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起終点駅 の商品レビュー

3.9

52件のお客様レビュー

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    14

  2. 4つ

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2016/10/12

小説を泣きながら読んだのは何年ぶりだろう。6話の短編集。女性が主人公で皆それぞれ仕事や私生活にストレス抱えながらも頑張って生きている。胸に秘めた恋愛もそれぞれ形は違いながらも最後は昇華していく。刹那さに満ちた内容だがラストは爽快感を覚えるのは、この作家さんが文章が上手いからだろう...

小説を泣きながら読んだのは何年ぶりだろう。6話の短編集。女性が主人公で皆それぞれ仕事や私生活にストレス抱えながらも頑張って生きている。胸に秘めた恋愛もそれぞれ形は違いながらも最後は昇華していく。刹那さに満ちた内容だがラストは爽快感を覚えるのは、この作家さんが文章が上手いからだろう。読んで良かった本。

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2016/07/23

とても評価の高い作品のようだったので読んでみましたが、自分のコンディションが良くない時期だったのか、読むのに力のいる1冊でした。 一話一話、深いお話だと思うので、時間のゆっくり取れる時に再読してみます。

Posted byブクログ

2016/07/08

ただひたすら重かった… 何かしら世間からはみ出した?人達を主人公にした短編集。 私には訴えるものが何か、理解出来なかった。 もう少し年齢を重ねたら分かるようになるかな?

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2016/06/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 6つの、それぞれの人生をいきる人々の話。  新社会人里和の、ギスギスした職場での、空回りの奮闘。その末の、決して栄転ではない異動。2つの物語に登場する彼女は、他の登場人物の人生と共にあり、決してそこだけに焦点が当たっていない。  けど、この物語を20代前半で読んでいたら、私はどんな感想を持ったかなあと、思う。  自分は違うと思ったか。自分もこうなると思ったか。  結局、里和の様なポジションで、上司や同僚に小馬鹿にされて20代が終わってしまった今の自分には、彼女のやるせなさはリアルで、苦い。    救いの無い日々を過ごすしかない人物が多い物語だけれど。ほんの僅かな希望を、作者は描く。哀愁に覆われた物語で、その光は眩しい。  映画公開の原作の短編が、一番ストーリーに動きがあるんだけど。他もオススメ。登場人物が少ない分だけ、その人生の無情が、克明に炙り出されている。

Posted byブクログ

2016/06/12

短編集だけど、北海道つながり。一部主人公が同じ話あり。良かった、なんか。この人の本、他も読んでみたいと思った。一人旅など、一人でいるときに読みたい本。

Posted byブクログ

2016/03/08

僕が学生の頃、本屋の棚は男性作家、女性作家と分けられていた。今はそんな棚分けをしているところは少なくなっているが、この小説は女性にしか書けないものだと思う。 しかし、その内容は男、女に関わらず、”私はどうあるべきか”を問われているような感じで、物語に哲学的な力強さを感じる。 読後...

僕が学生の頃、本屋の棚は男性作家、女性作家と分けられていた。今はそんな棚分けをしているところは少なくなっているが、この小説は女性にしか書けないものだと思う。 しかし、その内容は男、女に関わらず、”私はどうあるべきか”を問われているような感じで、物語に哲学的な力強さを感じる。 読後は涙を止められない。

Posted byブクログ

2016/02/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

表題作もよかったが、そのほかの短編もよかった。 北の大地をベースに、少しずつ無理をしたり、自分に嘘をついたりしながら、懸命に生きる人々の物語。 スクラップ・ロードの最後の方で、鬱になって仕事を辞めた主人公にかける母の言葉がとてもよかった。 「母さんのことなら心配いらんから。お前がやりたいことをやったらいい。ちっちゃいころからいっつも無理して、そのうち無理が癖になってたもんねぇ。なんかお前を見ていると、こっちは胸のところがざわざわしてしかたなかった。男だからいろいろあるけれども、あまり深く考えないことだよ。身の丈超えれば、足元がおろそかになるから」 夫の失踪後、一人で牧場を必死で支えてきた女性の言葉の重み、温かみ。 私も、疲れた人にこういう言葉を自然にかけてあげられる、器の大きな人になりたい。

Posted byブクログ

2016/02/14

桜木紫乃『起終点駅(ターミナル)』(小学館文庫)読了。 読了といっても『イン・ザ・プール』とほぼ同時に読み終えたのですが。 『ホテルローヤル』を読んだこと、昨年11月に映画化されたことが手に取ったキッカケでした。 表題作を含む6編を収録した短編集。 6編に何かつながりがあるのかな...

桜木紫乃『起終点駅(ターミナル)』(小学館文庫)読了。 読了といっても『イン・ザ・プール』とほぼ同時に読み終えたのですが。 『ホテルローヤル』を読んだこと、昨年11月に映画化されたことが手に取ったキッカケでした。 表題作を含む6編を収録した短編集。 6編に何かつながりがあるのかなと思いながら読んでましたが、「海鳥の彼方」(2編目)に登場する新米新聞記者、山岸里和が「たたかいにやぶれて咲けよ」(5編目)に再登場するだけで、ひとつひとつが独立した小説でした。 この手の地域を限定した小説は、その土地に住んでいるかいないかで印象がずいぶん変わるように思います。 函館、釧路、札幌郊外、天塩…。その土地の独特の雰囲気(風、空気、風景、方言、なまり)が感じられるかどうか。 その点では小生は『たしかにそうだよなあ』と思いつつ読み終えることができました。 タイトルにしても、その土地が起点であり終点であるということを知らないと、単に人生の起点と終点を扱っていると誤解し共感できないでしょう。 総じていえば、桜木紫乃の文章はみずみずしい。 ちゃんと物語を作りながら、登場人物が目に見えるような文章で、男には書けない視点で丹念に描かれています、それが男視線でも。 しかも桜木紫乃の文章表現は実にうまい。 たとえば、道央の銀行勤めをドロップアウトした主人公が母が住む故郷に帰る場面(「スクラップ・ロード」)。  今なら、夫を失い息子も寄りつかなくなった母に集落は優しい。生まれ育った土地の人間関係を外から見れば、銀行の上下関係よりもはるかにわかりやすい『哀れみ』の尺度があった。故郷に戻った自分にいったいなにがあるのか。考えると心臓がぎゅっと絞られるような痛みが走る。[p.178] 「夫を失い息子も寄りつかなくなった母に集落は優しい」なんて表現、どうやったら思いつくのでしょう。しかも「『哀れみ』の尺度」というおおよそはかることができないスケールを持ち出して、「たしかに」と思わせてしまうんだよなあ。 またたとえば、笑えない現実。 24歳で故郷の天塩を出た千鶴子が30年ぶりに故郷に戻り、若いときにお世話になったたみ子(85歳)を訪ねていき、そこでいうたみ子の近況(「潮風の家」)。  たみ子は三軒向こうの-といっても百メートルは離れているのだが-ヤッコを覚えているかと訊ねた。 「うん、行き来はないけど」 「昨年の暮れに家の中で死んでたんだわ。孤独死だと。なぁんとも流行りのない町に、流行最先端の死人が出たんで、しばらく大騒ぎだった」  それから、たみ子にもたびたびデイサービスの声が掛かるようになったのだという。たみ子は「年寄りが年寄りと一緒に折り紙折って、なぁに楽しいってよ」と言って、更に笑う。[pp.253-254] 笑い話の中に笑えない現実を描き出しています。「年寄りが年寄りと一緒に折り紙折って、なぁに楽しいってよ」って、ブラック過ぎ。 ところで、映画にもなった「起終点駅(ターミナル)」は、映画を観ていないのにどうしても佐藤浩市の顔がイメージされてしまって、個人的には少しばかり残念でした。 むしろ、道報新聞の山岸里和が登場する2編を映像化して欲しいなあ。 こちらも北海道新聞(道新)と村上里和(元NHK札幌放送局アナウンサー)をイメージしていまいましたが。(笑) さてお仕事に復帰しまーす。

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2016/01/20

映画化で気になり、桜木紫乃さんの作品を初めて読んでみました。 人生で挫折を経験した人達が、諦めと共に生きている様子を切り取った短編集です。 全編通して著者の地元である北海道の寂れた街が描かれていて、物悲しさに拍車をかける一冊。 解説を読むと、"孤独"や&quo...

映画化で気になり、桜木紫乃さんの作品を初めて読んでみました。 人生で挫折を経験した人達が、諦めと共に生きている様子を切り取った短編集です。 全編通して著者の地元である北海道の寂れた街が描かれていて、物悲しさに拍車をかける一冊。 解説を読むと、"孤独"や"生きづらさ"を感じる人達を描く著者が、"孤独"と"生きづらさ"をどう捉えているのかがわかり、胸を打たれます。 他の作品もぜひ読もうと思いました。 個人的には、強い女性ばかり登場するのが印象深かったです。たしかに真理かな。

Posted byブクログ

2016/01/12

初の桜木紫乃作品でしたが 6編の短編集です とれもハッピーな物語ではなく 孤独で悲しい結果のお話でしたが すべて後に希望もない 終わりではないなと思った 読者がその後の登場人物の 物語を作れるような作品で 今後も桜木紫乃作品読みたいと 思いました。

Posted byブクログ