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夜の国のクーパー の商品レビュー

3.5

238件のお客様レビュー

  1. 5つ

    26

  2. 4つ

    81

  3. 3つ

    82

  4. 2つ

    17

  5. 1つ

    4

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2020/11/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

うーん。自分にはちょっとイマイチ響かなかったな。 この物語の世界に上手く入り込めないまま終わってしまった…。 猫ちゃんたちはとても可愛かったけど… あ、でもラストのどんでん返しにはドキドキしたかな。でもそれも中盤まであまり話に入り込めなかったのでドキドキが薄れちゃったな。 寓話なのか、ファンタジーなのか。 寓話かな。

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2020/11/17

「君はいつも、僕たちの近くにいるなあ」 それだけじゃないよ。 我々猫は、いつも人の話を聴いてる。 人の喜怒哀楽を、不可解な行動を、 言い伝えを、戦争を、歴史を眺めてる。 そして、参加したがってる。 ネズミを追ったり、欠伸をしながらね。

Posted byブクログ

2020/10/29

最初は読みづらいと感じたが後半面白くて一気に読んでしまった!複眼隊長の台詞、自分で考えて行動することって大事だよね、と実感。国を統率するには外に敵を作ること。そういう国ありますよね。

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2020/10/01

うーん? 『オーデュポンの祈り』を、もっとファンタジー寄りにした感じ、、、というか、なんとも寓話的。 で、結局何なの、と言いたくなるけど、言わないのがお約束か。 世の中に言いたいことがありすぎて、うまく収まらなかったのかも。 キャラとしては、素直で丁寧な鼠が良かった。

Posted byブクログ

2020/07/04

語り部である猫のトムくんのキャラクターがとても自由で気ままな猫らしくて愛らしい。 猫から見た人間、鼠たち、そしてその他の動物の描写や捉え方がまさに猫目線で、伊坂氏の猫に対する愛情がとても強く感じられて、物語をとても好ましくしている。 まるでベッドでせがむ子供に読み聞かせるために...

語り部である猫のトムくんのキャラクターがとても自由で気ままな猫らしくて愛らしい。 猫から見た人間、鼠たち、そしてその他の動物の描写や捉え方がまさに猫目線で、伊坂氏の猫に対する愛情がとても強く感じられて、物語をとても好ましくしている。 まるでベッドでせがむ子供に読み聞かせるために即興で作り上げたようなとても優しくて楽しい物語。

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2020/09/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

途中まであまり世界に浸れなくてボンヤリ読み進めてたけど、終盤の展開が楽しかった。 これは、ガリバー旅行記…?! 終盤、岩ではなく岩山に隠れているのに見つかる危険性を考えたり、どうして遠くの人間の様子が事細かに分かるんだろう?と、違和感を感じてまさかね…と考えていたことが語り手の正体と一致して何故かニコニコしてしまった。この場面が何だかんだ軽妙で、「オーデュボンの祈り」で島に足りないものに気がついた時のシーンを読んだ時のような、ワクワクするような楽しいような気持ちになった。 本編の寓話的な雰囲気は肌に合わないような、でも興味深くて読みたくなっちゃうような…後で文庫解説の方を読み込んで噛み砕き直したく思います。

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2020/05/08

妻に浮気され失意の中にいた主人公。 ばったり出会った猫のトム君から、 トム君の国で起こった戦争の話を聞くことになる。 人々を救うと言われる光る石を探しに、トム君と国へ向かった主人公は…。 トップが変われば方針も変わる。 その変更は、下位の人々へも大きく影響する。 国...

妻に浮気され失意の中にいた主人公。 ばったり出会った猫のトム君から、 トム君の国で起こった戦争の話を聞くことになる。 人々を救うと言われる光る石を探しに、トム君と国へ向かった主人公は…。 トップが変われば方針も変わる。 その変更は、下位の人々へも大きく影響する。 国も会社もトム君の国も同じですね。 珍しく読む速度が上がらず、 最後の方になって、ようやくテンポよく読めるようになりました

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2020/04/16

寓話だからといって遠ざけるべきではない作品。リアリティのあるフィクションのほうが好きな読書人がオールド世代には多いと思うが、こういう作品も読めば響くものは多い。ただ、伊坂らしく滑らかな手触りではあるが、猫のしゃべりと場面展開は、ややくどい感じを受けた。

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2020/03/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「俺は、言われたことをやるんじゃなくてな、自分で、やるべきだと思ったことをやることにした。それだけだ。その場で俺は、鉄国の国王に嘘を見破られて、殺されることも覚悟した。が、無事だった。やってみれば、何てことなかった。向こうは、この国のことも、クーパーの兵士のことも、そして当然、俺のことも、さほど気に留めていなかったんだ。恐れず、ただ、やってみれば良かった」 解説 松浦正人 (光文社古典新訳文庫『永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編』所収) ”啓蒙とは何か。それは人間が、みずから招いた未成年の状態から抜け出ることだ。未成年の状態とは、他人の指示を仰がなければ自分の理性を使うことができないということである。人間が未成年の状態にあるのは、理性がないからではなく、他人の指示を仰がないと、自分の理性を使う決意も勇気ももてないからなのだ。だから人間はみずからの責任において、未成年の状態にとどまっていることになる。こうして啓蒙の標語とでもいうべきものがあるとすれば、それは「知る勇気をもて(サベーレ・アウデ)」だ。すなわち「自分の理性を使う勇気をもて」ということだ”。

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2020/03/09

目を覚ました男の胸の上に乗っている一匹の猫。その猫が語り始めたのは、どこかの国の戦争が終わったという話。 猫が人の言葉を話す時点で摩訶不思議なのですが、その話の内容も負けず劣らず摩訶不思議。戦争が終わったと宣言した王は兵士に突然討たれ、誰も乗っていない馬が町の広場に現われ、さら...

目を覚ました男の胸の上に乗っている一匹の猫。その猫が語り始めたのは、どこかの国の戦争が終わったという話。 猫が人の言葉を話す時点で摩訶不思議なのですが、その話の内容も負けず劣らず摩訶不思議。戦争が終わったと宣言した王は兵士に突然討たれ、誰も乗っていない馬が町の広場に現われ、さらにこの世界には、クーパーという謎の怪物がいて、その怪物との戦いに向かった兵士は”透明”になってしまうという。 さらに語り手の猫は、鼠に捕まってしまい、そこでもまたおかしな話を聞かされて…… この話はファンタジーなのか、と思いつつも、この猫の話を聞く男が、役所の職員で浮気された直後で、さらには株取引が趣味という、ファンタジー感の欠片もない設定。読んでいる間、この話はどこに向かっていくのか、と探り探り読んでいきました。 物語の終盤の種明かしは圧巻の一言! 伏線を張っているのは、薄々感じるところはあったものの、それがどう回収されるのかは見当もつかず。そして、終盤物語の意味が明らかになると伏線はもちろん、世界観の構築、登場人物たちの行動、すべてが一気につながってくるのです。 「木を見て森を見ず」という言い回しはよく使われますが、この作品はまさにそんな感じ。伏線や登場人物たちの行動を描くのに猫の視点はうってつけだな、と感じます。神の視点のようにすべてを提示する必要もなく、一方で人間の思考や行動の制限がはいることもない。 そんな視点を使って部分部分を絶妙に見せつつ、物語の全体像が分かった瞬間に全てがストンと腑に落ちるよう作られています。不可解なものたちが一気に繋がる、まさに伊坂マジックといわざるを得ません。この爽快感はかなりのものでした。 そうした伏線回収や作品に仕掛けられたサプライズもさることながら、この物語の持つ意味もなかなかに考えさせられます。国と国の関係、国家と個人、対外的なものへの恐怖、狭められた視界。いずれも今の世界や、国と自分たちのあり方を考えさせるものであり、寓話的な側面も感じられます。 そして、猫のトムの語り口もユニーク! 友人の猫たちとジャンプ勝負をしたり、尻尾の動きを気にしたり、鼠を追いかける描写なんかは、本当に猫が語っているかのよう。 改めて考えてみるととんでもない物語なのですが、先に書いたようにそれを伊坂マジックが可能にしてしまった、そんな小説だったように思います。伊坂さんの作品を読むのはかなり久しぶりだったのですが、物語も語り口もとてもユニークで、読後感は爽やか。そして巧みに作り上げられた作品に感じました。

Posted byブクログ