すべて真夜中の恋人たち の商品レビュー
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平日はとても過ごしにくいのに、休日はすごしやすいな、と最近感じていて、平日は比喩ではなく、息が詰まって苦しくなる。でも休日は頭がぼんやりしていても、どもっても、誰にも叱られないし、過ごしやすいなと思っていたけど、それは迎え酒に始まり、一日中お酒を飲んでいるからかもしれない。 主人公の友人の「聖」という人物の口調が、村上春樹のノルウェイの森の「緑」に似ていた。ある種の傲慢さにはうんざりしているんだよ、といった表現も似ていると感じた。夢の中の性行為で、自分と友人が入れ替わるところは色彩のない色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年や、ねじまき鳥クロニクルに似ていると思った。 パクっているといっているわけではなく、同じような状況を描いても、いろいろな小説で、いろいろな表現があり、それがまた、私の世界に奥行を与える。 村上春樹の小説に出てくる、バンバンいろいろなことが決められちゃう女の子(パン屋再襲撃の「妻」や緑ちゃん)に、戸惑いを感じるように、主人公も戸惑いを感じ、ある種の傲慢さといった理解できるか理解できないのか、はたまた理解されることを求めているのかどうかもわからない表現に、振り回される。 といった点に共感した。主体がないことと、主体がないように見えることは違っていて、主人公はほかの人に指摘されるように主体がないわけではない、あなたの前で出す必要を感じてないだけ、と、主人公に代わって伝えたいと思う私も、主人公の主体を認めていないのかもしれない。
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(レビュー・感想というより、読むに至った経緯) 平台に置かれているのを発見。題名に惹かれて読むに至る。 "選ぶこと"をしなかった主人公が、 恋したおかげ(?)で自分の道を進みだすお話。 切ないけれどそれも恋。 愛していたら、なんでも、よかったんだろうか。...
(レビュー・感想というより、読むに至った経緯) 平台に置かれているのを発見。題名に惹かれて読むに至る。 "選ぶこと"をしなかった主人公が、 恋したおかげ(?)で自分の道を進みだすお話。 切ないけれどそれも恋。 愛していたら、なんでも、よかったんだろうか。 例え相手が嘘をついていたとしても。
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途中まではまぁ普通だったのに、最後らへんたたみかけるように変わっていくのがすごくて固まってた。ひらがなと漢字のバランスがすてき。
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ゆっくり読み終えた話でした。 仕事してお酒飲んで…昼間から飲んで。 自分もある時期そんな生活をしてた時を思い出しました。悪い事ではないと思う、 そうでもしてないと自分をコントロールできず。 今はすっかり生活に慣れ、冬子さんと重なった部分に共感した話でした☆
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今日本屋で買ってきたのだが、すでに以前図書館で借りて読んでいた…。 その時のレビューはこちら。 http://booklog.jp/users/leepon/archives/1/4062172860 読みながら、静かに泣いた。 三束さん、と冬子が呼ぶたびに心がきゅっと絞られた。 ふたりは、光のことについて真剣にしゃべる。 そこだけが照らされているような。 忘れられていく日々の、確かな愛しさ。
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意外にストレートな恋愛小説だった。 短編ではけっこう変わった小説を書いている印象があったので、普通っぽさに驚いたw ややたどたどしい印象の文体が、主人公の性格に合っていたように思う。
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