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屍者の帝国 の商品レビュー

3.5

159件のお客様レビュー

  1. 5つ

    21

  2. 4つ

    40

  3. 3つ

    49

  4. 2つ

    11

  5. 1つ

    4

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2020/05/11

ハマっている伊藤計劃シリーズ。ついポチってしまいました。なかなか小難しくて読了に非常に時間がかかった。著者が伊藤計劃本人ではないから当たり前なんだけど知識の質が異なるから物語の雰囲気もまた変わっているような印象を受けた。ただ意識とか言語とか伊藤計劃作品で重要にされていた部分はしっ...

ハマっている伊藤計劃シリーズ。ついポチってしまいました。なかなか小難しくて読了に非常に時間がかかった。著者が伊藤計劃本人ではないから当たり前なんだけど知識の質が異なるから物語の雰囲気もまた変わっているような印象を受けた。ただ意識とか言語とか伊藤計劃作品で重要にされていた部分はしっかり引き継がれていてまさに「伊藤計劃×円城塔」で出来上がっている作品。フランケンシュタインにカラマーゾフにダーウィンに、、自分にもっと教養があればもっと楽しめたかもしれない。実は菌株(X)が人間の意識を支配しているんですといわれるとすごくSFな感じもするけど、Xに言葉を代入するとすごくしっくりくる結論に感じた。正直いまは断片的につかんでいる気がするので映画の方もみて整理したい。

Posted byブクログ

2020/04/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ところどころ難しくて挫折しかけたけれど読み終わって振り返るととても面白かったような気がする…特に後半の怒涛のラストスパートが圧巻だった。読み終わってもまだ疑問が残るがそれもまた面白くて良いのかもしれない 整理&疑問 菌株は人間の意識の正体であり、人間の脳と共生している。人間の意識は、菌株の活動によって形成される。菌株の中にも複数の意識がある。大きく分けて二種類。 拡大派→屍者化の受け入れ 保守派→屍者化に反対、撲滅を望む 人間の意識は、菌株の敵対する複数の意思のせめぎ合いにより生まれる多様さからなる。 これらは本当?? ザ・ワンの本当の目的は花嫁?花嫁が復活したなら他の死者は? ワトソンの頭に埋め込まれたものとは? ハダリーは何者?ハダリーもワトソンと同様石(バベル)を埋め込まれた? バベルを埋め込まれた→以前と異なる意識、以前とは異なるXに支配された別の人間になる?(ハダリー(アドラー)は昔のワトソンとは別種の言葉つまりXで構成された意識を持っていたと書かれている) フライデーは魂(自分の意識)を手に入れた?それはバベルの影響?屍者の意識にバベルが入り込んだ?

Posted byブクログ

2020/03/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

わたしたちは個別に物語を保持し、自分の意思と信じるものに従って行動している。意思を信じるとさえ感じる必要がないほどに。科学は確かに「何故」を問うことはないわけだが、わたしたちは屍者とは異なる。わたしたちは物質的な現象だが、同時に意味を上書きしながら生きている。ほんの二十一グラムほどの魂が、そんな上書き機能を担う。物語による意味づけを拒絶したなら、わたしたちは屍者と変わるところがなくなるだろう。

Posted byブクログ

2020/02/29

面白かった 円城氏の色が出てる感じがした 伊藤計劃の世界観とはまた違った感じがした 個人的には伊藤計劃のあの世界観の方が好き もう読めないのが悔やまれる

Posted byブクログ

2020/02/12

スチームパンクものであることは事前に知っていましたが、登場人物や設定が秀逸で、ああそうきたかと感心することしきり。 登場人物たちのセリフが長く、あるいは多く、読むのが疲れました。

Posted byブクログ

2020/01/31

初伊藤計劃は絶筆。そして円城塔も初。 世界観も設定もかなり好き。最初は凄く引き込まれて、一気に読めると思ったのだが、途中からごちゃごちゃしてきて、結局なんだったのか分からなくなって、スッキリせずに終わってしまった。 わたしの集中力が落ちたせいなのか、途中から一気に減速。 伊藤計劃...

初伊藤計劃は絶筆。そして円城塔も初。 世界観も設定もかなり好き。最初は凄く引き込まれて、一気に読めると思ったのだが、途中からごちゃごちゃしてきて、結局なんだったのか分からなくなって、スッキリせずに終わってしまった。 わたしの集中力が落ちたせいなのか、途中から一気に減速。 伊藤計劃、円城塔、それぞれの作品も読んでみようと思う。

Posted byブクログ

2019/12/22

伊藤計劃が逝去した後,円城塔が引き継いだ形になったもの。相変わらずの引用の過剰ぶりに耽溺する。 好きな人はいるもので,用語集まで作っているサイトを発見した。 http://docseri.hatenablog.jp/entry/2012/08/27/011725 お疲れ様です。

Posted byブクログ

2019/11/15

三作品目。 ただのSFではなく、歴史改編ものというべきか、死者が普通に歩いている世界で、なんというか、別の形でIT化が早期に進んでいる感じ。 不気味の谷がロボット以外に使われるとは… 壮大なエンタテインメントだが、意識とは、生命とは何かと、そういう問いかけが続く。 私にもわからな...

三作品目。 ただのSFではなく、歴史改編ものというべきか、死者が普通に歩いている世界で、なんというか、別の形でIT化が早期に進んでいる感じ。 不気味の谷がロボット以外に使われるとは… 壮大なエンタテインメントだが、意識とは、生命とは何かと、そういう問いかけが続く。 私にもわからないが、バーナビーの「性交渉により感染する致死性の病」という表現は好きだった。

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2019/10/06

総じて面白かった。ただ一読して自分が把握できた範囲でもシャーロックホームズ、フランケンシュタイン、カラマーゾフの兄弟など、多くの「古典」を下敷きにしており、この辺の好みは人によって分かれるかもしれない。テーマの割にはテンポもそれほど早くなく、落ち着いて読めたのは良かった。 アニメ...

総じて面白かった。ただ一読して自分が把握できた範囲でもシャーロックホームズ、フランケンシュタイン、カラマーゾフの兄弟など、多くの「古典」を下敷きにしており、この辺の好みは人によって分かれるかもしれない。テーマの割にはテンポもそれほど早くなく、落ち着いて読めたのは良かった。 アニメ版は尺の関係上いくつかのシーンをカットしており、イマイチではあったが、それは別の話。ただアクションについてはやはり映像の方がわかりやすい。

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2019/10/04

 プロローグの語り手はワトソンですが、本編はワトソンが語ったことをフライデー(記述者)が書き留めている設定です。プロローグと本編で著者が代っていることを配慮したのでしょう。著者(伊藤計劃)の作品の主題の一つ「意識」は、この物語でも重要な要素ですが、今作ではそれの導入が唐突だと思い...

 プロローグの語り手はワトソンですが、本編はワトソンが語ったことをフライデー(記述者)が書き留めている設定です。プロローグと本編で著者が代っていることを配慮したのでしょう。著者(伊藤計劃)の作品の主題の一つ「意識」は、この物語でも重要な要素ですが、今作ではそれの導入が唐突だと思います。  この物語は「歴史改変もの」で、死者が労働力(屍者)として動いています。さらに物語に他の物語人物たちがたくさんでてきます(『カラマーゾフの兄弟』、『シャーロックホームズ』、『フランケンシュタイン』などなど)。「物語(フィクション)」の舞台が「歴史改変もの(フィクションの要素が強い)」で、その舞台に「他の物語人物たち(架空の人物たち)」がでてくるので、今作には三重の虚構性があります。物語舞台を死者が動く設定にしたことで、作品の主題の「意識」や「魂」、特に魂についてより深く掘り下げることができています(作中で魂が物質として登場しています)。

Posted byブクログ