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暇と退屈の倫理学 増補新版 の商品レビュー

4.4

150件のお客様レビュー

  1. 5つ

    63

  2. 4つ

    51

  3. 3つ

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2024/05/19

タイトルからして読みづらい難解な本だと思っていたが、とても読みやすい。スルスル読めてしまう。例示を入れたり、ふとしたところで少し砕けた表現になるといった文章上の工夫が効いている気がする。 色んなところに話が散らかるが、最終的に整理されていくという過程が体験できた。また、マルクス...

タイトルからして読みづらい難解な本だと思っていたが、とても読みやすい。スルスル読めてしまう。例示を入れたり、ふとしたところで少し砕けた表現になるといった文章上の工夫が効いている気がする。 色んなところに話が散らかるが、最終的に整理されていくという過程が体験できた。また、マルクスの『資本論』、ハイデッガーの『形而上学の根本諸概念』、ユクスキュルの『生物から見た世界』といった名著のエッセンスを勉強することができてお得だと感じた。

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2024/01/15

初めての思想、思索的な本でした。 哲学に明るくなくても読み進められるような構成や話の進め方になっていると思う。 途中引用される環世界論が印象に残った。 暇に動じず、自分が心踊るモノコトヒトを大切にしていきたい。

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2024/01/14

主にハイデッガーを取りあげて考察。ルソーも出てくる。名前だけ知ってる哲学者が考えたことが少しだけでも理解できた。2024.1.14

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2024/01/12

図書館で福袋を配っていた。司書の人が選んだ本が3冊入っているという。何が入っているかはお楽しみというので借りてきた、この本はその中の1冊。大人の男性向けの福袋だという(女性向けはもうなかったので男性向けをもらってきた)。 暇でも退屈でもないんだがな、しかも分厚いし…と思いながら...

図書館で福袋を配っていた。司書の人が選んだ本が3冊入っているという。何が入っているかはお楽しみというので借りてきた、この本はその中の1冊。大人の男性向けの福袋だという(女性向けはもうなかったので男性向けをもらってきた)。 暇でも退屈でもないんだがな、しかも分厚いし…と思いながら読み始めた。哲学なんてものは所詮頭の体操みたいなもので読む間ぐるっと一巡りして結局読み終わったらなにも残らないし、と思ったし、ある意味それは当たっていたけれど、でも面白かった。 読み終えても世の中は何も変わりなく平常運転だ。私の頭の中が少し変わったのかどうか…。 様々な哲学者や考え方を縦横無尽に駆使した論考は面白く勉強になった。

Posted byブクログ

2024/01/07

一部少しついて行けない部分があったので★4としたが、大部分の理解出来る部分では、目から鱗とは、こう言うことを言うのだろう、大変興味深い論理展開で、★5に相応しい。これが哲学の面白いところなのかな。 「暇」と「退屈」という二つの語は、しばしば混同して使われる。「暇だな」とだれかが...

一部少しついて行けない部分があったので★4としたが、大部分の理解出来る部分では、目から鱗とは、こう言うことを言うのだろう、大変興味深い論理展開で、★5に相応しい。これが哲学の面白いところなのかな。 「暇」と「退屈」という二つの語は、しばしば混同して使われる。「暇だな」とだれかが口にしたとき、その言葉は「退屈だな」と言い換えられる場合が多い。そして、「あなた暇人ね」とか「退屈な人」なんて言われると、超落ち込んでしまうくらい、ネガティブな言い回しに使われる。 しかし読み進めると、暇と退屈は同じものではないらしい。 暇とは、何もすることのない、する必要のない時間を指している。暇は、暇のなかにいる人のあり方とか感じ方とは無関係に存在する。つまり暇は客観的な条件に関わっている。 それに対し退屈とは、何かをしたいのにできないという感情や気分を指している。それは人のあり方や感じ方に関わっている。つまり退屈は主観的な状態のこと。 しかし、暇があるとは余裕があるということだ。余裕があるとは裕福であるということだ。すなわち、あくせく働いたりしなくても生きていける、そのような経済的条件を手に入れているということだ。 逆に、暇のない人たちとは自由にできる時間がない人、つまり、自らの時間の大半を労働に費やさねば生きていけない人のこと。暇のない人とは、経済的な余裕がなく、社会的には下層階級に属する。いわゆる「貧乏暇なし」のこと。 ここで膝を打つことになる。 かのハイデッガーも、この退屈に関して、かなり深く追及しており、3つの形式があると言う。 何かしら深淵な様相を呈することになるが、退屈を紛らすために気晴らしを行う中にも、何やらぼんやりとした退屈さが現れる。これこそが、人間の生ではないかと言う。 暇や退屈について考えたことも無かったが、古くから哲学者が、定義付けを考えるほど深いテーマだと言うことが分かった。 退屈を大切にしなければ。

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2023/12/29

2023年に読んだ小説以外の本で1番面白かった。 人間にとって暇や退屈はなんなのか。どこから来るのか。どうやってそれに立ち向かえばいいのか。 哲学の本なんだけどほんとに読みやすい。 生きづらさの理由の一因が理解できて、少し心が軽くなる。 後、環世界の考え方が興味深くて、色んな...

2023年に読んだ小説以外の本で1番面白かった。 人間にとって暇や退屈はなんなのか。どこから来るのか。どうやってそれに立ち向かえばいいのか。 哲学の本なんだけどほんとに読みやすい。 生きづらさの理由の一因が理解できて、少し心が軽くなる。 後、環世界の考え方が興味深くて、色んな学問でも応用できるんじゃないかと思った。既に応用してるものも含めて探してみたい。

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2023/12/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読後すぐに感想を書くべきだった… 人類学、労働史、哲学と色々な分野から「暇と退屈」を読み解く。最後のまとめにも記載されていたが、結論だけ読んでも納得感がないと思う。分厚い本だが、丁寧に論理展開されており迷子になることなく読み切れた。

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2023/11/14

ようやく読み終わった。二度の挫折を経て。希望の歴史を読んだ後、読んでみると内容がサッと入るようになった。 人類が定住生活を始めたことがどれほど今に大きな影響があるか。そして、暇や退屈が生まれてから、退屈との往復を繰り返す人間。そこに目をつけて商売をする人間。自分が選んだ暇つぶしな...

ようやく読み終わった。二度の挫折を経て。希望の歴史を読んだ後、読んでみると内容がサッと入るようになった。 人類が定住生活を始めたことがどれほど今に大きな影響があるか。そして、暇や退屈が生まれてから、退屈との往復を繰り返す人間。そこに目をつけて商売をする人間。自分が選んだ暇つぶしなのか、選ばされた暇つぶしなのか。考えれば考えるほどわからなくなる。そして、こうした人間の動きが、もう一冊読んでいるブルシットジョブにも繋がるんだろうな。 できるかわからないけど、暇と退屈を自分自身で何とかしたいものだ。

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2023/10/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本書では、「暇と退屈」について、歴史や哲学をはじめとした広い知見から考察されている。 「暇と退屈」について考えることは、良き生を考えることだと感じた(タイトル通りかもしれないが)。 過去の哲学者の議論を敷衍しつつ、先人たちが到達できなかった考えへと至っていくプロセスはなかなか楽しい。 引用や参照は多いが、退屈の類型や第◯形式等の概念が度々与えられており、それを頼りに議論から逸れずに読み進めることができた気がする。 また、読者に伝わりやすい卑近な例を挙げてくれているのでじっくり読めば頭に入ってくる。 「さっさと読了して次いくぞ」と消費せず、時間をとって本書を受け取ってほしい本。

Posted byブクログ

2023/10/25

読み終えた直後の感想は、「著者の脳を覗いてみたい」でした。暇と退屈について、これほどまでに深く思考できる著者に尊敬の念を抱きました。はっきり言って、私には内容の2割も理解できていませんが、定住生活から暇が生まれたこと、人は退屈と気晴らしを行ったり来たりしていること、人はスリルを求...

読み終えた直後の感想は、「著者の脳を覗いてみたい」でした。暇と退屈について、これほどまでに深く思考できる著者に尊敬の念を抱きました。はっきり言って、私には内容の2割も理解できていませんが、定住生活から暇が生まれたこと、人は退屈と気晴らしを行ったり来たりしていること、人はスリルを求めてしまうこと、が印象に残りました。

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