静おばあちゃんにおまかせ の商品レビュー
痛いところをついたミステリー。 冤罪、外国人労働者、宗教団体、独裁国家、隠蔽、暴力団、癒着…。 物語の形にしながらも、読者に現実世界の問題諸々を意識させることにも重きを置いているような気がした。10年前の作品ではあるが、一層この問題が色濃くなった今読むと、彼の眼にうつる日本はどう...
痛いところをついたミステリー。 冤罪、外国人労働者、宗教団体、独裁国家、隠蔽、暴力団、癒着…。 物語の形にしながらも、読者に現実世界の問題諸々を意識させることにも重きを置いているような気がした。10年前の作品ではあるが、一層この問題が色濃くなった今読むと、彼の眼にうつる日本はどう見えているのか気になるところではある。 それにしても中山七里のミステリーは盤石で隙がなくて面白い。ただ、登場人物の容姿に対する言及やら絶妙に色恋沙汰を含ませる感じ、その描き方が若干生理的に気持ちが悪い。どうしたものか。前までは感じなかったのに、今回はそれを露骨に喰らったような気がした。作者の暗い面がそこに投影されているのかな、とも邪推してしまう。逆にそれを感じる私にもコンプレックスがあったりして。 法曹界はよく分からないけど、法律を知ることは自分を守ることのような気がしたし、その中で己を律することも可能なのかもしれないと思った。だが、現実はそうではないんだろうし、もっともっと腐敗しているんだと思うと、一体私は何に守られ、何を守って生きないといけないのか分からなくなってきた。 静おばあちゃんのような人と暮らすのは息苦しいが、少し円が羨ましい感じもした。法律家といい、医師といい、世間で体裁の良い職業はどうしてこうも世襲制というか同じ職業に就こうとするんだろ。だからこそ、腐敗が進み、大事なところで大事なものを見落とすんだろうね。 憤りが判断によるものか感情によるものか 正義とは困っている人を助けること どんな高邁な精神を持っていても、自分の同族を冷徹に殺めてしまう人はいない。1人の個人になる。 小言がカチンとくるのは図星だから 理解されているという前提があるから最後には角を引っ込めて笑い合える。 全ての女性にはオオカミに誘われたいという願望がある、という嘘 宗教は麻薬と似ている 詐欺師というのは自分がついた嘘に酔っているから、その嘘を逆手に取る人間がいるなんて想像していない 明治6年までは仇討ちが許されていた 人が人を捌いていた 人は与えられた情報でしか物事を考えられない。類推できなきゃ。人は無意識のうちにその情報が本当だと信じようとする。相手の話を最初から嘘だという人はそういない。 権力を持った人間は自分が正義だと思い込んで、その正義を揺るがすものを赦そうとしない 叛乱は成功した暁には革命という名称に変わる
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安楽椅子探偵になるんかな? 中山七里さんの小説で、ちょこちょこ出てた女性裁判官。 引退して、孫と一緒に暮らしてる。 このお孫さんが、ちょっと捜査一課の刑事さんと知り合いで、たまにアドバイスする。 その刑事 葛城さん、まるで刑事に見えない。 犬養さんも、時々登場と。 短編集5つ!...
安楽椅子探偵になるんかな? 中山七里さんの小説で、ちょこちょこ出てた女性裁判官。 引退して、孫と一緒に暮らしてる。 このお孫さんが、ちょっと捜査一課の刑事さんと知り合いで、たまにアドバイスする。 その刑事 葛城さん、まるで刑事に見えない。 犬養さんも、時々登場と。 短編集5つ! 事件解決は、 静おばあちゃん ↕︎ 円ちゃん ↕︎ 葛城刑事 のリレーで、解決! やはり、お年寄りの知恵は大切! 更に、元裁判官ともなれば! 安楽椅子探偵って、現場に行かず、話などを聞いて事件を解決に導くんやけど、確かに、出来事を整理した上で、俯瞰できるかも? 現実には、そうあっさりいかんやろうけどね! あれ? 得意の大どんでん返しないやん! … あったわ〜! 最後の最後に! 凄いのが! それが、安楽椅子の真の意味か… (*˘-˘人)゚.:。+゚
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静おばあちゃんシリーズ?な短編集。 静おばあちゃんはあまり出ませんが、最後にバシッと決めてくれます。 さすがです! どの話も面白く、そして最後の静おばあちゃんの秘密には驚きでした。
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ヒポクラテスシリーズの合間に軽めそうなこちらを…とチョイスしましたが、侮るなかれ。 新興宗教、外国人労働者、冤罪逮捕、独裁国家etc.とバリバリ社会派中山節炸裂です。 静おばあちゃんが職を辞するきっかけの事件が語られていたり(詳細はテミスの剣)。 葛城刑事と円の恋の行方が書かれて...
ヒポクラテスシリーズの合間に軽めそうなこちらを…とチョイスしましたが、侮るなかれ。 新興宗教、外国人労働者、冤罪逮捕、独裁国家etc.とバリバリ社会派中山節炸裂です。 静おばあちゃんが職を辞するきっかけの事件が語られていたり(詳細はテミスの剣)。 葛城刑事と円の恋の行方が書かれていたり。 オチには少し驚いてしまいましたが、大満足大満腹の一冊です。
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これは、表紙から騙された。もう少しほんわかした事件をイメージしていたんだが…良い意味で裏切られた。高円寺静という名前に聞き覚えがあって、調べたらテミスの剣の裁判官とわかり鳥肌。そういえば冤罪の話で、おばあちゃんが後悔している判決がこれのことか。と繋がった。テミスの剣の再読をするこ...
これは、表紙から騙された。もう少しほんわかした事件をイメージしていたんだが…良い意味で裏切られた。高円寺静という名前に聞き覚えがあって、調べたらテミスの剣の裁判官とわかり鳥肌。そういえば冤罪の話で、おばあちゃんが後悔している判決がこれのことか。と繋がった。テミスの剣の再読をすることにする。
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元裁判官である静おばあちゃんが、五つの事件の謎を解く、安楽椅子探偵ものの連作短編集です。 タイトルと装画のイメージで、日常の謎を扱ったものなのかなと思ったのですが、内容は不可能犯罪を取り上げたものが多く、本格ミステリの雰囲気が感じられます。 設定は緩めながら、他人だけじゃなく...
元裁判官である静おばあちゃんが、五つの事件の謎を解く、安楽椅子探偵ものの連作短編集です。 タイトルと装画のイメージで、日常の謎を扱ったものなのかなと思ったのですが、内容は不可能犯罪を取り上げたものが多く、本格ミステリの雰囲気が感じられます。 設定は緩めながら、他人だけじゃなく自分にも厳しい静おばあちゃんのキャラクターは、中山さんのこれまでの作品に通じるものがありました。 最後に見られる趣向には驚きましたが、個人的にはサプライズなしのエンディングでも良かったような気がします。
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タイトルや表紙、短編ものというスタイルからなんとなく「スピンオフ」のイメージを持っていましたが…。 おばあちゃんの孫を愛する心に涙
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タイトルと装丁からゆるい物語なのかな?って 思っていたけど、しっかりがっつり事件が起きて 満足のいく作品でした。 連作短篇集でラストには安定の驚きが。 マイルドな作品だなぁって読んでいたらちゃんと(?) 中山ワールドになっていたので良かった。 静おばあちゃんの鋭い言葉や、...
タイトルと装丁からゆるい物語なのかな?って 思っていたけど、しっかりがっつり事件が起きて 満足のいく作品でした。 連作短篇集でラストには安定の驚きが。 マイルドな作品だなぁって読んでいたらちゃんと(?) 中山ワールドになっていたので良かった。 静おばあちゃんの鋭い言葉や、ぶれない芯の強い考え方、 だけどおばあちゃんらしい物事の考え方もするから面白い。 孫の円と葛城の恋路は必要だったのか?とちょっと思うけど… 静おばあちゃんは他の中山作品にガッツリでてくるのでそちらも要チェック。
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おもしろかった。読みやすい。 噂話を聞くだけで謎解きできちゃうような系でトントン拍子でどんどん展開していくから飽きない。 最後の最後にあんなおばあちゃんの秘密があるとは思ってなかったのでいい意味で裏切ってもらえた。 もっと読みたい。
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すごく読みやすかった。 タイトルと装丁からは想像しないくらい しっかり事件が起きる感じが驚きもありました。 最後は切なくなったけれどそれがなんとも言えない。
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