけど、面白い作品でした。

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2019/03/02
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大人向けのせかいのえほん、のような小説。視点が、登場人物である人間でなく、猫であることが新鮮。話の展開がひっくり返るまでは退屈だけど、そこからは一気によみすすんだ。そしてまた斜めにひっくり返される。複眼隊長はまた何かをひっくりかえすんじゃないかと思わせた。

Posted byブクログ

2019/01/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

目が覚めたら知らない土地で、胸の上に人間の言葉の通じる猫が座っている。こんなワクワクする導入部がありましょうか。仙台の公務員 in Wonderland。『不思議の国のアリス』みたいな話かと思ったら、塀で囲まれた町はまるで『進撃の巨人』で、最後は『ガリバー旅行記』に。 しかし、この伊坂幸太郎はとても入り込みにくい。もしも伊坂幸太郎の初読みが本作だったら、次に彼の著作を手に取るのは敬遠していたかもしれません。だけど伊坂慣れしている人なら、なんじゃこりゃと思いながらなんとなく進み、猫同士の「舌が出てるよ」のツッコミ合いに笑ったりもしながら、終盤50頁でニッコリしているはず。結果的には私にとって至福の読書時間になりました。いつもこんなふうにやられてしまう。好きだなぁ。

Posted byブクログ

2018/12/23

中盤までは淡々と物語が進んでいき、後半に一気に動き出す。 そこで初めて、それまでにたくさんの伏線が張られてたことに気づく。 個人的には、クーパーを描写通りにイメージをしてみるのだが、なかなかピンとこなかった。 杉の木のような怪物ということなので、屋久島のデカい杉の木が動き回る感...

中盤までは淡々と物語が進んでいき、後半に一気に動き出す。 そこで初めて、それまでにたくさんの伏線が張られてたことに気づく。 個人的には、クーパーを描写通りにイメージをしてみるのだが、なかなかピンとこなかった。 杉の木のような怪物ということなので、屋久島のデカい杉の木が動き回る感じなのかな? 屋久杉は根っこも凄いし、あれで動き回るとたしかに倒すのは大変そう。 でも、脳内でそういうイメージをさせてくれるのが、フィクション、物語の良いところだし、ぼくが好きなところ。

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2018/12/08

分類するとしたらミステリよりファンタジーの方かな。 こっちから異世界にオジサンを送り込むことで、手を抜いてる気がしちゃう

Posted byブクログ

2018/11/19

目を覚ますと私の旨に猫が乗っていた。その猫のトムが話し出したのは、戦争が終わった後に起こった出来事だった。 実に伊坂幸太郎らしい構造の物語です。語られる全てのことが伏線となり繋がり収束へと向かう。でもいつもの伊坂作品よりも冗長に感じたのです。展開がゆっくりだというか。 そのため...

目を覚ますと私の旨に猫が乗っていた。その猫のトムが話し出したのは、戦争が終わった後に起こった出来事だった。 実に伊坂幸太郎らしい構造の物語です。語られる全てのことが伏線となり繋がり収束へと向かう。でもいつもの伊坂作品よりも冗長に感じたのです。展開がゆっくりだというか。 そのためじっくりと読むことになり読みながら考えることとなり、大きな仕掛けは何となく察しがつきました。それだけで終わると今回は仕掛けが大きい割には衝撃が小さかったのかなで終わるのですが、何か引っ掛かるものがありもう一度考え直してみました。きっかけは松浦正人氏による解説です。 作者インタビューで「戦争って世の中で一番、僕には怖いものなんですよ」という言葉があったことを知りました。怖いから自ら書くことで乗り越えようとしたと。なるほど、ならばこの物語は大きな力に対峙することを語っているのだと思ったのです。それは現実として敵国の兵士がやって来て町を征服したこと、クーパーという謎の杉の怪物を退治したという逸話、猫を前にした鼠たちの策略などに寓話的に現れています。大きな力を前にした小さいものたちの行動や心理をじっくりと書くことで、自分の中の恐怖を処理しようとしたのかも知れません。 大きな力の前にした時どうするのか、それを考え形にすること。その作者の思考の流れを読むことこそが、この小説の醍醐味となるものかもしれません。 いつもの伊坂作品の型にはまっているため、スルリと気持ちよく読み気持ちよく騙されて気持ちよく物語の収束を味わうことができます。しかしそこに物足りなさを感じたのは、その型の外側に大きな枠が用意されていたからでしょう。そこに気付いた時、この小説の持つもうひとつの顔が見えたのです。

Posted byブクログ

2018/11/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

猫のトムの視線、トムに捕らわれた人間の視線、この国の人間の視線の3つから物語が進んでいく。 この国には木の怪物であるクーパーを退治しに行く為の兵士がになる制度があり、その隊長である複眼隊長が居たのだが最後の討伐に行ったきり帰ってこなかった。 それから10年が経とうとした頃、鉄国という隣国からこの国は攻められてしまう。 この国の人たちはクーパーの兵士達が助けに来てくれると信じるのだが、国王は殺されその息子は鉄国に加担する有様。 御伽噺のような展開だがこの先にどんでん返しが待ちうけ、 ミステリーとして楽しめる展開が待っている。

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2018/10/09

今回の伊坂さんの本は、なかなか引き込まれるのに時間がかかった。 半分くらいまで、あまり面白くなかつたが途中から一気に引き込まれた。

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2018/08/26

1808 猫が語り役のファンタジー作品。前半はゆっくりペースだったがラストまでのくだりは伊坂作品らしい感じ。

Posted byブクログ

2018/07/21

最後の種明かしは、そうだったのか~と、してやられた感が(笑)最初は謎だらけで、読み進めると続きが気になってしまう作品。伏線の張り方も流石です。

Posted byブクログ