捏造の科学者 STAP細胞事件 の商品レビュー
常々疑問に思っていたのはなぜ小保方氏のような極めて未熟な研究者が出来上がってしまったのかだ。 本書では様々な研究室を渡り歩いたせいで基礎的な指導を受けられなかったことが挙げられているが、実験の授業がある大学を卒業した身としては院生どころか学部生でも身に着けてしかるべき実験ノートの...
常々疑問に思っていたのはなぜ小保方氏のような極めて未熟な研究者が出来上がってしまったのかだ。 本書では様々な研究室を渡り歩いたせいで基礎的な指導を受けられなかったことが挙げられているが、実験の授業がある大学を卒業した身としては院生どころか学部生でも身に着けてしかるべき実験ノートの扱いもできない博士号がいるとは信じられない。 指導者は何をやっていたのかと呆れる。 STAP細胞研究で同じ研究室にいた研究者も、 ハーバード大学教授の優秀な子弟という前評判を信じ、 実験ノートや生データを確認しなかった。 権威で判断することの恐ろしさを感じた。 理化学研究所の対応の遅さや不可解さにも驚いた。 STAP細胞さえ再現できればいいという安易な考えで、論文の疑義に誠実に向き合わなかったことがわかる。 これからの科学報道は拙速な報道を避け、再現実験ができてから報道すべきだと思った。 取材記としても面白い。
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STAP細胞の事実が知りたくて読んでみた本。通常の暴露本とは違い、科学的見地からSTAP問題を取り上げた内容。STAPの有り無しより、論文が捏造されたものかどうかというところに焦点をあて、再生医療に関わる利権がどれだけの影響を与えていることがよく分かる。想像の域になるが、今回の問...
STAP細胞の事実が知りたくて読んでみた本。通常の暴露本とは違い、科学的見地からSTAP問題を取り上げた内容。STAPの有り無しより、論文が捏造されたものかどうかというところに焦点をあて、再生医療に関わる利権がどれだけの影響を与えていることがよく分かる。想像の域になるが、今回の問題はSTAPらしきものを証明しようとデータを捏造する事を問題ないと考えた科学者の常識外れの行動と国家的プロジェクトに乗っかろうとした組織の利害の一致が引き起こした問題。ただ、これにより若い科学者を育てる環境が少なくなることを大いに懸念するが。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
話題になったSTAP細胞の話を当事者たちの取材を通して描いている。 科学の話がちんぷんかんぷんでなかなか読み進めなかった。 難しいとは思うけど中心人物の彼女の取材もしてほしかった。
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ドキュメントとしては臨場感が伝わる内容。少し冗長な気もするし、それは特に毎日新聞の内部事情なんかを細かく書き込んでいるからのような気がする。 今となっては一番知りたい「誰が何のためにこんなことを」という疑問にはやっぱり答えは出ない。いつかわかるのだろうか。
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専門用語が多く理解に苦しんだ。STAP細胞問題の結末が気になり、最後まで読んだが、その気持ちは満たされなかった。研究の情熱はあるものの研究者としての基礎が身に付いていない小保方晴子と組織的な指導を怠った理研がトラブルなのだろう。更には、研究資金獲得のために効を焦った結果だと考える...
専門用語が多く理解に苦しんだ。STAP細胞問題の結末が気になり、最後まで読んだが、その気持ちは満たされなかった。研究の情熱はあるものの研究者としての基礎が身に付いていない小保方晴子と組織的な指導を怠った理研がトラブルなのだろう。更には、研究資金獲得のために効を焦った結果だと考える。2014年1月の発表は忘れられない。
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タイトルを見た時、ああこれって「事件」なんだな~と思い、で、解決したの?と疑問が浮かんだので、読んでみた。 毎日新聞の科学担当記者が世紀の大発見(大誤報?)とされたSTAP細胞について、そして研究者について丹念に取材した記録を一冊にまとめた本です。 あの衝撃的な記者会見から始まっ...
タイトルを見た時、ああこれって「事件」なんだな~と思い、で、解決したの?と疑問が浮かんだので、読んでみた。 毎日新聞の科学担当記者が世紀の大発見(大誤報?)とされたSTAP細胞について、そして研究者について丹念に取材した記録を一冊にまとめた本です。 あの衝撃的な記者会見から始まったSTAP細胞。 どうしてこうなった?という流れを素人でもわかるように、当時の研究スタッフや疑問を持っていた専門家の意見を載せ、更にSTAP細胞についての説明なども丁寧 に書いているので、読めば事件について何となくわかると思います。(専門的な話は難しいのでさら~っと読みましたが) 「何となく」なのは、唯一真実を知っている張本人の方の言葉が一切ないこと。 結局、謎は謎のまま終わってしまうわけで、これで幕を閉じて良いのか、わからないまま本を閉じました。
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事実を淡々と並べているだけだが、疾走感があって面白かった。 小保方氏という人の本当の人物像というのがやはり気になる。嘘に嘘を重ねて科学的な業績を作り上げたとしても、逃げ果せられる種類の”詐欺”ではないわけで、他の研究者によって再現されなければ忘れ去られる。確かに一時的には時代の寵...
事実を淡々と並べているだけだが、疾走感があって面白かった。 小保方氏という人の本当の人物像というのがやはり気になる。嘘に嘘を重ねて科学的な業績を作り上げたとしても、逃げ果せられる種類の”詐欺”ではないわけで、他の研究者によって再現されなければ忘れ去られる。確かに一時的には時代の寵児としてちやほやされたのだが、そこが犯行の動機だとはおもえない。 読了後もモヤモヤ感が拭えないのはなぜか?科学者の批判精神ってそんなにやわなのだろうか?基本的な科学者としての研究アプローチを積んでいない人が国際的に見ても第一級の研究機関でチーフを務めるなんてことがこのシステマティックな世の中であるんだろうか?こういった捏造・替え玉が頻発する背景にはもう少し何か(陰謀論的なものではなく社会科学的な背景や心理学的な問題が)あるのではないかと思ってしまう。
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小保方さんは本当に捏造しようとしたのだろうか!? 世紀の発見と言うのに小保方さん以外誰も見ていない!著者に名前を載せてたのに責任なし!?そんな世界が信じられない。 取材経過を並べただけ、記者ならもっと分かり安く書けないものか!著者は何を言いたいのか解らない。
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誰が、何を、いつ、なぜ、どのように捏造したのか? 笹井芳樹CDB副センター長をはじめ、事件の当事者に深く入ってスクープを連発した毎日新聞記者が、STAP細胞事件について書き下ろす。 2015年大宅壮一ノンフィクション大賞作。純粋文系の私にもある程度理解できた。肝心の「どうして捏...
誰が、何を、いつ、なぜ、どのように捏造したのか? 笹井芳樹CDB副センター長をはじめ、事件の当事者に深く入ってスクープを連発した毎日新聞記者が、STAP細胞事件について書き下ろす。 2015年大宅壮一ノンフィクション大賞作。純粋文系の私にもある程度理解できた。肝心の「どうして捏造が行われたか」には迫れていなかったが、早稲田と理研の組織としての対応の拙さが際立ち、筆もそこに迫っている。自殺した笹井氏の小保方氏への遺言「絶対にSTAP細胞を再現してください」は重たい言葉だ。これは想像だが、早稲田理工大学院卒の筆者は後輩にあたる小保方氏の快挙に狂喜した反面、裏切られたことはさぞ悔しかったことだろう。それで余計にジャーナリスト魂に火が付いたのかもしれない。 (B)
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すごくわかりやすかった、という訳ではないが、 当時、人並みの興味を持ってニュースを見たり聞いたり読んだりしていただけでは、 断片的だった経緯や科学的理解がかなり進んだ気がした。 過度な感情表現や情景描写を排した報道記者らしい叙述的な文章は、 いわばモノクロであり、 それにどう色...
すごくわかりやすかった、という訳ではないが、 当時、人並みの興味を持ってニュースを見たり聞いたり読んだりしていただけでは、 断片的だった経緯や科学的理解がかなり進んだ気がした。 過度な感情表現や情景描写を排した報道記者らしい叙述的な文章は、 いわばモノクロであり、 それにどう色をつけるかは読み手次第と言うところ。 例えば、 まだ疑問が呈された直後の関係者は、 「みんながすぐに再現できないくらいでちょうど良いと思ってます(42頁)」 「マウスのiPS細胞のときと同じでお手本がない、こういう結果は捏造からはうまれない(48頁)」 とまだ世紀の大発見に目に浮かんでいるハートがピンク色、とか。 「論文捏造」を既に読み、シェーン事件を知る身としては、 (本著でも指摘されている通り)「ネットの力」に感心した。 シェーン事件では、世界中の関係者が各々もんもんと2年間も抱えていた疑問を、 今回の事件では、インターネット上で公開し共有することによって、 あっという間に捏造が判明した。 シェーン事件当時、もちろん既にインターネットは存在したが、 その利用され方、パワーとスピードには隔世の感がある。 これによって、 シェーン事件では、世界中で追試の為に浪費された費用とマンパワーが、 浪費されずにすんだ、というのは良かったと思う。 ただ、 このシェーン事件、韓国でのES細胞捏造事件ともに 三大捏造事件と世界で認知されていることを知ったのは、 非常にショックだった。 そして、ES細胞の扱いがぞんざいなことにも驚いた。 数の管理もしていないし、24時間入れるし、保管場所に鍵もかかっていない。 「常に冷凍庫にいっぱい保管されています。」とのことなので、 キャビアの方が貴重品扱いされているぐらいだ。 それだけES細胞の研究が進んでおり、 貴重な存在ではなくなっているということなのかもしれないが、 あまりにもナイーブすぎないだろうか。
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