七十歳死亡法案、可決 の商品レビュー
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まだ元気な70歳うちに死ぬ。そんな法案が2年後に可決する。 一家族のストーリー。息子はいい大学を出たにもかかわらず、何も資格がないとの事でニートになる。引きこもり一歩手前の状態で、母親は男に家事はさせたくない考えで、娘に頼るが会社を辞めて欲しいと言われ、娘は家を出る。 旦那は自己中で、会社を早期退職して世界中を友人と周ると言って旅に出る。しかも、お金の管理を自分がして必要な時には言ってくれたら出すとなんとも勝手な事を言う。 介護が必要な義母は最初は遠慮していたのに、今ではワガママが暴走。 そんな家族に堪えられず友達のススメで家出を決意する。ばらばらになった家族が協力し合うようになっていくのだが、現実的な内容なのにうまく話がまとまっているせいか目を背ける事なく読めていく。でも、介護は誰にでも当てはまるので自分が当事者になった時の事を考えさせられる内容。
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面白いけど、読み始めてすぐ結末が見える。 いっそ廃案にしなければ良かったのに、と思う。 そこで絶望しかないのか、それでも希望を見つけられるのか、それが見たかった。 それに、廃案になったら、亮一の祖母のような人はどうなってしまうのか… そして廃案にした代わりに増税って…どうなのよ。と思わなくもない。 義理の姉妹は結局どうなったんですかね…しれっと財産せびりにくるのかしら?
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人生100年時代が来るというなか、なんとも挑戦的。また社会的に重たいテーマをこれでもかってぶっ込んで、ご都合な展開から大団円になるのはご愛嬌か。小説とは違い現実の未来はちっとも明るくないし、解決策もなくってお先真っ暗だから、小説くらいは楽しく読みたい。
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読んだ人が大抵思う 過激なタイトルとは違う内容 私はやはり、主婦の目線で読んでしまいます 「当たり前だと思ってるんじゃないよ」 と、どこかで言わねば…… 当たり前だと思わせてる自分にも責任がある と、思い当たります。
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そろそろ該当年齢に近づこうかという読み手にとっては、その刺激的なタイトルに、思わず引き付けられてしまう(笑)。 日本人は七十歳で死ぬことになるという「七十歳死亡法案」が可決され、その施行が2年後に控える日本。しかし、ここでの主要なテーマは、法案よりも主婦の家事だろう。介護問題に、...
そろそろ該当年齢に近づこうかという読み手にとっては、その刺激的なタイトルに、思わず引き付けられてしまう(笑)。 日本人は七十歳で死ぬことになるという「七十歳死亡法案」が可決され、その施行が2年後に控える日本。しかし、ここでの主要なテーマは、法案よりも主婦の家事だろう。介護問題に、ひきこもり、ブラック企業も俎上に載せられる。 姑の介護を一手に引き受けている主婦が、主人公。 介護されている姑はわがままで感謝の気持ちもない、夫は自己中で家庭のことは妻に任せきり、息子は就職で失敗し引きこもり、娘は自由を求めて家を出て一人暮らし。 そんな家族に愛想をつかし、主婦は家出。 それがきっかけで残された家族は・・・ 著者は、深刻で悲惨なテーマをユーモアで包み込む明るい筆致で、読後感の良い物語に仕上げている。
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人生100歳という時代に、このタイトルの本を手に取ってしまった。 破綻寸船の政府が打ち出した法案。 施行まであと2年。 宝田家の東洋子の義母は、ベッド生活で、我儘放題、何かあると、すぐに、東洋子を呼ぶ。 夫は、母の面倒も見ずに、仕事一途で、家庭の事は東洋子任せ。 息子は、難関の大...
人生100歳という時代に、このタイトルの本を手に取ってしまった。 破綻寸船の政府が打ち出した法案。 施行まであと2年。 宝田家の東洋子の義母は、ベッド生活で、我儘放題、何かあると、すぐに、東洋子を呼ぶ。 夫は、母の面倒も見ずに、仕事一途で、家庭の事は東洋子任せ。 息子は、難関の大学から、エリートコースの会社に就職したのだが、やめてしまい、引きこもりのニート。 娘も、祖母の介護や、家庭の事で縛られたくなく、家を出てしまう。 さてさて、頭と、口はしっかりとしている義母は、昔人間で、家に、赤の他人が入って自分の世話をしてもらいたくないと、来る。 もう、必要とされなくなった高齢者は、70歳で、この世から去って欲しいと願いたくなる位、介護をする方は、大変であり、まして、1人で担うなら、自分の自由の時間が無くなる。 そして、自由奔放の家族、父親は、仕事から解放されたら、海外旅行の夢、、、を実現したいと、、、 今まで、苦労させた妻と一緒にでなく、友人と共に、、、と言われた東洋子の気持ちは、、、どれほどの落胆であろう。 自分の肉親でなく、義母である。 実の娘たちは、遺産相続の話なら、飛んでくるのだが、介護の話だと、パートがあるから、、と、断る。 息子も甘えがあり、自分の部屋に、食事を持ってきてもらうのを当たり前としている。 皆それぞれ、理由があるのだが、、、、 我儘だけを通して、通用しない。 未だ、義母が、ボケていなし、皆家族が、協力的に、介護やリホーム出来る算段があるから、この小説は、丸く収まってくれて、ほっとするのだが、、、そうでないと、修羅場であろう。 昔は、60歳を超える人が少なかった時に、年金積立が、どんなにありがたいか、、、と考える事もなかったが、今は、100歳の人が、沢山生存できる時代。 年金も65歳からでなく68歳では、、、との案も出ているみたいだ。 さてさて、今後政府がどのような法案を打ち出の小づちのように出していくか、、、、 今本で、少し、読書三昧出来る我が身が、とてつもなく贅沢しているみたいに思えた。
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垣谷さんの本は2冊目。 この本、凄く面白かった。タイトルが過激すぎてカバーをかけなければ読めないが、いろんな世代の人に読んでほしい! 両親の現在、自分の老後を考えている今、これほど共感して読んだ本はここ最近なかった気がする。七十歳以降の生死を選択できたらなあ!と思いながら、あっと...
垣谷さんの本は2冊目。 この本、凄く面白かった。タイトルが過激すぎてカバーをかけなければ読めないが、いろんな世代の人に読んでほしい! 両親の現在、自分の老後を考えている今、これほど共感して読んだ本はここ最近なかった気がする。七十歳以降の生死を選択できたらなあ!と思いながら、あっという間に読み終えてしまった。前向きなラストでちょっと戸惑ったが(笑)いささかホッとしてる自分がいる。元気なら…元気なら長生きしたい!でも、もしも寝たきりだったら…。いろいろ考えさせられた。
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物語なのに、強烈に意見を感じるところがよい。家庭内の絆の脆さをかなりのリアリティで書くのはさすが。最悪のシナリオなのに、どのキャラも悪人にせず、誰も指差すことが出来ず、モヤモヤしながら読む。それがいい。気持ち悪く終わるか、と予想してたら、最後は心地よいエンディングを用意してた。
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ものすごくインパクトのあるタイトル! 垣谷美雨さん。 まだ8冊しか読んでいないけれど、好きな作家さん。 インパクトのあるタイトルの本、そんな設定あり?と思う本、熱い本、等々。 面白い! 今まで読んだ本は(読了順) 1.リセット 2.あなたの人生、片付けます 3.結婚相手は抽選で 4.if さよならが言えない理由 5.あなたのゼイ肉、落とします 6.農ガール、農ライフ 7.老後の資金がありません そして、【七十歳死亡法案、可決】 実はこの本、かなり前に古本屋さんで手に入れていました。 が、 なかなか読む気持ちになれずにいました。 最近、ようやく気持ちが落ち着いてきたのでしょうね。 気が付けば、読み始めていましたから… 2020年2月、『七十歳死亡法案』が可決された。 これにより日本国籍を有する者は誰しも七十歳の誕生日から30日以内に死ななければならなくなった。 例外は皇族だけ。 施行は2年後の4月1日。 冒頭に、法案可決の週刊誌記事。 ものずごい設定だ、と驚きつつ読み始める。 84歳の義母を自宅でたった一人で介護する東洋子(とよこ)55歳。 58歳の夫。 一人暮らしをする長女、引きこもりの長男。 この家族が直面する問題。 2年後の法案施行に向け、5人の心には変化が。 タイトルから想像していた内容とは違った。 少子高齢化問題、介護問題だけでなく、家族の問題、就職難やブラック企業等々、現代の生きにくさが描かれている。 そして、70歳と言っても、誰一人として同じ状況の人はいない。 絶望的な未来を暗示するかのようなタイトルの小説だけど… ラストはちょっと違う。 良かった。 まだまだ未来は変えられる! 『七十歳死亡法案』 現実ではこんなバカげた法律はあり得ないけれど… 自分自身のこをちょっと考えさせられた。 著者の垣谷さんは1959年生まれ。 この本は2012年に出版された。 すごいテーマの小説に挑戦されたのですねぇ…
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何とも過激なタイトル。 かなり荒治療な政策だけれども、馬飼野総理の逞しさには感服。 親の立場で自分の子供の事を思うと、世話にならず逝きたいなぁと思うけれど、子供の立場から親を思うと やはり長く一緒に居たいと思う矛盾。 しかし、男性群のダメっぷりが酷すぎて笑えてくる。
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