孤独の価値 の商品レビュー
思春期の悩み多き息子に贈りたい。もしかすると君はすぐに孤独を味わうかも知れない。しかし、孤独はそう悪いものではなさそうだ。楽しさと寂しさの振れ幅があるから逆に楽しさを感じ孤独を感じるのだそうだ。寂しさが大きいほど楽しさを大きく感じられるんだ。プライドは高く、自信がない、そんな君だ...
思春期の悩み多き息子に贈りたい。もしかすると君はすぐに孤独を味わうかも知れない。しかし、孤独はそう悪いものではなさそうだ。楽しさと寂しさの振れ幅があるから逆に楽しさを感じ孤独を感じるのだそうだ。寂しさが大きいほど楽しさを大きく感じられるんだ。プライドは高く、自信がない、そんな君だが絵の才能は素晴らしいよ。それが孤独を受け入れる武器になってくれるはず。
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孤独はそんなに悪い状態ではない.むしろ,自ら望んで味わいたい上等な時間である. この筆者の主張を感情論抜きに論理的に説明している. 孤独に悩まされている人,他者とのつながりに依存している人は,この本を読むとよい. 現代社会の協調を強要する空気に異議を唱えている.
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
著者の名前はせいぜい そんな人の書いている本がありますねー という程度しか知りません。 (間違いがなければ彼の作品は未読。) 著者は研究畑の人だったから 本当に孤独というものを知っていますね。 そう、研究職はチームを組むけれども 研究そのものは一人でやらなければいけないのです。 この本の中身は 孤独で悩む全ての人たちに捧げる本とも 取れますよね。 でも孤独のほうよりも 実はこの本、すごいことを言っています。 それは、むやみやたらに感動ものに 飛びつくものたちへの批判。 つまり、惰性だけで動く 人たちを批判しているわけです。 さらに考えを発展させていけば SNSに関する批判も含有しているかも しれませんね。 孤独を実践するところはうちは すでに行っているため、目新しい部分はなしです。
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孤独と自由をイコールに考えるあたり、気づかなかったし、確かに言い方の違いなだけで同じことなんだな、としみじみ。 とても読みやすくて、納得できることがいっぱいあった。やはり、森博嗣の文章が好きだ。
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どうやら著者は、「孤独」というものを「チームプレーができないこと」「近代資本主義が要求する共同幻想に対し抵抗感を感じながらも、これに否応なく流されていること」だと定義しているようだ。そしてこれらに対置する形で「個人だけで目的を探求することの素晴らしさ」つまり個人プレーを挙げその素...
どうやら著者は、「孤独」というものを「チームプレーができないこと」「近代資本主義が要求する共同幻想に対し抵抗感を感じながらも、これに否応なく流されていること」だと定義しているようだ。そしてこれらに対置する形で「個人だけで目的を探求することの素晴らしさ」つまり個人プレーを挙げその素晴らしさを説く。 僭越ながら僕の考えでは全く違う。個人プレーである程度自己実現できている人はそもそも孤独感など抱いてはいまい。現代人の抱える孤独とは、「チームプレーも個人プレーも両方できなかった」人の抱える絶望感だ。共同幻想か個人的な探求か、どちらかは果たせるだろうと生きながらも、二つとも指の間からこぼれ落ちていった者の遣る瀬無さだ。「近代資本主義が要求する共同幻想」の虚構性になどとうの昔に気づきつつも、これに代わる価値観をいまだ見出せないことの閉塞感なのだ。このことが、個人としてすでに一定の成功を収めているとみえる著者に根本的に理解できていないのだと思う。 連帯感をやたらと鼓舞するマスコミへの反感は理解できるが、ではなぜマスコミの行動様式がそのようなものであるのかについてはほとんど考察されていない。儲かるから?ではなぜ連帯感を謳うとマスコミは儲かるのか? 単純に「孤独」を「個人プレー」に矮小化してしまっているため、本質的な問題に全く答えられず薄っぺらな内容になってしまっている。 あと、全く本筋からは外れるが「オーバ 」「マイナ」のように、すでに日本語化している外来語が、わざわざ本来の発音(と著者が考えるもの)に置き換えて表記されているのがいちいち引っかかって読みにくい。「マイナ」なんて一瞬マイナスの意味かと思った。表記に整合性を取るなら「声でそれをカバーする」というくだりも「カバする」と表記すべきだと思うが。
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元理系の研究者(建築系)である著者の森博嗣 先生。 独特の世界観に魅力を感じ、私にとってこれで3冊目の著者の作品を読ませていただきました。 最近巷で目にする、”絆”だとか、”つながり”だとか。 そういったものに乗せられていわば「絆の肥満」状態になっているのではないかと著者は問いま...
元理系の研究者(建築系)である著者の森博嗣 先生。 独特の世界観に魅力を感じ、私にとってこれで3冊目の著者の作品を読ませていただきました。 最近巷で目にする、”絆”だとか、”つながり”だとか。 そういったものに乗せられていわば「絆の肥満」状態になっているのではないかと著者は問います。 社会を拒絶するわけでもなく、他社を無視するわけでもなく、科学技術の発展により可能となったこの社会と共生できる「良質な孤独」の素晴らしさを語る一冊です。 で、まぁ、著者のように何かしらでホームランを打つようなことがなければ、望むような生き方ができないというのが実際のところではないかと思いますが、それはそれとして非常に私にとっては同意できる内容でした。 付箋は12枚付きました。
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読んでいて若干極論じゃないかとも思ったけど、流石、敢えてそのように書いていたのね。あにさんは孤独は仕事で感じている。今も時々。 仕事での孤独は繋りとかそーゆ観点ではないですが。繋りという意味では人は一人だからそりゃ一人でしょって思っていて深く考えてナイ罠(オイ なのですが…孤独っ...
読んでいて若干極論じゃないかとも思ったけど、流石、敢えてそのように書いていたのね。あにさんは孤独は仕事で感じている。今も時々。 仕事での孤独は繋りとかそーゆ観点ではないですが。繋りという意味では人は一人だからそりゃ一人でしょって思っていて深く考えてナイ罠(オイ なのですが…孤独ってそんな価値あるかって考えてもなかったので読んでよかったー
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なぜ孤独にさいなまれるのか。それは集団ですごすことの快楽的感覚からくる反動。 対をなす感情がぶらんこに例えられていて分かりやすかった。 なにより社会性や協調性は心地好く孤独になるためだと思うと、がんばろうか。。と思える。寂しいという感情の美しさという表現にもはっとさせられる。 ...
なぜ孤独にさいなまれるのか。それは集団ですごすことの快楽的感覚からくる反動。 対をなす感情がぶらんこに例えられていて分かりやすかった。 なにより社会性や協調性は心地好く孤独になるためだと思うと、がんばろうか。。と思える。寂しいという感情の美しさという表現にもはっとさせられる。 自分と近い感覚の人だと思った。
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森さんご自身が専門家でもないし、研究をしたわけでもない。と仰っている通り、掘り下げに方に物足らなさもあるが、だからこそ統計的な結果よりも正しい真実があるように感じるのは私だけだろうか? 他人が押し付けてくる価値観に惑わされず、自分の価値観で行動せよ!という励ましは。先日読ん...
森さんご自身が専門家でもないし、研究をしたわけでもない。と仰っている通り、掘り下げに方に物足らなさもあるが、だからこそ統計的な結果よりも正しい真実があるように感じるのは私だけだろうか? 他人が押し付けてくる価値観に惑わされず、自分の価値観で行動せよ!という励ましは。先日読んだ『嫌われる勇気』『ゼロ』に相通じるところもある。一方、孤独を楽しみ、社会と協調するためには、他者に理解される広いコミュニケーションが必要だという指摘も忘れていない。 本が好き!に参加するようになって、職場の同僚ではなく、このコミュニティで知合いになった皆さんと話してみたいなぁ~と思うようになりました。自分と同じことに興味を持っている人が少ない環境って、もしかしたら孤独なのかもしれませんね… 森博嗣先生の論点とは異なるが、人は一人では生きられず、相互に依存しなければ繁栄できない。それは、衣食住のように物理的な部分でもそうであるし、生きている意味を求める心の部分でも同様であろう。 私たちは、生きるために他者の承認が必要であり、それを既に獲得し、その先にある何かを求めている森博嗣先生は、そのレベルの課題を提示しているのだろう。 「一般の人は自分の存在価値を認めてくれる他者を求め(自覚はないかもしれないが)彷徨っている」というのが実態であり、自分の存在を示すためにモノに頼ったりするのである。
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森博嗣の小説は好きで沢山読んでいますがこの本は小説ではなくタイトルどおり孤独の価値についての語る人生論。 世の中には孤独という言葉に対してマイナスやネガティブなイメージが強いですが、それに真っ向から反論します。 読めばなるほどと思えることが多く、我々がいかに普段から言葉のイメ...
森博嗣の小説は好きで沢山読んでいますがこの本は小説ではなくタイトルどおり孤独の価値についての語る人生論。 世の中には孤独という言葉に対してマイナスやネガティブなイメージが強いですが、それに真っ向から反論します。 読めばなるほどと思えることが多く、我々がいかに普段から言葉のイメージに踊らされてステレオタイプになっているかが実感出来ます。 この本でも書かれている「良質な孤独」というものをしっかりと味わいたいですね。
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