水やりはいつも深夜だけど の商品レビュー
とある高級住地に住む5組の家族の物語。 共通するのは同じ幼稚園に通う幼い子供がいることと、それぞれが内に秘めた悩みを抱えていること。 子供が生まれると二人の世界は様変わりしてしまう。 思い通りにならない生活、自由のきかない時間、そして責任感。 夫婦の間には小さな亀裂が生じ、徐々...
とある高級住地に住む5組の家族の物語。 共通するのは同じ幼稚園に通う幼い子供がいることと、それぞれが内に秘めた悩みを抱えていること。 子供が生まれると二人の世界は様変わりしてしまう。 思い通りにならない生活、自由のきかない時間、そして責任感。 夫婦の間には小さな亀裂が生じ、徐々に徐々に亀裂は広がって行く。 あんなに好きだった相手なのに、心が通い合わないもどかしさ。 ブログでしか自分の存在価値を見出せない妻。 妻と妻の両親に疎外感を抱く夫。 子供の発達障害を疑う妻。 妻への不満から浮気心を持つ夫。 新しい母親と妹を迎え戸惑う少女。 「寂しかったんだ・・・」 「・・・寂しかったのは、あなただけだと思う?」 相手に自分の気持ちを伝えようとすること。 相手の気持ちを受け止めようとすること。 ほんのちょっとの努力で流れは変わる。 それぞれの物語はどれも切なくて簡単にはいきそうにもないけれど、最後に光が見えた。 窪さんの小説にしては珍しく性描写を完全排除。 過激な描写がなくても根底に流れているメッセージは十分伝わってきた。 読み終わって温かい気持ちになった。 ブクログ献本企画で頂いた本です。 窪さんの作品がいち早く読めたことに感謝。 ありがとうございました。
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