七十歳死亡法案、可決 の商品レビュー
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タイトルが強烈だったけど内容は至ってリアルな日常だった。嫁と娘の違いはあるけれど家族構成も同じだったからすっかり東洋子の身になって読み進めた。前半は家族の身勝手さにイライラしたけど家出を強行する作戦は結果成功したけれどうまく行き過ぎ感もあったな。後半はタイトルの法律関係も含めてバタバタとハッピーエンドだったけれど嫌いじゃない。垣谷さんの作品は今のところハズれなし。
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政府が「七十歳死亡法案」を強行採決した。 施行まで二年。 義母の介護を十年以上も続けている主婦の宝田東洋子は、法案が可決され介護生活に期限が設けられたことで、何とかくじけそうな心を支えている。 垣谷さんの作品に登場する男性は、どうしようもない人が多い。 この作品の夫も息子も、読...
政府が「七十歳死亡法案」を強行採決した。 施行まで二年。 義母の介護を十年以上も続けている主婦の宝田東洋子は、法案が可決され介護生活に期限が設けられたことで、何とかくじけそうな心を支えている。 垣谷さんの作品に登場する男性は、どうしようもない人が多い。 この作品の夫も息子も、読んでいて嫌な気持ちになる位に勝手だ…。 でも、東洋子自身もそれを当然のように受け入れている。 昭和の古き時代の家庭という感じ。 七十歳になると何種類かの安楽死の中から、自分で方法を選べるというとんでもない法案により、世の中の人達があれこれ言い合い、新しい考えが生まれたり、衝突が生じたり。 施行までの二年間を東洋子の家庭を中心に描いていて、垣谷作品っぽく読みやすかった。 最後は何となくうまく収まるところも、出来すぎ感がありつつ、安心できるとも言えるだろう。
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目を背けたくなるような話題で、最初は我慢しながら読んでいたが、いろんな展開があって最後は(最初の状況よりは断然)上手いこと落ち着いた。 垣谷美雨さんの小説はどれもあーそれ見て見ぬ振りしたいという問題に本音をバンバンぶつけて落とし前をちゃんとつけてくれる。まだまだ力強く生きていこう...
目を背けたくなるような話題で、最初は我慢しながら読んでいたが、いろんな展開があって最後は(最初の状況よりは断然)上手いこと落ち着いた。 垣谷美雨さんの小説はどれもあーそれ見て見ぬ振りしたいという問題に本音をバンバンぶつけて落とし前をちゃんとつけてくれる。まだまだ力強く生きていこうという気持ちにさせてくれる。
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高齢者が国民の三割を超え、破綻寸前の日本政府は「七十歳死亡法案」を強行採決。施行まであと二年。 主人公は、義母の介護に追われる50代の主婦、宝田東洋子。 我儘放題の義母の介護に追われた十五年間だが、七十歳死亡法案のお陰で、その介護もあと2年と期限がついた。 能天気な夫は、法案が...
高齢者が国民の三割を超え、破綻寸前の日本政府は「七十歳死亡法案」を強行採決。施行まであと二年。 主人公は、義母の介護に追われる50代の主婦、宝田東洋子。 我儘放題の義母の介護に追われた十五年間だが、七十歳死亡法案のお陰で、その介護もあと2年と期限がついた。 能天気な夫は、法案が可決されるなり、早期退職して、世界旅行に行くという。しかも、妻とではなく、友人と。全く呆れる夫だ(^^;; 息子は一流大学を卒業し、一流企業に努めていたが、思うように業務成績を伸ばせず退職。 プライドが邪魔をし、就職試験は全て落ちてしまい引き篭もりに。 母親から介護の手伝いを強要されるのを嫌がる娘は、一人暮らしを始めてしまう。 やりきれなくなった東洋子がとった行動は、、、 垣谷先生は、主婦の気持ちを書かせたら右に出るものはいませんな! あっという間に介護もしたことのない自分が感情移入(笑) まるで自分が悲劇のヒロインにでもなったかのように一気読み(笑) 最後は落ち着くところに綺麗に落ち着き、気分もスッキリ。
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国家財政が破綻寸前になり、70歳になると安楽死させる法案が可決、2年後に施行されることになった。 面白く、かつ現代の社会問題について色々考えさせられるストーリー。 専業主婦で義母の介護に追われる東洋子、仕事を口実に介護にも家事にも非協力的な夫、職探しはしつつもほぼ引きこもりの息子、祖母の介護に巻き込まれるのがいやで一人暮らしを始めた娘、介護されながらもワガママいっぱいの義母という、現代の家庭問題を凝縮したような宝田家で、この法案を巡り、さらに問題が悪化。 東洋子はあと2年で介護から解放されるという喜びを感じるが、夫は残り少ない人生を謳歌しようと、仕事を早期退職し、世界旅行に出かけてしまう。しかも、友人と! ついに、東洋子がキレて家出をしたことで、残りの家族が協力し合うようになるという、東洋子にとってはなんともやりきれない展開だが、人は自分が追い込まれないと、家族であっても相手の苦労はわからないということだと思う。 そして、いろんな議論を巻き起こし法案は、国民に危機感をもたらし意識を変えさせることができたことで、廃案の議論が始まった。 設定は過激だが、今のバラマキ政治を変えるためには、このくらい突飛な提案で国民に政治に参画する意識を芽生えさせることが必要なのかもしれない。
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面白かったです。垣谷美雨さんの小説は一気読みしてしまう…つらくなる描写が多いけどサクサク進むので。 「七十歳死亡法案」が出来た事で、主人公である専業主婦・東洋子は一手に引き受けていた義母・菊乃の介護から開放されると夢一杯。東洋子は夫と息子と娘がいて、娘は家を出て自活しているけれど...
面白かったです。垣谷美雨さんの小説は一気読みしてしまう…つらくなる描写が多いけどサクサク進むので。 「七十歳死亡法案」が出来た事で、主人公である専業主婦・東洋子は一手に引き受けていた義母・菊乃の介護から開放されると夢一杯。東洋子は夫と息子と娘がいて、娘は家を出て自活しているけれど、夫婦が世代からくる昔気質で男性は一切家の事何もしないの心にくる…わたしの両親も完全に同じで男手女手は明確に分けてるから、家庭は持ってないし介護する立場にもなった事ないけれども女性陣の気持ちとても分かりました。 夫に話が全然通じなくて、それに息子も気付くんだけれど、男性って同い年くらいの同性からの意見だけしか大人しく(?)聞いて取り入れられないのかも?と思いました。今まで上手く夫婦関係保ってきたと思ってても、それは相手が我慢してるだけであって、とっくに諦められてる人多い気がする。完全に余談ですが、どうもわたしの母はわたしが生まれる前の時点で離婚を申し出た事があるのが最近発覚して…父が絶対離婚しないと言い張ったみたいだけど、母のこれまでは諦念じゃないか。。離婚したかった理由も察しはつくけど……わたしと妹には、骨はうちの墓に入れずに散骨して欲しいとこぼしている。 この作品では、あまりの理不尽に東洋子が家出した荒療治で事態が好転するけど、ここまでトントン拍子に短期間で良くなるのは夢物語なんだろな。。理想的。 東洋子の新生活が素敵。アパートの住人も、パート先の先輩も主任も良い人でそれは救いでした。東洋子活き活きしてる。よかった。 最終的に法案も良い方向に進みました。荒療治って色々な所で大事なのかもなぁ……にっちもさっちも!になったら検討しよう。 考えさせられるけどとても読みやすい。ショッキングなタイトルで避けないでほしいと、解説を読みながら同意でヘドバンしました。
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社会保険料の増大、介護の人手不足を一挙に解決できる70歳死亡法案が可決され、それによって自分の生をそれぞれが見つめ直すきっかけになる。 義母を在宅で介護する嫁、自分の母親なのにその嫁に任せきりの夫やその姉妹、引きこもりの息子、手探りで生きていこうと頑張ってる娘。 それぞれ問題があ...
社会保険料の増大、介護の人手不足を一挙に解決できる70歳死亡法案が可決され、それによって自分の生をそれぞれが見つめ直すきっかけになる。 義母を在宅で介護する嫁、自分の母親なのにその嫁に任せきりの夫やその姉妹、引きこもりの息子、手探りで生きていこうと頑張ってる娘。 それぞれ問題があらゆる所にあるけれど、最終、出来過ぎではあるけど収まる所に収まった。 歯痒くてイライラするシーンも多かったけど、面白い一作だった。
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登場人物の人物像が、客観的に見るとひどい人だが、自分や自分の家族に当てはまっていて、恐ろしかった。他人事ではなかった。
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この本を書店で見つけて思わず買ったのは今から5年ぐらい前になります!垣谷美雨さんと言う作家さんとの初めての出会いでした! 内容は昔の姥捨山的なはっそうでしたが、最期まで読むと納得いく結果だと思いました。 今、年を重ねて読むと身につまされます! これをきっかけに垣谷美雨さんの本をた...
この本を書店で見つけて思わず買ったのは今から5年ぐらい前になります!垣谷美雨さんと言う作家さんとの初めての出会いでした! 内容は昔の姥捨山的なはっそうでしたが、最期まで読むと納得いく結果だと思いました。 今、年を重ねて読むと身につまされます! これをきっかけに垣谷美雨さんの本をたくさん読みました!
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思わず二度見してしまう衝撃的なタイトル。 かなりぶっ飛んだタイトルですが、介護問題が身近にあってグサグサと刺さる人も多いのではないでしょうか…。 読んでいて、他人事で自分勝手な夫・子ども・姑・義姉たちに腸が煮えくり返るような怒りと苛立ちを感じました。みなさん、母親(妻)は何でも...
思わず二度見してしまう衝撃的なタイトル。 かなりぶっ飛んだタイトルですが、介護問題が身近にあってグサグサと刺さる人も多いのではないでしょうか…。 読んでいて、他人事で自分勝手な夫・子ども・姑・義姉たちに腸が煮えくり返るような怒りと苛立ちを感じました。みなさん、母親(妻)は何でも黙って言うことを聞いてくれる召使いか何かと勘違いなさっているのでは? 我関せずの態度でいた人たちが慌てる様子にスカッとした! 先日「ボケ日和」という認知症についての本を読みましたが、本書でも「助けを求めることの大切さ」を改めて感じました。 「どうせ言っても無駄だし…」という思考は日常にありふれてるけど、だったら「ダメ元」で行動してみるのも良いかも。言ってダメなら身を持って体験してもらいましょ! 面白い展開で一気読みしちゃいました。 垣谷さんは、安定の面白さ♪ 定期的にデトックス読みしたい作家さんです。
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