虚像の道化師 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
ガリレオシリーズ第7作目。7編からなる短編集。ものすごく温かみを感じる作品だった。特に好きだったのは第2章の透視すと第4章の曲球るだった。透視すでは本当の家族でない人間が本当の家族になる前に殺されてしまったというものだったが、複雑な思いのすれ違いをお互いが知ることができて良かったと思う。曲球るではプロ野球選手の妻が強盗に襲われ殺されてしまうという単純な事件ではあったが、そこに隠された妻の決意とプロとしての夫の思いが交錯していてとても美しいと思った。全盛期に戻ったプロのボールでどこまで行けたのかを知りたい。
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ガリレオのドラマは全て視聴しました。 このシリーズの良さはテンポよく読めるのに、内容が薄くならないという部分だと思います。
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『ガリレオ』シリーズ第7作。 『幻惑す』:超能力を送って転落死させた教祖 『心聴る』:自殺者が悩まされていた幻聴の謎 『曲球る』:球界復帰をかけての変化球の研究 今回はどちらかというと人間ドラマを主軸にした短編が多め。純粋に物理トリックが使用されていた短編は2作(『幻惑す』『...
『ガリレオ』シリーズ第7作。 『幻惑す』:超能力を送って転落死させた教祖 『心聴る』:自殺者が悩まされていた幻聴の謎 『曲球る』:球界復帰をかけての変化球の研究 今回はどちらかというと人間ドラマを主軸にした短編が多め。純粋に物理トリックが使用されていた短編は2作(『幻惑す』『心聴る』)ほど。個人的にはガリレオシリーズは物理がそのまま犯行トリックに使用されてストーリーが一番「シリーズらしさ」を持っていると思っているので、その点はイマイチ。 しかし人間ドラマを描いた本作短編の中でも『曲球る』『演技る』は少し面白かったです。特に『演技る』は「そんな人いる!?」といった驚きもあって楽しめました。 短編集として読むのは楽しいけれど、シリーズファンからすると少し物足りなさを感じるかもしれません。個人的にも、長編を読んだ後にこの作品を読むとすこし軽いなと感じてしまったので、読む際には注意が必要かもです…
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物理というより、テレパシーとか、非科学的なものが多かった。そういう話に物理学者がどう絡んでくるのかなと想像しながら読めた。
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ガリレオシリーズ7作目。前の2作とは違って短編集。 今回も様々なトリックで楽しませてもらった。最後の第7章では、ついに草薙が自分の考えだけでトリックを見破る?!と思いきや、そうではなかった。とはいえ、草薙も内海も段々論理的思考で核心に迫るのが上手くなっているな。
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ガリレオシリーズ7作目は7編からなる短編編成。 超能力、テレパシーといった非科学的現象。 それを見立てたトリックを科学的検証の元解決に導く。 ガリレオシリーズらしい中身で物語が進んでいく。 様々な出来事の真相の解明。どれも驚かされました。 今回も面白い作品でした。 「念波る」とラ...
ガリレオシリーズ7作目は7編からなる短編編成。 超能力、テレパシーといった非科学的現象。 それを見立てたトリックを科学的検証の元解決に導く。 ガリレオシリーズらしい中身で物語が進んでいく。 様々な出来事の真相の解明。どれも驚かされました。 今回も面白い作品でした。 「念波る」とラストのメール画面を見た後の湯川がどういう反応を示すか。気になりますね。
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だいぶ前に読んだので、記憶があいまいだが、中学生のとき読んで面白かった。透視能力のあるホステスの話だけ印象に残っているかな。
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ガリレオシリーズ7作目。短編集。 まさに、タイトルの通り。 毎回思うが、湯川の目の付け所がそうゆう事なのかと驚く。
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例によってガリレオシリーズの短編集。 「幻惑す」:ある新興宗教で、“念”によって人が死んでしまうという事件が発生した。 案の定草薙に話が回ってくる。。。 「透視す」:草薙が行きつけの高級クラブ「ハープ」で、湯川がホステスの「透視」芸に騙される。 そんなホステス・相本美香が殺害さ...
例によってガリレオシリーズの短編集。 「幻惑す」:ある新興宗教で、“念”によって人が死んでしまうという事件が発生した。 案の定草薙に話が回ってくる。。。 「透視す」:草薙が行きつけの高級クラブ「ハープ」で、湯川がホステスの「透視」芸に騙される。 そんなホステス・相本美香が殺害されるが。。。 「心聴る」:OL・脇坂睦美は自分にしか聞こえない羽虫のような音に悩まされていた。 そんな中上司の早見が自殺し、同僚の加山が病院で暴れて草薙を刺すという事件が発生する。。。 「曲球る」:ベテランのプロ野球投手・柳沢は引退を考えていた。 そんな折、妻がスポーツクラブの駐車場で殺害されるという事件が発生する。。。 「念波る」:双子の姉妹・若菜と春菜はテレパシーがあると言い、若菜が自宅で襲われたのを感じた春菜が感じ取ったとのこと。 湯川が珍しくそのような「形のないもの」を調べると言い出す。。。 「偽装う」:大学時代の仲間が結婚式を挙げるということで、草薙と湯川が揃って式場となるリゾートホテルに向かう。 するとやはり事件が起きる。。。 「演技る」:劇団・青狐の主宰・駒井が自宅で刺殺される。 犯人と目されたのは駒井の元恋人・神原敦子だが、敦子には隠された狙いがあった。。。 まあいつもの「ガリレオ」シリーズである。 期待を裏切らないし、大きな驚きもない。 これを「つまらない」と感じるか、「いつも通りで面白い」と感じるかは人それぞれである。 東野圭吾自身もネタが尽きている事を明言しており、次の「禁断の魔術」で最後になりそうである。 そもそも物理学をネタにここまでミステリで引っ張って来れた事自体が驚きなのだが。 で、今作。心聴る(きこえる、と読む)が少し毛色が変わった感じになっている。 というのも、捜査するのが草薙ではなく北原という、草薙と同期の所轄の刑事なのである。 彼は草薙にライバル心を持っていて、捜査一課に入った草薙を妬んでいるのだが 最終的に自分に何が足りなくて草薙の何が優れているのか、湯川の言葉などから感じ取ったようである。 今までガリレオシリーズを読んでいて、湯川が草薙の事を語るシーンを殆ど見たことなかったのだが、 実は湯川は草薙にある種の敬意を払っている(?)ようである。 ちょっと感心。 とはいえ、相変わらず初期のころの「単純な物理学でトリックを暴く」系の物語は無くなってきていて そういう部分では少し残念である。
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ガリレオシリーズも7作目となるとある種の"お約束"というものが出来上がっている。それをマンネリと捉える人もいるが、自分は様式美として楽しませてもらっている。登場人物が少ないため、容疑者を絞るのも難しくなく、ミスリードに関しても「絶対に裏があるはず」とわかってし...
ガリレオシリーズも7作目となるとある種の"お約束"というものが出来上がっている。それをマンネリと捉える人もいるが、自分は様式美として楽しませてもらっている。登場人物が少ないため、容疑者を絞るのも難しくなく、ミスリードに関しても「絶対に裏があるはず」とわかってしまう。それでもこのシリーズが面白いのは、湯川と草薙のチームワークや、犯人が犯行に至るまでの動機や心理描写の卓越さにあるのではないかと思う。文庫は7編収録されたお得版だが、その中でも「曲球る」がお気に入り。
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