僕は、そして僕たちはどう生きるか の商品レビュー
「君たちはどう生きるか」のオマージュ。 題名を見てピンと来て、この作者なら、と手に取った作品。 作者が違うので内容も違うが、 子供をだます大人、同調圧力、魂を殺すこと 等々 いろいろ考えさせられる。 その一方で 暖かな人の群れ、豊かな自然 も全編通して流れていて読後感は心...
「君たちはどう生きるか」のオマージュ。 題名を見てピンと来て、この作者なら、と手に取った作品。 作者が違うので内容も違うが、 子供をだます大人、同調圧力、魂を殺すこと 等々 いろいろ考えさせられる。 その一方で 暖かな人の群れ、豊かな自然 も全編通して流れていて読後感は心地いい。
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自然豊かでキラキラまぶしくなるような背景描写とは反対に、登場する子どもたちの身の上に起こっていることは残酷で胸に刺さる。懸命に考え、生きていく…今、大人の私はできてないなぁ。もし、この本に十代で出会っていたなら…変わっていたのかなぁ。。
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『君たちはどう生きるか』と同様、とても教訓と示唆に富んだ作品でした。 こんなとき何を考え、何のために、どう行動すべきか。主人公の「コペル」とその友人たちの、本意気で純粋な懊悩と思索を通して、普遍的に選ぶべき道筋に光を当ててくれる作品です。 雑音があまりに多いこの世界で、本当は立ち...
『君たちはどう生きるか』と同様、とても教訓と示唆に富んだ作品でした。 こんなとき何を考え、何のために、どう行動すべきか。主人公の「コペル」とその友人たちの、本意気で純粋な懊悩と思索を通して、普遍的に選ぶべき道筋に光を当ててくれる作品です。 雑音があまりに多いこの世界で、本当は立ち止まるべきなのに、多くの人がそのままにして通り過ぎてきたいろいろなことに、きちんと向き合えるその強さは、本作のコペル君と原作のコペル君とに共通するもので、梨木さんが今のこういう時代に『君たちはどう生きるか』のオマージュ作品をしたためたことと、同作が戦時中に出版されたということとの間には、偶然以外のものがきっとあるように思います。 あえて難点をつけるとすれば、さすがに中学2年生でここまでの知識に裏打ちされた哲学的思考ができるのは、いささか現実感に乏しいとは感じました。ですが大事なことはそこではなく、他者のために「考える」力が、個人にも社会のためにも重要だというところだと思うので、作品の構造的には必要なものかもしれません。
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やあ。よかったら、ここにおいでよ。気に入ったら、ここが君の席だよ―『君たちはどう生きるか』の主人公にちなんで「コペル」と呼ばれる十四歳の僕。ある朝、染織家の叔父ノボちゃんがやって来て、学校に行くのをやめた親友ユージンに会いに行くことに…。そこから始まる、かけがえのない一日の物語。
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この本について記録を残すのは難しい。 だれもが直面する(否。本来しなければならない)自分が差別的であるということ、平熱の生きものでありつづける困難を突きつけてくるから。 それも、生の傷のかたちで。
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少し疎遠になった小学校時代のころからの友人の家でお昼ご飯つくって庭でパンを作る。 話のストーリーとしてはただそれだけなのに、過去にそれぞれ背負ったものの片鱗に、改めて表題がなげかけられている。 作中、あえて群れという言葉で書かれているけれど、繋がりを描いたお話だと思う。 10代で...
少し疎遠になった小学校時代のころからの友人の家でお昼ご飯つくって庭でパンを作る。 話のストーリーとしてはただそれだけなのに、過去にそれぞれ背負ったものの片鱗に、改めて表題がなげかけられている。 作中、あえて群れという言葉で書かれているけれど、繋がりを描いたお話だと思う。 10代で読んだらまた受け止め方違うだろうなぁ。
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小説としてはともかく。 これは震災前に書かれた話だったのが今回再読して分かった。震災とそのあとの状況を受けて書かれたものだとずっと思っていた。
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『君たちはどう生きるか』からみで再読。 前回読んだときは、「これは若者はぜひよまなければ。」と心の中でさけんだものだが、今読むと、「こんなに理屈っぽかったっけ?」 とはいえ、「考えることをやめてはいけない」のは確か。 老いも若きも考えろ。自分に向けての戒めですが。
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「人は人を『実験』してはいけないんだ」 ドッキリの企画を見る度に思い出す。わたしたちがあれを見る時なんだかとてもいい席で傍観できてしまえるということに気付かせる言葉だ。 「自分の意識すら誤魔化すほど、ずる賢いからだ」「だからおまえは、『愛すべきやつ』なのさ」「僕は集団の圧力に負けたんだ」 社会で生きていく上でどうしてもこういうことはあり、そこに目を向ければ自分が足を止めてしまう。それでも愛すべきやつになれる人となれない人がいて、両者の違いは何をもって分けられるんだろう。きっと沢山の人達はそれをどちらもやりながら社会で生きている。どちらもやらなくちゃいけない。その苦しみへのスポットライトだと思った。 「インジャがそう言ったと聞いた時、僕は痛ましさと怒りで頭の中が真っ白になった。けれどいつまでも真っ白になったままにしておくわけにはいかない。考えなければ」 怒りでいっぱいになったとき、そのあとに考えることは本当に辛くて苦しくて嫌になるけど、それでも考えるしかなくて。というよりそれが自分にできることで。精一杯考えていこうと前を向かせる言葉だと思う。
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森の場面からスタートして虫や植物に詳しい男の子が主人公だったから自然破壊とかの話かなぁ思って読み始めたら、題名のとおりの小説だった。戦争、政治、色んなことが中学生のコペル目線で描かれていて、苦しい話も多いのになんだか優しくて色々なことを考えさせられる。ものすっごく良かった。 君た...
森の場面からスタートして虫や植物に詳しい男の子が主人公だったから自然破壊とかの話かなぁ思って読み始めたら、題名のとおりの小説だった。戦争、政治、色んなことが中学生のコペル目線で描かれていて、苦しい話も多いのになんだか優しくて色々なことを考えさせられる。ものすっごく良かった。 君たちはどう生きるか、を読んでいないのをもったいなく思って読み終わってすぐ買っちゃった。 コペル、ユージン、ノボちゃん、ショーコ、マーク、コペルの母親、、出てくるキャラクター全員良すぎて好感しかない。きっと私は色々言い訳をつけて「普通」の流れに呑まれてしまうんだろうな、、自分で考えて行動することって簡単なようでものすごく難しい。 あと、庭の植物でご飯を作るシーンは読んでてわっくわくする。改めて詳しくなりたいなと思った。
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