夜の国のクーパー の商品レビュー
面白いです。興味を持った人のためにネタバレさせたくないので簡単な感想に留めときます。読んでると懐かしい感じがするのだけれどとても新しい切り口だと思います。ぜひ読んでみてください。
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ファンタジー系かなと思いますが、最初から不穏な空気があります。後半に進むに連れてどんどんおもしろくなり、とてもよかったです。トムとギャロがいい。
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自分にとっての相性もあるだろうけど、何読んでもだいたい面白くて、ずーっとヒット以上を打ち続けてる作者って伊坂さんと宮部みゆきさんがニ大巨塔だな。 普段ホラーばっか読んでるから、ホラー読むのに疲れてちょっと寄ったら思った以上に素敵な空間作りをしてくれてる感じ。 わりとハラハラした...
自分にとっての相性もあるだろうけど、何読んでもだいたい面白くて、ずーっとヒット以上を打ち続けてる作者って伊坂さんと宮部みゆきさんがニ大巨塔だな。 普段ホラーばっか読んでるから、ホラー読むのに疲れてちょっと寄ったら思った以上に素敵な空間作りをしてくれてる感じ。 わりとハラハラしたり、ともすればグロくなりそうな場面もあるのに、黒猫のトムから見た完全なる客観視点の描写が読む側に安心感を与えてくれてとても読みやすい作品だった。
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「僕の国では戦争が終わったんだ…」猫が語るのは現実とも虚構ともつかないシュールな物語。"敗戦"からはじまる占領と支配。抵抗と裏切り。猫と交渉する鼠。国の危機に現れると言われるクーパーの兵士とは…。不思議な国の敗戦寓話。 「夜の国のクーパー」(2012)伊坂幸太...
「僕の国では戦争が終わったんだ…」猫が語るのは現実とも虚構ともつかないシュールな物語。"敗戦"からはじまる占領と支配。抵抗と裏切り。猫と交渉する鼠。国の危機に現れると言われるクーパーの兵士とは…。不思議な国の敗戦寓話。 「夜の国のクーパー」(2012)伊坂幸太郎 #読書好きな人と繋がりたい
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伊坂作品としてはドキドキ感が無く展開も遅いので読んでて疲れてくる。 全体的にパットしなかった作品。
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猫の名前がトムなら鼠の名前はジェリーか?と思いながら鼠の名前が出るのを待っていたら物語が終わった。 童話のようなファンタジーのような不思議な世界に伊坂幸太郎が混じるとこうなるよね。 クーパーの真相も気になるけと鼠の名前が気になりすぎて、名前が出なかったのが残念。 ボリュームの...
猫の名前がトムなら鼠の名前はジェリーか?と思いながら鼠の名前が出るのを待っていたら物語が終わった。 童話のようなファンタジーのような不思議な世界に伊坂幸太郎が混じるとこうなるよね。 クーパーの真相も気になるけと鼠の名前が気になりすぎて、名前が出なかったのが残念。 ボリュームの割に内容が薄く、中弛みして挫折した人も多いんだろうなと思わせるくらいに長いと思った。
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“ほんのわずかでも相手に寄り添おうと向きを変えれば、平行線の関係だった二つの線もいずれどこかで交わるだろう” この本を読んでいる間、著者がカントの思想を背景に書いたこともあり気づかされる事が多々ありました。 特に私が印象に残った文章は、上記したトムと「私」の会話の最後の部分です...
“ほんのわずかでも相手に寄り添おうと向きを変えれば、平行線の関係だった二つの線もいずれどこかで交わるだろう” この本を読んでいる間、著者がカントの思想を背景に書いたこともあり気づかされる事が多々ありました。 特に私が印象に残った文章は、上記したトムと「私」の会話の最後の部分です。 『夜の国のクーパー』(2012刊行)は、敗戦した世界を、百田尚樹さんの『カエルの楽園』(2016刊行)は、戦っている姿をそれぞれ寓話にしたお話で、似て非なるもののように感じました。読みながら、今なお起きているイスラエル情勢の問題を想起させられます。 私事ですが、夏目漱石著の『吾輩は猫である』が好きで後に読んだ百田尚樹著の『カエルの楽園』を好きになり本書を読み終え、『夜の国のクーパー』を好きになりました。 どうやら私は動物が喋る系のお話が好きなようです(笑) 日本(人)は、戦争を起こしてはいませんが同じ地球(人)として、世界で起きている戦争を他人事のようにみてはいけません。 『夜の国のクーパー』は、戦争における“教訓”を少しユーモアあふれる形で書いています。 今だからこそ、読んでほしい一冊です。
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初期のころの作品はわからないこともあったが、ここのところ読んでいるのは期待通りに予想外の展開をみせてくれてうれしい。
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前半。猫の話をわくわくして先を促す僕は、「私」と同じ状況だった。さあ、トム君のお話が終わったぞ、どうなるんだと後半を読めば、ああ、ああ、と驚かされ続けるばかり。まったく見事な作品でした。◆国の人々の名前になにか魅力を感じました。大江作品からの影響ということで、興味あり。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
伊坂氏の作品をこれまで大分読み進めてきました。初期のものから22作読み進め、これで23作目。 本作は2012年の作品。2000年の「オーデュボンの祈り」はじめ初期の疾走感に満ちた雰囲気から考えると、大分落ち着いた筆致かなと感じました。 とはいえ、洒脱さや奇想天外感は今回も健在で、十分堪能させていただきました。 ・・・ 本作、いい意味で切れ目がありません。 目次も章立てもなく、途中途中で猫のマークで節のストップがあるだけ。トム君がメインキャストですからね。 ・・・ また構成も、三つの場面を行き来します。 一つは猫のトムが語る、彼がいた国が鉄国に占領される状況。一つは猫のトムと、仙台の公務員の「僕」とが会話する場面。そしてもう一つはクーパーの兵士が遠征に行く場面。 状況がかなり異なる上、断片的な情報のみが与えられるため、欠けた部分を埋めるべく初めは読み進めました。そして、その埋まる部分が増えていくにつれ、今度は三つの場面の繋がりが分かってくると、物語の全体像が見えてきて、これまた気持ちよくて止まらなくなる。ミッシング・パーツをもっと埋めたくて、展開を知りたくて、更にページを手繰る手を止められなくなる。 この読ませるテクニックも伊坂マジックと言えましょう。 ・・・ もう一つ。 伊坂作品では、何というか、人間の良き部分に信念のある性善説的なキャラづくりが物語を方向づけている部分があると思います。 今回でいうと、猫のトム。 本能から鼠に飛びかかってしまうのですが、おのが国を占領される最中に<中心の鼠>から、今後鼠を狩ることをやめてほしい旨、団交を申し出される。 鼠たちは狩られるリスクを冒して猫のトムに賭けたわけですが、その態度はトムをして 「疑うのをやめて、信じてみるのも一つのやり方だ」(P.300) と語らしめます。 この信じることの可能性は、パッとしない仙台の公務員「僕」が、浮気した妻を今後信じてゆくかどうかという事で一つの道を示しているように思います。 難しいことではあるのでしょうが、そこを敢えて信じてみるのは、文字通り一つのやり方であり、そういう生き方もあっていいんだと思います。 また猫のトムが、本能から鼠にとびかかりたいのを少しづつ押さえていく様。これもまた理性の可能性を寓意的に示しているようにも思えました。 ああ、うまく表現できないのですが、伊坂氏はこういう「人の力」みたいなのを本当に上手にストーリーに練りこんでくるのですよ。で、私はこういうのが好きなんです。 ちなみにトムは猫ですが、まあ喋って考えることができるという時点で既に人と同等ですよね。 ・・・ ということで伊坂作品を堪能しました。 未知なるクーパーと戦う+国中を塀で巡らす、という当初の描写で、すわ進撃の巨人か、と思わせましたが、全きツイストに私の予想は見事外れ、思っても見ない結末となりました。あっぱれな結末。 戦争敗北・政治(王族)腐敗というひんやりした設定は、「魔王」や「モダンタイムス」などにみられるファシズム的ネガティブエッセンスと通底しますが、本作はそうしたひんやり風味を残しつつ、どこか明るいユーモラスさが漂うエンターテイメント小説に仕上がっていると感じました。
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