水やりはいつも深夜だけど の商品レビュー

窪美澄(著者)

2023/02/26

リアルな日常の1ページ。各話の主人公の心の変化がよく分かり、前向きに進んでいくんじゃないかな？と思わせてくれる結末はとても心地よかったです！
どの話も重すぎず、軽すぎず。とても楽しめました！

2022/10/03

どこにでもありそうな家族の不協和音を、丁寧にじっくりと描いて素敵な短編集。誰が悪いとか、簡単に白黒つけられたら楽なのだろうけれど、家族というのはそういうものではない。誰にでも共感できるし、自分を顧みることができる。明るい話ではないのだけれど、優しい視線に満ちていて、希望が持てる。

2022/09/24

すっきり解決とならないところがリアル。問題も解決も、受け取り方や考えよう次第のところがあるから。
未就学児がいた時に読んでいたら、逆に辛かったかも。あの頃はとにかく優しくされたかった！現実を忘れたかった!
降園後、子どもを友達の家に預けて自分は自宅で寝てる、を繰り返すママは、そりゃ裏で何か言われるよなーとしか思えない。

2022/09/22

絶妙に嫌なとこ突いてくる話が多い。
でも人生で向き合う問題って明確な答えがないものばかりだし、すっきり解決できるものも少ない。
一個解決して、はい次のっていければ楽なんだろうけど、そうもいかない。
我々はみな、重大でもない不快な問題を少しずつ抱えては下ろしを繰り返しながら生きていくしかないんだなぁ。

自分だったらどうするかなとか考えると、夜しか眠れなくなる。

2022/09/11

結婚とか子育てとか夫婦とかの話。
面白かったし、感動もするけど、読んでいてしんどい。子育てに悩んでいる真っ最中であれば、病んでいたと思う。

最後の、かそけきサンカヨウが良かった。かそけき（幽けき、と書く）って初めて知った言葉。
父親の再婚で3歳の妹ができた高校生の主人公。
お父さんも新しいお母さんの美子さんもいい人なのだけど、いや、だからこそ気持ちの持っていきようがないのが辛い。

印象に残ったのは、2作目サボテンの咆哮、の亡くなったお母さんのセリフ。
「お父さん、言葉は少ないけれど、お母さん、お父さんの言いたいことはわかるのよ。優しい言葉をかけられたって、態度がそうじゃなかったら、なんだか悲しいじゃない。お父さんはね、優しい人よ。私もそう思っているんだからいいじゃないの」
幸せの形は人それぞれで、たとえ親子でもわからないものかもしれない。

2022/08/21

我が家と同じ5歳くらいの子供がいる5組の家族の短編集なので、共感が多く1日で読んでしまった。
5話中2話がパパ目線の話で、孤独や疎外感や寂しさや不満など世の中の旦那さんの心情を代弁しているようですごくリアルだった！産後とかあのときこう思ってたんだろうなーというのが全てそのままな気がした。
仕事に忙しい旦那さんが家庭で仲間はずれみたいになってる話が印象的で、一生懸命やろうとしてるのに『なんでできないとこだけを見るんだよ。』という言葉にはハッとさせられた。
仕事や子育てに夢中で疲れていても、夫婦間の会話や興味関心を忘れちゃいけないっていうことだと思う。それができればまだ修復可能。読み終えるとタイトルの意味がわかる。

2022/09/11

壊れかけている家族を描いた短編小説集。全ての作品のタイトルに植物が含まれており、それらの植物の生命力に、各家庭の自己修復能力が暗示されています。

2022/04/29

結婚して子供のいる女の人を主に描いた話。
結婚も子供もまだだけど、何故だか共感してしまったり、
不安になったりして胸が痛くなった。
でも、結局家族でうまくいくようにどうにか形を変えながら、乗り越えていけるんじゃないかなって、人の繋がりの可能性を見たお話だった気がする。そこにお互いの意志がちゃんとあれば乗り越えられるはずだ。

2022/01/22

親とこどもの短編小説。
みんな何か抱えていて作中にちょっとした事件や心のモヤモヤがあるんだけど、解決と言うほどでもないんだけど心が晴れていく話なので読んでいて後味は悪くないです。

私は障がい者の妹を持つ方の話が好きです。
難しい問題ですが、主人公がママ友の様子をみて前向きになっていくのが良かった。

2021/08/12

うまいなあ（しみじみ）。

家族の形、暮しが描かれています。
その家族の中の一員として、考え苦しみ、そして家族を構成していく。
家族といえども、わだかまりができてしまうと、一緒に暮らしているからこそ、それを乗り越えるのは大変。

サンカヨウ。
知りませんでした。とても繊細な、透明なお花でした。
求肥を思い浮かべるのは私だけ？
貴重なお花をうまく登場させています。