すべて真夜中の恋人たち の商品レビュー
切ない。人を好くということの描写が丁寧で美しい。 忘れていくことの描写も良い。切ない。 私自身相対的に人のことを好きになる頻度が低めだと思っているので、より、好きっていうことは切なくて尊いなと思った。
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体の仕草も頭の中の思考も、全ての一挙手一投足が丁寧に描かれているという印象を受けた作品。個人的に最初の一ページの文章が丸ごと好き。けれどそれだけだった。読み続けるのが苦痛、苦手な部類のものだった。あまり好き嫌いせずに読んでいた方だが、人間なので合う合わないはある。
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私は、「すべて真夜中の恋人たち」というタイトルを「すべての真夜中の恋人たち」と勘違いしていた。 なんというか、ちょっとドロドロしてるけど、最終的には結ばれて終わる恋愛映画のタイトルみたいだなと思ったが、何か惹かれるものがあり購入。 初めて川上未映子先生の作品を読んだが、文章が読み...
私は、「すべて真夜中の恋人たち」というタイトルを「すべての真夜中の恋人たち」と勘違いしていた。 なんというか、ちょっとドロドロしてるけど、最終的には結ばれて終わる恋愛映画のタイトルみたいだなと思ったが、何か惹かれるものがあり購入。 初めて川上未映子先生の作品を読んだが、文章が読みやすく、比喩表現や心情も細かく、美しく描かれていた。 結局タイトルと本文の結びつきがよくわからなかったが、最後の主人公と似たような気持ちなのかもしれない。
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表現がとても繊細で綺麗だった。 鬱々とした恋の話。 主人公には全く共感できなかったけど、いつか主人公に感情移入できるようになるのかな。 儚くて苦しくて、でもかけがえのない気持ちになった。
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人生はあくまでも孤独だけれど、誰かとつながりたいという思いや、誰かと触れ合う一瞬の美しさが描かれてます。 また、女性が日本社会で生きる中で感じる抑圧や、女性同士の間でも価値観の違いがあり上手く連帯出来ない場面など、フェミニズムの視点からも読めるんだろうと思いました。 川上未映...
人生はあくまでも孤独だけれど、誰かとつながりたいという思いや、誰かと触れ合う一瞬の美しさが描かれてます。 また、女性が日本社会で生きる中で感じる抑圧や、女性同士の間でも価値観の違いがあり上手く連帯出来ない場面など、フェミニズムの視点からも読めるんだろうと思いました。 川上未映子さんの小説は乳と卵ぶりだったけど、もう少し尖った文章を書かれる印象でした。今回この作品を読んでみて、表現の美しさを残しながらも詩的になりすぎない、物語がすっと入ってくる書き方がとても読みやすいと思いました。 テーマ性や文章表現など、とても興味深く、面白く読めました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
緊張を紛らわすために、アルコールに頼る主人公が危うくて、ハラハラした。 鬱々とした描写が続くので読んでいて少し疲労感。 流れるような文章はとても綺麗で読みやすい。比喩表現も素敵で印象に残った。
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結婚する幸せ、子供を産んで母親になる幸せ、自分のしたい仕事を思う存分出来ることの幸せ、好きな人と好きなことを共有する幸せ、幸せのカタチは人それぞれで、それは押し付けるものでもなんでもないなぁと改めて感じた。 自分はSNS等で押し付けないようにしたいな...
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川上未映子の小説を図書館で見つけて初めて読んだ。言葉がすごくきれいで奥深くそれでいて少し不思議さも感じる深い文章を感じる。良いなと思った文章は思わず2度読みして、意味をイメージしてもう一度感じてみるの繰り返しが多かった。 話は中高年男性に恋をしてしまう30代女性の話。 自分の弱...
川上未映子の小説を図書館で見つけて初めて読んだ。言葉がすごくきれいで奥深くそれでいて少し不思議さも感じる深い文章を感じる。良いなと思った文章は思わず2度読みして、意味をイメージしてもう一度感じてみるの繰り返しが多かった。 話は中高年男性に恋をしてしまう30代女性の話。 自分の弱さや苦しさなどの心情表現が深い。 今まで何も自分に自信が持てなかった女性が恋をきっかけに少し強くなり、ちょっとだけ自分の意志で何かができるようになって物語が終わる。 川上未映子の作風の雰囲気が味わえた作品だった。他の作品も機会を見て読んでみたい。
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なんとも切ない。ハシゴを最後の最後で外されたような。冒頭で結末は語られていたといえばそれまでだが。確かに明らかに教師のタイムテーブルではなかった。 聖の台詞はいちいちカリスマ的だった。ハッキリモノを言う美点(?)と他人の「なんでわからないのかがわからない」欠点(?)がないまぜに...
なんとも切ない。ハシゴを最後の最後で外されたような。冒頭で結末は語られていたといえばそれまでだが。確かに明らかに教師のタイムテーブルではなかった。 聖の台詞はいちいちカリスマ的だった。ハッキリモノを言う美点(?)と他人の「なんでわからないのかがわからない」欠点(?)がないまぜになって、作品の中でも華のある人物だと思う。 「家に帰ってから恭子さんからもらった包みを取りだして開けてみると、それは聖からもらったのとまったくおなじ香水だった。」 これをどう解釈するか。とても難しい。 主人公の三束さん以外の人物に対しての印象はあまり直接的には描かれていない。事実としてそうだった。だから何なのか。主人公自身もよく解っていないのかもしれない。
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真夜中という限られていて、作り込まれただけの空間で、一生懸命、作られただけの”光”を探している。でもその光のことさえ知らないんだよね。社会に出るのは自傷行為ともいえるのでは?と思ったほど、丁寧ながらに鋭い描写だった。失恋したくなければ恋愛はしなければいい。ただ、恋愛という概念が存...
真夜中という限られていて、作り込まれただけの空間で、一生懸命、作られただけの”光”を探している。でもその光のことさえ知らないんだよね。社会に出るのは自傷行為ともいえるのでは?と思ったほど、丁寧ながらに鋭い描写だった。失恋したくなければ恋愛はしなければいい。ただ、恋愛という概念が存在する世界で、好きになることや、失恋した時の感情すら知らないと、なんだか損かもしれない。いくら校閲したところでそこに完璧な恋愛はないけれど。私は、誰なのか思い出せないクラスの一人にすらなれないなと思うと、描写されたあの子は幸せだ。
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