孤独の価値 の商品レビュー
「孤独であることは寂しいのか」「そもそも孤独とは、寂しいとは悪なのか」 著者の小説を読んでいればなんとなく受け取ることの出来る内容なのだが、改めてこういったストレートな形で捉えなおすのにもまた価値がある。
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感情をサインカーブで表現するのはこの著者ならでは。本作も普段入りすぎているような力を抜き、少し「自由」な心持ちになれる良い新書でした。
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孤独は悪いものじゃない。 絆ビジネスに踊らされるな、という作者の気持ちが ひしひしと伝わる本。 確かに最近は、感動や絆が必要以上に美化されているのかも。 人は一人では生きられない非力な生き物だけれど、 近頃はあまりにも「ひとり」に悪いレッテルが貼られているようだ。 日本人の気質が...
孤独は悪いものじゃない。 絆ビジネスに踊らされるな、という作者の気持ちが ひしひしと伝わる本。 確かに最近は、感動や絆が必要以上に美化されているのかも。 人は一人では生きられない非力な生き物だけれど、 近頃はあまりにも「ひとり」に悪いレッテルが貼られているようだ。 日本人の気質がそれをさらに加速させているのかもしれない。 型にはめられて語られる愛情も、おなかいっぱいなほど溢れている。 動物ドキュメンタリーですら子どもの面倒を見る親を指して 「愛情いっぱい」などと言ってしまっている。 種の保存に基づく本能の行動なのに。 と、まあ、作者に踊らされてこちらも思わず筆がすべるのだけど、 あとがきには照れくさそうに、 自分勝手な孤独を楽しめるのは妻のおかげだと書き添えられている。 なかなかチャーミングな作者なのかもしれない。 また、綺麗ごとばかりで子どもを育てるな、という意見、 サインカーブで孤独を表現したところなどは面白かった。 絆ビジネスに踊らされている人たちに 一歩引いた視点を与えているところが、この本の核心だと思う。
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孤独は悪いものではない。 むしろありがたいことだ。 孤独は悪。きずなが善。 その印象がどのように作られたのか、知っているだろうかと著者は説く。 なにかが誇示されているということは、その裏になにか必要性があるということ。 孤独生活を好んで送っている著者の小説が読みたくなった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最近ではミステリ作家とは言えなくなってきた感のある森博嗣氏が、「孤独」をキーワードに、現代社会に蔓延する虚構、思考停止状態のおかしな価値観を快刀乱麻を断つごとく明快に切り捨て、「孤独は人間にとって実に大切で、価値のある状態だ」とその必要性を説きます。ものを発想する、創作するためには、孤独が絶対に必要であり、翻って、孤独の対処として、短歌でも俳句でも現代詩でも何でもよいから創作に身を置くことを勧める。「苛めが起こる心理には、苛める側の「絆」がある。誰かを犠牲者にすることで、苛めっ子のグループは結束を確かめる」という言葉が心に刺さる。孤独を恐れる心から苛めは起きるのか?孤独必要論。「孤独」をキーワードにして、現代社会に蔓延る虚構、思考停止状態のおかしな価値観を快刀乱麻を断つごとく明快に切り捨てます。ものを発想する、創作するという作業には、「孤独」が絶対に必要であり、翻って、孤独の対処として、短歌でも俳句でも現代詩でも何でもよいから身を置くことを勧めています。胸の内にわだかまる思いをそういう形で吐露することにより、安らぎが得られるということでしょうか。 「苛めが起こる心理には、苛める側の「絆」がある。誰かを犠牲者にすることで、苛めっ子のグループは結束を確かめる」という言葉が心に残った。孤独を恐れることから苛めは起きるのだろうか・・・。 いつもは所々引っかかりながら読むことが多いのですが、今回の森氏の主張は腑に落ちましたww
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ここに書かれているようなことは、この作家の書く小説を読めばもっとスマートに受け取ることができる。少なくとも自分は学生時代に読んでとても価値のある影響を受けた。 こうして、自己啓発そのものをテーマにした真面目そうな本を出すなんて、本当に優しくなったなと思うし、ちょっとスマートさに...
ここに書かれているようなことは、この作家の書く小説を読めばもっとスマートに受け取ることができる。少なくとも自分は学生時代に読んでとても価値のある影響を受けた。 こうして、自己啓発そのものをテーマにした真面目そうな本を出すなんて、本当に優しくなったなと思うし、ちょっとスマートさに欠けると自分は思うけれど、はっきりテーマを言うことでやっと、トリックを楽しむ片手間で思想も楽しんでゆくミステリファン以外の層に届く。 管理する側の都合に合わせた良し悪しに自分を当てはめなくて良い、ということに気づく価値は大きいです。まだそれに気付いていない人は大いに読む価値があるし、すでに知ってる人にとっては「ですよねー」というくらいの本です。
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一から十まで「わかる、わかる」ということはもちろんないけれど、こういう人が同時代に生きているということでどれだけ励まされることか。
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他人に迷惑をかけない範囲で自分のやりたいことをやる。自分が前から思ってたことをこうして他にも思ってる人がいるのが分かっただけですごくこの本を読めてよかった。 メディアに周りに躍らされないように。本質を見極めましょう。そんな人になろう。
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やはり森博嗣さんの文章はいいね。読みやすくて、やさしい。内容について目新しいものはあまりないけど、著者だったらこう言うやろうな、感じるやろうな、とか思って読むのがおもしろい。
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孤独との向き合い方、孤独と感じるメカニズムの解説に感心した。 身近な物を具体例に出し、著者の考え、物事の捉え方を紹介している。極端ではあるが感じていることをズバズバ言われているようで、裸にされた気分に陥る。
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