水やりはいつも深夜だけど の商品レビュー
子どもが同じ幼稚園に通う5組の家族の短編集。それぞれの話は交わる事はない。どれも、傷などを再生していく。
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短編集。 それぞれの話の女の人に共感できる部分があって胸が痛くなって涙が出ることも。 男脳女脳ってこういうことなのかなぁ、とか現代の女の人ってこうなのかなぁ、とか色々考える。 ちょっと歯車がズレただけで、今の暮らしが変わってしまう。毎日を大切にしなきゃいけないと思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
久々の窪美澄、お花の名前にちなんだ短編集。ちなみに本の表題は収録作品ではない、…って凝ってるなぁ。 家族の姿を植物に例え、家族を育んでいく情の部分を水に例え、現代日本では家族に情をかけるのもいつも深夜でしかないと、そういう比喩をタイトルにもってきて、そういう類の物語を収録している構成なのである。こりゃ深いわ。 そんな小説集なので、明るい話はあまりなく、どれもちょっとしたきっかけで崩壊しそうな、土台が緩んでいる家族の物語である。主人公は主婦であったり、亭主であったり、彼らの子供時代のことであったりするが、どれもこれも、いま日本で生活する誰であってもおかしくないリアルさ。 とてつもなく貧困だったり、DVにやられてたり、壮絶なイジメにあってたり…といった分かりやすい不幸に見舞われている物語はない。それだけに不幸はどこにでも潜んでいるのだなと、絶望してしまいそうになる。明日、いや帰宅した今日の我が家がこういう風になっていてもおかしくないのだから。 それでいて、どの物語も終わり方がはっきりとしない 「それからは幸せにくらしましたとさ」でも「この後彼らには壮絶な人生が待っているのである」でもないのである。 幸でも不幸でもどっちにでも転べそうな、ふんわりとあやふやな終わり方をしていてイジワルなのである。上手くて読ませる小説だが、読後感はすっきりしない、それも含めて窪美澄らしさなんだけど。
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子どものいる家族が主人公の短編集。家族だからこそ強く言えないこと/言わない方が言いことがぶつかりあいながらも、最後は前を向いて関係性を築いていける希望を感じる。
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幼稚園児のいる家族5組の短編集。 どれもあるあるな話で、隣の芝生はーじゃないけど、表に出していないだけで、其々みんな似たような悩みを抱えているのかも… どのお話も最後光が見えるので、自分ももう少し頑張ろう、という気持ちにさせてくれた。 ゲンノショウコ、久々の号泣。
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家族をテーマにした短編集。 表面的には幸せそうに見える家族でも、 日常の些末な出来事の中にあるちょっとした不満や不安、すれ違いなどを丁寧に描いた作品でした。
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高校生の頃のつらかった時間と、子供の幼稚園時代の保護者付き合いのしんどさと。自分だけじゃないんだなと。 子育てを一人で抱え込んでいた頃に読んだら、少し今とは違ったかも。
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30代前半くらいの女性が出てくる話が多い。小さい子ども居る女性特有の、環境だったり精神の不安定さだったり。 『ちらめくポーチュラカ』『かけそきサンカヨウ』が特にすきかな。
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家庭をもった大人達が生活で感じるもやもやを描いた短編集 読後のスッキリ感が心地よい ターゲットは30代あたりかな お気に入りは「サボテンの咆哮」
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さくさく読めた。優しかった。「ちらめくポーチュラカ」の、三十歳になる大人で母親の自分がいかがなものだろうと思うのだけれど、未だうじうじと中学生の時の傷のことを考えてしまう、という出だしは、とても共感出来る気がした。
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