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屍者の帝国 の商品レビュー

3.5

159件のお客様レビュー

  1. 5つ

    21

  2. 4つ

    40

  3. 3つ

    49

  4. 2つ

    11

  5. 1つ

    4

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2014/12/07

死体を復活させ、労働者として、情報端末として使役する技術が発達した世界。19世紀末。オカルト風味のレトロフューチャー。歴史改変ものでゾンビものです。物語の有名人たちが登場するのも楽しい。 自我とは何か?情報の混沌の中から現れるのか。言葉があるから、かたち造られるのか。こういう難解...

死体を復活させ、労働者として、情報端末として使役する技術が発達した世界。19世紀末。オカルト風味のレトロフューチャー。歴史改変ものでゾンビものです。物語の有名人たちが登場するのも楽しい。 自我とは何か?情報の混沌の中から現れるのか。言葉があるから、かたち造られるのか。こういう難解な問いは結論を出すと陳腐になってしまいますね。もやっとさせておく方が高尚な感じがします。 円城塔の作品のわりには読みやすいです。エンタメしてます。

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2014/12/05

虚・実、様々な登場人物(オールスターキャスト)が 生者、死者、屍者の存在を追って 『虐殺器官』ってどんなはなしだったっけ 『ハーモニー』って(以下同文) あとがきの潔さをみても、 詮なきことと思いながらも、思わざるを得ない。 でも、ひとこと「ありがとう」

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2014/12/03

ヴィクターの書の解釈に関する可能性を議論する辺りで、強烈に円城塔が匂い立つ。 だけど、全体的には円城塔らしからず、何が起こっているのか、どこにむかって話が進んでいるのか分かりやすい。 頻繁に交わされる議論は簡単でないが、論理的で緻密。さすが 肉体、意識を工学するのはサイバーパ...

ヴィクターの書の解釈に関する可能性を議論する辺りで、強烈に円城塔が匂い立つ。 だけど、全体的には円城塔らしからず、何が起こっているのか、どこにむかって話が進んでいるのか分かりやすい。 頻繁に交わされる議論は簡単でないが、論理的で緻密。さすが 肉体、意識を工学するのはサイバーパンクのアイディア。 だけど、弄られる側を徹底的に第三者として描く作品はあまり無い。 弄られるのが死者ということもあり、得体の知れなさ、不気味さが醸成されている。 アリョーシャはそれでいいのか? 円城塔の描くガンアクション、真剣の立会いなんかが読めるレア作 爽快感は得られない。にやりとする場面や、可能性の組み合わせの追求なんかのSF的面白さが楽しめる

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2014/12/02

2014/12/02 購入。伊藤計劃の遺作になった作品だが、遺作と言っても本人はプロローグの30ページ分を書き残しただけで、よく円城塔はこの仕事を引き受けたものだ。まあ日本SF大賞と星雲賞を受賞した時にかなり話題になってたっけ。プロローグだけ読んだけど、かなり面白そうな予感。

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2014/11/29

タイトルの淀んだ重さから受ける印象に反してエンタメな内容で楽しかった。 様々な文学作品の登場人物や歴史上の偉人が出てきて、分かるときは反応したり分からないときは検索して感心したり。 最後のフライデーが文庫あとがきの円城塔さんに重なった。 この物語が終わったあともワトソンはホーム...

タイトルの淀んだ重さから受ける印象に反してエンタメな内容で楽しかった。 様々な文学作品の登場人物や歴史上の偉人が出てきて、分かるときは反応したり分からないときは検索して感心したり。 最後のフライデーが文庫あとがきの円城塔さんに重なった。 この物語が終わったあともワトソンはホームズと冒険するかと思うと楽しい。 エピローグのハダリーには「お前かー!」と、してやられた感。

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2014/11/23

本書は若くしてこの世を去った伊藤計劃が遺したプロットを元に、同世代のSF作家円城塔が書き下ろした本である。 SF小説はそんなによく読むわけではないけれど、伊藤の独特すぎる世界観と、円城のエンタテインメント性は気に入っていたので、かなり期待して読む。 プロットがすごい。主人公は...

本書は若くしてこの世を去った伊藤計劃が遺したプロットを元に、同世代のSF作家円城塔が書き下ろした本である。 SF小説はそんなによく読むわけではないけれど、伊藤の独特すぎる世界観と、円城のエンタテインメント性は気に入っていたので、かなり期待して読む。 プロットがすごい。主人公は若き日のワトソン。世界一有名な探偵小説のあのワトソン博士である。登場するのはフランケンシュタイン博士のモンスター、吸血鬼退治のヴァン・ヘルシング、チャールズ・ダーウィン、トルーマン大統領、カラマーゾフの兄弟のドミトリー、そして海底二万哩のノーチラス号… そして舞台は19世紀末、大英帝国がロシアや新興国アメリカと鎬を削り、しかも蘇った屍者を労働力として使うという異常な世界。ゾンビ小説と歴史小説、そして名作文学のモチーフという豪華絢爛無責任大風呂敷広げまくりの設定。こんなプロットで書けと言われた円城がどんな気持ちでこの作品を紡いでいったのか。 読書好きにはネタ探しも面白いし、アクションと謎解きにも事欠かない、徹底したエンタテインメントである。 山田風太郎の「魔界転生」を世界を舞台にして電脳とインターネットを組み合わせたような、といえば少しはイメージ出来るだろうか? 人物にさほど感情移入がしずらいのは、彼らの世代の特徴かも知れない。

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2014/11/16

歴史改変奇想天外冒険スペクタクル活劇。伊藤計劃の進化を見た。あとがきでは円城が「伊藤ならどう書くか、などといったことはナンセンスだ」みたいなことを言ってたけど、実際この作品は「虐殺器官」「ハーモニー」の系譜、さらにその先に位置すると思う。かっこよくて面白くてハマる。上質なエンタメ...

歴史改変奇想天外冒険スペクタクル活劇。伊藤計劃の進化を見た。あとがきでは円城が「伊藤ならどう書くか、などといったことはナンセンスだ」みたいなことを言ってたけど、実際この作品は「虐殺器官」「ハーモニー」の系譜、さらにその先に位置すると思う。かっこよくて面白くてハマる。上質なエンタメを「ありがとう」と言いたい。

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2023/12/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2014/11/8 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2023/12/19〜12/23 3年半ぶりの伊藤作品は早逝した伊藤計劃氏の第3長編で、亡くなったため中断してしまった作品を円城塔氏が完成させたもの。 屍者を生み出し、活用した社会を通じて、現代の人間社会を風刺的に描くSF。ホームズの相棒ワトソン博士や、チャールズ・ダーウィンなど有名なキャラクターや人物も登場。

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2014/11/06

屍者化の技術が全世界に拡散した19世紀末、英国秘密諜報員ジョン・H・ワトソンの冒険がいま始まる。天才・伊藤計劃の未完の絶筆を盟友・円城塔が完成させた超話題作。日本SF大賞特別賞、星雲賞受賞。

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